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残土処理計画書の書き方|建設発生土の搬出先と必要な手続き

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残土処理計画書の書き方|建設発生土の搬出先と必要な手続き

残土処理計画書は、工事で発生する建設発生土(残土)の発生量・土質区分・搬出先・運搬経路・仮置き・環境対策を、施工計画書の一部としてまとめた計画です。 建設発生土を500m3以上搬出する工事では、元請業者は資源有効利用促進法の省令に基づいて「再生資源利用促進計画」をあらかじめ作成し、搬出先が盛土規制法の許可地等であることを確認したうえで発注者に提出・説明し、搬出後は搬出先から受領書を受け取って工事完成日から5年間保存しなければなりません。

本記事では、国の土木工事共通仕様書と資源有効利用促進法の省令をもとに、残土処理計画書に書く項目、土質区分の判定、搬出先の選び方、運搬回数の計算、令和5年の省令改正で加わった確認・保存の手続きを整理します。数値と条文は、末尾の「出典・参考」に挙げた公表資料で確認できるものに限っています。

残土処理計画書とは

国土交通省の土木工事共通仕様書は、施工計画書の記載事項として「(14)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法」を挙げています(1-1-1-6)。さらに土工の節では、建設発生土の処理にあたり、施工計画書の通常の記載内容に加えて、設計図書に基づき次の事項を記載するよう求めています(第1編 第2章 第3節 1-2-3-1 一般事項)。

  • 処理方法(場所・形状等)
  • 排水計画
  • 場内維持等

建設発生土を工事現場から搬出する場合は、法令に基づいて再生資源利用促進計画を作成し、施工計画書にその写しを添付して監督職員に提出します(1-1-1-22 建設副産物)。「残土処理計画書」は、これらをまとめて書いたものと考えると整理しやすくなります。

残土処理計画書に記載すべき項目

項目記載内容主な根拠
発生土量掘削量、現場内での利用量、搬出量(m3)再生資源利用促進計画(省令第8条)
土質区分第1種〜第4種建設発生土、泥土の区分省令第4条・別表、発生土利用基準
搬出先名称・所在地、受入れ条件、法令上の許可・届出の状況省令第8条、共通仕様書 1-1-1-22
処理方法受入れ地での場所・形状等共通仕様書 1-2-3-1
運搬計画運搬経路、使用車両、運搬回数、過積載防止共通仕様書 1-1-1-37
仮置き計画仮置き場の位置・容量、流出防止、排水共通仕様書 3-2-10-12
排水計画・場内維持受入れ地・仮置き場の排水、維持管理共通仕様書 1-2-3-1
環境対策飛散防止、タイヤ洗浄、濁水処理、騒音対策共通仕様書 3-2-10-17・3-2-10-18
届出・手続き必要な計画・届出・許可と提出先下の「必要な届出・手続き」

建設発生土の土質区分

資源有効利用促進法の省令は、建設発生土を第1種〜第4種に区分し(別表)、元請業者が搬出する建設発生土の情報を提供するときは、この区分を明らかにするよう努めるとしています(第4条第2項)。区分の判定は、国土交通省の「発生土利用基準」(平成18年8月10日通知)がコーン指数(締め固めた土にコーンを貫入させたときの抵抗の大きさ)と土質材料の工学的分類を指標に定めています。

区分性質(省令の別表)コーン指数 qc(kN/m2)
第1種建設発生土砂、礫及びこれらに準ずるもの―(規定なし)
第2種建設発生土砂質土、礫質土及びこれらに準ずるもの800以上
第3種建設発生土通常の施工性が確保される粘性土及びこれに準ずるもの400以上
第4種建設発生土粘性土及びこれに準ずるもの(第3種を除く)200以上
泥土―200未満

発生土利用基準では、次の点にも注意が必要です。

  • 土質改良を行った場合は、改良後の性状で区分を判定する
  • 降水・浸出地下水などで含水比が増えると予想される場合は1ランク下の区分、水中掘削などによる場合は2ランク下の区分とする
  • 区分ごとの用途(工作物の埋戻し、道路用盛土、河川築堤など)は「適用用途標準」を目安にし、個々の事例に即して判断する

土質区分によって受け入れてもらえる搬出先や利用できる用途が変わるため、計画段階で区分を確定させておくことが重要です。

搬出先の選定方法

搬出先は設計図書の指定が基本

国の共通仕様書は、建設発生土の受入れ地の位置や建設発生土の内容等について、受注者は設計図書と監督職員の指示に従うこととしています。施工上やむを得ず指定された場所以外に処分する場合は、事前に監督職員と協議しなければなりません(1-2-3-1)。また、指定された受入れ地には搬入に先立って地形を実測し、資料を監督職員に提出します。

