土木工事 業務改善Navi
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コンクリートの品質管理|受入検査の規格値と記録表の書き方

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コンクリートの品質管理|受入検査の規格値と記録表の書き方

土木工事のコンクリートの品質管理は、国土交通省の「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」の品質管理基準に沿って、荷卸し時にスランプ(±2.5cm など)・空気量(±1.5%)・塩化物総量(原則0.3kg/㎥以下)・圧縮強度(1回の試験結果が呼び強度の85%以上、3回の平均が呼び強度以上)を試験し、結果を記録表に残すのが基本です。 試験頻度は「1回/日以上、または構造物の重要度と工事の規模に応じて20〜150㎥ごとに1回」です。打込みと養生は土木工事共通仕様書(案)で、練混ぜから打ち終わるまでの時間(外気温が日平均25℃を超える場合1.5時間、25℃以下で2時間以内)や湿潤養生期間の目安が定められています。

本記事では、配合・受入検査・打込み・養生の順に、国の基準で決まっている値を整理し、現場でそのまま使える「コンクリート品質管理記録表」の項目と記入例を示します。数値は末尾の「出典・参考」に挙げた令和8年3月版の公表資料で確認したものに限っています。自治体工事では独自の基準が指定されることがあるため、必ず契約図書(設計図書・特記仕様書)で適用基準を確認してください。

コンクリートの品質管理項目(工程別の一覧)

工程ごとに「何で確かめるか」を並べると次のとおりです。品質管理基準では、試験区分「必須」は全面的に実施し、「その他」は特記仕様書で指定されたものを実施します。

工程主な管理項目確かめ方・根拠
配合水セメント比、スランプ、空気量、単位水量示方配合表を作成し監督職員の確認(共通仕様書 1-3-3-3)。JISマーク表示品は配合試験を省略でき、配合計画書を整備・保管
材料・製造セメント・骨材・練混ぜ水、計量精度JISマーク表示のレディーミクストコンクリートを使う場合は、品質管理基準の材料・製造の試験は対象外(試験成績表等で確認)
運搬運搬時間、材料分離トラックアジテータを使用。運搬時間(練混ぜ開始から荷卸し地点到着まで)は1.5時間以内(共通仕様書 1-3-6-3・1-3-6-4)
受入(荷卸し時)スランプ、空気量、塩化物総量、単位水量、圧縮強度用供試体の採取品質管理基準「1 セメント・コンクリート」施工・必須
打込み・締固め打ち終わるまでの時間、自由落下高さ、締固め共通仕様書 1-3-6-4・1-3-6-5
養生湿潤状態の保持、養生期間、暑中・寒中の温度共通仕様書 1-3-6-9、第9節・第10節
施工後ひび割れ調査、テストハンマーによる強度推定品質管理基準 施工後試験・必須(対象構造物の条件あり)

配合で押さえる基準

配合は、設計図書の規定のほか、必要な強度・耐久性・水密性・作業に適するワーカビリティー(施工のしやすさ)が得られる範囲で、単位水量をできるだけ小さく定めることが共通仕様書で求められています。

項目国の基準で決まっていること根拠
水セメント比(W/C)一般の環境条件では、鉄筋コンクリート55%以下、無筋コンクリート60%以下共通仕様書 1-3-3-3
示方配合表粗骨材の最大寸法、スランプ、水セメント比、空気量、細骨材率、単位量(水・セメント・混和材・細骨材・粗骨材・混和剤)を記載し、施工前に監督職員の確認共通仕様書 1-3-3-3
単位水量の上限示方配合の単位水量は、粗骨材の最大寸法20〜25mmで175kg/㎥、40mmで165kg/㎥を基本品質管理基準 単位水量測定の摘要
許容塩化物量鉄筋コンクリート部材等で塩化物イオン量0.30kg/㎥以下共通仕様書 第1編第3章第2節

設計基準強度・スランプ・空気量の指定値は構造物ごとに設計図書で決まります。塩害や凍結融解が想定される環境での水セメント比の上限などは、発注者の仕様書・特記仕様書と最新の示方書で確認してください。

受入検査の規格値と試験頻度

荷卸し時の必須試験(品質管理基準 令和8年3月版)

