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安全ミーティング報告書の書き方|TBMとKYの違いと記入例

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安全ミーティング報告書の書き方|TBMとKYの違いと記入例

安全ミーティング報告書は、毎日の作業開始前に行う安全衛生打合せ(TBM)と危険予知活動(KY)の内容を記録する書類です。TBMは「その日の作業の範囲・段取り・分担と安全のポイントを確認する作業前の打合せ」、KYは「作業にひそむ危険を話し合って危険のポイントと対策・行動目標を決める活動」で、TBMの中でKYを行うのが現場でいう「TBM-KY」です。 報告書には、日付・作業内容・参加者のほか、KYで決めた危険のポイント・重点実施項目・チーム行動目標・指差し呼称項目を、その日の作業に合わせて具体的に書きます。

本記事では、TBMとKYの違いを整理したうえで、報告書の記載項目、KYT基礎4ラウンド法に沿った書き方、土木工事の記入例、元方事業者の法令上の義務との関係を、提出前チェックリストにまとめます。

TBM・KY・TBM-KYの違い

用語意味主な中身根拠・出典
TBM(ツール・ボックス・ミーティング)職場で行う作業開始前の打合せ。「ツール・ボックス=道具箱」の近くで行われることからこう呼ばれる職長が中心となり、その日の作業の範囲・段取り・分担を明らかにし、全員で安全衛生のポイントを確認する岐阜労働局の公表資料
KY(危険予知活動)業務を始める前に「どんな危険がひそんでいるか」を話し合い、危険のポイントについて合意し、対策・行動目標・指差し呼称項目を決めて実践する活動危険のポイント、対策、行動目標、指差し呼称項目厚生労働省の公表資料
KYT(危険予知訓練)KY活動に必要な手法を身につけるための訓練。基礎手法が「KYT基礎4ラウンド法」4つのラウンドで危険の発見から行動目標の設定までを進める職場のあんぜんサイト
TBM-KYTBMの場でKYを行う、現場での一体的な運用の呼び方作業指示・連絡調整の周知と、KYの結果を同じ打合せで確認する現場の慣用的な呼び方

ひとことで言えば、TBMは「打合せの場」、KYは「その場で行う危険予知の中身」です。TBMで作業内容を確認するだけでは危険の洗い出しが抜けやすく、KYだけでは段取りや他職種との調整が伝わりません。両方を同じ打合せで行い、その結果を1枚に残すのが安全ミーティング報告書です。

なお、岐阜労働局の資料では、TBMは朝の作業開始前に5〜10分程度行われるのが普通で、必要に応じて昼食後の作業再開時や作業の切替え時にも行うこと、ミーティング後にワンポイントKYで全員が最終確認するとより効果的であることが示されています。

KY活動の工種別の事例は土木工事のKY活動事例集で詳しく紹介しています。

安全ミーティング報告書とは

安全ミーティング報告書は、朝礼後に各社・各班で行う作業開始前の安全衛生打合せ(TBM-KY)の実施内容を記録する書類です。元請が求める安全書類の一つとして日々作成し、現場の安全活動が毎日行われていることを示す記録になります。安全書類全体の中での位置づけはグリーンファイルの作成ガイドと安全書類の種類一覧で整理しています。

報告書の様式そのものは法令で決まっていません。元請(元方事業者)が定める様式に従って作成します。

法令・指針での位置づけ

区分内容根拠
元方事業者の義務同じ場所で関係請負人の作業員とともに作業することによって生ずる労働災害を防ぐため、協議組織の設置・運営、作業間の連絡・調整、作業場所の巡視、関係請負人が行う安全衛生教育への指導・援助などを行う労働安全衛生法 第30条第1項
協議組織特定元方事業者とすべての関係請負人が参加する協議組織を設け、会議を定期的に開く。関係請負人は参加しなければならない労働安全衛生規則 第635条
作業間の連絡・調整随時、元方と関係請負人の間、関係請負人相互の間で連絡・調整を行う労働安全衛生規則 第636条
作業場所の巡視毎作業日に少なくとも1回行う労働安全衛生規則 第637条
教育への指導・援助教育を行う場所の提供、教育に使う資料の提供等を行う労働安全衛生規則 第638条
作業開始前の安全衛生打合せ元方は、関係請負人に対し、毎日その労働者を集めて作業開始前の安全衛生打合せを行うよう指導する。関係請負人は、毎日作業開始前に、当日の作業内容・作業手順・留意事項の指示、作業間の連絡調整の結果の周知、労働者の意見等の把握、危険予知活動等の安全活動を行う元方事業者による建設現場安全管理指針(平成7年4月21日 基発第267号の2)