搬出先の種類

搬出先概要確認すること
他の建設工事(工事間利用)近隣の工事で盛土材などとして利用必要とされる量・土質・時期(省令第4条の情報の収集・提供)
受入れ地(埋立・盛土の場所)土砂を受け入れて埋立・盛土を行う場所盛土規制法の許可・届出、自治体の土砂条例の手続き
ストックヤード他の現場や受入れ地へ運ぶまで一時的に保管する場所国交省の登録ストックヤードか、受入れ条件
土質改良プラント泥土や第4種などを改良して再利用する施設受入れ可能な土質と量

工事間で建設発生土をやり取りするための情報交換には、「コブリス・プラス(建設発生土情報交換システム)」が使われます。国の工事では、建設発生土を搬入・搬出する場合に施工計画作成時と工事完了時にコブリス・プラスへ必要な情報を入力することが共通仕様書で定められています(1-1-1-22)。

搬出先選定のポイント

(1) 土質条件の確認:搬出先が受け入れる土質区分を確認します。土壌汚染のおそれがある土は、一般的な受入れ地では受け入れられません。

(2) 法令上の手続きの確認:搬出先が盛土規制法の許可地等であることを確認し、その結果を書面にします(次節)。

(3) 受入れ容量と時期:搬出予定量を工期中に受け入れられるか、事前に確認します。

(4) 運搬距離と搬入時間:運搬距離は費用と運搬回数に直結します。搬出先によっては搬入できる時間帯が限られるため、工程との整合を確認します。

令和5年の省令改正で加わった手続き

2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害を契機に、不法盛土の防止と建設発生土の適正利用を徹底するため、資源有効利用促進法に基づく搬出計画の制度が強化されました(建設業に属する事業を行う者の指定副産物に係る再生資源の利用の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令の改正)。現行の省令で元請業者に求められている主な事項は次のとおりです。

項目現行の省令の内容条項
再生資源利用促進計画の対象体積500m3以上の建設発生土、または重量の合計200t以上のコンクリート塊・アスファルト・コンクリート塊・建設発生木材を搬出する工事(改正前は建設発生土1,000m3以上)第8条第1項
搬出前の確認土壌汚染対策法の届出が必要な場合はその届出、搬出先での搬入行為が盛土規制法の許可・届出を要する場合はその許可・届出がされていることを確認し、結果を書面にする第8条第3項・第4項
発注者への提出計画(確認結果の書面を含む)を作成後速やかに発注者に提出し、内容を説明する第8条第5項
運搬者への通知搬出先の名称・所在地、搬出量と確認結果を、建設発生土の運搬を行う者に通知する第8条第6項
現場での掲示計画を工事現場の公衆の見やすい場所に掲げる第8条第8項
受領書搬出したら搬出先の管理者に受領書の交付を求め、記載内容が計画と一致することを確認する第6条第1項・第2項
搬出先が変わった場合計画に記載した搬出先からさらに他の搬出先へ搬出されたときは、その搬出に関する書面を作成する(登録ストックヤード等の一部の搬出先を除く。令和6年6月1日から)第6条第3項
保存期間計画と実施状況の記録、受領書(写し)は工事完成日から5年を経過する日まで保存(改正前は1年)第6条・第8条

国の工事では、共通仕様書でも同じ内容(計画の写しの施工計画書への添付、搬出先が盛土規制法の許可地等であることの確認、運搬者への通知、受領書の確認と監督職員の請求時の写しの提出)が受注者に求められています(1-1-1-22)。工事完了後は、実施状況を記録した「再生資源利用促進実施書」を監督職員に提出します。

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運搬計画の立て方

運搬ルートの選定

確認項目具体的な確認内容
道路幅員ダンプトラックの通行に十分な幅員があるか
重量制限橋梁などの重量制限に抵触しないか
高さ制限架道橋、トンネルなどの高さ制限
通学路通学時間帯の通行規制の有無
住宅密集地騒音・振動への配慮が必要な区間
交差点大型車の右左折が困難な箇所の有無

共通仕様書は、残土を受入れ地へ運搬する場合は沿道住民と道路利用者に迷惑がかからないよう努めることを求めています(1-2-3-7 残土処理工)。また国の直轄工事でダンプトラックを使う場合は、「直轄工事におけるダンプトラック過積載防止対策要領」に従います(1-1-1-37)。

