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交通規制計画書の書き方|道路使用許可と占用許可の違い

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交通規制計画書の書き方|道路使用許可と占用許可の違い

交通規制計画書は、道路上や道路に接して工事をするときに、規制方法・規制図・保安施設・交通誘導警備員の配置・歩行者通路・迂回路を示す計画書で、施工計画書の一部として発注者に出し、道路使用許可の申請にも添付します。 道路で工事・作業をするには所轄警察署長の道路使用許可(道路交通法第77条)が必要で、道路に水道管・ガス管などの物件を設けて継続して道路を使う場合は、別に道路管理者の道路占用許可(道路法第32条)が必要です。規制の内容は、建設工事公衆災害防止対策要綱の基準(規制後の車道幅員は1車線なら3m以上、歩行者通路は幅0.90m以上など)と、国土交通省の「道路工事保安施設設置基準(案)」に沿って決めます。

本記事では、道路使用許可と道路占用許可の違いを整理したうえで、交通規制計画書の記載項目、規制図の描き方、誘導員と歩行者通路の基準を、早見表とチェックリストにまとめます。

道路使用許可と道路占用許可の違い

項目道路使用許可道路占用許可
根拠道路交通法 第77条第1項第1号道路法 第32条第1項
許可する人所轄警察署長道路管理者(国道事務所、都道府県、市町村など)
目的道路における危険の防止、交通の安全と円滑道路の構造の保全、交通への支障の防止
対象道路において工事・作業をしようとする者、またはその工事・作業の請負人電柱・電線、水管・下水道管・ガス管などの工作物・物件・施設を設け、継続して道路を使用しようとする者
申請書の記載事項申請者、道路使用の目的・場所または区間・期間・方法または形態、現場責任者(道路交通法施行規則 第10条)占用の目的・期間・場所、工作物等の構造、工事実施の方法、工事の時期、道路の復旧方法(道路法 第32条第2項)
提出部数・添付申請書は2通。付近の見取図など公安委員会が定める書類を添付(同規則 第10条第2項・第3項)道路管理者の定める様式・添付書類による
相互の関係占用にも当たる場合は、道路管理者を経由して申請書を出せる(道路交通法 第78条第2項)。警察署長は道路管理者に協議する(同 第79条)道路使用にも当たる場合は、警察署長を経由して申請書を出せる(道路法 第32条第4項)。道路管理者は警察署長に協議する(同 第32条第5項)

ひとことで言えば、道路使用許可は「道路で工事・作業をすること」への警察の許可、道路占用許可は「道路に物を設けて使い続けること」への道路管理者の許可です。上下水道やガス管の布設工事のように、道路上で作業をし、かつ管を道路に設ける工事では両方が必要になります。

発注者が道路管理者の工事の場合

道路法による道路管理者が、道路の維持・修繕その他の管理のために工事・作業を行うときは、道路使用許可の代わりに所轄警察署長への協議で足ります(道路交通法 第80条)。また、道路管理者以外の者が道路に関する工事(歩道の切下げなど)を行うには、道路管理者の承認が必要です(道路法 第24条)。どの手続きが必要かは、着手前に監督職員と確認してください。

交通規制計画書とは

交通規制計画書は、道路上またはその付近で施工する工事で、通行車両や歩行者の安全を確保するための計画を記載した書類です。国土交通省の土木工事共通仕様書(案)は、供用中の公共道路に係る工事では、交通の安全について監督職員・道路管理者・所轄警察署と打合せを行い、「道路工事現場における標示施設等の設置基準」「道路工事保安施設設置基準(案)」などに基づいて安全対策を講じるよう定めています(1-1-1-37 交通安全管理)。

土木工事では道路上での作業が多く、交通規制計画は施工計画書の中でも発注者・警察・道路管理者の確認が集まる項目です。

交通規制計画書に記載すべき項目

項目記載内容
規制方法片側交互通行、全面通行止め、車線規制、歩道規制
規制図規制延長、規制後の車道幅員、保安施設の配置、迂回路の案内
規制時間帯昼間規制・夜間規制の別、規制開始・解除の時刻
交通誘導警備員の配置計画配置人数、配置位置、検定合格警備員の要否
保安施設の配置工事予告の標識・標示板、バリケード、保安灯、矢印板、セイフティコーン
迂回路計画迂回路の経路、案内用標示板・「まわり道」標識の設置位置
歩行者対策歩行者用通路の幅・高さ、車道・作業場との区分、照明、段差の解消
緊急車両対策緊急車両の通行確保方法、消防・救急との連絡体制
工事用車両の出入り作業場出入口の位置、出入口の誘導方法
作業終了時の措置路面からの設備・障害物の撤去、仮復旧の方法