試験項目試験方法規格値試験時期・頻度
スランプ試験JIS A 1101スランプ5cm以上8cm未満は許容差±1.5cm、8cm以上18cm以下は±2.5cm、2.5cmは±1.0cm荷卸し時。1回/日以上、または構造物の重要度と工事の規模に応じて20〜150㎥ごとに1回、および荷卸し時に品質変化が認められたとき
空気量測定JIS A 1116、JIS A 1118、JIS A 1128±1.5%(許容差)スランプ試験と同じ
塩化物総量規制「コンクリートの耐久性向上」仕様書原則0.3kg/㎥以下打設が午前と午後にまたがる場合は午前の打設前に1回。その結果が規制値の2分の1以下なら午後の試験を省略できる。1試験の測定回数は3回で、判定は3回の平均値
単位水量測定レディーミクストコンクリート単位水量測定要領(案)配合設計±15kg/㎥以内はそのまま施工。±15を超え±20kg/㎥以内は原因を調査し改善を指示したうえで打設し、安定するまで運搬車3台ごとに測定。±20kg/㎥を超えたら打ち込まずに持ち帰らせる100㎥/日以上の場合、2回/日(午前1回・午後1回)以上。重要構造物は重要度に応じて100〜150㎥ごとに1回、および品質変化が認められたとき(多い方を採用)
圧縮強度試験JIS A 11081回の試験結果は呼び強度の85%以上、3回の試験結果の平均値は呼び強度以上(1回の試験結果は供試体3個の平均)荷卸し時または工場出荷時に運搬車から採取。1回/日以上、または20〜150㎥ごとに1回。供試体は1回につき6個(σ7…3個、σ28…3個)

圧縮強度の判定は「配合強度」や「設計基準強度」ではなく、レディーミクストコンクリートを発注したときに指定した呼び強度に対して行います。早強セメントを使う場合は、必要に応じて1回につき3個(σ3)を追加で採取します。

頻度の緩和(小規模工種)と例外

  • 小規模工種で1工種あたりの総使用量が50㎥未満の場合は、1工種1回以上の試験、またはレディーミクストコンクリート工場の品質証明書等のみとすることができます。総使用量が50㎥以上なら50㎥ごとに1回です(スランプ・空気量・塩化物・圧縮強度に共通)。
  • 小規模工種から除かれるのは、橋台、橋脚、杭類、橋梁上部工、擁壁工(高さ1m以上)、函渠工、樋門・樋管、水門、水路(内幅2.0m以上)、護岸、ダム・堰、トンネル、舗装、これらに類する工種と特記仕様書で指定された工種です。
  • 道路橋の鉄筋コンクリート床版にレディーミクストコンクリートを用いる場合、スランプ試験は原則として全運搬車で行います。
  • 用心鉄筋等を持たない無筋構造物は、塩化物総量の試験を省略できます。

受入検査で規格値を外れたとき

単位水量には上の表のとおり「打設してよい/改善指示のうえ打設/持ち帰り」の判断基準が定められています(管理値・指示値を超えた場合は1回に限り再試験ができ、2回のうち配合設計との差が小さい方で評価できます)。スランプ・空気量が規格値を外れた運搬車の扱い(受入れの可否、再試験の条件、記録の残し方)は、施工計画書に手順として書き、監督職員と事前に共有しておくと現場で迷いません。

打込み・締固めの規定(共通仕様書 1-3-6)

項目規定
練混ぜから打ち終わるまで外気温が日平均25℃を超える場合1.5時間、25℃以下の場合2時間以内(原則)
運搬時間練混ぜ開始から荷卸し地点到着まで1.5時間以内
打込みの適用気温日平均気温が4℃を超え25℃以下と予想されるとき。範囲外は暑中・寒中コンクリートの規定による
1日の打設高さ1回の打設で終わる小規模構造物を除き、施工計画書に記載(変更時は施工前に計画書を変更)
自由落下高さシュート・ポンプ配管・バケット等の吐出口から打込み面まで1.5m以下
横移動打設したコンクリートを型枠内で横移動させない
締固め棒状バイブレータを使用(薄い壁など使いにくい箇所は型枠バイブレータ)
二層以上の打込み上層は下層が固まり始める前に打ち込み、バイブレータを下層に10cm程度挿入して一体に締め固める
打継目旧コンクリート表面のレイタンス・緩んだ骨材粒などを取り除き、吸水させてから打ち継ぐ

