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撮影計画書(写真管理計画)の書き方|撮影頻度の一覧表つき

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撮影計画書(写真管理計画)の書き方|撮影頻度の一覧表つき

撮影計画書(写真管理計画)とは、工事写真を「どの工種で・何を・いつ・どの頻度で」撮るかを、国土交通省の「写真管理基準(案)」の撮影箇所一覧表に沿って工事ごとに決めた計画です。 国の直轄工事では、着手前と完成を各1回、工事の進捗状況を月1回、出来形は工種ごとの頻度(例:掘削工の法長は200m又は1施工箇所に1回)で撮影するのが基準で、写真はカラー、有効画素数は小黒板の文字が判読できることを指標に100万〜300万画素程度とされています。計画は施工計画書の「施工管理計画」の中に書くのが一般的です。

本記事では、撮影計画書に書く項目、写真管理基準(案)令和8年3月版にもとづく撮影頻度の一覧表、小黒板の記載項目、電子小黒板と提出(電子納品)のルールを整理します。数値は末尾の「出典・参考」に挙げた公表資料で確認できるものに限っています。

撮影計画書(写真管理計画)とは

国の土木工事共通仕様書は、受注者が「写真管理基準により土木工事の工事写真による写真管理を行って、その記録及び関係書類を作成、保管し、工事完成時に監督職員へ提出しなければならない」と定めています(1-1-1-27 施工管理)。写真管理基準に定めのない工種や項目は、監督職員と協議して写真管理を行います。

撮影計画書(写真管理計画)は、この写真管理を漏れなく行うための計画で、施工計画書の記載事項「(8)施工管理計画」の中に、出来形管理・品質管理の計画とあわせて書くのが一般的です。「撮影計画書」という名前の独立した様式が国の基準で決められているわけではないため、発注者から書式の指定があればそちらに従います。

工事写真の分類

写真管理基準(案)は、工事写真を次のように分類しています。撮影計画書でも、この分類ごとに撮影項目を整理すると漏れが出にくくなります。

分類主な撮影対象
着手前及び完成写真全景又は代表部分(既済部分写真等を含む)
施工状況写真工事の進捗、工種ごとの施工状況、指定仮設、図面と現地の不一致
安全管理写真標識類・保安施設の設置状況、交通整理、安全訓練
使用材料写真形状寸法、使用数量、保管状況、品質証明、検査状況
品質管理写真試験・検査の実施状況(撮影箇所一覧表(品質管理)による)
出来形管理写真寸法の測定状況(撮影箇所一覧表(出来形管理)による)
災害写真・事故写真被災状況、事故の状況
その他公害、環境、補償等

撮影計画書に記載する項目

項目書く内容根拠
撮影の基本方針写真はカラー、有効画素数、小黒板の記載項目、電子小黒板の使用の有無写真管理基準(案)2-2、2-6
撮影一覧表工種・撮影項目・撮影頻度・撮影時期の一覧写真管理基準(案)撮影箇所一覧表
撮影の省略段階確認で臨場した箇所など、省略する写真の扱い写真管理基準(案)2-4
3次元計測を使う場合出来形管理要領による撮影頻度・方法写真管理基準(案)2-3
整理・提出の方法写真の整理方法、電子媒体への格納(フォルダ・ファイル名)デジタル写真管理情報基準
実施体制撮影担当者、日々の撮影確認の方法―

小黒板の記載項目

写真管理基準(案)は、次の項目のうち必要事項を記載した小黒板を、文字が判読できるよう被写体とともに写し込むとしています(2-2 撮影方法)。

記載項目内容の例
① 工事名契約書どおりの工事名
② 工種等撮影対象の工種・種別
③ 測点(位置)測点番号、撮影位置
④ 設計寸法設計図書に示された寸法
⑤ 実測寸法実際に測った寸法
⑥ 略図測定位置を示す略図

小黒板の判読が難しくなる場合は、デジタル写真管理情報基準に定める写真情報(写真管理項目の「施工管理値」)に必要事項を記入して整理します。

有効画素数と撮影の仕様

  • 写真はカラーとする
  • 有効画素数は小黒板の文字が判読できることを指標とする(100万画素程度〜300万画素程度=1,200×900程度〜2,000×1,500程度)
  • 写真の編集は認められない(電子小黒板による小黒板情報の電子的記入は編集にあたらない)

デジタル写真管理情報基準は、有効画素数を不必要に大きくするとファイル容量が増え、電子媒体が複数枚になり操作性も下がるため、目的物と黒板の文字が確認できる範囲で設定するよう解説しています。