規制方法の種類と選定

片側交互通行

片側の車線を規制し、残りの1車線で往復の車両を交互に通行させる方法です。建設工事公衆災害防止対策要綱は、道路管理者・所轄警察署長の特に指示がない場合の標準として、次を定めています。

  • 制限した後の道路が1車線となる場合の車道幅員は3m以上(2車線となる場合は5.5m以上)。できるだけこれより広くとることが望ましい
  • 1車線を往復の交互交通に使う場合は、制限区間をできる限り短くし、前後で渋滞しないよう原則として交通誘導警備員を配置する(解説では工事用の自動信号機による誘導も挙げている)

規制延長の上限は一律には決まっていません。交通量、交差点の位置、見通しを踏まえて、道路管理者・警察署との協議で決めます。

全面通行止め

車両の通行を完全に遮断し、迂回路に誘導する方法です。

  • 道路管理者・所轄警察署長の指示に従い、まわり道の入口と要所に、見やすい案内用標示板等を設置する(公衆災害防止対策要綱 第25)
  • 要綱の解説は、まわり道の途中の各交差点に道路標識「まわり道」(案内標識120-A)を補助板とあわせて設置すること、交通量が多い場合や通学路の場合は原則として交通誘導警備員を配置することを示している
  • 周辺の学校・病院などの状況を調べ、地元住民への周知と緊急車両の通行確保の方法を明確にする
  • バス路線の場合は、バス事業者との調整も必要になる

車線規制(多車線道路)

片側2車線以上の道路で1車線を規制する方法です。規制後に2車線となる場合の車道幅員は5.5m以上が標準です(公衆災害防止対策要綱 第25)。保安施設の配置は、道路工事保安施設設置基準(案)の設置標準図(車線数・昼夜・作業箇所ごとの型式)を参考にします。

規制図の作成方法

規制図は交通規制計画書の核となる図面です。

記載すべき内容

  1. 道路の平面図: 車線数、道路幅員、交差点、横断歩道、作業場出入口の位置
  2. 規制範囲: 規制延長、規制後の車道幅員(有効幅員)
  3. 保安施設の配置: 工事予告の標識・標示板、バリケード、保安灯、矢印板、セイフティコーン
  4. 交通誘導警備員の位置: 人のマークで配置位置を表示
  5. 迂回の案内: 案内用標示板・「まわり道」標識の設置位置と向き
  6. 歩行者動線: 歩行者用通路の位置・幅、誘導方向

保安施設の配置の基準

項目基準根拠
工事予告の標識・標示板工事箇所の前方50mから500mの間の路側または中央帯のうち、視認しやすい箇所に設置公衆災害防止対策要綱 第24
夜間の保安灯道路上または道路に接する部分のさく等に沿って、高さ1m程度で、夜間150m前方から視認できる光度のもの公衆災害防止対策要綱 第24
交通量の特に多い道路交通流に対面する場所に工事中を示す標示板(原則として内部照明式)。必要に応じ夜間200m前方から視認できる回転式または点滅式の黄色・赤色の注意灯公衆災害防止対策要綱 第24
背の高い機械・構造物杭打機など背の高い建設機械や構造物、危険が予想される箇所は白色照明灯で照明公衆災害防止対策要綱 第24
工事用の諸施設周囲の地盤面から高さ0.8m以上2m以下の部分は、通行者の視界を妨げないようにする公衆災害防止対策要綱 第23
型式別の配置工種・車線数・昼夜・作業箇所に応じた設置標準図(A-1型〜H-2型)に準じる道路工事保安施設設置基準(案)

規制図作成の注意点

  • 縮尺と方位、凡例(保安施設の記号の説明)を必ず入れる
  • 昼間規制と夜間規制で保安施設が異なる場合は、それぞれの規制図を作成する
  • 規制の段階(設置途中・規制中・撤去途中)で配置が変わる場合は、段階ごとの図を用意する
  • 標識の設置者は自分で走行してみて、標識等が有効に機能しているかを確かめることが望ましい(要綱の解説)
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道路使用許可の申請手順

