土木工事 業務改善Navi
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集水桝のサイズの決め方|現場打ちの施工手順と側溝接続

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集水桝のサイズの決め方|現場打ちの施工手順と側溝接続

集水桝のサイズは、接続する側溝や管の大きさと設置箇所の状況から内寸法を決め、そこから深さ・壁厚・基礎を決めていきます。 国土交通省北陸地方整備局の標準設計では、内幅(b)は35cmを最小、内長(ℓ)は内幅の1.5倍以下を原則とし、底に設ける泥だめ(流出管の管底から桝の底までの深さ)は集水桝で30cm程度、壁厚・底版厚は内高1.2m未満で15cm、1.2〜2.4mで20cmを標準としています。

本記事では、この標準設計を例に集水桝のサイズの決め方を手順と計算例で示したうえで、現場打ち集水桝の施工手順、型枠・配筋の考え方、側溝との接続方法までを整理します。寸法の基準は発注者ごとに異なるため、実際の工事では必ず設計図書と発注者の標準図を確認してください。

集水桝とは(読み方)

集水桝(しゅうすいます)は、道路側溝・U型側溝・舗装面に降った雨水や地表水を集め、下流の排水管や排水路へ送るための構造物です。「集水ます」と書くこともあります。

北陸地方整備局の標準設計では、集水桝は排水溝などの屈曲部、断面変化部、高さの変化部、分合流部などで使うものとされています。水の流れの向き・高さ・断面が変わる箇所で、流れを受け止めて整える役割を持つ、と理解しておくと設置位置の考え方がわかりやすくなります。

集水桝の種類

種類特徴主な用途
現場打ちコンクリート集水桝寸法・形状を現場ごとに合わせられる標準品で対応できない大きさ・形状、既設構造物との取り合いがある箇所
プレキャスト(組立型)集水桝工場製品で品質が安定し、工期を短縮できる標準的な寸法の桝
街渠桝歩車道境界で路面の水を集める桝歩車道境界部

北陸地方整備局の標準設計では、集水桝は直接輪荷重が載荷しない箇所に使い、街渠桝は一般車両(q=10.0kN/㎡)が載荷される箇所に使うものとし、街渠桝の内空積は概ね1.0m³以下(超える場合は別途設計)としています。車道内など輪荷重を直接受ける箇所の桝は、標準図ではなく個別の構造計算が必要になるのが一般的です。

集水桝のサイズの決め方

標準設計にみる寸法の決め方

北陸地方整備局の標準設計(集水桝・街渠桝)の仕様を、寸法を決める順に並べると次のとおりです。

項目標準設計の規定
内寸法排水溝等の大きさ及び設置箇所の状況により決定する
内幅(b)35cmを最小とする
内長(ℓ)内幅(b)の1.5倍以下を原則とする
内高(h1)bが60cm未満なら1.2m未満、bが60cm以上なら2.4m以下
泥だめ(h2)集水桝は30cm程度、街渠桝は15cm程度
壁厚・底版厚内高1.2m未満は15cm、1.2m〜2.4mは20cm
昇降金具内高1.2m以上の場合は取り付けることを原則とする
蓋鋼製格子蓋(グレーチング)を標準とし、狭い歩道内はコンクリート製または鋼板製。設置は落蓋型

また、標準設計では内空積(桝の中の容積)によって種別を分けています。

種別内空積(m³)
A0.10未満
B0.10以上 0.25未満
C0.25以上 0.50未満
D0.50以上 1.00未満
E1.00以上 2.00未満
F2.00以上 3.00未満
G3.00以上 4.00未満
H4.00以上 5.00未満

サイズを決める4ステップ(計算例つき)

土木工事 業務改善Naviが、上の規定を「図面を描く順番」に並べ直した手順です。数値は北陸地方整備局の標準設計のもので、発注者の標準図がある場合はその値に置き換えて使ってください。

  1. 内幅(b)を決める:接続する側溝の内幅や管の外径が納まり、清掃ができる幅にする。最小は35cm。
  2. 内長(ℓ)を決める:流入・流出の向きと管の配置から決め、内幅の1.5倍以下に収める。
  3. 内高(h1)を決める:流入・流出の管底高さに泥だめ(集水桝は30cm程度)を加える。bが60cm未満なら1.2m未満に収める。
  4. 壁厚・底版厚と種別を決める:内高から壁厚(1.2m未満は15cm)を決め、内空積(b×ℓ×h1)から種別を確認する。

