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現場打ち集水桝の施工手順と設置基準|側溝との接続方法
集水桝とは
集水桝(しゅうすいます)は、道路側溝・U型溝・舗装面に降った雨水や地表水を集め、下水道・排水路へ送るための構造物です。
道路工事・宅地造成・公共施設整備など、ほぼすべての排水工事に使用されます。大きく「プレキャスト(既製品)集水桝」と「現場打ちコンクリート集水桝」に分類され、本記事では現場打ちタイプを解説します。
集水桝の種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 現場打ちコンクリート集水桝 | 寸法・形状を現場ごとに調整可能 | 大型桝・特殊形状が必要な場合 |
| プレキャスト集水桝 | 工場製品のため品質が安定・工期短縮 | 標準寸法の小〜中型桝 |
| 縁石型集水桝(L型) | 縁石と一体化した路面集水 | 都市道路・歩車道境界部 |
| グレーチング蓋付き | 自動車荷重に対応、目詰まりしやすい場所に不向き | 車道横断桝 |
集水桝の設置基準
集水桝の設置位置・寸法は、道路設計基準・下水道設計指針・発注者の設計図書に基づきます。
設置位置の基準
| 設置場所 | 基準・目安 |
|---|---|
| 道路縦断の低点部 | 必ず設置(雨水が集まる箇所) |
| 側溝の接続点・分岐点 | 流向変更・管径変更箇所に設置 |
| 直線区間の設置間隔 | 30〜50m程度(集水面積・流量設計による) |
| 縦断勾配の変化点 | 流速変化でごみが溜まりやすい箇所に設置 |
寸法の設計考え方
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 内寸(平面) | 流入・流出管径 + 施工余裕(一般的に600mm〜800mm角以上) |
| 深さ(有効深) | インバート(底部)の勾配を確保できる深さ + 土砂堆積余裕(150〜300mm) |
| インバート | 流入管底面に合わせて成形。流出方向に向かって 1/100〜1/50 の勾配 |
| 壁厚 | 150mm以上(土圧・車両荷重に対する構造計算に基づく) |
現場打ち集水桝の施工手順
1. 準備工・墨出し
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| 位置確認 | 設計図書の座標・高さと現地の照合 |
| 墨出し | 桝の外形寸法に合わせて掘削範囲をマーキング |
| 埋設物確認 | 既設管・電線管等との干渉確認(試掘含む) |
2. 掘削
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掘削形状 | 桝外形 + 型枠・作業スペース(各側面 200〜300mm の余裕) |
| 掘削深さ | 基礎砕石厚(100mm)+ 底版厚 + 有効深 + 仕上げ余裕 |
| 土留め | 深さ 1.5m を超える場合は土留め工を施工 |
3. 基礎工
| 項目 | 規格・注意点 |
|---|---|
| 砕石基礎 | 砕石(C-40等)を 100mm 敷均し・転圧 |
| 均しコンクリート | 必要に応じて 50mm 程度の均しコンクリートを打設 |
| 地盤の支持力確認 | 軟弱地盤では杭基礎・地盤改良が必要な場合あり |
4. 型枠工
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外型枠 | 合板型枠(t=12mm)または鋼製型枠を使用 |
| 内型枠 | 外型枠と同材料。開口寸法を正確に確保 |
| 管の貫通部 | 側壁に接続管が貫通する位置に孔を設ける(型枠設置時に設定) |
| 型枠の固定 | コンクリート打設圧で変形しないよう、セパレーター・端太角で固定 |
5. 鉄筋工
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配筋 | 設計図書の配筋図に従う。一般的に D13〜D16 を 200mm 間隔 |
| かぶり厚 | 土に接する面:60mm 以上。地中の場合も同様 |
| 定着・継手 | 設計図書に従う(鉄筋径の 30d〜40d) |
6. コンクリート打設
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コンクリート強度 | 設計基準強度(一般的に Fc=21MPa〜24MPa) |
| 打設順序 | 底版 → 側壁(一体打設が理想。分割打設の場合は打継ぎ処理) |
| 締固め | 内部振動機(バイブレーター)を挿入間隔 50cm 以内で締固め |
| 養生 | 打設後は養生シート・養生マットで保温・保湿。硬化後(1〜3日)に脱型 |
側溝との接続方法
集水桝と既設側溝の接続は、桝の耐久性と流水断面の確保が重要なポイントです。
接続の基本原則
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 管底高さの一致 | 流入管底と桝インバートの高さを合わせる(逆流防止) |
| 接続角度 | 流入方向と流出方向の角度差は 90° 以内が標準 |
| 管の取付け | 桝側壁に管差し込み後、桝内側・外側ともにモルタルで充填・仕上げ |
| 止水処理 | 地下水位が高い場合は可撓継手・ゴムパッキンで止水 |
既設U型側溝との接続手順
- 接続箇所の側溝を斫り(はつり)、開口を設ける(振動コンパクター・コア削孔機使用)
- 開口部の処理(鉄筋切断後の防錆処理・断面修復)
- 接続管(塩ビ管・ヒューム管等)を設置
- 管外周をモルタルで充填・養生
- 桝側壁の開口部内側もモルタルで平滑に仕上げ
主な接続不良と対策
| 不良事象 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 接続部からの漏水 | 充填モルタルの施工不良・乾燥収縮 | 無収縮モルタルの使用・養生の徹底 |
| 管の抜け出し | 不等沈下・土圧 | 可撓継手の使用・基礎補強 |
| インバートの段差 | 打設精度不足 | 型枠の高さ管理・左官仕上げ |
蓋(グレーチング・コンクリート蓋)の選定
| 蓋の種類 | 適用荷重 | 適用場所 |
|---|---|---|
| コンクリート平板蓋 | 歩行者荷重 | 歩道・公園 |
| グレーチング(T-25) | 大型自動車(25t) | 幹線道路・車道 |
| グレーチング(T-14) | 中型車(14t) | 一般道路 |
| コンクリート鉄筋蓋(RC蓋) | 大型自動車対応可 | 重荷重が頻繁な車道 |
まとめ
現場打ち集水桝の施工は、設置位置・寸法の設計 → 掘削 → 基礎工 → 型枠・鉄筋 → コンクリート打設 → 側溝接続 という流れで進めます。
- 設置位置: 縦断低点・側溝分岐点を中心に、集水面積・流量設計で間隔を決定
- 施工精度: インバート高さと管底高さの一致が排水機能の要
- 接続処理: 無収縮モルタルによる確実な充填と止水処理