撮影頻度の一覧表(写真管理基準にもとづく)

撮影計画書の中心になるのが撮影一覧表です。写真管理基準(案)令和8年3月版の撮影箇所一覧表から、多くの土木工事に共通する項目と代表的な工種を抜き出すと次のとおりです。工事内容に合わない場合は、監督職員の指示で項目や頻度を追加・削減します(同 2-7)。

全体(どの工事にも共通する写真)

区分撮影項目撮影頻度〔時期〕
着手前全景又は代表部分写真着手前1回〔着手前〕
完成全景又は代表部分写真施工完了後1回〔完成後〕
施工状況工事施工中の全景又は代表部分の工事進捗状況月1回〔月末〕
施工状況施工中の写真(設計図書・施工計画書に従い施工していることが確認できるもの)工種、種別毎に適宜〔施工中〕
施工状況仮設(指定仮設)の使用材料、仮設状況、形状寸法1施工箇所に1回〔施工前後〕
施工状況図面と現地との不一致の写真必要に応じて〔発生時〕
安全管理各種標識類・各種保安施設の設置状況各種類毎に1回〔設置後〕
安全管理監視員・交通整理状況各1回〔作業中〕
安全管理安全訓練等の実施状況実施毎に1回〔実施中〕
使用材料形状寸法、使用数量、保管状況、品質証明(JISマーク表示)、検査実施状況各品目毎に1回
品質管理・出来形管理不可視部分の施工適宜

工種別の出来形・品質管理写真(抜粋)

工種(基準の番号)撮影項目撮影頻度〔時期〕
掘削工(1-2-3-2 河川・海岸・砂防土工)土質等の判別地質が変わる毎に1回〔掘削中〕
掘削工(同)法長200m又は1施工箇所に1回〔掘削後〕
盛土工(1-2-3-3)巻出し厚200mに1回〔巻出し時〕
盛土工(同)締固め状況転圧機械又は地質が変わる毎に1回〔締固め時〕
鉄筋工 組立て(1-3-7-4)平均間隔、かぶりコンクリート打設毎に1回(重要構造物かつ主鉄筋について適用)
コンクリート(品質管理)スランプ試験、圧縮強度試験、塩化物総量規制コンクリートの種類毎に1回〔試験実施中〕
アスファルト舗装工 下層路盤工(3-2-6-7)敷均し厚さ・転圧状況、整正状況各層毎400mに1回
アスファルト舗装工 下層路盤工(同)厚さ各層毎200mに1回〔整正後〕
アスファルト舗装工 下層路盤工(同)幅各層毎80mに1回〔整正後〕
アスファルト舗装工 基層工・表層工(同)整正状況400mに1回〔整正後〕
アスファルト舗装工 基層工・表層工(同)タックコート、プライムコート各層毎に1回〔散布時〕
アスファルト舗装工 表層工(同)平坦性1工事に1回〔実施中〕

上の表は抜粋です。実際の撮影計画書では、工事に含まれる工種を写真管理基準(案)の撮影箇所一覧表(品質管理・出来形管理)で1つずつ引き、同じ形式で書き出します。3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)で出来形管理をする場合は、撮影頻度・方法が同要領の規定によることになり、たとえば掘削工では「1工事に1回」になる項目があります。

写真を省略できる場合

写真管理基準(案)2-4は、次の場合に工事写真を省略するとしています。撮影計画書にも書いておくと、現場での迷いが減ります。

  • 品質管理写真:公的機関で実施された品質証明書を保管整備できる場合
  • 出来形管理写真:完成後に測定できる部分は、出来形管理状況のわかる写真を工種ごとに1回撮影し、あとは省略
  • 出来形管理写真:監督職員または現場技術員が臨場して段階確認した箇所(臨場時の状況写真も不要)
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撮影計画書の書式例(撮影一覧表)

土木工事 業務改善Naviが、写真管理基準(案)の項目をそのまま転記できる形に並べた書式例です。頻度は基準の表現をそのまま写し、工事固有の数量(延長・箇所数)から「何回撮るか」を右端の列で計算しておくと、撮影漏れの確認に使えます。

工種撮影項目写真区分撮影頻度(基準)撮影時期この工事での予定回数
掘削工法長出来形管理200m又は1施工箇所に1回掘削後延長÷200mで算出
盛土工巻出し厚出来形管理200mに1回巻出し時延長÷200mで算出
下層路盤工幅出来形管理各層毎80mに1回整正後層数×(延長÷80m)
全体工事進捗状況施工状況月1回月末工期の月数
指定仮設仮設状況、形状寸法施工状況1施工箇所に1回施工前後指定仮設の箇所数

