土木工事 業務改善Navi
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環境保全計画書の書き方|騒音・振動規制法の基準と土木の対策

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環境保全計画書の書き方|騒音・振動規制法の基準と土木の対策

環境保全計画書は、施工計画書の「環境対策」の項目として、騒音・振動・水質汚濁・粉じん・建設副産物などの影響をどう抑えるかを書く計画です。 騒音規制法・振動規制法の指定地域で特定建設作業(くい打機・バックホウ等、著しい騒音・振動を出す作業として法令で定められた作業)を行う場合は、敷地境界で騒音85デシベル・振動75デシベルを超えないこと、第1号区域は午後7時〜翌午前7時、第2号区域は午後10時〜翌午前6時に作業しないこと、1日10時間(第2号区域は14時間)以内、連続6日以内、日曜・休日は作業しないことが基準で、作業開始の7日前までに市町村長へ届け出ます。

計画書には、この法令基準と、使う機械・対策・測定方法・苦情対応を対応づけて書きます。国の工事では、土木工事共通仕様書が施工計画書の記載事項として「環境対策」と「再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法」を挙げているため、発注者の特記仕様書とあわせて確認してください。

環境保全計画書とは(施工計画書のどこに書くか)

国土交通省「土木工事共通仕様書(案)」1-1-1-6 施工計画書は、施工計画書に記載する事項として、工事概要・計画工程表・施工方法などと並んで「(12)環境対策」「(14)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法」を挙げています。環境保全計画書は、この2項目を中心に、現場の環境への影響と対策をまとめたものです。

同じく1-1-1-35 環境対策では、受注者は「建設工事に伴う騒音振動対策技術指針」、関連法令、仕様書の規定を守り、騒音・振動・大気汚染・水質汚濁などの問題を施工計画と工事の各段階で十分に検討し、周辺地域の環境保全に努めることとされています。また、環境への影響が予知・発生した場合は直ちに応急措置を講じて監督職員に連絡し、第三者からの苦情には誠意をもって対応し、交渉内容は文書で取り交わすなど明確にして監督職員に報告することも定められています。

環境保全計画で扱う項目と関係法令(一覧)

環境項目主な関係法令・基準計画書に書く主な対策
騒音騒音規制法(特定建設作業)、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針低騒音型建設機械の使用、防音シート・防音パネル、作業時間の管理、騒音測定
振動振動規制法(特定建設作業)、同指針低振動型建設機械の使用、工法の選定、振動測定、家屋調査
水質汚濁河川法・下水道法の手続き、共通仕様書 3-2-10-18 汚濁防止工沈砂池・濁水処理、汚濁防止フェンス、放流先管理者への届出・許可
大気(粉じん・排出ガス)共通仕様書 3-2-10-17 防塵対策工、1-1-1-35 排出ガス対策型建設機械散水、路面清掃、タイヤ洗浄、排出ガス対策型建設機械の使用
建設副産物建設リサイクル法、廃棄物処理法、資源有効利用促進法、共通仕様書 1-1-1-22分別解体、再資源化、マニフェスト、再生資源利用(促進)計画
土壌汚染土壌汚染対策法発注者等が行った手続きの状況確認、汚染土の取扱い
地盤沈下・地下水共通仕様書 1-1-1-35(注意義務)地下水位・周辺地盤の観測、損害が生じた場合の判断資料の提出

騒音規制法・振動規制法の基準(特定建設作業)

規制基準の早見表(騒音・振動)

指定地域内で特定建設作業を行う場合の基準です。騒音は「特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準」(環境省告示)、振動は振動規制法施行規則 別表第一で定められています。