一層の打込み高さやバイブレータの挿入間隔は、共通仕様書では「締固め能力等を考慮して定める」とされており、全国一律の数値はありません。施工計画書に自社の基準として書き、特記仕様書に指定があればそれに従います。

コールドジョイントの防止

コールドジョイントは、先に打ち込んだコンクリートが固まり始めてから次のコンクリートを打ち重ねたために生じる、一体化していない継目です。共通仕様書は「上層の打込みは下層が固まり始める前に行う」こと、暑中コンクリートでは「コールドジョイントが生じないよう打設する」ことを求めています。許容できる打重ね時間間隔は、気温やセメントの種類で変わるため、発注者の仕様書・最新の示方書で確認し、打設順序・ポンプ車の配置・運搬車の配車間隔とあわせて打設計画書に落とし込みます。

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暑中コンクリート・寒中コンクリート

区分適用条件主な規定
暑中コンクリート(第9節)日平均気温が25℃を超えると予想されるとき打設時のコンクリート温度の上限は35℃(所定の品質を確保できる場合は38℃)。練混ぜから打設終了まで1.5時間以内。型枠・鉄筋が直射日光で高温になるおそれがあれば散水・覆い。打設後は速やかに養生を始め、表面を乾燥から守る
寒中コンクリート(第10節)日平均気温が4℃以下になると予想されるとき打込み時のコンクリート温度は5〜20℃の範囲。凍結した骨材や氷雪の混じった骨材は使わない。材料を加熱するときは水または骨材を加熱し、セメントは直接熱しない。AEコンクリートを用いる。養生温度は5℃以上を保つ

寒中コンクリートの温度制御養生期間(例:厳しい気象条件で養生温度5℃なら普通ポルトランドセメント9日)や、その後2日間は0℃以上に保つことなどは、共通仕様書の表1-3-4に定められています。冬期の施工は冬期のコンクリート施工でも扱っています。

養生管理

共通仕様書は、打込み後の一定期間を硬化に必要な温度と湿潤状態に保つこと、養生期間はセメントの種類や環境温度に応じて定めることを求め、通常の工事の目安として次の湿潤養生期間を示しています。

湿潤養生期間の目安(共通仕様書 表1-3-3)

日平均気温早強ポルトランドセメント普通ポルトランドセメント混合セメントB種中庸熱ポルトランドセメント低熱ポルトランドセメント
15℃以上3日5日7日8日10日
10℃以上4日7日9日9日試験により定める
5℃以上5日9日12日12日試験により定める

寒中コンクリートの場合は第10節の規定によります。温度制御養生や蒸気養生などの促進養生を行う場合は、養生方法を施工計画書に記載し、膜養生(養生剤の散布)を行う場合は監督職員と協議します。

コンクリート品質管理記録表の項目と記入例

「コンクリート品質管理記録表」は発注者や会社ごとに様式が違いますが、品質管理基準の試験項目と、共通仕様書が求める打込みの記録を1枚にまとめると、検査で照合しやすくなります。土木工事 業務改善Naviが、上記の基準に沿って項目を整理した記入例です(数値は記入方法を示すための架空の例で、実在の工事の記録ではありません)。

記録項目記入例照合する基準
工事名・工種・構造物○○線道路改良工事/場所打擁壁工(高さ1m以上)小規模工種に当たるかの判断
打設日・天候・日平均気温(予想)10月5日/晴/18℃4℃超25℃以下なら通常、範囲外は暑中・寒中
配合(呼び方)配合計画書の呼び方を転記配合計画書・示方配合表
運搬車番号・練混ぜ開始時刻・到着時刻3号車/9:05/9:40運搬時間1.5時間以内
打ち終わり時刻10:20日平均25℃以下なら練混ぜから2時間以内
スランプ(指定値/測定値)8cm/9.0cm8cm以上18cm以下は±2.5cm
空気量(指定値/測定値)配合計画書の値/測定値±1.5%
コンクリート温度・外気温測定値を記入暑中は35℃(条件付き38℃)以下、寒中は5〜20℃
塩化物総量(3回測定と平均)3回の値と平均を記入原則0.3kg/㎥以下(午前の値が2分の1以下なら午後省略可)
単位水量(測定値/配合設計との差)測定値と差を記入±15kg/㎥以内で施工可
供試体の採取σ7用3個、σ28用3個(番号を記入)1回につき6個
圧縮強度(σ7・σ28)試験日と3個の平均値1回の結果は呼び強度の85%以上、3回の平均は呼び強度以上
試験者・確認者役職で記入施工管理担当者(施工管理基準)
写真番号写真管理基準に沿った番号品質管理写真との対応

