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施工計画書のチェックリスト|記載事項16項目と提出前の確認15項目

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施工計画書のチェックリスト|記載事項16項目と提出前の確認15項目

施工計画書のチェックは、まず国土交通省の「土木工事共通仕様書(案)」1-1-1-6 が定める記載事項16項目(工事概要、計画工程表、現場組織表、指定機械、主要船舶・機械、主要資材、施工方法、施工管理計画、安全管理、緊急時の体制及び対応、交通管理、環境対策、現場作業環境の整備、再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法、法定休日・所定休日、その他)が全てそろっているかを確かめ、次に契約書・特記仕様書・設計図書との食い違いがないかを確かめる、の2段階で行います。 施工計画書は工事着手前または施工方法が確定した時期に監督職員に提出し、受注者は施工計画書を遵守して施工しなければなりません。

本記事では、16項目の記載事項チェック表と、提出前に確かめる15項目のチェックリストを、根拠となる共通仕様書・建設業法の規定とあわせて紹介します。

施工計画書の提出に関する共通仕様書の規定

項目共通仕様書 1-1-1-6 の規定
提出時期工事着手前または施工方法が確定した時期に、監督職員に提出する
遵守受注者は施工計画書を遵守し工事の施工にあたる
記載事項下の16項目。監督職員がその他の項目について補足を求めた場合は追記する
省略維持工事等の簡易な工事では、監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略できる
変更施工計画書内容に重要な変更が生じた場合(工期や数量等の軽微な変更は除く)は、その都度、当該工事に着手する前に提出する
詳細施工計画書監督職員が指示した事項について、さらに詳細な施工計画書を提出する

地方公共団体の工事では、その団体の共通仕様書・特記仕様書の規定が適用されます。記載事項の名称や順番が異なる場合は、発注者の仕様書に合わせてください。

チェック1:記載事項16項目がそろっているか

共通仕様書 1-1-1-6 の16項目に、「何が書けていればよいか」の確認ポイントを添えたチェック表です。

No.記載事項確認ポイント
(1)工事概要工事名・工事場所・工期・主要な数量が契約書と一致しているか
(2)計画工程表準備工から後片付けまでの全工種があり、工期内に収まっているか
(3)現場組織表現場代理人・主任技術者又は監理技術者・各担当者の氏名があり、施工体制台帳・施工体系図と矛盾しないか
(4)指定機械設計図書で指定された機械を記載しているか
(5)主要船舶・機械工種ごとに使う機械の機種・規格を記載しているか
(6)主要資材設計図書で指定された材料・規格と一致しているか
(7)施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)工種ごとの施工手順、仮設備計画、工事用地が書かれているか
(8)施工管理計画品質管理・出来形管理・写真管理の項目と頻度、施工管理担当者が書かれているか
(9)安全管理現場固有の危険に対する対策が書かれているか
(10)緊急時の体制及び対応連絡体制・連絡先・最寄りの医療機関が最新か
(11)交通管理規制方法・誘導員の配置・道路管理者等との協議内容が書かれているか
(12)環境対策騒音・振動・水質等の対策と、設計図書の条件が反映されているか
(13)現場作業環境の整備休憩所・トイレなど作業環境の整備内容が書かれているか
(14)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法再生資材の利用と、建設副産物の処理方法・処分先が書かれているか
(15)法定休日・所定休日(週休二日の導入)休日の設定が書かれているか。週休二日の取組は監督職員に報告する(共通仕様書 1-1-1-29)
(16)その他監督職員が補足を求めた事項を追記したか

