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土木工事施工管理基準及び規格値とは|国交省の出来形・品質管理基準

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土木工事施工管理基準及び規格値とは|国交省の出来形・品質管理基準

国土交通省の「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」は、国の地方整備局が発注する土木工事で、受注者が行う施工管理の方法と規格値(許される誤差の範囲)を定めた基準です。最新版は令和8年3月版で、国土交通省 技術調査課のWebページ(監督・検査・工事成績評定・土木工事共通仕様書関係)からPDFで入手できます。 中身は、施工管理の考え方を定めた「土木工事施工管理基準」と、工種ごとの測定項目・規格値・測定頻度を並べた「出来形管理基準及び規格値」「品質管理基準及び規格値」で構成され、工事写真は別冊の「写真管理基準(案)」で定められています。

本記事では、基準の構成と読み方、代表的な工種の出来形・品質の規格値、最新版の探し方と版の扱いを整理します。数値はすべて末尾の「出典・参考」に挙げた令和8年3月版の公表資料で確認したものに限っています。自治体の工事では自治体独自の基準が指定されることがあるため、必ず契約図書で適用基準を確認してください。

土木工事施工管理基準とは

「施工管理基準」「国交省 品質管理基準」「国交省 出来形管理基準」と検索して探されているものは、多くの場合この1冊の中にあります。基準の冒頭には、次のことが書かれています。

項目基準に書かれていること
根拠土木工事共通仕様書(案)第1編 1-1-1-27 施工管理に規定する施工管理と規格値の基準を定めたもの
目的契約図書に定められた工期、工事目的物の出来形と品質規格を確保すること
適用国土交通省地方整備局が発注する土木工事(設計図書に明示されていない仮設構造物等は除く)
基準がない場合基準によりがたい場合や、規格値が定められていない工種は、監督職員と協議のうえ施工管理を行う
管理の実施受注者は工事施工前に「施工管理計画」と「施工管理担当者」を定める。測定(試験)は施工と並行して速やかに行い、結果をその都度管理図表等に記録・保管し、監督職員の請求があれば提示し、工事完成時に提出する
規格値出来形管理基準・品質管理基準で測定した実測値は、すべて規格値を満足しなければならない

正式名称の末尾にある「(案)」は国の技術基準によく付く表記で、実際の工事では契約図書で指定されることで守るべき基準になります。

施工管理基準の構成(工程・出来形・品質+写真)

基準では、施工管理を「工程管理」「出来形管理」「品質管理」の3つに分け、工事写真をその中に含めて扱います。写真の撮り方そのものは、別冊の「写真管理基準(案)」に定められています。

管理基準の定め主な成果物
工程管理工事内容に応じて適切な工程管理(ネットワーク、バーチャート方式など)を行う。応急処理・維持工事など当初計画が困難な工事は省略できる工程表
出来形管理出来形管理基準に定める測定項目と測定基準で実測し、設計値と実測値を対比して記録した出来形管理図表を作成する出来形管理図表
品質管理品質管理基準に定める試験項目・試験方法・試験基準で管理する。試験区分「必須」は全面的に実施、「その他」は特記仕様書で指定されたものを実施品質管理図表、試験成績表
写真管理施工段階や完成後に見えなくなる箇所の施工状況、出来形寸法、品質管理状況などを写真管理基準(案)に従って撮影し、工事完成時に提出する工事写真

見落とされやすいのが次の2点です。

  • 測定箇所数は切り上げ:測定基準が「○○につき1ヶ所」となっている項目は、小数点以下を切り上げた箇所数を測定します。
  • 3次元データによる出来形管理:ICT施工で3次元データを使う場合は、「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」の規定によります(面管理の規格値は、測点管理とは別に定められています)。

また、土木工事共通仕様書(案)1-1-1-27では、工事の初期で作業が定常的になっていない場合や、管理試験結果が限界値に異常接近した場合などに、監督職員が品質管理の測定頻度と出来形管理の測定密度を変更できるとされています(費用は受注者負担)。