端数の扱いや起点のとり方は発注者によって運用が異なることがあるため、計画段階で監督職員に確認しておくと安心です。

電子小黒板の使い方と注意点

国交省の通知「デジタル工事写真の小黒板情報電子化についての一部改定について」(令和5年3月15日 国技建管第6号)では、小黒板情報電子化(撮影と同時に小黒板の記載情報を電子的に記入する方法)について次のように定めています。

  • 使用する機器・ソフトウェアは、写真管理基準の「2-2 撮影方法」の項目を電子的に記入でき、かつ信憑性確認(改ざん検知機能)を有するものとする
  • 改ざん検知機能は、CRYPTREC暗号リスト(電子政府における調達のために参照すべき暗号のリスト)に記載された技術を使っていること
  • 受注者は、工事着手前に使用機器を監督職員に提示する(特記仕様書の記載例)
  • 小黒板情報の電子的記入は、写真管理基準でいう「写真編集」にはあたらない

対象工事では小黒板情報電子化を実施でき、実施しない工事写真については監督職員の承諾を得ることとされています。特記仕様書の記載内容を確認し、撮影計画書に使用機器と運用を書いておきます。工事写真アプリの選び方は工事写真アプリの活用ガイド、電子黒板の操作は電子黒板の使い方で解説しています。

写真撮影のポイント

(1) 全景と詳細の両方を撮影する:まず施工箇所の全景を撮り、次に測定箇所の詳細を撮影します。撮影箇所がわかりにくい場合は、撮影位置図などの参考図を作成します(写真管理基準(案)2-7)。

(2) 黒板は読みやすく:小黒板の文字が判読できることが有効画素数の指標です。撮影後に画面で確認しましょう。

(3) 不可視部分は必ず撮影する:埋戻しや被覆で見えなくなる出来形部分は、出来形寸法(上墨寸法を含む)が確認できるよう特に注意して撮影します(同 2-7)。

(4) 測定器具を写し込む:スケール、勾配定規、温度計などの測定器具が写真に写るようにします。

(5) 撮影位置を統一する:同じ箇所の経過写真(施工前・施工中・施工後)は、できるだけ同じ位置から撮影します。

写真の整理・提出方法

現場での整理

撮影した写真は、現場では工種ごとにフォルダを分けて整理すると探しやすくなります(下は作業用の例です)。

工事写真(作業用)/
  01_着手前/
  02_掘削工/
  03_コンクリート工/
  04_舗装工/
  05_完成/

電子納品での提出

写真管理基準(案)は、撮影頻度に基づいて撮影した写真原本を電子媒体に格納して監督職員に提出し、整理・格納の方法は「デジタル写真管理情報基準」によるとしています。同基準(令和5年3月)の主なルールは次のとおりで、提出時は作業用のフォルダ分けをそのまま使えない点に注意が必要です。

項目ルール
フォルダ構成「PHOTO」フォルダの直下に写真管理ファイルと「PIC」(写真)・「DRA」(参考図)のサブフォルダを置く。PIC・DRAの直下にファイルを直接保存し、階層分けはしない
写真管理ファイルPHOTO.XML(工種・種別・細別、写真区分、撮影箇所、撮影年月日などを記入)
ファイル形式写真はJPEG等。圧縮比を選べる場合は「標準(約1/16圧縮)」
ファイル名半角英数大文字で8文字以内、拡張子3文字以内
写真編集認めない

電子納品の詳しい手順は電子納品のガイドも参照してください。

現場用:撮影計画書の作成・運用チェックリスト

タイミング確認すること根拠
計画時工事に含まれる工種をすべて撮影箇所一覧表で引いたか写真管理基準(案)
計画時一覧表にない工種の撮影項目を監督職員と協議したか同 2-7、共通仕様書 1-1-1-27
計画時3次元計測・電子小黒板を使うか、使う場合の機器と運用を書いたか同 2-3、令和5年3月15日通知
計画時カメラの有効画素数を100万〜300万画素程度に設定したか同 2-6
毎日不可視になる部分を隠れる前に撮影したか同 2-7
毎日小黒板の文字が判読できるか画面で確認したか同 2-2、2-6
月末工事進捗状況の写真(月1回)を撮影したか撮影箇所一覧表(全体)
段階確認時臨場した箇所を記録し、省略できる写真を整理したか同 2-4
提出前PHOTO/PICの直下にファイルを置き、PHOTO.XMLを作成したかデジタル写真管理情報基準

