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排水工事の施工方法|側溝・集水桝・排水管・縦排水溝の手順

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排水工事の施工方法|側溝・集水桝・排水管・縦排水溝の手順

排水工事の施工は、側溝・管渠(かんきょ=排水管)・縦排水溝などを下流側または低い側から設置し、底面を滑らかで一様な勾配に仕上げ、継目の水密性(水が漏れないこと)を保つのが基本です。 国土交通省の土木工事共通仕様書は、道路の排水構造物工についてこの考え方を定め、設計図書の勾配どおりに施工できない場合は監督職員と協議するものとしています。

本記事では、共通仕様書と「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」、公的な設計基準をもとに、側溝・集水桝・排水管・縦排水溝の施工手順と出来形の規格値、現場で使えるチェックリストを整理します。集水桝のサイズの決め方と現場打ちの詳しい手順は、集水桝のサイズの決め方と施工手順で解説しています。

排水工事の種類

宮城県の土木設計施工マニュアル(道路編)は、道路の排水を次のように分類しています。

種類目的代表的な施設
表面排水路面と道路隣接地からの表面水を排除する側溝、集水桝
路面排水路面の滞水を防ぐ路肩の側溝、街渠桝(がいきょます)
のり面排水のり面を流れる水や湧水による浸食・不安定化を防ぐ小段排水溝、縦排水溝
道路横断排水在来の水路や隣接地の水を道路の下を通して流す横断管渠、カルバート
地下排水地下水位を下げ、浸透水や路床から上がる水を排除する有孔管などの地下排水工
構造物の排水擁壁などの背面の水を抜く水抜き孔、裏込めの透水層

共通仕様書(第10編 道路編)では、これらを「排水構造物工(小型水路工)」として、作業土工、側溝工、管渠工、集水桝・マンホール工、地下排水工、場所打水路工、排水工(小段排水・縦排水)に分けて規定しています。

施工の共通原則

共通仕様書の排水構造物工の規定から、工種に共通する原則を抜き出すと次のとおりです。

原則共通仕様書の規定
設置の順番下流側または低い側から設置する
勾配底面は滑らかで一様な勾配にする。設計図書の勾配によりがたい場合は監督職員と協議
継目付着・水密性を保ち、段差が生じないように施工する
蓋側溝本体・路面と段差が生じないよう平坦に施工する
排水の目的路面・斜面から流入する地表水、隣接地から浸透する地下水、地下水面から上昇する地下水を良好に排出する

床掘り・埋戻し(作業土工)

排水構造物の床掘りと埋戻しは、共通仕様書3-2-3-3(作業土工)によります。

  • 床掘りの仕上がり面は、地山を乱さないよう、かつ不陸が生じないように施工する
  • 床掘り箇所の湧水・滞水は、ポンプや排水溝で排除する
  • 埋戻しは、残材・廃物・木くずを撤去し、一層の仕上り厚30cm以下を基本として十分に締め固める
  • 構造物の隣接箇所や狭い箇所は、小型締固め機械で均一に仕上げる
  • 埋設構造物に偏った土圧(偏土圧)がかからないように埋め戻す

深さ1.5m以上の掘削は、地盤が崩壊するおそれがない場合などを除き土留め(山留め)を設けます(建築基準法施行令第136条の3。建設工事公衆災害防止対策要綱は土留工の要否をこの基準に準じるとしています)。土留めの方法は土留め工の施工手順をご確認ください。

側溝工の施工方法

プレキャストU型側溝の施工手順

手順作業ポイント
1丁張り・墨出し設計図書の位置・高さ・勾配を現地に出す
2床掘り床付け面を乱さず平らに仕上げる
3基礎工基礎材を敷き均して締め固める(材料・厚さは設計図書)
4据付け下流側から据え付け、水糸で通りと勾配を確認する
5継目の処理付着・水密性を保ち、段差が出ないようにモルタル等で処理する
6蓋の設置本体・路面と段差が生じないよう平坦に据える
7埋戻し両側を均等に、一層30cm以下を基本に締め固める

側溝蓋の荷重区分は設置箇所の交通条件で決まります。例として宮城県のマニュアルは、車道に接する側溝の蓋をT-25(2種)、歩道の側溝を軽荷重用蓋(1種)を標準としています。

現場打ち側溝(場所打水路工)

特殊な断面が必要な箇所や、既設構造物との取り合いがある箇所で採用します。床掘り→基礎→型枠→(配筋)→コンクリート打設→養生・脱型の順で、コンクリートの打設と養生は共通仕様書第1編第3章(無筋・鉄筋コンクリート)の規定によります。自由勾配側溝の底版コンクリートは、設計図書に示す厚さで打設します。