同じ指針は、協議組織の会議を毎月1回以上開くこと、会議の結果で重要なものを朝礼等を通じてすべての現場労働者に周知することも示しています。安全ミーティング報告書は、こうした連絡調整の結果が毎朝作業員に届いたことを示す記録でもあります。

安全ミーティング報告書の記載項目

基本項目

項目記載内容
実施日・時刻打合せの実施日、開始・終了時刻
天候・気温天候と作業開始時の気温(熱中症対策や悪天候時の判断材料)
会社名・班名打合せを行った関係請負人・作業班
実施者打合せを進行した職長など
参加者参加者の氏名(署名)と人数

作業・連絡調整の項目

項目記載内容
当日の作業内容作業の場所・範囲・段取り・分担、使用する機械
作業手順・留意事項作業手順書のうち当日の要点、元請からの安全指示
連絡調整の結果他職種との混在作業、立入禁止範囲、重機・クレーンの作業範囲など、前日の連絡調整で決まったこと
作業員の意見・体調作業員から出た意見、ヒヤリ・ハット、体調の確認結果

KYの項目(KYT基礎4ラウンド法)

ラウンド内容報告書に書くこと
1R 現状把握:どんな危険がひそんでいるかひそむ危険を発見し、危険要因と、その要因が引き起こす現象(事故の型)を出し合う「〜なので〜して〜になる」の形で出た危険
2R 本質追究:これが危険のポイントだ重要な危険に○印、合意で1〜2項目にしぼり◎印。危険のポイントとして指差し唱和で確認する危険のポイント(◎印)
3R 対策樹立:あなたならどうする危険のポイントを解決する具体的で実行可能な対策を出し合う対策案
4R 目標設定:私たちはこうする合意でしぼった対策を重点実施項目(※印)とし、チーム行動目標を決めて指差し唱和で確認する重点実施項目、チーム行動目標、指差し呼称項目

KYT基礎4ラウンド法の進め方は、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」の安全衛生キーワード(危険予知訓練)に沿っています。最後に、重点実施項目に関連して現場で確認する指差し呼称項目を全員の合意で決め、指差し唱和で確認して締めくくります。

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記入例(土木工事・管路の掘削作業)

以下は、掘削作業の日の記入例です。会社名・氏名などは記入欄の例です。

基本情報

  • 実施日:令和○年○月○日 8:00〜8:15
  • 天候:晴れ/気温:○℃
  • 実施者:○○(職長)/参加者:○名(全員署名)

当日の作業内容

  • A班:管路の明り掘削(バックホウ使用)
  • B班:埋戻し・転圧

作業手順・留意事項・連絡調整の結果

  • 掘削面の高さが2m以上となるため、地山の掘削作業主任者○○が作業の方法を決め、直接指揮する
  • 点検者○○が作業開始前に、掘削箇所と周辺の地山の浮石・き裂、含水・湧水の状態を点検し、結果を職長に報告する
  • 土止め支保工の設置を確認してから掘削内に入る
  • バックホウの旋回範囲は立入禁止を表示する。誘導者を置く場合は合図を統一する
  • B班の転圧機械とA班のバックホウが近接する時間帯は、職長同士で作業順序を調整済み

KY活動結果

  • 危険のポイント(2R):土止めの設置前に掘削内に入ったので、掘削面が崩れて土砂に埋まる
  • 重点実施項目(4R):土止めの設置を確認してから掘削内に入る
  • チーム行動目標:掘削内に入るときは、土止めの設置を確認してから入ろう
  • 指差し呼称項目:「土止め設置、ヨシ!」

記入例の作業主任者・点検・立入禁止は、労働安全衛生法施行令第6条第9号(掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削)、労働安全衛生規則第359条(地山の掘削作業主任者の選任)、第358条(作業開始前等の点検)、第361条(土止め支保工の設置・立入禁止等)、第158条(運転中の車両系建設機械との接触防止)に対応しています。土砂崩壊の防止対策は土砂崩壊防止の安全対策も参考にしてください。

書き方のポイント

  • 危険は「〜なので〜して〜になる」で書く:「足元注意」ではなく、危険要因と事故の型がわかる形で書く(KYT基礎4ラウンド法の1Rの書き方)
  • 法令の基準どおりに書く:たとえば高所は「高さ2m以上の箇所で作業床を設けることが困難なときは、墜落制止用器具を使用する」(労働安全衛生規則第518条)のように、基準と合う書き方にする
  • 当日の作業に合わせる:前日の写しにせず、作業内容・場所・使う機械が変わったら危険のポイントも変える
  • 連絡調整の結果を入れる:混在作業・立入禁止範囲・重機の作業範囲など、元請との連絡調整で決まったことを書き、作業員に伝わったことを残す
  • 参加者の確認を取る:内容を全員が理解したことを確認し、署名をもらう