撮影漏れを防ぐための工夫

撮影一覧表を日々のチェックに使う

上の書式例の「予定回数」と実際の撮影枚数を、日々または週ごとに突き合わせます。撮影完了のチェック欄を設け、作業終了時に確認する習慣をつけましょう。

出来形管理との連携

写真管理計画は、出来形管理計画と密接に関連しています。写真管理基準(案)の出来形管理の編章節番号は「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」と整合しているため、出来形管理の測定項目と写真の撮影項目を同じ番号で対応させると漏れを防げます。出来形管理の詳しい方法は、出来形管理の解説記事を参照してください。

定期的な写真確認

撮影した写真を定期的に見返し、不備がないか確認します。黒板の記載ミスや撮影漏れは、早期に発見すれば再撮影できる場合があります。

よくある質問

Q. 撮影計画書とは何ですか。 A. 工事写真を「どの工種で・何を・いつ・どの頻度で」撮るかを決めた計画で、写真管理計画とも呼ばれます。国の写真管理基準(案)の撮影箇所一覧表に沿って工事ごとに作り、施工計画書の施工管理計画に書くのが一般的です。

Q. 撮影頻度は自由に決めてよいのですか。 A. 国の直轄工事では、写真管理基準(案)の撮影箇所一覧表の「撮影頻度」に基づいて撮影します。工事内容に合わない場合は監督職員の指示で追加・削減し、一覧表にない工種は監督職員と協議して決めます。自治体の工事では、その発注者の写真管理基準を確認してください。

Q. 工事写真の画素数は何画素にすればよいですか。 A. 写真管理基準(案)は、小黒板の文字が判読できることを指標に、100万画素程度〜300万画素程度(1,200×900程度〜2,000×1,500程度)としています。

Q. 電子小黒板を使うには承認が必要ですか。 A. 令和5年3月15日の国交省通知では、対象工事で小黒板情報電子化を実施でき、受注者は工事着手前に使用機器を監督職員に提示するとされています。使用機器は改ざん検知機能を備えたものに限られます。特記仕様書の定めを確認してください。

Q. ドローン(UAV)の写真測量でも撮影計画が必要ですか。 A. 3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)による場合、出来形管理写真の撮影頻度・方法は写真管理基準に加えて同要領の規定によります。UAVの写真測量に使った画像を納品する場合は写真管理に代えられることもあるため、同要領で撮影の計画を立ててください。

まとめ

  • 撮影計画書(写真管理計画)は、写真管理基準(案)の撮影箇所一覧表に沿って「何を・いつ・何回」撮るかを決める計画
  • 全体の基準は、着手前1回・完成1回・進捗状況は月1回、指定仮設は1施工箇所に1回(施工前後)
  • 出来形は工種ごとの頻度(掘削工の法長200m又は1施工箇所に1回、下層路盤の幅は各層毎80mに1回など)を一覧表から引く
  • 写真はカラー、有効画素数は100万〜300万画素程度、編集は不可。提出はデジタル写真管理情報基準のフォルダ・ファイル名で

施工計画書全体の作成方法については、施工計画書の完全作成ガイドで詳しく解説しています。写真の撮り方の基本は工事写真の撮り方の基本も参考にしてください。

写真管理計画の作成でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

出典・参考

  • 国土交通省「写真管理基準(案)令和8年3月」(1 総則、2-2 撮影方法、2-3 情報化施工及び3次元データによる施工管理、2-4 写真の省略、2-5 写真の編集等、2-6 撮影の仕様、2-7 撮影の留意事項、3 整理提出、撮影箇所一覧表(全体・品質管理・出来形管理))
    https://www.mlit.go.jp/tec/content/001990189.pdf
  • 国土交通省「デジタル写真管理情報基準」令和5年3月(2 フォルダ構成、4 ファイル形式、5 ファイル命名規則、6 写真編集等、7 有効画素数)
    https://www.mlit.go.jp/tec/content/001596260.pdf
  • 国土交通省大臣官房技術調査課「デジタル工事写真の小黒板情報電子化についての一部改定について」令和5年3月15日 国技建管第6号
    https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594465.pdf
  • 国土交通省「土木工事共通仕様書(案)令和8年3月」第1編 第1章 第1節 1-1-1-2 用語の定義(工事写真)、1-1-1-6 施工計画書、1-1-1-27 施工管理(記録及び関係書類)
    https://www.mlit.go.jp/tec/r08dobokukoujikyoutsuusiyousyo/honbun01_syo01_setsu01.html

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