出来形管理と品質管理の違い

「出来形 品質 違い」もよく検索されます。どちらも施工管理基準の一部ですが、確かめる対象が違います。

項目出来形管理品質管理
確かめるものできあがった形・寸法(基準高、幅、厚さ、法長、延長など)材料と施工の品質(締固め度、強度、スランプ、温度など)
方法実測して設計値との差を求める定められた試験方法(JISなど)で試験・測定する
規格値の表し方設計値との差(例:基準高±50mm、幅-100mm)試験値そのものの範囲(例:最大乾燥密度の90%以上)
記録出来形管理図表品質管理図表、試験成績表
写真出来形管理写真品質管理写真

出来形は「寸法が合っているか」、品質は「中身(材料・締固め・強度)が合っているか」と覚えると区別しやすくなります。出来形の測り方と管理図表の作り方は出来形管理の記事で詳しく解説しています。

出来形管理基準の代表的な規格値

出来形管理基準及び規格値(案)では、工種ごとに「測定項目」「規格値」「測定基準(頻度)」「測定箇所」が表になっています。よく使う工種の値を抜き出すと次のとおりです(単位mm。令和8年3月版)。

工種(基準の条番号)測定項目規格値測定基準
道路土工 掘削工(1-2-4-2)基準高±50施工延長40m(測点間隔25mの場合は50m)につき1ヶ所。延長40m(または50m)以下は1施工箇所につき2ヶ所
道路土工 掘削工(1-2-4-2)幅-100同上
道路土工 掘削工(1-2-4-2)法長5m未満は-200、5m以上は法長の-4%同上
道路土工 路体盛土工・路床盛土工(1-2-4-3、1-2-4-4)基準高±50同上(基準高は道路中心線と端部で測定)
道路土工 路体盛土工・路床盛土工(1-2-4-3、1-2-4-4)幅-100同上
道路土工 路体盛土工・路床盛土工(1-2-4-3、1-2-4-4)法長5m未満は-100、5m以上は法長の-2%同上
側溝工(3-2-3-29)基準高±30施工延長40m(測点間隔25mの場合は50m)につき1ヶ所
側溝工(3-2-3-29)延長-2001施工箇所ごと
場所打擁壁工(3-2-15-1)基準高±50施工延長40m(測点間隔25mの場合は50m)につき1ヶ所
場所打擁壁工(3-2-15-1)厚さ-20同上
場所打擁壁工(3-2-15-1)幅-30同上
場所打擁壁工(3-2-15-1)高さ3m未満は-50、3m以上は-100同上

「-100」のようにマイナスだけが書かれている項目は、設計値より小さい側だけに許容幅がある(大きい側は規格上の制限がない)という意味です。

アスファルト舗装の出来形規格値

舗装は、工事規模(中規模以上/小規模以下)で規格値が分かれ、厚さは「個々の測定値」と「10個の測定値の平均」の両方を満たす必要があります。中規模以上とは舗装施工面積10,000㎡以上、または基層・表層用混合物の総使用量3,000t以上の工事です。

工種測定項目個々の測定値(中規模以上/小規模以下)10個の平均(中規模以上/小規模以下)測定基準
下層路盤工(3-2-6-7)基準高±40/±50―延長40m毎に1ヶ所(道路中心線と端部)
下層路盤工(3-2-6-7)厚さ-45/-45-15/-15各車線200m毎に1ヶ所を掘り起こして測定
下層路盤工(3-2-6-7)幅-50/-50―延長80m毎に1ヶ所
表層工(3-2-6-7)厚さ-7/-9-2/-31,000㎡に1個の割でコアーを採取
表層工(3-2-6-7)幅-25/-25―延長80m毎に1ヶ所
表層工(3-2-6-7)平坦性―中規模以上:3mプロフィルメーター σ2.4mm以下、直読式(足付き)σ1.75mm以下―

