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出来高調書とは|出来形との違い・出来高設計書と書き方【様式例】

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出来高調書とは|出来形との違い・出来高設計書と書き方【様式例】

出来高調書とは、工事の途中で完成した部分(出来形部分)の数量と金額を、工種・種別・細別ごとに設計数量と対比して集計した書類で、部分払(出来高払)を請求するときの根拠資料になります。出来高は「どこまで完成したか(数量・金額)」、出来形は「設計どおりの形・寸法にできているか(寸法と規格値)」を表す言葉で、出来高調書は出来形の測定結果を根拠に作ります。 公共工事の部分払は公共工事標準請負契約約款 第38条に定めがあり、国の土木工事では土木工事共通仕様書(案)1-1-1-25 により、受注者は既済部分検査の前に「工事の出来高に関する資料」を作成して監督職員に提出します。

本記事では、出来高と出来形の違い、出来高設計書・出来高内訳書・出来高報告書など似た書類の関係、部分払の流れ、出来高調書の記載項目と様式例、出来高率の計算を整理します。書類名や様式は発注者によって違うため、実際の工事では契約書・特記仕様書と発注者の様式集で確認してください。

出来高調書とは

出来高調書は、工事の進み具合を「数量・金額」で示す書類です。部分払を請求するときに、どの工種がどれだけ完成し、それが請負代金のうちいくらに当たるかを示すために使います。

項目内容
何を示すか完成した部分(出来形部分)の数量と、それに相応する金額
いつ使うか部分払(出来高払)の請求、中間前払金の認定、工事の進捗の把握
根拠になる資料出来形の測定結果(出来形管理図表・出来形数量計算書・出来形図)、工事写真
並べ方工事の設計書(内訳書)と同じ工種・種別・細別の順に、設計数量と出来高数量を並べる

出来高調書は「工事がどこまで進んだか(数量・金額ベース)」を示す書類であり、「構造物が設計どおりに仕上がっているか(形状・寸法ベース)」を示す出来形管理図表とは別物です。

出来高と出来形の違い

現場でよく混同される「出来高」と「出来形」の違いを整理します。

項目出来高出来形
意味完成した部分の数量・金額施工した構造物の形状・寸法
単位㎥・㎡・m・本などの数量と、円mm・cmなどの測定値と、設計値との差
目的部分払の請求、工事進捗の把握設計図書どおりにできているかの確認(施工管理)
書類出来高調書、出来高内訳書など出来形管理図表、出来形図、出来形数量計算書
根拠請負契約書(部分払の条項)、設計書の数量国土交通省「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」の出来形管理基準
確認する場面既済部分検査(部分払のための検査)監督職員の段階確認、中間検査、既済部分検査、完成検査

まとめ: 出来形で「形・寸法が規格値どおりか」を確かめ、その出来形部分の数量を出来高調書で「いくら請求できるか」に換算する、という役割分担です。約款でも部分払の対象は「出来形部分」と工事現場に搬入済みの工事材料等とされており、出来形として確認できない部分は出来高に入れられません。

出来形管理の詳細はこちら

出来高設計書・出来高内訳書・出来高報告書・出来形調書との違い

出来高に関する書類は、発注者によって呼び名が違います。法令や国の要領で統一された書類名ではないものも多いので、「中身は何を示す書類か」で見分けるのが確実です。

呼び名中身公的資料での扱い
出来高調書出来形部分の数量・金額を工種ごとに集計した書類発注者ごとの様式名
出来高設計書当初の設計書(工種・種別・細別・数量・単価)の並びに出来高数量を当てはめ、出来高の金額を積算した書類を指して使われる呼び名発注者ごとの様式名
出来高内訳書(工事出来高内訳書)工種・種別・細別・規格・単位ごとに、設計数量と出来高数量(前回まで・今回・累計)を並べた書類国の地方整備局の書類作成マニュアルに様式あり(例:四国地方整備局 様式-18)
出来高報告書(工事出来高報告書)部分払や中間前払金の認定のために出来高をまとめて報告する書類国交省「出来高部分払方式 実施要領」に「工事出来高報告書等の作成」の記載あり
出来形調書・出来形報告書出来形部分の数量内訳と出来形図など、出来高の根拠となる数量資料中部地方整備局の書類作成提出要領に「出来形報告書(数量内訳書、出来形図)」あり
出来高明細書出来高の明細を示す書類として使われる呼び名発注者ごとの様式名