運搬回数と台数の計算

運搬回数は、地山の土量を運搬時の土量に換算してから計算します。土量の変化率や1台に積める量は、土質と車両によって変わるため、ここでは計算式のみを示します。

計算の段階計算式数値の出どころ
① 運搬土量搬出する地山土量 × 土量の変化率(ほぐし率L)変化率は土質調査や発注者の積算基準・特記仕様書で確認
② 1台あたりの積載土量車両の最大積載量 ÷ ほぐした土の単位体積重量車検証の最大積載量。過積載にならない量で計画する
③ 延べ運搬回数① ÷ ②―
④ 1台1日あたりの運搬回数1日の作業時間 ÷ 1往復の所要時間(積込み・運搬・荷下ろし・帰り)運搬経路の実走や搬出先の受入れ時間で確認
⑤ 必要台数③ ÷(④ × 運搬日数)工程表の運搬日数

運搬スケジュール

運搬スケジュールは、次の要素を考慮して作成します。

  • 掘削工程との連動(掘削量に応じた運搬ペース)
  • 搬出先の受入れ時間
  • 交通規制の有無(時間帯規制)
  • 雨天時の対応(搬出路の泥濘化対策)

交通規制が必要な場合は、交通規制計画書の書き方も参照してください。

仮置き計画

掘削と運搬のペースが合わない場合や、発生土を現場内で流用する場合は、仮置きが必要になります。省令も、建設発生土の利用時期を調整するため、必要に応じて保管する場所の確保に努めるとしています(第5条)。

仮置き場の設置条件

  • 十分な面積と容量が確保できること
  • 周辺への土砂流出の防止措置がとれること(共通仕様書 3-2-10-12:雨水の排水処理等を含めた流出防止対策)
  • 搬入・搬出車両の動線が確保できること
  • 排水処理ができること

仮置きの高さと盛土規制法

盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)では、規制区域内の宅地・農地等で一定期間後に除却する土石の堆積のうち、高さが2mを超えるもの、または堆積する土地の面積が500m2を超えるものが規制の対象になり(施行令第4条)、区域の種類に応じて許可または届出が必要です。許可を要する場合の技術的基準として、次のような措置が定められています(施行令第19条)。

  • 勾配が10分の1以下の土地で堆積を行う(崩壊防止の措置を講じる場合を除く)
  • 堆積した土石の周囲に、高さ5m以下なら高さを超える幅、5m超なら高さの2倍を超える幅の空地を設ける(鋼矢板の設置など流出を防ぐ措置を講じる場合を除く)
  • 周囲に柵などを設ける
  • 地表水で崩壊のおそれがあるときは側溝を設けるなどして排水する

道路・河川などの公共施設用地は「宅地」に含まれないなど対象外の場合もあるため、工事用地の外に仮置き場を借りるときは、その土地が規制区域に入っているかを都道府県等に確認しておきます。

仮置きの管理方法

管理項目対応内容
飛散防止シート養生、散水
流出防止仮設排水路、沈砂池の設置
土質管理土質区分ごとに分けて仮置き
含水比管理雨水が入らないようシート養生(含水比が上がると区分が下がることがある)

仮設のヤード計画全体は仮設計画書の書き方で解説しています。

必要な届出・手続き

届出・手続き対象提出先・相手
再生資源利用促進計画建設発生土500m3以上、またはコンクリート塊等の合計200t以上を搬出する工事発注者(提出・説明)。現場に掲示
搬出先の確認結果の書面建設発生土500m3以上を搬出する工事計画に添付。運搬者へ通知
受領書計画に記載した搬出先へ搬出したとき搬出先の管理者に交付を求め、5年保存
土壌汚染対策法の届出一定規模以上の土地の形質の変更など、同法の届出が必要な場合都道府県知事等
盛土規制法の許可・届出規制区域内での盛土・土石の堆積(搬出先・仮置き場)都道府県知事等(指定都市・中核市は市長)
自治体の土砂条例条例で定める規模以上の埋立て・盛土都道府県・市町村
道路使用許可道路で工事・作業をする場合(道路交通法第77条)所轄警察署長
特殊車両の通行許可車両制限令の一般的制限値を超える車両を通行させる場合道路管理者

建設リサイクル法の分別解体等の届出は別の手続きです。建設リサイクル法の届出もあわせて確認してください。

環境対策

運搬時の対策

  • ダンプトラックへのシート掛け(飛散防止)
  • タイヤ洗浄設備の設置(公道への泥土の持ち出し防止。国の工事では設置について監督職員と協議=共通仕様書 3-2-10-17)
  • 運搬ルートの清掃・散水

