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環境保全計画書の書き方|騒音・振動・水質汚濁対策【土木工事】

環境保全計画書とは

環境保全計画書は、施工計画書の中で「工事による環境への影響をどのように低減するか」を記載する書類です。土木工事は屋外で大型機械を使用するため、周辺環境への影響が大きく、環境保全計画の充実度が発注者から重視されます。

特に住宅地に近い現場、河川・水路に隣接する現場では、環境保全対策の記載が不十分だと施工計画書の差し戻しにつながります。

環境保全計画で対策すべき項目

環境項目関連法令主な対策
騒音騒音規制法、環境基本法低騒音型機械の使用、防音壁の設置
振動振動規制法低振動型機械の使用、振動測定
水質汚濁水質汚濁防止法仮設沈砂池、濁水処理装置
大気(粉じん)大気汚染防止法散水、防じんネット
廃棄物建設リサイクル法、廃棄物処理法分別解体、マニフェスト管理
土壌汚染土壌汚染対策法汚染調査、封じ込め対策
地盤沈下工業用水法、建築物用地下水の採取の規制に関する法律地下水位の監視、揚水量の管理

騒音対策の書き方

騒音規制の基準値

特定建設作業に該当する場合、騒音規制法に基づく基準を遵守する必要があります。

区域区分基準値作業時間帯1日の作業時間作業期間
第1号区域(住居系)敷地境界で85dB以下7:00-19:0010時間以内連続6日以内
第2号区域(商業・工業系)敷地境界で85dB以下6:00-22:0014時間以内連続6日以内

特定建設作業に該当する作業(土木工事関連)

  • くい打機、くい抜機を使用する作業
  • びょう打機を使用する作業
  • さく岩機を使用する作業
  • 空気圧縮機を使用する作業(電動機以外で原動機の定格出力15kW以上)
  • バックホウを使用する作業(原動機の定格出力80kW以上/環境大臣指定以外)

具体的な騒音対策

対策内容効果の目安
低騒音型機械の使用国交省指定の低騒音型建設機械を使用5-10dB低減
防音壁(防音パネル)の設置高さ3-5mの防音壁を施工箇所周囲に設置10-15dB低減
防音シートの設置仮囲いに防音シートを張る5-10dB低減
作業時間の制限規制基準に基づく作業時間帯の遵守-
騒音測定の実施敷地境界での定期的な騒音測定モニタリング

環境保全計画書には、使用機械のリストと、それぞれの騒音レベル(カタログ値)を記載しておくと、発注者への説得力が増します。

振動対策の書き方

振動規制の基準値

区域区分基準値作業時間帯
第1号区域(住居系)敷地境界で75dB以下7:00-19:00
第2号区域(商業・工業系)敷地境界で75dB以下6:00-22:00

具体的な振動対策

対策内容
低振動型機械の使用国交省指定の低振動型建設機械を使用
振動ローラーの使用制限住宅近接部ではタイヤローラーに変更
工法の変更振動杭打ちを圧入工法に変更
防振溝の設置振動の伝搬を防ぐための溝(深さ1.5m程度)を設置
振動測定振動計による定期測定
家屋調査近接する建物の事前・事後調査

家屋調査の実施

振動による影響が懸念される場合、工事着手前に家屋調査を実施し、既存のひび割れや傾きを記録しておくことが重要です。これにより、工事後のクレーム対応がスムーズになります。

水質汚濁防止対策の書き方

河川工事、水路工事、水辺に近い土木工事では、水質汚濁防止が最も重要な環境保全項目です。

主な水質汚濁防止対策

対策内容適用場面
仮設沈砂池濁水を沈砂池に導き、土砂を沈殿させてから放流土工事全般
濁水処理装置凝集剤を使用して濁度を低下させる処理装置濁度基準が厳しい場合
仮締切施工区域を仮締切で囲み、河川水との接触を防止河川内の作業
オイルフェンス油脂類の流出を防止するフェンス重機作業が水辺に近い場合
シルトフェンス濁水の拡散を防止するカーテン状のフェンス海域・湖沼での作業

水質管理基準の記載

環境保全計画書には、放流水の管理基準値を明記します。

管理項目管理基準値(例)測定頻度
濁度放流先の+25度以内施工日ごと
pH5.8-8.6施工日ごと
SS(浮遊物質量)25mg/L以下週1回
油分検出されないこと週1回

基準値は発注者の仕様書や、放流先の水域の環境基準によって異なります。必ず事前に確認してください。

仮設沈砂池の設計

仮設沈砂池の容量は、想定される濁水量と沈殿に必要な滞留時間から算出します。

  • 流入量: 作業に伴う排水量 + 降雨時の雨水流入量
  • 滞留時間: 一般的に30分-1時間以上
  • 池の段数: 2段以上が望ましい(1段目で粗い土砂を沈殿、2段目で微粒子を沈殿)

粉じん対策の書き方

土工事や解体工事では、粉じんの飛散防止が必要です。

対策内容適用場面
散水散水車やスプリンクラーで現場を湿潤状態に保つ掘削工事、解体工事
防じんネット仮囲いに防じんネットを張る住宅地に近い現場
タイヤ洗浄現場出入口にタイヤ洗浄設備を設置公道への土砂持ち出し防止
シート掛け運搬車両の荷台にシートをかけるダンプトラックの搬出時
仮舗装工事用道路を仮舗装する長期間使用する場内道路

廃棄物処理計画の書き方

建設リサイクル法への対応

対象建設工事(土木工事では請負金額500万円以上)では、特定建設資材の分別解体と再資源化が義務付けられています。

特定建設資材リサイクル方法
コンクリート破砕して再生骨材、路盤材として利用
アスファルト・コンクリート破砕して再生合材の原料として利用
木材チップ化して燃料、マルチング材として利用

廃棄物処理の記載項目

  • 発生量の見込み: 工種ごとの廃棄物発生量を推定
  • 分別計画: 現場内での分別方法(コンクリートがら、アスファルトがら、残土、木くず等)
  • 処分先: 許可を受けた処理施設の名称と許可番号
  • マニフェスト管理: 産業廃棄物管理票の運用方法
  • リサイクル率の目標: 発注者が指定する場合あり(例: 95%以上)

近隣対策の記載

環境保全計画には、近隣住民への配慮も記載します。

  • 工事説明会: 着工前に沿道住民への工事説明会を実施
  • 苦情対応窓口: 現場代理人の連絡先を記載した看板を設置
  • 情報提供: 工事予定表を掲示し、特に騒音・振動が大きい作業日を事前に周知
  • 環境測定結果の公表: 騒音・振動の測定結果を近隣住民に報告(求めがあった場合)

まとめ

環境保全計画書は、工事と地域環境との共存を図るための重要な書類です。特に土木工事では、騒音・振動・水質汚濁・粉じんの4項目が主要な対策テーマとなります。

法令の基準値を正しく把握し、具体的な対策と管理方法を記載することで、発注者からの信頼を得られる施工計画書に仕上がります。

施工計画書全体の書き方については、土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。

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