国の直轄工事では、受注者が出来形数量計算書などの出来高に関する資料と出来高内訳書(数量)を提出し、出来高の金額は発注者が算出する運用が示されています(四国地方整備局「土木工事書類作成マニュアル」で、発注者が受注者提出の出来形資料から出来高金額を算出し内訳書を作成すると明記)。一方、自治体や民間の工事では、受注者が単価・金額まで入れた出来高調書(出来高設計書)の提出を求められることがあります。誰がどこまで作るのかを、着工時に発注者の様式集で確認しておきましょう。

部分払(出来高払)の流れ

部分払の決まり(公共工事標準請負契約約款 第38条)

公共工事の請負契約の基になっている「公共工事標準請負契約約款」(中央建設業審議会決定)では、部分払を次のように定めています。

項目約款の定め
対象出来形部分と、工事現場に搬入済みの工事材料(製造工場等にある工場製品を含める場合あり)。監督員の検査を要するものは検査に合格したもの、要しないものは設計図書で部分払の対象と指定したものに限る
請求できる額対象に相応する請負代金相当額の「10分の○以内」(約款の注で「たとえば九」と例示。実際の割合は契約書で確認)
回数工期中○回を超えることができない(回数は契約書に記入)
確認の請求部分払を請求しようとするときは、あらかじめ出来形部分等の確認を発注者に請求する
検査発注者は確認の請求を受けた日から14日以内に、受注者の立会いのうえ検査を行い、結果を通知する
支払確認後に部分払を請求し、発注者は請求を受けた日から14日以内に支払う
部分払金の額部分払金の額 ≦ 請負代金相当額 ×(○/10 - 前払金額/請負代金額)
2回目以降請負代金相当額から、既に部分払の対象となった請負代金相当額を控除した額で計算する

前払金を受けている場合は、この式で前払金の割合が差し引かれます。「出来高の9割をそのまま受け取れる」わけではない点に注意してください。

国の直轄工事で「出来高部分払方式」が採用される工事(工期が180日を超える工事のうち地方整備局長が認めるもの)では、部分払の請求の上限回数は「工期/90(端数切捨て)」とされ、短い間隔で出来高に応じた部分払を受けられます。

部分払の請求手順(国の土木工事の例)

  1. 出来形の確認 — 施工した部分を出来形管理基準で測定し、規格値を満たしていることを確認して記録する
  2. 出来高に関する資料の作成 — 出来形数量計算書・出来形図・出来高内訳書(出来高調書)などを作成し、監督職員に提出する(共通仕様書 1-1-1-25)
  3. 確認(既済部分検査)の請求 — 請負工事既済部分検査請求書などで、出来形部分の確認を発注者に請求する(約款 第38条第2項)
  4. 既済部分検査 — 請求から14日以内に、検査職員が出来高に関する資料と工事目的物を対比して、出来形の形状・寸法・精度・数量・品質・出来ばえと、書類・記録・写真による工事管理状況を検査する
  5. 部分払の請求 — 確認の結果の通知を受けたら、請求書(部分払金)を提出する
  6. 支払 — 発注者は請求を受けた日から14日以内に部分払金を支払う

前払金・中間前払金の請求方法は前払金の請求方法で解説しています。

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出来高調書の記載項目

基本構成

出来高調書の様式は発注者によって異なりますが、一般的に以下の項目が含まれます。国の出来高内訳書の様式(四国地方整備局 様式-18)は、工種・種別・細別・規格・単位・設計数量・出来高数量(前回まで・今回・累計)・摘要の列で構成されています。

区分記載項目
基本情報工事名・発注者名・受注者名・工期・請負代金額・作成日・今回が何回目の請求か
工種別集計工種・種別・細別・規格・単位・設計数量・出来高数量(前回まで・今回・累計)・出来高率
金額(金額まで求められる場合)単価・出来高金額、直接工事費の小計、諸経費分、消費税、出来高合計
添付資料出来形数量計算書・出来形図・出来形管理図表・写真の一覧

様式例(記載イメージ)