申請から許可までの流れ

ステップ内容
1. 事前相談所轄警察署(交通課)と道路管理者に、規制方法・期間・時間帯を相談する
2. 申請書類の作成申請書(2通)、規制図・付近の見取図など公安委員会が定める添付書類
3. 申請所轄警察署長に提出する(占用許可も必要な場合は道路管理者経由も可)
4. 審査警察署長は、占用許可に係るものは道路管理者と協議する。必要に応じて条件が付く
5. 許可許可証の交付。記載事項に変更が生じたら届け出て記載を受ける(道路交通法 第78条第4項)

審査にかかる日数や添付書類の細目は、都道府県警察・警察署ごとに案内されています。許可が下りないと着工できないため、所轄警察署の案内で必要日数を確認し、工程に余裕を持たせて申請します。

許可の基準と条件

道路交通法第77条第2項は、申請された行為が「現に交通の妨害となるおそれがない」「許可に付された条件に従って行われれば交通の妨害となるおそれがなくなる」「交通の妨害となるおそれはあるが公益上または社会の慣習上やむを得ない」のいずれかに当たるときは、警察署長は許可をしなければならないと定めています。許可には、交通の安全と円滑を図るため必要な条件(規制時間帯など)が付くことがあります(同第3項)。

道路管理者・警察署との協議のコツ

協議をスムーズに進めるポイント

  1. 早めの事前相談: 施工計画書を固める前の段階で、規制方法の方向性を相談しておく
  2. 代替案の準備: 「昼間の片側交互通行が認められない場合は夜間規制にする」など複数案を準備する
  3. 地元への説明: 沿道住民への工事説明の状況を伝えられるようにしておく
  4. 同じ路線の過去の規制: 同じ路線で過去にどのような規制が行われたかを調べ、参考にする
  5. 根拠の提示: 交通量や迂回路の状況を資料で示す

よくある協議での指摘事項

  • 通勤・通学時間帯の規制の制限
  • 通学路に面する場合の登下校時間帯への配慮
  • 緊急車両の通行確保が不十分
  • 歩行者用通路の幅やバリアフリー対応が不十分
  • 規制延長が長すぎる(区間を分けた施工を求められる場合がある)

交通誘導警備員の配置計画の書き方

配置する場所の考え方

公衆災害防止対策要綱は、次の場面で交通誘導警備員の配置を求めています。人数は規制方法・交通量・見通しに応じて決め、道路管理者・警察署との協議と許可条件に合わせます。

場面配置の考え方根拠
道路上の工事作業場出入口等に原則として配置要綱 第24
片側交互通行制限区間の前後で渋滞しないよう原則として配置(工事用の自動信号機の活用も)要綱 第25
迂回路交通量が多い場合や通学路の場合は原則として配置要綱 第25 解説
歩行者の多い箇所幅1.5m以上の歩行者用通路を確保し、配置して歩行者を誘導要綱 第27

検定合格警備員が必要な道路

警備員等の検定等に関する規則第2条により、次の道路で交通誘導警備業務を行う場合は、場所ごとに交通誘導警備業務の1級または2級の検定合格警備員を1人以上配置しなければなりません。

  • 高速自動車国道、自動車専用道路
  • 道路または交通の状況により、都道府県公安委員会が道路における危険を防止するため必要と認める道路

「公安委員会が必要と認める道路」は都道府県ごとに定められており、国道かどうかで一律に決まるものではありません。現場の都道府県の公安委員会の告示で確認してください。

歩行者対策の記載

道路工事では、車両だけでなく歩行者の安全確保も重要です。公衆災害防止対策要綱 第27は、やむを得ず通行を制限する場合に、車道とは別に次の歩行者用通路を確保するよう定めています。

項目基準
通路の幅0.90m以上(高齢者や車椅子使用者等の通行が想定されない場合は0.75m以上)
歩行者の多い箇所幅1.5m以上。交通誘導警備員を配置する等で適切に誘導する
有効高さ2.1m以上
車道・作業場との境移動さくを間隔をあけずに設置する、またはさくの間に安全ロープ等をはってすき間をなくす
路面段差や凹凸をなくし、滑りにくい状態を保つ。必要に応じてスロープ、手すり、視覚障害者誘導用ブロック等を設ける
照明・標識必要な標識等を掲げ、夜間は適切な照明等を設ける
確保できない場合施工計画の変更等について発注者と協議する