仮置き時の対策

  • 防じんネット・シートの設置
  • 散水による粉じん抑制
  • 排水処理(沈砂池の設置。濁水は濁りを除去してから放流=共通仕様書 3-2-10-18)

環境保全対策の詳しい書き方は、環境保全計画書の書き方も参照してください。

現場用:建設発生土の搬出前チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、省令と共通仕様書の規定を「搬出の前後で確認する順番」に並べ直したチェックリストです。発注者の特記仕様書や自治体の条例に別の定めがあれば、そちらを加えて使ってください。

タイミング確認すること根拠
計画時搬出量が500m3以上か(コンクリート塊等は合計200t以上か)省令第8条第1項
計画時土質区分を判定したか(含水比の増加・水中掘削のランク下げを考慮)省令別表、発生土利用基準
計画時受入れ地は設計図書の指定どおりか。指定外なら事前協議したか共通仕様書 1-2-3-1
計画時土壌汚染対策法の届出が必要な場合、届出されているか省令第8条第3項
計画時搬出先が盛土規制法の許可地等か確認し、結果を書面にしたか省令第8条第3項・第4項
着手前計画を発注者に提出・説明し、現場に掲示したか省令第8条第5項・第8項
着手前運搬者に搬出先・搬出量・確認結果を通知したか省令第8条第6項
着手前コブリス・プラスに入力したか共通仕様書 1-1-1-22
搬出後受領書を受け取り、搬出先が計画と一致するか確認したか省令第6条
搬出後搬出先からさらに他へ運ばれた場合、書面を作成したか省令第6条第3項
完成後実施状況を記録し、再生資源利用促進実施書を提出したか省令第8条第9項、共通仕様書 1-1-1-22
完成後計画・実施記録・受領書を完成日から5年保存する体制か省令第6条・第8条

よくある質問

Q. 残土処理計画書はどう書けばよいですか。 A. 発生土量、土質区分、搬出先(名称・所在地・法令上の手続きの状況)、処理方法(場所・形状等)、運搬計画、仮置き計画、排水計画・場内維持、環境対策を順に書きます。500m3以上を搬出する場合は、再生資源利用促進計画と搬出先の確認結果の書面を添付します。

Q. 建設発生土の搬出量が500m3未満なら手続きは不要ですか。 A. 省令の再生資源利用促進計画の作成義務は500m3以上(コンクリート塊等は合計200t以上)が対象です。ただし国の工事では、共通仕様書が建設発生土などを工事現場から搬出する場合に法令等に基づいて再生資源利用促進計画を作成し、施工計画書に写しを添付するよう定めているため、発注者の特記仕様書と監督職員の指示を確認してください。盛土規制法や自治体の条例は、搬出量とは別に搬出先の規模で手続きが決まります。

Q. 受領書はいつまで保存しますか。 A. 再生資源利用促進計画に係る建設工事の完成日から5年を経過する日までです(省令第6条第2項)。計画と実施状況の記録も同じ期間保存します。

Q. 搬出先が途中で変わったらどうしますか。 A. 計画に書いた搬出先を変える場合は、速やかに計画を変更して発注者に報告し、運搬者にも通知します(省令第8条第7項)。計画に記載した搬出先からさらに他の搬出先へ運ばれたときは、その搬出に関する書面を作成して保存します(登録ストックヤード等の一部の搬出先を除く)。

Q. 残土の仮置きに高さの制限はありますか。 A. 共通仕様書に全国一律の数値はありません。盛土規制法の規制区域内の宅地・農地等では、高さ2m超または面積500m2超の土石の堆積が許可・届出の対象になり、許可の場合は周囲の空地や柵などの技術的基準があります。

まとめ

  • 残土処理計画書には、発生土量・土質区分・搬出先・処理方法・運搬・仮置き・排水・環境対策を書く
  • 建設発生土500m3以上の搬出では、再生資源利用促進計画の作成、搬出先の盛土規制法許可等の確認、発注者への提出・説明、運搬者への通知、受領書の確認が必要
  • 計画・実施記録・受領書は工事完成日から5年保存(改正前は1年)
  • 土質区分はコーン指数(第2種800以上・第3種400以上・第4種200以上・泥土200未満)で判定し、含水比の増加が見込まれる場合は区分を下げる

施工計画書全体の作成方法については、施工計画書の完全作成ガイドで詳しく解説しています。

残土処理計画書の作成でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

出典・参考

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