規制の種類第1号区域第2号区域
騒音の大きさ敷地の境界線で85デシベルを超えないこと同じ(85デシベル)
振動の大きさ敷地の境界線で75デシベルを超えないこと同じ(75デシベル)
作業しない時間帯午後7時〜翌日午前7時午後10時〜翌日午前6時
1日の作業時間10時間以内14時間以内
作業期間同じ場所で連続6日以内同じ(連続6日以内)
作業日日曜日その他の休日に行わない同じ
  • 第1号区域:良好な住居の環境を保全するため特に静穏の保持を必要とする区域、住居の用に供されているため静穏の保持を必要とする区域などのほか、学校・保育所・病院・患者の収容施設を有する診療所・図書館・特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80mの区域(振動規制法パンフレットの区分)
  • 第2号区域:指定地域のうち第1号区域以外の区域
  • 災害その他非常の事態で緊急に行う必要がある場合、人の生命・身体の危険を防止するため特に必要な場合などは、時間帯・作業日などの基準が適用されない例外があります。夜間・休日については、鉄道の正常な運行の確保や、道路占用許可・道路使用許可に夜間・休日に行う条件が付された場合なども例外とされています。

具体的な指定地域と区域の線引きは市町村が定めるため、現場所在地の市町村の環境担当課で確認します。

特定建設作業に該当する作業(土木工事でよく出るもの)

区分特定建設作業(環境省パンフレットより)
騒音くい打機(もんけんを除く)・くい抜機・くい打くい抜機(圧入式を除く)を使用する作業(くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く)
騒音びょう打機を使用する作業
騒音さく岩機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業は、1日の2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る)
騒音空気圧縮機(電動機以外の原動機で定格出力15kW以上)を使用する作業(さく岩機の動力として使う作業を除く)
騒音コンクリートプラント(混練容量0.45㎥以上)・アスファルトプラント(混練重量200kg以上)を設けて行う作業(モルタル製造用のコンクリートプラントを除く)
騒音バックホウ(定格出力80kW以上)、トラクターショベル(同70kW以上)、ブルドーザー(同40kW以上)を使用する作業(いずれも環境大臣が指定する低騒音のものを除く)
振動くい打機(もんけん・圧入式を除く)、くい抜機(油圧式を除く)、くい打くい抜機(圧入式を除く)を使用する作業
振動鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業
振動舗装版破砕機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業は、1日の2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る)
振動ブレーカー(手持式を除く)を使用する作業(同上)

特定建設作業の届出(7日前まで)

騒音規制法第14条・振動規制法第14条により、指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、特定建設作業の開始の日の7日前までに市町村長へ届け出ます。届出事項は、氏名・住所、建設工事の目的に係る施設・工作物の種類、特定建設作業の場所と実施期間(振動は種類と作業時間も)、騒音(振動)の防止の方法などで、作業場所付近の見取図などを添付します。災害などで緊急に行う場合は、事後に速やかに届け出ます。

届出をしない・虚偽の届出をした場合の罰則は、騒音規制法が3万円以下の罰金(第31条)、振動規制法が10万円以下の罰金(第26条)です。また、基準に適合せず周辺の生活環境が著しく損なわれると認められるときは、市町村長が防止方法の改善や作業時間の変更を勧告・命令できます(各法第15条)。

騒音・振動対策の書き方

対策計画書に書く内容根拠・確認先
低騒音型・低振動型建設機械の使用使う機械の機種・規格と指定の有無「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程」(国土交通省告示)。設計図書で使用を義務付けている場合は指定機械を使う(共通仕様書 1-1-1-35)
排出ガス対策型建設機械の使用バックホウ・ブルドーザ・発動発電機等の対策型の区分共通仕様書 1-1-1-35 表1-1-1
防音シート・防音パネル設置範囲・高さ・設置時期設計図書・監督職員との協議
作業時間の管理区域区分に応じた作業時間帯・1日の作業時間・休工日上の早見表
工法の選定打撃式から圧入式・中掘り式など騒音・振動の小さい工法の検討設計図書・技術指針
騒音・振動の測定測定位置(敷地境界)、測定時期、記録方法発注者の特記仕様書
家屋調査近接家屋の事前・事後調査の範囲設計図書・監督職員との協議

対策の効果(何デシベル下がるか)は、機械・距離・地形で大きく変わります。数値を書く場合は、メーカーの公表値や現場での測定結果など根拠を示せるものだけにしてください。

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水質汚濁防止対策の書き方

河川・水路の近くや水中の工事では、濁水対策が環境保全計画の中心になります。土木工事共通仕様書 3-2-10-18 汚濁防止工では、汚濁防止フェンスの設置・撤去時期と施工方法を工事着手前に検討すること、河川や下水道へ排水する場合で設計図書に明示がないときは施工前に河川法・下水道法に基づき管理者へ届出または許可を受けること、濁水は関係法令等に従い濁りの除去等の処理をしてから放流することが定められています。