厚さは、個々の測定値が10個に9個以上の割合で規格値を満たし、かつ10個の平均値も満たす必要があります(データが10個未満なら平均値は適用しない)。

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品質管理基準の代表的な規格値

品質管理基準及び規格値(案)では、工種ごとに「試験区分(必須/その他)」「試験項目」「試験方法」「規格値」「試験時期・頻度」が定められています。代表的な必須項目は次のとおりです(令和8年3月版)。

工種試験項目規格値試験時期・頻度
コンクリート(施工)スランプ試験スランプ5cm以上8cm未満は±1.5cm、8cm以上18cm以下は±2.5cm、2.5cmは±1.0cm荷卸し時。1回/日以上、または構造物の重要度と工事の規模に応じて20〜150㎥ごとに1回、および荷卸し時に品質変化が認められたとき
コンクリート(施工)空気量測定±1.5%(許容差)スランプ試験と同じ
コンクリート(施工)圧縮強度試験1回の試験結果は呼び強度の85%以上、3回の試験結果の平均値は呼び強度以上荷卸し時。1回/日以上、または20〜150㎥ごとに1回。テストピースは1回につき6個(σ7…3個、σ28…3個)
コンクリート(施工)塩化物総量規制原則0.3kg/㎥以下打設が午前と午後にまたがる場合は午前に1回、その結果が規制値の2分の1以下なら午後は省略可
道路土工(施工)現場密度(砂置換法、砂質土)路体:最大乾燥密度の90%以上。路床・構造物取付部:95%以上(締固め試験A・B法)または90%以上(C・D・E法)路体は1,000㎥につき1回(5,000㎥未満の工事は1工事3回以上)、路床・構造物取付部は500㎥につき1回
下層路盤(施工)現場密度個々:最大乾燥密度の93%以上。平均:10個95%以上、6個96%以上、3個97%以上1工事3,000㎡超は10,000㎡以下を1ロットとし1ロット10孔。3,000㎡以下は3孔以上
上層路盤(施工)現場密度個々:最大乾燥密度の93%以上。平均:10個95%以上、6個95.5%以上、3個96.5%以上下層路盤と同じ
アスファルト舗装(舗設現場)現場密度個々:基準密度の94%以上。平均:10個96%以上、6個96%以上、3個96.5%以上下層路盤と同じ
アスファルト舗装(舗設現場)温度測定(初転圧前)110℃以上随時。記録は1日4回(午前・午後各2回)

道路土工の現場密度は、砂置換法のほか、RI計器(放射線で密度と水分を測る計器)や「TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領」による管理(締固め回数で管理)から選べ、方法ごとに規格値と頻度が違います。コンクリートの頻度には小規模工種の緩和規定もあるため、実際の計画では基準の摘要欄まで読んでください。

コンクリートの品質管理の進め方はコンクリートの品質管理、アスファルトの温度はアスファルト温度管理基準一覧で詳しく扱っています。

写真管理基準(案)の要点

工事写真は「写真管理基準(案)令和8年3月」に従います。デジタルカメラでの撮影から提出までに適用され、写真を映像と読み替えることもできます。

項目写真管理基準の定め
写真の分類着手前及び完成写真(既済部分写真等を含む)、施工状況写真、安全管理写真、使用材料写真、品質管理写真、出来形管理写真、災害写真、事故写真、その他(公害、環境、補償等)
小黒板の記載事項必要事項(工事名、工種等、測点(位置)、設計寸法、実測寸法、略図)を判読できるよう写し込む
撮影頻度撮影箇所一覧表の「撮影頻度」に基づく
省略できる場合公的機関の品質証明書を保管整備できる品質管理写真/完成後に測定できる部分の出来形管理写真(工種ごとに1回撮影し、後は省略)/監督職員等が臨場して段階確認した箇所の出来形管理写真
編集写真の信憑性を考慮し、写真編集は認めない(小黒板情報の電子的記入は編集に当たらない)
提出写真原本を電子媒体に格納して提出。整理方法は「デジタル写真管理情報基準」による