要綱の解説によると、0.90mは車椅子の直進に必要な最小幅員、1.5mは歩行者が対面通行できる最小寸法です。車椅子の回転に必要な幅(1.3m)には0.90mでは足りない点にも留意します。

独自の早見表:交通規制計画書チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、上記の法令・要綱・共通仕様書の規定を、交通規制計画書の提出前に確認する順に並べたものです。

No.確認すること根拠
1道路使用許可が必要か(道路管理者の工事で協議になるか)を監督職員と確認した道路交通法 第77条・第80条
2管・施設を道路に設ける場合、道路占用許可(または道路法第24条の承認)が必要かを確認した道路法 第32条・第24条
3規制後の車道幅員が1車線3m以上・2車線5.5m以上(特に指示がない場合の標準)になっている公衆災害防止対策要綱 第25
4片側交互通行の制限区間を短くし、交通誘導警備員または自動信号機による誘導を計画した公衆災害防止対策要綱 第25
5工事予告の標識・標示板を工事箇所の前方50m〜500mの間に配置した公衆災害防止対策要綱 第24
6夜間は高さ1m程度・150m前方から視認できる保安灯を配置した公衆災害防止対策要綱 第24
7歩行者用通路を幅0.90m以上(多い箇所は1.5m以上)・有効高さ2.1m以上で確保した公衆災害防止対策要綱 第27
8迂回路の入口・要所に案内用標示板を配置した公衆災害防止対策要綱 第25
9検定合格警備員が必要な道路かを確認した警備員等の検定等に関する規則 第2条
10毎日の作業終了時に、許可された常設作業帯を除き路面から設備・障害物を撤去する計画にした共通仕様書 1-1-1-37
11掘削箇所を交通に開放するときは仮舗装・覆工をし、やむを得ない段差は5%以内の勾配ですりつける計画にした公衆災害防止対策要綱 第26
12申請書2通と、規制図・見取図など所轄警察署が求める添付書類をそろえた道路交通法施行規則 第10条

よくある質問

Q. 道路使用許可と道路占用許可の違いは何ですか。 A. 道路使用許可は、道路で工事・作業をすることについて所轄警察署長から受ける許可です(道路交通法第77条)。道路占用許可は、水道管・ガス管などの物件を道路に設けて継続して使用することについて道路管理者から受ける許可です(道路法第32条)。両方に当たる工事では両方が必要で、申請書はどちらか一方を経由して出すことができます。

Q. 道路使用許可は誰が申請しますか。 A. 道路交通法第77条第1項第1号は、「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」を対象としています。公共工事では受注者が申請することが多いですが、発注者が道路管理者で維持・修繕等の工事の場合は警察署長への協議で足りるため、監督職員に確認してください。

Q. 片側交互通行の幅員は何m必要ですか。 A. 公衆災害防止対策要綱は、道路管理者・所轄警察署長の特に指示がない場合の標準として、規制後に1車線となる場合の車道幅員を3m以上としています。指示がある場合はそれに従います。

Q. 工事中の仮設歩道の幅は何m以上ですか。 A. 公衆災害防止対策要綱では、歩行者用通路は幅0.90m以上(高齢者や車椅子使用者等の通行が想定されない場合は0.75m以上)、有効高さ2.1m以上で、歩行者の多い箇所は幅1.5m以上です。

Q. 交通規制計画書はAIで下書きできますか。 A. 記載項目の整理や説明文の下書きには使えます。ただし幅員・距離などの数値、規制方法は要綱・許可条件・協議結果で人が確かめます。手順は交通規制計画書をAIで下書きする方法で解説しています。

まとめ

  • 交通規制計画書は、規制方法・規制図・保安施設・誘導員・歩行者通路・迂回路を示す計画書で、施工計画書の一部であり、道路使用許可の申請にも使う
  • 道路で工事・作業をするなら道路使用許可(道路交通法第77条・警察署長)、道路に物件を設けて使い続けるなら道路占用許可(道路法第32条・道路管理者)
  • 規制後の車道幅員は1車線3m以上・2車線5.5m以上、工事予告は前方50m〜500m、歩行者通路は0.90m以上(多い箇所は1.5m以上)・有効高さ2.1m以上が要綱の基準
  • 道路管理者・警察署との協議は早めに行い、許可が工程に影響しないよう余裕を持って申請する

道路工事の事故防止策は道路工事における交通事故防止対策、施工計画書全体の書き方は土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。

出典・参考

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