主な水質汚濁防止対策

対策内容適用場面
仮設沈砂池濁水を池に導き、土砂を沈殿させてから放流する土工事全般
濁水処理装置凝集剤などで濁りを除去する放流先の条件が厳しい場合
仮締切施工区域を囲い、河川水との接触を防ぐ河川内の作業(仮締切工法)
汚濁防止フェンス濁りの拡散を防ぐカーテン状のフェンス海域・湖沼・河川での作業
オイルフェンス・吸着材油の流出を防ぐ水辺での重機作業

放流水の管理値の決め方

放流水の管理値(濁度・SS・pHなど)は、工事ごとに発注者の特記仕様書、放流先の河川・下水道管理者との協議、自治体の条例で決まります。全国一律の値はないため、計画書には「どの基準を、どこで、どの頻度で測るか」を書きます。

管理項目参考になる公的基準計画書に書くこと
pH(水素イオン濃度)水質汚濁防止法の一般排水基準:海域以外5.8以上8.6以下、海域5.0以上9.0以下(特定事業場の排出水に適用)管理値、測定位置、測定頻度、超えたときの処置(中和など)
SS(浮遊物質量)・濁度一般排水基準のSSは200mg/L(日間平均150mg/L)。工事の管理値は特記仕様書・放流先との協議で決める管理値、測定方法、記録様式
油分一般排水基準のノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類)は5mg/L目視確認、吸着材の配置

一般排水基準は、水質汚濁防止法の特定事業場(工場・事業場)からの排出水に適用される基準です。工事の濁水にそのまま適用されるとは限らないため、発注者の指定がない場合は監督職員と協議して管理値を決めてください。

粉じん・排出ガス対策の書き方

土木工事共通仕様書 3-2-10-17 防塵対策工では、工事車両が泥土・土砂を付着したまま工事区域外へ出るおそれがある場合はタイヤ洗浄装置等の設置について、工事用機械・車両の走行で砂塵の被害を第三者に及ぼすおそれがある場合は散水または路面清掃について、監督職員と協議することとされています。

対策内容適用場面
散水散水車などで路面・作業場所を湿らせる掘削・盛土・解体
路面清掃場内・出入口付近の路面の清掃公道に接する出入口
タイヤ洗浄出入口にタイヤ洗浄装置を設ける公道への土砂の持ち出し防止
シート掛け運搬車両の荷台をシートで覆うダンプトラックでの搬出
排出ガス対策型建設機械共通仕様書の対象機種は対策型を使う一般工事用・トンネル工事用の建設機械

建設副産物(廃棄物・残土)の書き方

共通仕様書 1-1-1-22 建設副産物では、産業廃棄物を搬出する工事でマニフェスト(産業廃棄物管理票)により適正処理を確かめて監督職員に提示すること、建設発生土・コンクリート塊・アスファルト・コンクリート塊などを搬出する場合は再生資源利用促進計画を作成して施工計画書に写しを添付すること、などが定められています。

建設リサイクル法では、土木工事など建築物以外の工作物の工事は請負代金500万円以上(税込)で対象建設工事となり、特定建設資材(コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)の分別解体等と再資源化が義務付けられます。

計画書に書く項目内容
発生量の見込み工種ごとのコンクリート塊・アスファルト塊・建設発生木材・建設発生土などの量
分別の方法現場での分別・保管の方法
搬出先再資源化施設・処分場の名称・所在地、許可の状況
マニフェスト紙マニフェストか電子マニフェストか、確認の手順
再生資源利用(促進)計画作成の要否、提出・掲示
再資源化の目標発注者が指定する場合はその値

