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土木工事の完成図書の作り方と提出の流れ
完成図書とは
完成図書は、工事が完了した際に発注者へ提出する書類一式のことです。工事の成果物を正確に記録し、将来の維持管理や改修工事の際に参考となる重要な資料です。
土木工事ではインフラ(道路、河川、上下水道等)を整備するため、完成図書は数十年にわたって活用されます。正確かつ整理された完成図書の作成は、工事の最終評価にも直結します。
完成図書の構成
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 完成図(出来形図) | 設計図を施工実績に基づいて修正した図面 |
| 出来形管理資料 | 出来形測定結果、管理図、写真 |
| 品質管理資料 | 品質試験結果、管理図、試験成績表 |
| 工事写真 | 施工状況写真、材料検収写真、完成写真 |
| 施工計画書(実績版) | 施工中の変更を反映した最終版 |
| 工事日誌 | 日々の施工記録 |
| 安全管理資料 | KY活動記録、安全パトロール記録、安全教育記録 |
| 産業廃棄物管理票 | マニフェストの写し |
| 各種試験成績表 | コンクリート圧縮強度、土質試験等 |
| 保証書・カタログ | 使用材料のメーカー保証書、製品カタログ |
完成図(出来形図)の作成
完成図は設計図面をベースに、実際の施工結果を反映させた図面です。
作成のポイント
- 設計変更の反映: 協議による設計変更を全て反映
- 出来形寸法の記入: 主要部の実測寸法を赤字で記入
- 埋設物の位置: 水道管、ガス管等の埋設位置と深さを正確に記録
- 座標値の記入: 主要な構造物の座標値を記入(将来の維持管理に必要)
よくある不備
- 設計変更が反映されていない
- スケール(縮尺)が設計図と異なる
- 赤字記入が判読しにくい
出来形管理資料の整理
出来形管理図の作成
出来形管理図は、測定結果を設計値と比較してグラフ化したものです。
| 管理図の種類 | 用途 |
|---|---|
| 出来形管理図(個別) | 各測定箇所の実測値と設計値の比較 |
| 出来形管理図(工程能力図) | 全測定値のばらつきを統計的に表示 |
| 出来形合否判定表 | 規格値に対する合否を一覧表示 |
整理の手順
- 測定野帳から測定値をExcelに入力
- 設計値との差(偏差)を計算
- 規格値内に収まっているか確認
- 管理図をグラフで作成
- 合否判定表を作成
工事写真の整理
写真整理のポイント
- 分類: 工種ごと、施工段階ごと(着手前・施工中・完成)に分類
- 黒板の記載内容: 工事名、工種、撮影日、測定値を明記
- 撮影位置図: どこから撮影したかを平面図上に記載
- 番号付け: 写真番号と写真管理表を対応させる
提出枚数の目安
発注者によって異なりますが、一般的には以下が目安です。
- 着手前写真: 主要な箇所で各1枚
- 施工中写真: 工種ごとに代表的な施工段階で各2-3枚
- 完成写真: 着手前と同じアングルで各1枚
- 品質管理写真: 試験実施ごとに1セット
電子納品への対応
国土交通省や多くの自治体では、完成図書の電子納品が義務化されています。
電子納品の基本ルール
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| フォルダ構成 | 国交省「電子納品要領」に準拠 |
| ファイル形式 | 図面: SXF(P21)形式、写真: JPEG、報告書: PDF |
| ファイル命名規則 | 要領に定められた命名規則に従う |
| メディア | CD-RまたはDVD-R(自治体によってはクラウド提出も可) |
| ウイルスチェック | 提出前にウイルスチェック済みであることを確認 |
電子納品チェックツール
国土交通省が提供する「電子納品チェックシステム」で、フォルダ構成やファイル形式のエラーをチェックできます。提出前に必ず実行しましょう。
完成図書の提出スケジュール
| 時期 | 作業内容 |
|---|---|
| 竣工1ヶ月前 | 完成図書の作成に着手、写真の最終整理 |
| 竣工2週間前 | 出来形管理資料・品質管理資料の取りまとめ完了 |
| 竣工1週間前 | 社内チェック完了、電子納品データのチェック |
| 竣工日 | 完成検査(完成図書を検査官に提示) |
| 検査後 | 指摘事項の修正、最終版の提出 |
まとめ
完成図書は工事の最終成果物であり、工事成績評定にも影響する重要な書類です。施工中から写真撮影や測定データの整理を計画的に進め、竣工直前に慌てないようにしましょう。
特に電子納品はフォルダ構成やファイル形式に細かいルールがあるため、早い段階から要領を確認しておくことをお勧めします。
施工計画書全体の書き方については、土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。