計算例:内幅30cmの側溝が流れ込み、流出側の管底が地表から60cmの位置にある場合

  • 内幅b:側溝幅30cmに対し最小値の35cmでは余裕が小さいため、40cmとする
  • 内長ℓ:40cm×1.5=60cm以下 → 50cmとする
  • 内高h1:流出管底までの60cm+泥だめ30cm=90cm(bが60cm未満なので1.2m未満の条件を満たす)
  • 壁厚・底版厚:内高1.2m未満なので15cm
  • 内空積:0.40m×0.50m×0.90m=0.18m³ → 種別B(0.10以上0.25未満)

ここで決めた内寸法に壁厚を足したものが外形寸法になり、掘削や基礎の範囲の基準になります。

泥だめ(どろだめ)の深さの考え方

泥だめは、流れてきた土砂やごみを桝の底にためて、下流の管に流さないための深さです。北陸地方整備局の標準設計では集水桝で30cm程度、街渠桝で15cm程度としています。

なお、宅地などの排水設備(公共下水道につなぐ私設の排水施設)については、下水道法施行令第8条で「もっぱら雨水を排除すべきますの底には深さ15cm以上の泥だめを設ける」と定められています。道路の集水桝とは適用される基準が異なるため、どちらの工事かを確認してから値を使ってください。

設置位置の考え方

標準設計に示された用途から、集水桝を設ける位置は次のように整理できます。

設置場所考え方
排水溝の屈曲部流れの向きが変わる箇所で流れを受ける
断面の変化部側溝の幅・管径が変わる箇所
高さの変化部段差がつく箇所、縦断勾配が変わる箇所
分合流部複数の側溝・管が合流・分岐する箇所
縦断の低い箇所雨水が集まる箇所

街渠桝の間隔について、標準設計は「縦断勾配、道路幅員等を勘案し設置する」とし、交差点のように縦横断が複雑な箇所では集水面積が均衡になるよう配慮するとしています。全国一律の間隔があるわけではないため、設計図書・発注者の基準で確認します。

現場打ち集水桝の施工手順

1. 準備工・墨出し

作業内容
位置確認設計図書の座標・高さと現地を照合する
墨出し桝の外形寸法(内寸法+壁厚)に合わせて掘削範囲をマーキングする
埋設物確認既設管・電線管などとの干渉を確認する(試掘を含む)

2. 掘削

項目内容
掘削範囲桝の外形に、型枠の組立て・解体に必要な作業スペースを加える
掘削深さ基礎材の厚さ+底版厚+内高(h1)を基準にする
土留め深さ1.5m以上の掘削は、地盤が崩壊するおそれがない場合などを除き土留め(山留め)を設ける(建築基準法施行令第136条の3。建設工事公衆災害防止対策要綱は土留工の要否をこの基準に準じるとしている)

3. 基礎工

北陸地方整備局の標準設計では、基礎材は再生砕石(RC-40)を標準とし、厚さは15cm程度、施工幅は施工に必要な余裕(5〜10cm)を持たせ、十分に締め固めるとしています。軟弱な地盤では、設計図書に従って地盤改良などを検討します。

4. 型枠工(集水桝の型枠の組み方)

項目内容
外型枠・内型枠内型枠で内寸法(b・ℓ・h1)を正確に確保する。外型枠との間隔が壁厚になる
管の貫通部側壁に接続管が通る位置と高さを型枠組立て時に決め、開口を設ける
固定コンクリートの打設圧で変形しないよう、セパレーター・端太角などで固定する
確認打設前に内寸法・天端高さ・管の貫通位置を測り、図面と照合する

5. 鉄筋工(配筋図の確認)

標準設計の集水桝は寸法・壁厚・コンクリートの規格で仕様が示されていますが、車道部など荷重条件が厳しい箇所の桝や、標準図の範囲を超える大きさの桝は、個別設計で鉄筋を配置することがあります。鉄筋を入れる場合は、設計図書の配筋図に従い、鉄筋径・間隔・かぶり・継手の長さを特記仕様書とあわせて確認します。

6. コンクリート打設

北陸地方整備局の標準設計では、コンクリートの配合規格を次のとおりとしています(これ以上の規格は同等とみなす)。

呼び強度スランプ粗骨材の最大寸法水セメント比セメントの種類
188cm又は12cm25mm又は40mm60%以下高炉セメント(B種)

