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施工計画書の説明と協議の進め方|提出・承諾・協議の違いと記録

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施工計画書の説明と協議の進め方|提出・承諾・協議の違いと記録

施工計画書は、国土交通省の土木工事共通仕様書(案)1-1-1-6 で、受注者が工事着手前または施工方法が確定した時期に監督職員へ「提出」すると定められた書類です。施工方法は受注者の責任で決めるもので、施工計画書は発注者の「承認」を受ける書類ではありません。 ただし、提出の場で内容を説明し、監督職員が補足や詳細な施工計画書を求めればそれに応え、設計図書で協議や承諾が必要とされている事項は、別に「協議」「承諾」として工事打合せ簿(受発注者がやり取りを記録する定型の書面)で書面化します。説明と協議を分けて準備し、決まったことを書面に残すことが、施工計画書の説明をうまく進めるコツです。

本記事では、提出・承諾・協議などの用語の違い、施工計画書の説明や協議が発生する場面、説明の準備と進め方、記録の残し方を、共通仕様書(令和8年3月版)と地方整備局の書類作成マニュアルに沿って整理します。条番号は版によって異なる(旧版では施工計画書が1-1-1-4や1-1-1-5)ため、契約で適用される版で確認してください。

施工計画書の説明とは何をする場か

共通仕様書は、施工計画書について次のように定めています。

規定内容(共通仕様書 1-1-1-6)
提出の時期工事着手前または施工方法が確定した時期に、監督職員に提出する
遵守受注者は施工計画書を遵守して施工する
補足監督職員がその他の項目について補足を求めた場合は追記する
簡易な工事維持工事等の簡易な工事では、監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略できる
変更施工計画書内容に重要な変更が生じた場合(工期や数量等の軽微な変更は除く)は、その都度、当該工事に着手する前に提出する
詳細施工計画書提出した際に監督職員が指示した事項について、さらに詳細な施工計画書を提出する

中国地方整備局と四国地方整備局の土木工事書類作成マニュアルは、施工計画書は受注者の責任において作成するもので、発注者が施工方法などを指定する(注文をつける)ものではないと説明しています。つまり施工計画書の説明は、承認を取りつける場ではなく、計画の意図を監督職員と共有し、補足や詳細計画の要否、協議・承諾が必要な事項、段階確認の予定などをすり合わせる場です。

「現場説明」との違い

契約用語の「現場説明」は、入札に参加する者に発注者が工事の契約条件などを説明することを指し、その書類を「現場説明書」といいます(共通仕様書 1-1-1-2)。現場説明書と現場説明に対する質問回答書は設計図書の一部です。受注者が契約後に施工計画書を監督職員へ説明する場とは別物なので、社内外の書類で言葉を混同しないよう注意してください。

提出・承諾・協議の違い(用語早見表)

施工計画書の説明で決まったことをどの形で残すかは、共通仕様書 1-1-1-2 の用語の定義で決まります。

用語定義(共通仕様書 1-1-1-2)施工計画書まわりでの使い方
指示監督職員が受注者に対し、施工上必要な事項を書面により示し、実施させること詳細施工計画書の提出指示など
承諾契約図書で明示した事項について、発注者・監督職員または受注者が書面により同意すること設計図書で承諾が必要とされている材料・方法など
協議書面により契約図書の協議事項について、発注者または監督職員と受注者が対等の立場で合議し、結論を得ること設計図書と現場が合わない場合の対応など
提出工事に係わる書面またはその他の資料を説明し、差し出すこと施工計画書・変更施工計画書
提示工事に係わる書面またはその他の資料を示し、説明すること提示とされた資料。工事打合せ簿は作成不要(中国地方整備局マニュアル)
報告受注者が監督職員に対し、工事の状況または結果について書面により知らせること事故、苦情、施工中の異常の発見など
通知発注者・監督職員と受注者・現場代理人の間で、施工に関する事項を書面により互いに知らせること現場条件の相違の通知など
連絡契約書第18条に該当しない事項や緊急の事項を、口頭・電子メールなどで互いに知らせること後日の書面による伝達は不要

