残土処理計画書の書き方|搬出先の選定と運搬計画
残土処理計画書とは
残土処理計画書は、土木工事で発生する建設発生土(残土)の処理方法を定めた書類です。施工計画書の一部として作成し、残土の発生量、搬出先、運搬方法、処理方法を具体的に記載します。
建設発生土の適正な処理は、法令遵守はもちろん、周辺環境への配慮やコスト管理の観点からも重要です。
残土処理計画書に記載すべき項目
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 発生土量 | 掘削量、流用量、残土量(m3) |
| 土質区分 | 第1種から第4種建設発生土、泥土など |
| 搬出先 | 受入れ先の名称、住所、受入れ条件 |
| 運搬計画 | 運搬ルート、使用車両、運搬回数 |
| 仮置き計画 | 仮置き場の位置、容量、管理方法 |
| 環境対策 | 飛散防止、濁水処理、騒音対策 |
| 届出・手続き | 必要な届出書類と提出先 |
建設発生土の土質区分
建設発生土は、土質に応じて以下のように区分されます。
| 区分 | 土質 | コーン指数(kN/m2) | 主な利用用途 |
|---|---|---|---|
| 第1種建設発生土 | 砂、礫、及びこれらに準ずるもの | - | 工作物の埋戻し、道路路体 |
| 第2種建設発生土 | 砂質土、礫質土 | 800以上 | 土木構造物の裏込め、道路路体 |
| 第3種建設発生土 | 通常の施工性が確保される粘性土 | 400以上 | 道路路体、河川堤防 |
| 第4種建設発生土 | 粘性土及びこれに準ずるもの | 200以上 | 水面埋立て |
| 泥土 | 含水比が高く、所定の強度がないもの | 200未満 | 処理後に利用または処分 |
土質区分によって搬出先の選定や処理方法が異なるため、正確な区分が重要です。
搬出先の選定方法
搬出先の種類
| 搬出先 | 概要 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 他の公共工事(流用) | 近隣の公共工事で盛土材として利用 | 発注者間の調整が必要 |
| 民間の残土受入れ場 | 許可を受けた残土処分場 | 受入れ条件(土質、量)の確認 |
| 公共の残土ストックヤード | 自治体が運営する一時保管場 | 地域により設置状況が異なる |
| 建設発生土情報交換システム | 国交省のマッチングシステム | 発生土と需要のマッチング |
| 自社保有地 | 自社の保有する土地に一時保管 | 関係法令の遵守が必要 |
搬出先選定のポイント
(1) 土質条件の確認: 搬出先が受入れ可能な土質区分を確認します。汚染土壌や有害物質を含む土は、一般的な残土処分場では受入れできません。
(2) 受入れ容量の確認: 搬出予定量を受入れ可能か、事前に確認します。工期中に受入れ容量が一杯になるリスクも考慮しましょう。
(3) 運搬距離の考慮: 運搬距離はコストに直結します。片道30分以内を目安に、複数の候補から最適な搬出先を選定します。
(4) 搬入時間の制限: 搬出先によっては、搬入可能な時間帯が限られている場合があります。工程との整合性を確認しましょう。
運搬計画の立て方
運搬ルートの選定
運搬ルートを選定する際は、以下のポイントを考慮します。
| 確認項目 | 具体的な確認内容 |
|---|---|
| 道路幅員 | ダンプトラックの通行に十分な幅員があるか |
| 重量制限 | 橋梁等の重量制限に抵触しないか |
| 高さ制限 | 架橋、トンネル等の高さ制限 |
| 通学路 | 通学時間帯の通行制限の有無 |
| 住宅密集地 | 騒音・振動への配慮が必要な区間 |
| 交差点 | 大型車の右左折が困難な箇所の有無 |
使用車両と運搬回数の算定
使用車両の選定と運搬回数の算定例を示します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 残土発生量 | 3,000m3(地山換算) |
| 運搬土量換算係数(ほぐし率) | 1.2 |
| 運搬土量 | 3,600m3 |
| ダンプトラック積載量 | 10tダンプ(約6m3/台) |
| 必要運搬回数 | 600回(3,600 / 6) |
| 1日あたり運搬可能回数 | 1台あたり6回(往復時間による) |
| 必要台数(20日間で完了の場合) | 5台(600 / 20 / 6) |
運搬スケジュール
運搬スケジュールは、以下の要素を考慮して作成します。
- 掘削工程との連動(掘削量に応じた運搬ペース)
- 搬出先の受入れ時間
- 交通規制の有無(時間帯規制)
- 雨天時の対応(搬出路の泥濘化対策)
交通規制が必要な場合は、交通規制計画書の書き方も参照してください。
仮置き計画
掘削と運搬のペースが合わない場合や、発生土を流用する場合、仮置きが必要になります。
仮置き場の設置条件
- 十分な面積と容量が確保できること
- 周辺への土砂流出防止措置が可能であること
- 搬入・搬出車両の動線が確保できること
- 排水処理が可能であること
仮置きの管理方法
| 管理項目 | 対応内容 |
|---|---|
| 飛散防止 | シート養生、散水 |
| 流出防止 | 仮設排水路、沈砂池の設置 |
| 土質管理 | 土質区分ごとに分別して仮置き |
| 含水比管理 | 雨水浸入防止のシート養生 |
必要な届出・手続き
残土の処理に関連して、以下の届出が必要になる場合があります。
| 届出・手続き | 対象 | 提出先 |
|---|---|---|
| 建設発生土の搬出計画 | 一定量以上の発生土 | 発注者 |
| 土砂等の埋立て届出 | 残土を埋立てに使用する場合 | 都道府県・市区町村 |
| 再生資源利用促進計画 | 請負金額1億円以上等 | 発注者(CREDAS入力) |
| 道路使用許可 | 公道を使用して運搬する場合 | 警察署 |
| 特殊車両通行許可 | 車両制限令の基準を超える場合 | 道路管理者 |
環境対策
運搬時の対策
- ダンプトラックへのシート掛け(飛散防止)
- タイヤ洗浄設備の設置(公道への泥土流出防止)
- 運搬ルートの清掃
仮置き時の対策
- 防じんネット・シートの設置
- 散水による粉じん抑制
- 排水処理(沈砂池の設置)
環境保全対策の詳しい書き方は、環境保全計画書の書き方も参照してください。
まとめ
残土処理計画書は、建設発生土の適正な処理と効率的な運搬を計画するための重要な書類です。土質区分を正確に把握し、適切な搬出先を選定した上で、安全で環境に配慮した運搬計画を立てましょう。
施工計画書全体の作成方法については、施工計画書の完全作成ガイドで詳しく解説しています。
残土処理計画書の作成でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