試験回数の数え方(計算例)

監督職員と協議して「150㎥ごとに1回」と決めた工種で、1日に300㎥を打設する場合、スランプ・空気量・圧縮強度の試験は1日2回です(1回/日以上の条件も満たします)。供試体は1回につき6個なので、その日は12個を採取します。試験の区切り方(端数の扱いを含む)は、施工計画書の品質管理計画に書いておきます。

品質記録として残すもの

コンクリートの品質記録は、出来形管理の記録とともに工事の完成時に提出・保管します。共通仕様書は、JISマーク表示のレディーミクストコンクリートを使う場合でも、配合計画書と納入書を整備・保管し、監督職員・検査職員の請求があれば速やかに提示することを求めています。

  • レディーミクストコンクリート配合計画書・納入書
  • 示方配合表(配合試験を行った場合)
  • 受入検査の記録(スランプ、空気量、温度、塩化物総量、単位水量)
  • 圧縮強度試験結果(σ7・σ28)
  • 打設記録(打設日時、気温、打設量、運搬時間、打設高さ)
  • 養生記録(養生方法、養生期間、温度)
  • 施工後のひび割れ調査・テストハンマーによる強度推定調査の記録(対象構造物の場合)
  • 品質管理写真

施工後試験のひび割れ調査は、高さ5m以上の鉄筋コンクリート擁壁、内空断面積25㎡以上の鉄筋コンクリートカルバート類、橋梁上・下部工、高さ3m以上の堰・水門・樋門が対象(プレキャスト製品とプレストレストコンクリートは除く)で、幅0.2mm以上のひび割れがあれば「ひび割れ発生状況の調査」を行います。

よくある質問

Q. コンクリートの受入検査では何を試験しますか。 A. 国の品質管理基準で荷卸し時の必須試験とされているのは、スランプ、空気量、塩化物総量、単位水量、圧縮強度(供試体の採取)です。小規模工種で総使用量50㎥未満の場合は、1工種1回以上の試験または工場の品質証明書等のみとできます。

Q. スランプの許容差はいくつですか。 A. スランプ5cm以上8cm未満は±1.5cm、8cm以上18cm以下は±2.5cm、2.5cmは±1.0cmです。

Q. 圧縮強度の合否は何に対して判定しますか。 A. 指定した呼び強度です。1回の試験結果(供試体3個の平均)が呼び強度の85%以上、かつ3回の試験結果の平均値が呼び強度以上で合格です。

Q. コンクリート品質管理記録表の様式は決まっていますか。 A. 全国共通の様式はなく、発注者の指定様式や社内様式を使います。品質管理基準の試験項目・規格値・頻度と同じ並びで作ると、原典との照合がしやすくなります。

まとめ

  • 受入検査の必須試験は、スランプ・空気量(±1.5%)・塩化物総量(原則0.3kg/㎥以下)・単位水量・圧縮強度(呼び強度の85%以上、3回平均で呼び強度以上)
  • 頻度は「1回/日以上、または20〜150㎥ごとに1回」。小規模工種の緩和と、床版の全車試験などの例外は摘要欄で確認する
  • 打込みは「日平均25℃超で1.5時間、25℃以下で2時間以内」「自由落下1.5m以下」、養生は共通仕様書の表1-3-3の湿潤養生期間を目安にする

基準の全体像は土木工事施工管理基準とは、施工計画書への書き方は品質管理計画の書き方、計画書のひな形は品質管理計画書の記入例・テンプレートを参照してください。

出典・参考

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