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寒中コンクリートの基準と冬期の養生|温度・養生期間の早見表

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寒中コンクリートの基準と冬期の養生|温度・養生期間の早見表

寒中コンクリートの基準は、国土交通省の土木工事共通仕様書(案)で「日平均気温が4℃以下になることが予想されるとき」に適用し、打込み時のコンクリート温度を5〜20℃に保ち、養生温度を5℃以上に保つと定められています。 冬期の養生期間は、同仕様書の表1-3-4「寒中コンクリートの温度制御養生期間」の値以上が標準で、たとえば厳しい気象条件で養生温度5℃なら普通ポルトランドセメント9日・早強5日・混合セメントB種12日です。その後さらに2日間はコンクリート温度を0℃以上に保ち、湿潤養生の日数(表1-3-3)も満たす必要があります。

本記事では、寒中コンクリートの規定を一覧表にし、材料・打込み・養生の各段階で決まっていること、養生日数の早見表、冬期の養生方法の選び方、温度記録と施工計画書の書き方をまとめます。数値は末尾の「出典・参考」に挙げた令和8年3月版の共通仕様書で確認したものに限っています。自治体の工事では独自の仕様書が指定されることがあるため、契約図書で適用基準を確認してください。

寒中コンクリートの基準一覧

国の共通仕様書 第1編 第3章 第10節「寒中コンクリート」で決まっていることを、工程順に並べると次のとおりです。

工程決まっていること根拠
適用する気温日平均気温が4℃以下になることが予想されるとき1-3-10-1
目標材料・配合・練混ぜ・運搬・打込み・養生・型枠・支保について、コンクリートが凍結せず、設計図書に示す品質が得られるようにする1-3-10-1
骨材凍結しているか、氷雪の混入している骨材は使わない1-3-10-2
材料の加熱加熱するのは水または骨材。セメントはどんな場合でも直接熱しない。骨材は温度が均等で過度に乾燥しない方法で加熱1-3-10-2
コンクリートの種類AEコンクリートを用いる(これ以外は監督職員と協議)1-3-10-2
練混ぜ・運搬・打込み熱量の損失を少なくする1-3-10-2
ミキサーへの投入順序セメントが急結を起こさないよう、加熱した材料の投入順序を設定する1-3-10-2
打込み時のコンクリート温度構造物の断面最小寸法・気象条件等を考慮して5〜20℃の範囲に保つ1-3-10-2
鉄筋・型枠・地盤氷雪が付着した状態で打設しない。地盤が凍結していれば溶かし、水分を十分に除去してから打設1-3-10-2
凍害を受けたコンクリート凍結融解によって害を受けたコンクリートは除く1-3-10-2
初期養生打込み終了後ただちにシート等で表面を覆い、表面温度の急冷を防ぐ1-3-10-3
凍結からの保護打込み後の初期に凍結しないよう保護し、特に風を防ぐ1-3-10-3
給熱局部的な乾燥・加熱を避ける。保温養生終了後、コンクリート温度を急速に下げない1-3-10-3
養生温度5℃以上に保つ1-3-10-3
養生期間表1-3-4の値以上が標準。その後さらに2日間は0℃以上。湿潤養生の日数(表1-3-3)も満たす1-3-10-3

「4℃以下」は、打込みの規定(1-3-6-4)の「日平均気温が4℃を超え25℃以下の範囲で打ち込む。範囲外は暑中・寒中コンクリートの規定による」と対になっています。暑中コンクリートを含む打込み・受入検査の基準はコンクリートの品質管理で解説しています。

材料と配合のポイント

共通仕様書で決まっているのは、凍結した骨材を使わないこと、加熱は水か骨材で行いセメントを直接熱しないこと、AEコンクリートを用いること、加熱した材料の投入順序を急結が起きないよう設定することです。

AEコンクリート(AE剤で微細な空気の泡を入れたコンクリート)は、泡が凍結時の膨張圧を逃がすことで凍結融解に強くなります。空気量やセメントの種類、水セメント比などの配合は、設計図書・特記仕様書と配合計画書で決まります。荷卸し時の空気量は品質管理基準で「指定値±1.5%」の範囲を確認します。

一律の加熱温度や「寒中は○%以下」といった配合の数値は共通仕様書にはありません。早強ポルトランドセメントへの変更などを検討する場合は、配合計画書と監督職員との協議で決めてください。

