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総合評価方式の技術提案書で差をつける書き方

総合評価方式とは

総合評価方式は、入札価格だけでなく技術力も評価して落札者を決定する入札方式です。「価格」と「技術」の両面から評価されるため、技術提案書の出来が落札を大きく左右します。

国土交通省の直轄工事では総合評価方式が主流であり、地方自治体でも導入が拡大しています。価格だけの競争ではなく、技術力で勝負できるため、中小の土木工事会社にとってもチャンスがあります。

総合評価方式の種類

方式概要技術提案の範囲
簡易型施工計画の簡易な評価配置予定技術者の実績、施工上の工夫(1-2項目)
標準型施工計画の詳細な評価施工方法、品質管理、安全対策等(複数項目)
高度技術提案型高度な技術を要する工事技術的な課題に対する独自の解決策

多くの土木工事では「簡易型」か「標準型」が採用されています。本記事では、これらに焦点を当てて解説します。

技術提案書の評価項目を正確に読み解く

入札説明書を熟読する

技術提案書を書く前に、まず入札説明書の「評価項目」と「評価基準」を隅々まで読み込みましょう。

確認すべき項目内容
評価項目何を評価するか(品質、安全、環境等)
評価基準どのレベルで何点がつくか
配点各項目の点数配分
記載上の注意ページ数制限、書式指定等

配点の高い項目に注力する

全ての項目に均等に力を入れるのではなく、配点の高い項目に重点的に取り組みましょう。

例えば、以下のような配点の場合は施工計画に最も力を入れます。

評価項目配点力の入れ方
施工計画10点最重点
品質管理5点重点
安全対策5点重点
環境配慮3点標準
地域貢献2点標準

高評価を得る技術提案書の書き方5つのポイント

ポイント1: 現場固有の課題を明確にする

評価者が最も重視するのは「この現場の特性を理解しているか」です。一般論ではなく、当該現場特有の課題を示しましょう。

悪い例: 「安全対策として、毎日のKYミーティングを実施する」

良い例: 「当該現場は通学路に面しており、午前7時30分-8時30分に児童の通行が集中する。この時間帯は搬入車両の通行を禁止し、交通誘導員を2名増員配置する」

ポイント2: 図・写真・イメージ図を効果的に使う

文章だけの提案書は読みにくく、評価者に伝わりません。

表現方法効果的な使い方
平面図施工範囲、仮設計画、交通規制範囲の表示
断面図施工手順の段階的な表示
工程表作業の流れと並行作業の明示
写真類似工事の施工実績の証明
フローチャート品質管理・安全管理の手順

1ページに最低1つは図表を入れることを目安にしましょう。

ポイント3: 数値で具体性を持たせる

抽象的な表現は評価されません。可能な限り数値で示しましょう。

抽象的な表現具体的な表現
騒音を低減する騒音値を85dB以下に抑制する
工期を短縮するICT施工により工期を5日間短縮する
コストを削減する仮設材の転用で仮設費を15%削減する
交通への影響を減らす片側交互通行の日数を10日から6日に短縮する

ポイント4: 「課題→対策→効果」の構成を徹底する

提案の記載は以下の3段構成で統一しましょう。

  1. 課題の提示: 当該現場で想定される具体的な課題
  2. 対策の提案: 課題を解決するための具体的な方法
  3. 期待される効果: 対策によって得られる成果(数値で示す)

この構成を全ての提案項目で一貫させることで、評価者にとって読みやすい提案書になります。

ポイント5: 自社の実績を具体的に示す

類似工事の実績は、技術力の裏付けとして非常に重要です。

記載項目内容
工事名称正式名称を記載
発注者発注機関名
工事概要工種、規模、特殊条件
自社の役割元請/下請、施工範囲
成果工事成績評定点、表彰歴等

実績はCORINS(工事実績情報)で確認できるデータと整合させましょう。

技術提案書でよくある失敗

失敗パターン問題点改善策
使い回し提案現場特性を反映していない現場踏査を実施し、固有の課題を把握
文字だけの提案読みにくく伝わらない図表を効果的に配置
実現不可能な提案評価後のヒアリングで矛盾が露呈実行可能な範囲で提案
評価項目との不一致求められていない内容を記載評価項目に沿って記載
ページ数超過形式不備で減点指定のページ数を厳守

提出前の最終チェックリスト

  • 評価項目と提案内容が対応しているか
  • 図表が鮮明で読み取れるか
  • 数値に根拠があるか
  • 誤字脱字がないか
  • ページ数制限を守っているか
  • 配置予定技術者の情報に誤りがないか
  • 提出期限に余裕があるか

入札書類の準備全体については、土木工事の入札書類 準備チェックリスト30項目もあわせて確認してください。

まとめ

総合評価方式の技術提案書は、現場固有の課題を理解し、具体的な数値と図表で対策を示すことが高評価の鍵です。一般論の使い回しではなく、当該現場に特化した提案を心がけましょう。

提案書の品質向上は、一朝一夕にはいきません。過去の提案書を社内でレビューし、評価結果のフィードバックを蓄積していくことで、組織全体の提案力が向上していきます。

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