打設は土木工事共通仕様書の「無筋・鉄筋コンクリート」の規定に従います。主な規定は次のとおりです。

項目共通仕様書の規定
練混ぜから打ち終わりまでの時間原則として外気温が日平均25℃を超える場合は1.5時間、25℃以下は2時間以内
打込みの気温日平均気温が4℃を超え25℃以下と予想されるとき(外れる場合は暑中・寒中コンクリートの規定による)
締固め棒状バイブレータを用いる。二層以上に分けて打つ場合は下層に10cm程度挿入し、上下層を一体にする
打継目硬化したコンクリートに打ち継ぐときは、レイタンスなどを取り除き吸水させてから打つ

7. 養生

打込み後は一定期間、十分な湿潤状態に保ちます。共通仕様書が示す湿潤養生期間の目安は次のとおりで、標準設計のとおり高炉セメントB種を使う場合、日平均気温15℃以上で7日が目安になります。

日平均気温普通ポルトランドセメント混合セメントB種(高炉B種など)
15℃以上5日7日
10℃以上7日9日
5℃以上9日12日

側溝との接続方法

集水桝と側溝の接続は、流水断面の確保と、接続部からの漏水を防ぐことがポイントです。

接続の基本原則

原則内容
管底高さの管理流入・流出の管底と桝の高さを図面どおりに合わせ、流れを妨げない
管の取付け桝の側壁に管を差し込み、桝の内側・外側ともにモルタルで充填して仕上げる
止水処理地下水位が高い場合などは、可とう継手(地盤の動きに追従する継手)やゴムパッキンで止水する

既設U型側溝との接続手順

  1. 接続箇所の側溝をはつり(コンクリートを削って開口を設けること)、またはコア削孔機で開口を設ける
  2. 開口部を処理する(鉄筋を切断した場合は防錆処理と断面修復)
  3. 接続管(塩ビ管・ヒューム管など)を設置する
  4. 管の外周をモルタルで充填し、養生する
  5. 桝側の開口部の内側もモルタルで平滑に仕上げる

主な接続不良と対策

不良事象原因対策
接続部からの漏水充填モルタルの施工不良・乾燥収縮無収縮モルタルの使用・養生の徹底
管の抜け出し不等沈下・土圧可とう継手の使用・基礎の締固めの徹底
桝底・管底の段差型枠の高さ管理不足打設前の高さ確認・左官仕上げ

蓋(グレーチング・コンクリート蓋)の選定

北陸地方整備局の標準設計では、蓋は鋼製格子蓋(グレーチング)を標準とし、狭い歩道内に設置する場合はコンクリート製または鋼板製とし、設置方法は落蓋型としています。歩道内の通学路部などでは浮き上がり防止対策を施すこととされています。

車道内に入るグレーチング蓋は、車両の走行で外れないようボルトなどで固定することも同標準設計に示されています。蓋の荷重区分(T-25など)は、設置箇所の交通条件から設計図書で指定されるため、図面の表示を確認して発注します。

現場用:集水桝の施工チェックリスト

工程確認すること基準・根拠
図面確認内寸法(b・ℓ・h1)、泥だめ、壁厚、種別設計図書・発注者の標準図
掘削前埋設物、掘削深さと土留めの要否深さ1.5m以上は原則土留め
基礎基礎材の種類・厚さ・締固め標準設計の例:RC-40、厚さ15cm程度
型枠内寸法、天端高さ、管の貫通位置と高さ図面との照合
打設前気温、配合(呼び強度・スランプ)、バイブレータの準備共通仕様書・配合計画書
打設練混ぜから打ち終わりまでの時間、締固め25℃以下で2時間以内など
養生湿潤養生の日数高炉B種・15℃以上で7日が目安
接続管底高さ、モルタル充填、止水図面・特記仕様書
完了時蓋の種類・固定、昇降金具(内高1.2m以上)標準設計・設計図書

まとめ

  • サイズの決め方:接続する側溝・管と設置箇所から内寸法を決める。標準設計の例では内幅35cm以上、内長は内幅の1.5倍以下、泥だめは集水桝で30cm程度
  • 壁厚と種別:内高1.2m未満は壁厚15cm、1.2〜2.4mは20cm。内空積で種別を確認する
  • 施工:基礎材の締固め、型枠の内寸法と管の貫通位置、打設時間と養生日数を管理する
  • 接続:管底高さを合わせ、無収縮モルタルで確実に充填し、必要に応じて可とう継手で止水する

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出典・参考

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