打込み時の温度管理

打込み時のコンクリート温度は、5〜20℃の範囲に保ちます(1-3-10-2)。範囲の中でどの温度を目標にするかは、構造物の断面最小寸法と気象条件を考えて施工計画で決めます。薄い部材ほど冷えやすいため、範囲の下限ぎりぎりを狙わない計画にします。

段階やること根拠
打設前日気温の予報を確認し、日平均気温4℃以下が予想されれば寒中コンクリートとして準備1-3-10-1
打設前鉄筋・型枠の氷雪を除去。凍結した地盤は溶かして水分を除去1-3-10-2
出荷・運搬熱量の損失を少なくする(運搬時間の短縮、待機の削減、保温)1-3-10-2
荷卸し時コンクリート温度を測って記録し、5〜20℃に入っているか確認1-3-10-2
打込み終了直後ただちにシート等で表面を覆う1-3-10-3

寒中コンクリートの養生期間(表1-3-4)

温度制御養生期間

共通仕様書は、養生温度を5℃以上に保ち、養生期間を次の表1-3-4の値以上とするのを標準としています。表は、5℃以上の温度制御養生と所定の湿潤養生を行った後に想定される気象条件ごとに示されています。

気象条件養生温度普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント混合セメントB種
厳しい気象条件5℃9日5日12日
厳しい気象条件10℃7日4日9日
まれに凍結融解する程度の気象条件5℃4日3日5日
まれに凍結融解する程度の気象条件10℃3日2日4日

表の注として、これは水セメント比が55%の場合の標準的な養生期間であり、水セメント比が異なる場合は適宜増減するとされています。

養生期間を決めるときの3つの条件

寒中コンクリートの養生期間は、次の3つをすべて満たすように決めます(1-3-10-3)。

  1. 5℃以上の温度制御養生を、表1-3-4の日数以上行う
  2. その後さらに2日間、コンクリート温度を0℃以上に保つ
  3. 湿潤状態を保つ日数として、表1-3-3(湿潤養生期間の目安)の日数も満たす

表1-3-3では、日平均気温5℃以上の場合の湿潤養生期間の目安が、早強ポルトランドセメント5日、普通ポルトランドセメント9日、混合セメントB種12日などとされています。

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早見表:冬期の養生日数の考え方

土木工事 業務改善Naviが、表1-3-4と表1-3-3を「セメントの種類ごとに何日・何をするか」に並べ直した早見表です(厳しい気象条件、養生温度5℃、水セメント比55%の場合)。

セメントの種類① 5℃以上の温度制御養生(表1-3-4)② その後0℃以上に保つ期間③ 湿潤養生の目安(表1-3-3、日平均5℃以上)
普通ポルトランドセメント9日以上2日間9日
早強ポルトランドセメント5日以上2日間5日
混合セメントB種12日以上2日間12日

①〜③は別々に数えるのではなく、「①の期間を5℃以上に保ち、続けて②の2日間を0℃以上に保つ」「その間に③の湿潤状態を保つ日数も満たす」という関係です。水セメント比や気象条件が異なる場合、型枠を外す時期を強度で判断する場合などは、設計図書・特記仕様書と監督職員との協議で決めた日数を施工計画書に書いてください。

冬期の養生方法

共通仕様書は、養生方法と期間を、外気温、配合、構造物の種類と大きさなどを考えて計画するよう求めています。代表的な方法は次のとおりで、外気温や部材の大きさによって組み合わせます。

養生方法概要計画のポイント
保温養生シート・養生マット・断熱材などで覆い、セメントの水和熱で温度を保つ打込み直後にすぐ覆えるよう、材料を事前に準備する。風を防ぐ
給熱養生ヒーター等で加熱する局部的な乾燥・加熱を避ける。加熱中も湿潤状態を保つ。一酸化炭素など換気にも注意
囲い養生シートやテントで構造物を囲い、内部を加温する囲いの中の温度を測って記録する
養生終了時保温・給熱をやめるときコンクリート温度を急速に下げない(1-3-10-3)

温度制御養生を行う場合は、温度制御の方法と養生日数を施工計画書に記載することが共通仕様書(1-3-6-9)で求められています。

温度の測定と記録

共通仕様書には、寒中コンクリートの温度測定の回数を一律に定めた規定はありません。打込み温度(5〜20℃)と養生温度(5℃以上)、その後2日間の0℃以上を確認した記録が残るよう、施工計画書で測定項目・方法・頻度を決めておきます。