「書面」とは、工事打合せ簿などの工事帳票をいい、情報共有システム(受発注者が書類を電子的にやり取りする仕組み)で指示・承諾・協議・提出・報告・通知が行われたものも有効です。施工計画書は「提出」する書類なので、説明の席で「承認をお願いします」ではなく「提出し、内容を説明します」と言い分けると、後で責任の所在がぶれません。

説明・協議が発生する場面

場面内容根拠
施工計画書の提出時計画の内容を説明する。補足を求められたら追記する共通仕様書 1-1-1-6 第1項
詳細施工計画書提出時に監督職員が指示した事項について、さらに詳細な計画を提出する同 第3項
段階確認・材料確認の打合せ施工計画書の提出を受けた工種について、段階確認や材料確認を行う工種・項目・時期・頻度を打合せる四国地方整備局 土木工事書類作成マニュアル
設計図書の照査施工前と施工途中に照査し、契約書第18条第1項第1号〜第5号に当たる事実があれば、確認できる資料を提出して確認を求める共通仕様書 1-1-1-3
三者会議など設計者・受注者・発注者が一堂に会して設計思想を伝え、情報を共有する会議を、設計図書の照査の後などに開く共通仕様書 1-1-1-14(詳細は特記仕様書)
変更施工計画書重要な変更が生じたとき、その工事に着手する前に提出する共通仕様書 1-1-1-6 第2項
工期変更の協議変更日数の算出根拠、変更工程表などを添えて協議する共通仕様書 1-1-1-19

施工計画書は、当面の工事着手に必要な項目だけを作成・提出し、残りの工種は着手前に変更施工計画書として逐次提出してよいとする運用もあります(中国地方整備局マニュアル)。特記仕様書で工種ごとの提出が認められていれば、その都度説明の場を設けることになります。変更施工計画書が必要かどうかの判断は変更施工計画書の書き方と判断基準で詳しく解説しています。

説明の準備

(1) 施工計画書の記載事項を確認する

共通仕様書 1-1-1-6 は、施工計画書に次の事項を記載するよう定めています。説明の前に、抜けがないかをこの順で確認します。

No.記載事項説明で聞かれやすい点
1工事概要工事の目的、範囲、設計図書との対応
2計画工程表制約のある時期(出水期、交通規制の時間帯など)の扱い
3現場組織表現場代理人・監理技術者などの体制と連絡系統
4指定機械設計図書で指定された機械を使うか
5主要船舶・機械機種・規格の選定理由
6主要資材規格、品質証明、搬入時期
7施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)工法の選定理由、指定仮設か任意仮設か
8施工管理計画管理項目、測定頻度、規格値の根拠
9安全管理主な危険作業とその対策
10緊急時の体制及び対応連絡先、夜間・休日の対応
11交通管理規制の方法、関係機関との打合せ状況
12環境対策騒音・振動・粉塵・濁水の対策
13現場作業環境の整備休憩所・トイレなどの整備
14再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法再生資源利用計画などの添付
15法定休日・所定休日(週休二日の導入)休日の設定と工程との整合
16その他総合評価の技術提案の実施方法など

施工計画書の作成にあたっては、契約書と設計図書に指定されている事項(総合評価の技術提案を含む)を、軽微なものを除いて記載するよう地方整備局のマニュアルは求めています。総合評価で技術提案をした工事では、その実施方法を施工計画書に書き、説明でも触れてください。技術提案の書き方は技術提案書の書き方で解説しています。

(2) 説明資料を用意する

施工計画書そのものは分量が多いため、要点をまとめた資料があると説明が早く進みます。

資料の種類内容用途
説明用の概要工事概要、主要工種、工程の要点全体像の共有
施工フロー図各工種の施工手順施工方法の説明
施工体制図管理体制と責任者体制の説明
比較検討表工法や材料の比較選定理由の説明
現場写真・位置図現場条件現場状況の共有
協議・承諾事項の一覧設計図書で協議・承諾が必要とされている事項と、その予定時期打合せ簿の段取りの共有