設計図書で確かめる勾配と断面

排水施設の勾配・断面は設計で決まります。参考として、宮城県のマニュアルは次の目安を示しています(他の発注者では値が異なることがあります)。

項目宮城県マニュアルの規定(例)
排水施設の勾配標準的な範囲は0.3〜10%。急勾配の場合は階段工・落差工などを行うのが望ましい
断面の決め方土砂の堆積による通水断面の縮小を考え、流出量の20%増しを設計流量とする
本線を横断する管渠の最小径縦断地下排水管などを除き φ600mm程度以上(取付道路などで延長が短く維持管理に支障がない場合はφ450mm程度以上)

集水桝の施工(設置基準は別記事で詳しく)

集水桝は、側溝や路面の水を集めて下流の管や水路へ送る構造物です。共通仕様書が定める施工上の要点は次のとおりです。

  • 基礎は支持力が均等になるように、かつ不陸を生じないようにする
  • 側溝・管との接続部は漏水が生じないように施工する
  • 路面との高さ調整が必要な場合は監督職員の承諾を得る
  • 蓋は本体・路面と段差が生じないよう平坦に設置する
  • プレキャストの集水桝は、据付けで部材に損傷や衝撃を与えないようにし、ワイヤー等で傷むおそれのある部分は保護する

内寸法(内幅・内長・内高)や泥だめの深さ、壁厚、現場打ち集水桝の型枠・打設・養生の手順、側溝との接続方法は、集水桝のサイズの決め方|現場打ちの施工手順と側溝接続にまとめています。設置間隔の例として、宮城県のマニュアルは街渠桝の設置間隔を最大30mを標準としていますが、全国一律の基準ではないため設計図書で確認します。

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排水管(管渠)の施工方法

管種の選び方

管種は設計図書で指定されます。代表的なものは次のとおりです。

管種特徴主な用途
鉄筋コンクリート管(ヒューム管など)強度が高く重い道路横断、深い埋設
硬質塩化ビニル管軽量で施工しやすい浅い埋設、宅地排水
コルゲートパイプ波形の鋼板で、地盤の変形に追従しやすい横断排水、仮排水
ポリエチレン管可とう性(曲がりやすさ)があり、耐食性がある地下排水、特殊環境

施工手順と共通仕様書の規定

共通仕様書(3-2-3-29 側溝工のうち管渠の施工、10-1-10-4 管渠工)の規定を手順に沿って並べると次のとおりです。

手順作業共通仕様書の規定
1床掘り作業土工の規定による
2基礎工支持力が均等になるように、かつ不陸を生じないようにする
3管の布設下流側または低い側から設置し、一様な勾配にする。前後の水路とのすり付けを考えて施工高・方向を定める
4ソケットの向きソケット付の管は、上流側または高い側にソケットを向ける
5据付け基礎の上に通りよく据え付け、管の下面とカラーの周囲にコンクリートまたは固練りモルタルを充填し、空隙や漏水が生じないようにする
6管の切断使用部分に損傷が生じないように切断する。損傷させた場合は取り換える
7埋戻し管渠を損傷しないよう、偏心・偏圧がかからないように左右均等に層状に締め固める

コルゲートパイプは、上流側(高い側)のセクションを下流側(低い側)の内側に重ね、重ね合わせ部分の接合は断面の両側で行い、底部と頂部では行いません。砂質土や軟弱地盤が出てきた場合は、施工前に監督職員と協議します。フィルター材料を使う場合は、排水性のよい砂またはクラッシャラン等を使います。

縦排水溝(のり面の縦排水)の施工

縦排水溝は、のり面の小段排水溝やのり肩の排水溝で集めた水を、のり面の上から下へ流す排水溝です。共通仕様書(10-1-10-8 排水工(小段排水・縦排水))は次のように定めています。

  • 設計図書の水路勾配によりがたい場合は監督職員と協議し、下流側または低い側から設置して、底面を滑らかで一様な勾配にする
  • U型側溝の縦目地は、付着・水密性を保ち、段差が生じないように施工する

縦排水溝は勾配が急で流速が大きくなるため、継目からの漏水や、のり尻での受け(集水桝や側溝への接続)が不十分だと、のり面の浸食につながります。盛土等防災マニュアルも、のり面排水工の流末は十分な排水能力のある排水施設に接続することとしています。のり面の保護全般は法面保護工の種類も参考にしてください。