16項目それぞれの書き方は土木工事の施工計画書 完全作成ガイド、(8)施工管理計画の書き方は施工計画書の品質管理計画の書き方で解説しています。

チェック2:提出前に確かめる15項目

16項目がそろったら、中身の正確さと整合を確かめます。

No.チェック項目確認内容
1工事概要の正確性工事名・場所・工期・数量が契約書(変更契約書)と一致しているか
2特記仕様書との整合性特記仕様書の要求事項が全て反映されているか
3施工体制の適格性技術者の資格・専任要件を満たし、施工体制台帳と一致しているか
4工程の実現性天候・出水期・養生期間・資材の調達期間を見込んだ工程か
5施工方法の具体性工種ごとの施工手順・使用機械・段階確認の時期が具体的か
6施工管理計画の網羅性全工種の品質管理・出来形管理の項目、規格値、頻度が書かれているか
7安全対策の適切性現場固有のリスクに対応した安全対策か
8交通管理計画の完備規制図、誘導員の配置、道路管理者・警察との協議内容があるか
9環境対策の具体性騒音・振動・水質等の対策と管理方法が書かれているか
10仮設計画の妥当性土留め・排水・仮設道路などの計画が現場条件に合っているか
11緊急連絡体制の最新性連絡先・医療機関・所轄の労働基準監督署が正しいか
12図面と本文の整合性本文と添付図面に食い違いがないか
13数量の整合性設計図書(変更後を含む)の数量と一致しているか
14固有名詞の誤字発注者名・地名・路線名・河川名に誤りがないか
15様式・体裁発注者指定の様式か、目次とページが対応しているか
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各チェック項目のポイント

1. 工事概要の正確性

契約書(または変更契約書)と照合し、次の項目が一致していることを確認します。

  • 工事名称(契約書と一字一句同じか)
  • 工事場所(地名・地番の表記)
  • 工期(着手日と完了日)
  • 主要な数量(延長・面積・体積等)

過去の工事の施工計画書を流用する場合は、前の工事の情報が残っていないかを必ず確認してください。

2. 特記仕様書との整合性

特記仕様書は、共通仕様書に対してその工事特有の追加・変更を定めた書類です。契約図面・特記仕様書・工事数量総括表に記載された事項は共通仕様書に優先するため(共通仕様書 1-1-1-1 第3項)、施工計画書に全て反映されているかを確認します。見落としやすいのは次のような点です。

  • 品質管理の試験項目・頻度が共通仕様書や施工管理基準と異なる指定
  • 環境対策で特別な措置が指定されている
  • 使用材料の条件(規格・指定の材料など)
  • 施工時期・施工時間の制約

3. 施工体制の適格性

現場に配置する技術者が要件を満たしているかを確認します。

確認項目確認内容根拠
主任技術者・監理技術者工事に対応する資格(土木施工管理技士等)を持つか。発注者から直接請け負い、下請代金の総額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上なら監理技術者建設業法第26条第1項・第2項、施行令第2条
専任要件公共工事など一定の工事で、請負代金の額が4,500万円(建築一式9,000万円)以上なら工事現場ごとに専任建設業法第26条第3項、施行令第27条
専任の例外請負代金の額が1億円(建築一式2億円)未満で、移動時間・連絡方法や情報通信技術の措置などの要件を満たす場合は2現場まで兼務可。監理技術者補佐を専任で置く場合の特例もある建設業法第26条第3項ただし書、施行令第28条・第30条
現場組織表との一致現場組織表・施工体制台帳・施工体系図で技術者名が一致しているか共通仕様書 1-1-1-13
発注者の要件入札公告・特記仕様書で求められた資格・経験を満たしているか入札公告・特記仕様書

専任要件の金額は令和7年2月1日に4,000万円から4,500万円に改正されています。施工体制台帳の作成義務と金額の詳細は施工体制台帳の書き方と作成義務を参照してください。

4. 工程の実現性

雨天を見込まない工程は、現場で守れず変更が繰り返される原因になります。次の点を確認します。

  • 雨天などの作業不能日を見込んでいるか(地域の気象データに基づく)
  • コンクリートの養生期間を工程に反映しているか
  • 河川工事では出水期を考慮しているか(河川工事の施工計画書)
  • 資材の調達期間を考慮しているか
  • 準備工・後片付けの期間を含んでいるか
  • 法定休日・所定休日(週休二日)と矛盾していないか

5. 施工方法の具体性

「適切に施工する」「所定の方法で行う」といった書き方では、何をするのかが伝わりません。

  • 使用機械は機種と規格(例:バックホウの容量の級)まで書く
  • 施工フロー図で作業手順を示す
  • 工種ごとの施工上の留意点を書く
  • 段階確認の時期を書く

6. 施工管理計画の網羅性

受注者は、施工計画書に示した作業手順に従って施工し、品質・出来形が設計図書に適合するよう施工管理をしなければなりません(共通仕様書 1-1-1-27)。全工種について、国土交通省の「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」と特記仕様書に基づく管理項目・規格値・頻度が書かれているかを確認します。管理項目が多いのは、たとえば次の工種です。