届出の手続きは建設リサイクル法の届出と分別解体、残土の搬出先と手続きは残土処理計画書の書き方で詳しく解説しています。

近隣対策・苦情対応の記載

  • 事前の周知:着工前の工事説明、工事予定表の掲示。騒音・振動の大きい作業日は事前に知らせる
  • 苦情対応窓口:現場代理人などの連絡先を掲示し、受付から報告までの流れを決める
  • 記録と報告:苦情の内容と対応、交渉の内容を文書で残し、監督職員に報告する(共通仕様書 1-1-1-35)
  • 家屋調査:振動の影響が懸念される場合、着工前に近接家屋の状況を記録しておく

現場用:環境保全計画書の作成チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、法令と共通仕様書の規定を「計画書を作る順番」に並べたものです。

段階確認すること根拠
計画前現場が騒音規制法・振動規制法の指定地域か、第1号区域か第2号区域か市町村の指定
計画前使う機械・作業が特定建設作業に該当するか騒音規制法・振動規制法の政令
計画前設計図書で低騒音型・低振動型・排出ガス対策型の使用が義務付けられているか共通仕様書 1-1-1-35
計画時作業時間帯・1日の作業時間・連続日数・休日の計画が基準に合っているか告示・施行規則 別表第一
計画時敷地境界での騒音・振動の測定位置と頻度を決めたか特記仕様書
計画時排水先(河川・下水道)の管理者への届出・許可が必要か共通仕様書 3-2-10-18
計画時放流水の管理値と測定方法を決めたか特記仕様書・放流先との協議
計画時タイヤ洗浄・散水の要否を監督職員と協議したか共通仕様書 3-2-10-17
計画時建設リサイクル法の対象工事か(工作物は請負代金500万円以上)建設リサイクル法施行令第2条
着手7日前まで特定建設作業の届出を市町村長に出したか騒音規制法・振動規制法 第14条
着手7日前まで建設リサイクル法の届出(発注者)または通知(国・地方公共団体)が済んでいるか建設リサイクル法第10条・第11条
施工中苦情の受付と記録、監督職員への報告の流れが決まっているか共通仕様書 1-1-1-35

よくある質問

Q. 環境保全計画書には何を書けばよいですか。 A. 騒音・振動・水質汚濁・粉じん・建設副産物などの項目ごとに、関係法令の基準、使う機械と対策、測定・確認の方法、苦情対応を書きます。国の工事では共通仕様書が施工計画書の記載事項として「環境対策」と「再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法」を挙げています。

Q. 騒音規制法の特定建設作業の基準値は何デシベルですか。 A. 敷地の境界線で85デシベルを超えないことです。振動規制法の特定建設作業は75デシベルです。あわせて、作業時間帯(第1号区域は午後7時〜翌午前7時、第2号区域は午後10時〜翌午前6時は作業しない)、1日の作業時間(10時間・14時間以内)、連続6日以内、日曜・休日の作業禁止が定められています。

Q. 特定建設作業の届出はいつまでに、どこへ出しますか。 A. 特定建設作業の開始の日の7日前までに、現場所在地の市町村長に届け出ます(騒音規制法・振動規制法 第14条)。

Q. バックホウを使うだけで特定建設作業になりますか。 A. 騒音規制法では、原動機の定格出力80kW以上のバックホウ(環境大臣が指定する低騒音のものを除く)を使う作業が特定建設作業です。80kW未満や指定された低騒音型は対象外です。

Q. 濁水の放流基準は何で決まりますか。 A. 発注者の特記仕様書、放流先の河川・下水道管理者との協議、自治体の条例で決まります。水質汚濁防止法の一般排水基準(pH5.8〜8.6など)は特定事業場の排出水の基準なので、工事の管理値は監督職員と確認してください。

まとめ

  • 環境保全計画書は、施工計画書の「環境対策」「建設副産物の適正処理方法」をまとめたもの
  • 特定建設作業の基準は、騒音85デシベル・振動75デシベル(敷地境界)、夜間・休日の作業禁止、1日10時間(第2号区域14時間)以内、連続6日以内。届出は作業開始の7日前までに市町村長へ
  • 水質汚濁・粉じんは共通仕様書の汚濁防止工・防塵対策工に沿って、管理値と協議事項を書く
  • 対策の効果や管理値は、根拠を示せるものだけを書き、無いものは特記仕様書と監督職員との協議で決める

施工計画書全体の書き方については、土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。

出典・参考

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