出来形の規格値

国交省の土木工事施工管理基準及び規格値(案)は、排水構造物の出来形を次のように定めています(単位mm)。

工種測定項目規格値測定基準
側溝工(プレキャストU型側溝・L型側溝・自由勾配側溝・管渠)基準高±30施工延長40m(測点間隔25mの場合は50m)につき1か所、40m(または50m)以下は1施工箇所につき2か所
同上延長−2001か所/1施工箇所
側溝工(場所打水路工)基準高±30同上(40mにつき1か所)
同上厚さ−20同上
同上幅−30同上
同上高さ−30同上
同上延長−2001施工箇所ごと
集水桝工基準高±301か所ごと
集水桝工(現場打部分がある場合)厚さ/幅/高さ−20/−30/−301か所ごと

旧版の本記事では、集水桝の管理基準を「据付位置±30mm、天端高さ±10mm」、排水勾配を「設計勾配に対して±0.1%以内」、埋戻しを「締固め度90%以上」と書いていました。施工管理基準で確認できる集水桝の規格値は上の表のとおり基準高±30mmで、勾配±0.1%と締固め度90%は国の基準で確かめられなかったため削除しました。勾配の許容差や埋戻しの締固め管理は、発注者の特記仕様書で確認してください。

現場用:排水工事の施工チェックリスト

工程確認すること基準・根拠
着手前排水系統図(流下方向・管径・勾配)、接続先の高さ設計図書
床掘り床付け面の不陸・湧水、深さと土留めの要否共通仕様書3-2-3-3、深さ1.5m以上は原則土留め
基礎支持力が均等か、不陸がないか共通仕様書
据付け・布設下流側(低い側)から施工しているか、通りと勾配共通仕様書10-1-10-3・4
管の向きソケットが上流側(高い側)を向いているか共通仕様書3-2-3-29
継目付着・水密性、段差、管下面とカラー周囲の充填共通仕様書
集水桝接続部の漏水、路面との高さ、蓋の段差共通仕様書10-1-10-5
縦排水縦目地の水密性、のり尻での接続先共通仕様書10-1-10-8
埋戻し一層の仕上り厚、左右均等、偏圧30cm以下を基本
出来形基準高・延長(場所打ちは厚さ・幅・高さも)施工管理基準(基準高±30など)

施工計画書への記載事項

排水工事の施工計画書には次の項目を記載します。

  • 排水系統図(流下方向、管径、勾配)と施工の順序(下流側から)
  • 使用する側溝・桝・管の規格と数量
  • 掘削方法と土留め計画(必要な場合)
  • 基礎工の仕様
  • 管の布設・接合の方法
  • 埋戻し材料と締固め方法
  • 出来形・品質の管理計画

施工計画書の書き方の基本は土木工事の施工計画書ガイドを参照してください。

よくある施工上の問題と対策

掘削底面からの湧水

湧水は釜場排水などで排除してから施工します。共通仕様書も、床掘り箇所や埋戻し箇所の湧水・滞水は施工前に排除することを求めています。水中での管布設や据付けは品質低下の原因になります。

不同沈下による勾配の変化

基礎の締固め不足や基礎地盤の不均一で、据え付けた側溝や管に不同沈下が生じることがあります。基礎の支持力を均等にし、軟弱地盤が出た場合は施工前に監督職員と協議します。

継目・接続部からの漏水

継目の充填不足や、集水桝との接続部の処理不良が原因です。管の下面とカラー周囲をコンクリートまたは固練りモルタルで確実に充填し、接続部は漏水が生じないように仕上げます。

よくある質問

Q. 側溝や排水管はどちらから据え付けますか。 A. 下流側(低い側)からです。共通仕様書は側溝工・管渠工・縦排水などで、下流側または低い側から設置し、底面を一様な勾配に仕上げることを求めています。

Q. 集水桝の設置基準はどこで確認しますか。 A. 内寸法・泥だめ・壁厚などは発注者の標準設計で決まります。国交省北陸地方整備局の標準設計を例にした決め方は集水桝のサイズの決め方で解説しています。

Q. 縦排水溝の施工で気をつけることは。 A. 下流側から設置して一様な勾配にすること、縦目地の水密性を保つこと、のり尻で集水桝や側溝に確実に接続することです。

まとめ

  • 排水構造物は下流側(低い側)から設置し、一様な勾配と継目の水密性を確保する
  • 管はソケットを上流側に向け、管の下面とカラー周囲を充填し、左右均等に埋め戻す
  • 集水桝は接続部の漏水防止と路面との段差に注意する。サイズの決め方は別記事で解説
  • 縦排水溝は縦目地の水密性と、のり尻での接続先の確保が要点
  • 出来形は基準高±30mm、延長−200mmなど施工管理基準で確認する

掘削と埋戻しの基本については土工事の掘削・盛土も併せてご確認ください。

出典・参考

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