施工計画書の写真管理計画の書き方|撮影一覧表の作成方法
写真管理計画とは
写真管理計画は、施工計画書の中で工事写真の撮影方針を定める項目です。どの工種で、いつ、何を、どのように撮影するかを計画的に決めておくことで、撮影漏れや検査時の不備を防ぎます。
土木工事では、出来形や品質を写真で証明する必要があるため、写真管理計画の作成は非常に重要です。
写真管理計画に記載すべき項目
写真管理計画には、以下の項目を記載します。
(1) 撮影計画の基本方針
写真撮影の基本的なルールを明記します。
- 使用するカメラの種類(デジタルカメラの画素数など)
- 写真のファイル形式(JPEG)
- 画像サイズ(100万画素以上を推奨)
- 黒板の記載ルール(電子小黒板の使用可否)
- 写真データの保管方法
(2) 撮影一覧表
工種ごとに撮影すべき項目、撮影頻度、撮影タイミングをまとめた一覧表を作成します。これが写真管理計画の核となる書類です。
撮影一覧表の作成方法
撮影一覧表は、各発注機関が定める「写真管理基準」に基づいて作成します。以下に代表的な工種の撮影項目を示します。
掘削工の撮影一覧表(例)
| 撮影項目 | 撮影時期 | 撮影頻度 | 撮影内容 |
|---|---|---|---|
| 着手前 | 施工前 | 1回 | 施工箇所の全景 |
| 床付け面 | 掘削完了時 | 40mに1回 | 床付け面の高さ・幅 |
| 法面勾配 | 掘削完了時 | 40mに1回 | 法面の勾配(勾配定規使用) |
| 基礎地盤 | 掘削完了時 | 各構造物ごと | 支持力確認の状況 |
| 埋戻し | 埋戻し時 | 各層ごと | 転圧状況、層厚の確認 |
| 完成 | 施工後 | 1回 | 完成状況の全景 |
コンクリート工の撮影一覧表(例)
| 撮影項目 | 撮影時期 | 撮影頻度 | 撮影内容 |
|---|---|---|---|
| 鉄筋組立 | 配筋完了時 | 各構造物ごと | 配筋状況(間隔、かぶり) |
| 型枠設置 | 型枠完了時 | 各構造物ごと | 型枠の設置状況 |
| コンクリート打設 | 打設時 | 各回ごと | 打設状況、バイブレーター使用状況 |
| 養生 | 養生時 | 各回ごと | 養生方法の確認 |
| 脱型 | 脱型後 | 各構造物ごと | コンクリート表面の仕上がり状況 |
| 出来形測定 | 脱型後 | 各構造物ごと | 寸法測定状況 |
舗装工の撮影一覧表(例)
| 撮影項目 | 撮影時期 | 撮影頻度 | 撮影内容 |
|---|---|---|---|
| 路盤整正 | 路盤完了時 | 80mに1回 | 路盤の高さ・幅・厚さ |
| プライムコート | 散布時 | 1回 | 散布状況 |
| 基層舗設 | 舗設時 | 80mに1回 | 舗設状況、温度管理 |
| 表層舗設 | 舗設時 | 80mに1回 | 舗設状況、温度管理 |
| コア採取 | 舗設後 | 各回ごと | コア採取状況、厚さ測定 |
写真撮影のポイント
黒板の記載ルール
工事写真に写し込む黒板(小黒板)には、以下の情報を記載します。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事名 | 正式な工事名称 |
| 工種 | 撮影対象の工種名 |
| 測定項目 | 幅、高さ、厚さなどの測定項目 |
| 設計値 | 設計図書に記載された設計値 |
| 実測値 | 実際の測定値 |
| 略図 | 測定位置を示す略図 |
電子小黒板(タブレット等)を使用する場合は、発注者の承認を得た上で、改ざん防止機能付きのアプリを使用します。工事写真アプリの選び方については、工事写真アプリの活用ガイドで詳しく解説しています。
撮影時の注意点
(1) 全景と詳細の両方を撮影する: まず施工箇所の全景を撮り、次に測定箇所の詳細を撮影します。
(2) 黒板は読みやすく: 黒板の文字が読み取れない写真は無効です。撮影後に画面で確認しましょう。
(3) 不可視部分は必ず撮影する: 埋戻しや被覆で見えなくなる部分(鉄筋、基礎地盤など)は、隠れる前に撮影します。
(4) 測定器具を写し込む: スケール、勾配定規、温度計などの測定器具が写真に写るようにします。
(5) 撮影位置を統一する: 同じ箇所の経過写真(施工前・施工中・施工後)は、できるだけ同じ位置から撮影します。
写真の整理・保管方法
フォルダ構成
撮影した写真は、工種ごとにフォルダを分けて整理します。
工事写真/
01_着手前/
02_掘削工/
01_床付け/
02_法面/
03_コンクリート工/
01_鉄筋組立/
02_型枠/
03_打設/
04_舗装工/
05_完成/
写真帳の作成
検査に向けて、撮影した写真を写真帳にまとめます。写真帳には以下の情報を記載します。
- 撮影年月日
- 工種・種別
- 撮影内容の説明
- 撮影位置(測点など)
電子納品への対応
電子納品が求められる場合は、写真管理ファイル(PHOTO.XML)の作成が必要です。デジタル写真管理情報基準に基づき、写真データとXMLファイルを整備します。電子納品の詳しい手順については、電子納品のガイドも参照してください。
撮影漏れを防ぐための工夫
撮影チェックリストの活用
撮影一覧表をもとに、日々の撮影チェックリストを作成します。撮影完了のチェック欄を設け、毎日の作業終了時に確認する習慣をつけましょう。
出来形管理との連携
写真管理計画は、出来形管理計画と密接に関連しています。出来形管理の測定項目と写真撮影の項目を対応させ、撮影漏れを防ぎましょう。出来形管理の詳しい方法は、出来形管理の解説記事を参照してください。
定期的な写真確認
週1回程度、撮影した写真を見返し、不備がないか確認します。黒板の記載ミスや撮影漏れは、早期に発見すれば再撮影が可能です。
まとめ
写真管理計画は、工事写真の撮影漏れや検査時の不備を防ぐために欠かせない計画です。撮影一覧表を作成し、計画的に写真撮影を進めることで、検査対応もスムーズになります。
施工計画書全体の作成方法については、施工計画書の完全作成ガイドで詳しく解説しています。
写真管理計画の作成でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