(3) 想定質問への回答を準備する

よくある質問回答のポイント
なぜこの工法を選んだのか比較検討の根拠(品質、安全、工期、周辺への影響、費用)を示す
設計図書のどこに基づいているか共通仕様書・特記仕様書・図面の該当箇所を示す
安全対策は十分か危険作業ごとのリスクと対策を説明する
工程に遅れが出た場合の対応は遅れの兆しをどうつかみ、いつ報告・協議するかを説明する
近隣への影響はどう対応するか近隣への周知、苦情対応の体制を説明する
品質はどう確保するか管理項目、測定頻度、規格値を、施工管理基準などの根拠とともに説明する

品質管理計画の詳しい書き方は、品質管理計画の作成ガイドを参照してください。

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説明の進め方

ステップ(1):工事概要と体制

工事の目的と範囲、工期と主な節目、施工体制(現場代理人、監理技術者などの紹介)を簡潔に説明します。施工体制の書き方は施工体制台帳の作成ガイドも参照してください。

ステップ(2):施工方法

主要工種の施工手順を施工フロー図で示し、使用機械・材料と工法の選定理由を説明します。設計図書で施工方法が指定されている部分(指定)と、受注者に任されている部分(任意)を分けて説明すると、変更時の手続の違いも共有できます。

ステップ(3):品質・安全・環境

品質管理の主要項目と管理基準、安全管理体制と主な危険作業の対策、環境保全対策を説明します。

ステップ(4):工程

全体工程表で工事の流れ、工程上の重要な作業、制約条件(出水期、交通規制、年末年始など)への対応を説明します。

ステップ(5):質疑と今後の段取りの確認

  • 質問は最後まで聞いてから回答する
  • 即答できない質問は、確認して回答する期限を伝える
  • 追記・詳細施工計画書を求められた事項、協議・承諾が必要な事項、段階確認の予定を一覧にして双方で確認する

共通仕様書 1-1-1-4 は、監督職員と受注者の双方が「ワンデーレスポンス」(受注者からの質問・協議などに、1日あるいは適切な期限までに回答すること)に努めると定めています。回答の期限をその場で決めておくと、工程に影響が出にくくなります。

協議で押さえるべきポイント

根拠を示す

施工方法の選定理由、管理基準の設定根拠など、「なぜそうしたのか」を説明できるようにします。共通仕様書・特記仕様書・施工管理基準などの該当箇所を示せると説得力が増します。

「協議」と「承諾」を書き分ける

設計図書で「監督職員と協議」とされている事項と、「監督職員の承諾を得る」とされている事項は手続が違います。共通仕様書には、例えば掘削で出た材料を工事に使う場合、設計図書に明示がなければ、本体工事や指定仮設では監督職員と協議し、任意仮設では監督職員の承諾を得る、という書き分けがあります(1-1-1-22)。説明の場で話がまとまっても、それぞれ工事打合せ簿の「協議」「承諾」として書面にします。

口頭の指示は後日書面で確認する

公共工事標準請負契約約款第9条第4項は、監督員の指示または承諾は原則として書面により行うと定めています。共通仕様書 1-1-1-8 は、緊急を要する場合は口頭による指示等を行えるとしたうえで、口頭による指示等が行われた場合は、後日書面により監督職員と受注者の両者が指示内容等を確認するとしています。説明の席での口頭のやり取りも、必要なものは工事打合せ簿で確認してください。

協議記録を工事打合せ簿で残す

中国地方整備局のマニュアルは、工事打合せ簿を「発注者及び受注者が工事施工状況についてお互いに確認しあい、行き違いのないように記録しておく重要な書類」とし、各打合せ簿には必ず適用条文を記載すること、必要最小限の関係書類を添付することを求めています。協議では、理由、対応方針、数量、形状寸法、施工方法などを明確に書きます。