  • コンクリート工(スランプ、空気量、圧縮強度、塩化物総量、単位水量)
  • 舗装工(現場密度、温度、平坦性)
  • 土工(土の締固め試験、現場密度)

規格値・試験頻度は施工計画書の品質管理計画の書き方やコンクリートの品質管理にまとめています。数値は必ず発注者の設計図書・特記仕様書と、最新の施工管理基準で確認してください。

7. 安全対策の適切性

テンプレートの安全対策をそのまま使わず、その現場固有のリスクに対応しているかを確認します。

  • 掘削が深い → 土砂崩壊の防止対策は十分か
  • 道路に近接 → 交通事故の防止対策は十分か
  • 河川に近接 → 出水時の退避計画はあるか
  • 高所作業がある → 墜落防止対策は十分か

8〜10. 交通管理・環境対策・仮設計画

それぞれの書き方は個別の記事で解説しています。

11. 緊急連絡体制の最新性

前の工事の連絡先がそのまま残りやすい項目です。

  • 現場代理人・主任技術者等の連絡先は最新か
  • 最寄りの救急医療機関は正しいか(前の工事の場所の病院になっていないか)
  • 発注者の監督職員の連絡先は正しいか
  • 所轄の労働基準監督署は正しいか

12. 図面と本文の整合性

本文で「鋼矢板IV型」と書いているのに図面では「III型」になっている、といった食い違いがないか確認します。

  • 施工方法の記載と施工フロー図
  • 施工管理計画の管理項目と設計図書
  • 交通管理の記載と規制図

13〜15. 数量・誤字・様式

  • 数量が設計図書と一致しているか(設計変更があれば変更後の数量)
  • 発注者名・自治体名・路線名に誤字がないか
  • 表紙・様式は発注者の指定どおりか、目次とページ番号は対応しているか

提出後に内容が変わったら

施工計画書の内容に重要な変更が生じた場合は、その都度、当該工事に着手する前に変更施工計画書を提出します(工期や数量等の軽微な変更は除く)。どんな変更が対象になるかは変更施工計画書の書き方で整理しています。

チェック体制のすすめ

作成者以外の目で確認すると、記載漏れや前工事の情報の残りに気づきやすくなります。

チェック体制内容
セルフチェック作成者が上の16項目表と15項目表で確認する
クロスチェック別の技術者が契約書・特記仕様書・設計図書と照合する
上司チェック経験のある上司が、安全・品質・工程の考え方を最終確認する

よくある質問

Q. 施工計画書の記載事項は何項目ですか。 A. 国土交通省の土木工事共通仕様書 1-1-1-6 では16項目(工事概要、計画工程表、現場組織表、指定機械、主要船舶・機械、主要資材、施工方法、施工管理計画、安全管理、緊急時の体制及び対応、交通管理、環境対策、現場作業環境の整備、再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法、法定休日・所定休日、その他)です。

Q. 施工計画書はいつ提出しますか。 A. 工事着手前または施工方法が確定した時期に、監督職員に提出します(共通仕様書 1-1-1-6)。

Q. 小さな工事でも16項目すべて書く必要がありますか。 A. 維持工事等の簡易な工事では、監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略できます。省略する項目は事前に監督職員と確認してください。

Q. 主任技術者の専任が必要になる金額はいくらですか。 A. 公共工事など建設業法施行令第27条に当たる工事で、請負代金の額が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上の場合です(令和7年2月1日以降)。一定の要件を満たす場合の兼務の特例もあります。

Q. 施工計画書を出した後に工法が変わったらどうしますか。 A. 重要な変更であれば、その工事に着手する前に変更施工計画書を監督職員に提出します。

まとめ

  • 施工計画書のチェックは「16項目がそろっているか」と「契約書・特記仕様書・設計図書と食い違いがないか」の2段階で行う
  • 16項目は共通仕様書 1-1-1-6 の規定。簡易な工事は監督職員の承諾で一部省略できる
  • 技術者の要件は建設業法第26条と施行令で確認する(専任は4,500万円以上、令和7年2月改正)
  • 規格値・頻度などの数値は、発注者の設計図書・特記仕様書と最新の施工管理基準で確認する

出典・参考

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