施工計画書の品質管理計画の書き方【土木工事編】
品質管理計画とは
品質管理計画は、施工計画書の中でも特に工事成績評定に直結する重要な項目です。「どの工種で、何を、どの方法で、どの基準で管理するか」を一覧表にまとめたもので、施工中の品質確保と完成後の品質証明の両方の役割を持ちます。
土木工事では工種が多岐にわたるため、工種ごとに管理項目を整理して記載する必要があります。
品質管理計画に記載すべき項目
品質管理計画は大きく3つの管理に分かれます。
| 管理の種類 | 目的 | 主な管理対象 |
|---|---|---|
| 材料の品質管理 | 使用材料が設計基準を満たしていることを確認 | 骨材、セメント、アスファルト、鋼材 |
| 施工の品質管理 | 施工が設計どおりに行われていることを確認 | 締固め度、温度、配合、養生 |
| 出来形管理 | 完成した構造物が設計寸法を満たしていることを確認 | 幅、高さ、延長、厚さ、勾配 |
工種別の品質管理項目
土工事(掘削・盛土)
| 管理項目 | 試験方法 | 管理基準値 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 盛土の締固め度 | 現場密度試験(砂置換法またはRI計器法) | 90%以上 | 盛土1層ごと、1,000m3に1回 |
| 含水比 | 炉乾燥法 | 最適含水比の範囲内 | 材料変化時 |
| 土質試験 | 粒度分析、液性限界・塑性限界試験 | 設計条件を満足 | 土質変化時 |
盛土工事では、締固め度の管理が最も重要です。管理基準値は一般的に90%以上ですが、重要構造物の裏込めなどでは95%以上を求められる場合もあります。設計図書をよく確認しましょう。
路盤工
| 管理項目 | 試験方法 | 管理基準値 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 締固め度 | 現場密度試験(砂置換法) | 95%以上(上層路盤)、93%以上(下層路盤) | 500m2に1回 |
| 粒度 | ふるい分け試験 | 粒度規格の範囲内 | 材料搬入時 |
| 修正CBR | CBR試験 | 設計CBR以上 | 材料変化時 |
| 含水比 | 炉乾燥法 | 最適含水比付近 | 日常管理 |
舗装工(アスファルト舗装)
| 管理項目 | 試験方法 | 管理基準値 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 初転圧温度 | 棒状温度計による測定 | 110度C以上 | 各ロット |
| 締固め度 | コア採取による密度試験 | 96%以上 | 2,000m2に3個 |
| アスファルト量 | 抽出試験 | 配合設計値の許容範囲内 | 日常管理 |
| 骨材粒度 | 抽出グラデーション試験 | 配合許容差以内 | 日常管理 |
| 平たん性 | 3mプロフィルメーター | 標準偏差1.75mm以下(一般道) | 施工完了後 |
コンクリート工
| 管理項目 | 試験方法 | 管理基準値 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 圧縮強度 | 供試体による圧縮強度試験 | 設計基準強度以上 | 打設日ごと(1回3本) |
| スランプ | スランプ試験 | 許容差は仕様書による | 荷卸し時、各車 |
| 空気量 | エアメーター法 | 許容差は仕様書による | 荷卸し時、各車 |
| 塩化物含有量 | カンタブ等による測定 | 0.3kg/m3以下 | 荷卸し時 |
| 温度 | 温度計による測定 | 打込み温度5度C-35度Cの範囲 | 荷卸し時 |
コンクリート工は管理項目が多いため、**品質管理表(チェックシート)**を作成して日々の管理漏れを防ぐことが重要です。
出来形管理計画の書き方
出来形管理では、完成した構造物の寸法が設計値を満たしているかを確認します。
記載のポイント
- 管理断面図: どこで何を測定するか、図面上に測定位置を示す
- 測定項目: 幅、高さ、延長、厚さ、勾配など
- 測定頻度: 国交省の「出来形管理基準」に準拠
- 許容値: 規格値(設計値との差の許容範囲)を明記
出来形管理基準の例(道路土工)
| 工種 | 測定項目 | 規格値 | 測定頻度 |
|---|---|---|---|
| 掘削工 | 基準高(上がり) | -50mm | 40mに1箇所 |
| 掘削工 | 幅 | -100mm | 40mに1箇所 |
| 盛土工 | 基準高 | -50mm | 40mに1箇所 |
| 盛土工 | 幅 | -100mm | 40mに1箇所 |
| 盛土工 | 法長 | 規格値の-1.5% | 40mに1箇所 |
品質管理のための写真計画
品質管理と連動して、工事写真の撮影計画も記載します。
- 撮影タイミング: 材料搬入時、試験実施時、施工完了時
- 撮影内容: 材料の確認写真、試験状況写真、出来形測定写真
- 黒板の記載事項: 工事名、工種、管理項目、測定値、撮影日
写真は品質の証拠となる重要な記録です。撮影漏れを防ぐため、工種ごとの撮影チェックリストを事前に作成しておくことをお勧めします。
品質管理計画作成時の注意点
発注者ごとの基準を確認する
国土交通省と都道府県・市町村では、管理基準値や試験頻度が異なる場合があります。必ず発注者の仕様書を確認し、それに準拠した管理計画を作成してください。
過剰管理にならないよう注意する
管理項目を増やしすぎると、現場の負担が大きくなります。設計図書で求められている管理項目を基本とし、必要に応じて自主管理項目を追加するバランスが大切です。
不良発生時の対応手順も記載する
管理基準値を逸脱した場合の対応手順(手直し、再施工、報告の流れ)も品質管理計画に含めておくと、実際のトラブル時にスムーズに対応できます。
まとめ
品質管理計画は、施工計画書の中でも工事成績評定に大きく影響する項目です。工種ごとに管理項目・試験方法・管理基準値・頻度を明確にし、施工中の品質確保体制を具体的に示しましょう。
施工計画書全体の書き方については、土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。