工事打合せ簿に書くことポイント
種別(指示・協議・承諾・提出・報告・通知)用語の定義に合わせて選ぶ
適用条文共通仕様書・特記仕様書・契約書の該当条項
件名・内容何について、どういう結論か
理由・対応方針協議では、理由、対応方針、数量、形状寸法、施工方法などを明確に
添付資料必要最小限にする
回答監督職員の回答(指示・承諾・協議結果)と日付

指摘を受けた場合・意見が合わない場合

指摘を受けた場合

(1) 指摘内容を正確に記録する

(2) 指摘の意図を確認する(何が問題なのかを正しく理解する)

(3) 修正方針と再提出の時期を伝える

(4) 修正した施工計画書を提出する。監督職員の指示で詳細な計画を求められた場合は、詳細施工計画書として提出する

意見が合わない場合

  • 技術的な根拠(共通仕様書、特記仕様書、基準書、試験結果)を示す
  • 代替案を示す
  • 設計図書と現場条件が合わないことが原因なら、契約書第18条に基づく通知と確認の請求として整理し、書面で協議する
  • 必要に応じて上席者を交えた協議や、三者会議などの場を使う

設計変更の協議の進め方と記録の残し方は、精算変更と設計変更協議の流れで解説しています。

説明後のフォローアップ

No.確認すること
1補足・追記を求められた事項を施工計画書に反映し、提出したか
2詳細施工計画書を指示された事項の提出時期を決めたか
3協議・承諾が必要な事項を工事打合せ簿で書面化したか(適用条文を記載したか)
4口頭で受けた指示を、後日書面で確認したか
5段階確認・材料確認の工種・項目・時期・頻度を打合せたか
6社内の関係者・協力会社に決定事項を共有したか
7総合評価の技術提案の実施方法が施工計画書に入っているか
8重要な変更が出たときに、着手前に変更施工計画書を出す運用を決めたか

よくある質問

Q. 施工計画書は発注者の承認が必要ですか。 A. 共通仕様書では、施工計画書は監督職員に「提出」する書類とされ、受注者の責任において作成するものです。ただし、監督職員が補足を求めれば追記し、詳細な施工計画書を指示されれば提出します。設計図書で承諾や協議が必要とされている事項は、別に工事打合せ簿で承諾・協議を行います。

Q. 施工計画書の説明は誰に、いつ行いますか。 A. 工事着手前または施工方法が確定した時期に、監督職員に提出する際に行います。工種ごとの提出が認められている場合は、その工種に着手する前に、変更施工計画書の場合は変更する工事に着手する前に行います。

Q. 協議で決まったことは、どう記録すればよいですか。 A. 工事打合せ簿に、種別(協議・承諾など)、適用条文、内容、理由・対応方針、回答を記載して書面化します。情報共有システムでやり取りしたものも書面として有効です。

Q. 監督職員から口頭で指示を受けた場合はどうしますか。 A. 共通仕様書では、緊急を要する場合に口頭の指示等が認められ、その場合は後日書面で監督職員と受注者の両者が内容を確認するとされています。工事打合せ簿で確認しておきます。

Q. 「現場説明」と施工計画書の説明は同じですか。 A. 違います。契約用語の現場説明は、入札に参加する者に発注者が契約条件などを説明することです。施工計画書の説明は、契約後に受注者が監督職員に行うものです。

まとめ

  • 施工計画書は、工事着手前または施工方法が確定した時期に監督職員へ「提出」する書類で、受注者の責任で作成する(共通仕様書 1-1-1-6)
  • 説明の場では、計画の意図の共有に加え、補足・詳細施工計画書の要否、協議・承諾事項、段階確認の予定をすり合わせる
  • 提出・承諾・協議などは用語の定義に沿って書き分け、工事打合せ簿で書面化し、適用条文を書く
  • 口頭の指示は後日書面で確認する。重要な変更は着手前に変更施工計画書を提出する

施工計画書の基本的な書き方については、施工計画書の完全作成ガイドで詳しく解説しています。

現場説明や発注者協議でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

出典・参考

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