体調の確認は、建設業労働災害防止協会(建災防)が「建災防方式健康KY」として、KY活動の中で職長が各作業員に睡眠・食欲・体調の3つを毎日問いかける方法を公表しています。報告書に体調確認の欄を設けておくと、問いかけの実施も記録できます。

独自の早見表:安全ミーティング報告書 提出前チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、上記の法令・指針・公表資料の内容を、報告書を元請に出す前に確認する順に並べたものです。

No.確認すること根拠
1当日の作業内容・作業手順・留意事項を書いた元方事業者による建設現場安全管理指針
2前日の作業間の連絡調整の結果(混在作業・立入禁止範囲など)を書いた同指針、労働安全衛生規則 第636条
3作業員の意見・ヒヤリ・ハットを書いた同指針
4KYの危険のポイントを「〜なので〜して〜になる」の形で書いた職場のあんぜんサイト(KYT基礎4ラウンド法)
5重点実施項目・チーム行動目標・指差し呼称項目を書いた職場のあんぜんサイト(KYT基礎4ラウンド法)
6作業主任者が必要な作業(地山の掘削、土止め支保工、足場の組立て等)では、作業主任者の氏名を書いた労働安全衛生法 第14条、同施行令 第6条
7特別教育・技能講習が必要な作業では、修了者が従事することを確認した労働安全衛生法 第59条第3項・第61条
8協議組織の会議の結果で重要なものを伝えた同指針
9参加者全員の署名がある元請の様式による

作業主任者・特別教育・技能講習の区分は特別教育の一覧で整理しています。

よくある不備と対処法

よくある不備問題点対処法
毎日同じ内容が書かれている形骸化している当日の作業内容・場所・機械に合わせて書く
KYの記録が空欄KYを実施したか確認できない4ラウンド法の項目に沿って書く
危険が「注意する」だけ何が危険か伝わらない危険要因と事故の型を書く
参加者の署名がない全員に伝わったか不明打合せの終わりに署名をもらう
天候・気温が未記入熱中症対策や悪天候時の判断材料がない打合せ時に確認して書く
前日の反省・連絡調整が書かれていない前日の気づきや調整結果が作業員に届かない前日のヒヤリ・ハットや指摘事項、調整結果を翌朝共有する

安全パトロールとの連携

特定元方事業者は、作業場所の巡視を毎作業日に少なくとも1回行わなければなりません(労働安全衛生規則第637条)。巡視の際に、安全ミーティング報告書の重点実施項目が現場で守られているか、指差し呼称が行われているかを確かめると、記録と現場の実態を結びつけられます。点検項目は安全パトロールのチェックリスト、安全活動の計画は施工計画書の安全衛生計画で解説しています。

よくある質問

Q. TBMとKYの違いは何ですか。 A. TBMは作業開始前の打合せのことで、その日の作業の範囲・段取り・分担と安全衛生のポイントを確認します。KYは、作業にひそむ危険を話し合って危険のポイントに合意し、対策・行動目標・指差し呼称項目を決めて実践する活動です。TBMの場でKYを行う運用を、現場ではTBM-KYと呼びます。

Q. 安全ミーティング報告書は法律で決まった書類ですか。 A. 報告書の様式は法令で決まっていません。ただし、元方事業者には作業間の連絡調整などの義務があり(労働安全衛生法第30条、労働安全衛生規則第635条〜第638条)、国の指針は関係請負人が毎日作業開始前に安全衛生打合せを行うことを示しています。報告書はその実施記録として元請の様式で作成します。

Q. TBMはどのくらいの時間で行いますか。 A. 岐阜労働局の資料では、朝の作業開始前に5〜10分程度行うのが普通とされています。必要に応じて、昼食後の作業再開時や作業の切替え時にも行います。

Q. KYの4ラウンドとは何ですか。 A. 1R「どんな危険がひそんでいるか」(現状把握)、2R「これが危険のポイントだ」(本質追究)、3R「あなたならどうする」(対策樹立)、4R「私たちはこうする」(目標設定)の4段階です。報告書には、2Rの危険のポイントと4Rの重点実施項目・チーム行動目標・指差し呼称項目を残します。

まとめ

  • 安全ミーティング報告書は、作業開始前の安全衛生打合せ(TBM)と危険予知活動(KY)の実施記録で、様式は元請が定める
  • TBMは作業開始前の打合せ、KYは危険のポイントと対策・行動目標を決める活動。TBMの場でKYを行うのがTBM-KY
  • 元方事業者には協議組織の設置・運営、作業間の連絡調整、毎作業日1回以上の巡視などの義務があり、報告書は連絡調整の結果を作業員に伝えた記録にもなる
  • 危険は「〜なので〜して〜になる」で書き、作業主任者・特別教育など法令の基準と合う内容にする

出典・参考

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