撮影のコツは工事写真の撮り方、電子納品の進め方は土木工事の電子納品で解説しています。

最新版の探し方と版の扱い

  1. 国土交通省のページを開く:技術調査の「監督・検査・工事成績評定・土木工事共通仕様書関係」のページに、土木工事共通仕様書(案)、土木工事施工管理基準及び規格値(案)、写真管理基準(案)の最新版と、前の版からの変更点が掲載されています(出典欄のURL)。
  2. 版を確かめる:2026年9月時点の最新版は、共通仕様書・施工管理基準・写真管理基準とも令和8年3月版です。施工管理基準の冒頭にも「土木工事共通仕様書(案)〔R8.3〕」と対応する版が書かれています。
  3. 自分の工事の適用基準を確かめる:実際に使うのは、その工事の契約図書(特記仕様書・共通仕様書)で指定された基準と版です。最新版が公表されても、契約図書で別の版が指定されていればそれに従い、扱いに迷うときは監督職員と協議します。
  4. 自治体の工事は自治体の基準を確認:都道府県・市町村の工事では、国の基準を準用する場合も、独自の施工管理基準を定めている場合もあります。「千葉県 出来形管理基準」のように、発注者名で基準を探して確認してください。

現場用:施工管理基準の確認チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、上の基準の定めを着工前の確認手順に並べ直したものです。

タイミング確認すること根拠
契約直後特記仕様書で指定された共通仕様書・施工管理基準・写真管理基準の版契約図書
施工計画書作成時施工管理計画と施工管理担当者を定めたか施工管理基準 4.(1)、共通仕様書 1-1-1-6
施工計画書作成時工種ごとの測定項目・規格値・測定基準(頻度)を一覧にしたか出来形管理基準及び規格値
施工計画書作成時品質管理の「必須」試験をすべて計画に入れ、「その他」は特記仕様書の指定分を入れたか施工管理基準 5.(3)
施工計画書作成時基準にない工種・基準によりがたい工種を洗い出し、監督職員と協議したか施工管理基準 2.
施工中測定・試験を施工と並行して行い、その都度管理図表に記録しているか施工管理基準 4.(3)(4)
施工中測定箇所数を小数点以下切り上げで数えているか施工管理基準 5.(2)
施工中見えなくなる箇所の出来形寸法を写真で残したか写真管理基準(案)2-7
完成時管理図表・写真を整理し、提出できる状態か施工管理基準 4.(4)、共通仕様書 1-1-1-27

よくある質問

Q. 国土交通省の土木工事施工管理基準の最新版はどれですか。 A. 2026年9月時点では「土木工事施工管理基準及び規格値(案)令和8年3月」です。国土交通省 技術調査課のページで、前の版からの変更点とあわせて公開されています。

Q. 品質管理基準と出来形管理基準は別の資料ですか。 A. どちらも「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」の中に収められています。前半が出来形管理基準及び規格値、後半が品質管理基準及び規格値です。写真管理基準(案)は別冊です。

Q. 規格値を1点でも外れたらどうなりますか。 A. 基準では、測定した実測値はすべて規格値を満足しなければならないとされています。外れた箇所は監督職員に報告し、手直しなどの対応を協議します。舗装の厚さのように「10個に9個以上」「平均値」で判定する項目は、その判定方法に従います。

Q. 市町村の工事でも国交省の基準を使いますか。 A. 発注者によります。国の基準を準用する自治体も、独自の基準を定めている自治体もあるため、契約図書で指定された基準を使ってください。

まとめ

  • 国交省の「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」は、国の地方整備局発注の土木工事の施工管理を定めた基準で、最新版は令和8年3月版
  • 施工管理は工程管理・出来形管理・品質管理の3つ(工事写真を含む)。写真は別冊の写真管理基準(案)
  • 出来形は形・寸法、品質は材料・締固め・強度を確かめる。実測値はすべて規格値を満足する必要がある
  • 実際に使う基準と版は、その工事の契約図書で確認する

出来形管理の詳細はこちら  工事写真の撮り方はこちら

出典・参考

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