測定項目確認する基準測定方法の例
日平均気温の予想と実績4℃以下なら寒中コンクリート気象情報、現場の温度計
荷卸し時のコンクリート温度5〜20℃棒状温度計
養生中のコンクリート温度(または養生空間の温度)5℃以上を表1-3-4の日数以上埋込み型温度センサー、データロガー
温度制御養生終了後のコンクリート温度2日間0℃以上同上

温度の記録は、品質管理の記録として整理し、提出書類に含めます。荷卸し時の試験項目と記録表の作り方はコンクリートの品質管理、計画書への記入例は品質管理計画書の例・サンプルを参照してください。

現場用:寒中コンクリート チェックリスト

タイミング確認すること基準
打設前日日平均気温の予想4℃以下なら寒中コンクリート
打設前日保温材・ヒーター・囲い・温度計(ロガー)の準備打込み後ただちに覆えること
打設前鉄筋・型枠の氷雪、地盤の凍結氷雪なし。凍結地盤は溶かして水分を除去
受入れ骨材の凍結・氷雪の混入がないことを工場に確認使用しない
荷卸し時コンクリート温度5〜20℃
荷卸し時空気量(AEコンクリート)指定値±1.5%(品質管理基準)
打込み終了直後シート等で表面を覆った表面の急冷を防ぐ
養生中養生温度と風の対策5℃以上。特に風を防ぐ
養生中湿潤状態表1-3-3の日数を満たす
温度制御養生の終了日数表1-3-4の値以上(例:厳しい条件・5℃・普通9日)
終了後コンクリート温度2日間0℃以上。急速に下げない
凍害の疑い表面の状態凍結融解で害を受けたコンクリートは除く

施工計画書への記載事項

寒中コンクリートに該当する時期の工事では、施工計画書に次の内容を記載し、監督職員と事前に確認しておきます。施工計画書全体の構成は土木工事の施工計画書 完全作成ガイドを参照してください。

  • 寒中コンクリートとして施工する期間と判断方法(日平均気温4℃以下の予想)
  • 使用するセメントの種類と配合(配合計画書)、AEコンクリートの使用
  • 材料の加熱方法(水または骨材)と投入順序
  • 打込み時のコンクリート温度の目標(5〜20℃の範囲内)
  • 養生方法(保温・給熱・囲い)、養生温度(5℃以上)、養生期間(表1-3-4以上、その後2日間0℃以上、表1-3-3の湿潤養生)
  • 温度制御養生の方法と養生日数(1-3-6-9)
  • 温度の測定項目・方法・頻度と記録様式
  • 凍害が疑われる場合の対応(凍害を受けたコンクリートの除去、監督職員への報告)

よくある質問

Q. 寒中コンクリートは何度からですか。 A. 国の共通仕様書では、日平均気温が4℃以下になることが予想されるときに寒中コンクリートとして施工します。

Q. 寒中コンクリートの打込み温度の基準は。 A. 打込み時のコンクリート温度を、構造物の断面最小寸法や気象条件等を考慮して5〜20℃の範囲に保ちます。

Q. 冬のコンクリートの養生期間は何日ですか。 A. 養生温度5℃以上で、表1-3-4の値以上が標準です。厳しい気象条件で養生温度5℃なら、普通ポルトランドセメント9日、早強ポルトランドセメント5日、混合セメントB種12日です(水セメント比55%の場合)。その後さらに2日間は0℃以上に保ち、表1-3-3の湿潤養生期間も満たします。

Q. 冬期の養生温度は何℃以上ですか。 A. 5℃以上です。温度制御養生の期間が終わった後も、2日間はコンクリート温度を0℃以上に保ちます。

Q. 材料を温めるときの注意点は。 A. 加熱するのは水または骨材で、セメントはどんな場合でも直接熱してはいけません。加熱した材料をミキサーに入れる順序は、セメントが急結しないよう設定します。

まとめ

  • 寒中コンクリートは日平均気温4℃以下が予想されるときに適用する(共通仕様書 1-3-10-1)
  • 打込み温度は5〜20℃、養生温度は5℃以上。打込み直後に覆い、特に風を防ぐ
  • 養生期間は表1-3-4以上(厳しい条件・5℃で普通9日・早強5日・B種12日)、その後2日間0℃以上、表1-3-3の湿潤養生も満たす
  • 温度測定の回数に一律の規定はないため、施工計画書で決めて記録を残す

出典・参考

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