次の例の工事名・数量・金額は、書き方を示すための架空の数値です。単価は設計書(内訳書)の単価を使う想定で、ここでは直接工事費だけを示しています。

出来高調書(第1回)

工事名:○○道路改良工事
発注者:○○○○
受注者:○○建設株式会社
請負代金額:50,000,000円(税込)
作成日:2026年6月13日

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工種     種別     細別     設計数量  出来高数量 出来高率  出来高金額
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土工     切土工   -       5,000m³   3,000m³    60.0%   3,000,000円
土工     盛土工   -       3,000m³   1,500m³    50.0%   1,200,000円
舗装工   路盤工   粒調砕石  1,200m²   800m²      66.7%     960,000円
舗装工   表層工   密粒度   1,000m²     0m²       0.0%           0円
排水工   側溝工   U型溝    300m       200m      66.7%     600,000円
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直接工事費 出来高小計(税抜)                             5,760,000円
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※共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の出来高分と消費税は、
 発注者の算定方法(下記「出来高率の算出方法」)に従って加える

出来高率の算出方法

出来高率は、工種(細別)ごとに「完成した数量 ÷ 設計数量 × 100」で算出します。上の様式例で計算すると次のとおりです。

工種設計数量完成数量出来高率
土工(切土)5,000m³3,000m³60.0%
舗装工(路盤)1,200m²800m²66.7%
排水工(側溝)300m200m66.7%

工事全体の出来高(請負代金相当額)は、直接工事費だけでなく諸経費も含めて求めます。国交省の「出来高部分払方式 実施要領」では、一般的な工事の請負代金相当額を次の式で示しています。

  • 請負代金相当額 =(A+B+C+D)× 請負代金額
  • A:直接工事費の出来高比率
  • B:共通仮設費の出来高率(直接工事費の出来高比率を工事費構成比に乗じて算出)
  • C:現場管理費の出来高率(純工事費の出来高比率を工事費構成比に乗じて算出)
  • D:一般管理費の出来高率(工事原価の出来高比率を工事費構成比に乗じて算出)

細別ごとの数量の算出が煩雑または困難な場合は、国交省の「簡便な出来高算出方法による出来高算出要領(案)」で、代表的な細別の出来高数量から出来高率を設定する方法も示されています。

出来高率の確認ポイント

  • 工種ごとの出来高率と工事全体の出来高率の整合性を確認する
  • 設計数量の変更(設計変更)があった場合は、変更後の数量を使用する
  • 2回目以降は「前回まで」「今回」「累計」を分け、既に部分払の対象になった分を二重に計上しない
  • 前払金を受けている場合、部分払金は約款の式で前払金の割合が差し引かれる

現場用:出来高調書の提出前チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、約款・共通仕様書の定めと書類の整合を、提出前の確認手順にまとめたものです。

確認項目見るところ
契約書の部分払の割合(10分の○)と上限回数、今回が何回目か請負契約書 第38条
前払金・中間前払金の受領額請負契約書、前払金の記録
様式は発注者指定のものか(出来高内訳書・出来高調書・出来高設計書など)発注者の様式集・特記仕様書
工種・種別・細別の並びと設計数量が、最新の設計書(変更後)と一致しているか設計書・変更契約書
出来高数量の根拠(出来形数量計算書・出来形図・出来形管理図表)がそろっているか出来形管理記録
出来形が規格値を満たしているか(満たさない部分は出来高に入れない)出来形管理基準及び規格値
埋設部など見えなくなる部分の写真がそろっているか写真管理基準(案)
「前回まで」「今回」「累計」の数量が前回の調書とつながっているか前回の出来高調書
工事材料を部分払の対象に含める場合、検査合格または設計図書で対象指定されているか約款 第38条第1項

出来高調書作成上の注意点

注意点内容
設計変更との整合設計変更が生じている場合は変更後の設計数量を使用する
「完成」の範囲出来形として確認できる部分が対象。埋設後に確認する部分の扱いは発注者と事前に確認する
消費税の扱い税率・課税区分を請負契約書と一致させる
添付書類出来形管理図表・写真の整備が不十分な工種は、出来高として認められない場合がある
部分払の上限請負代金相当額 ×(契約書の割合 - 前払金額/請負代金額)を超えて請求しない

よくある質問

Q. 出来高調書とは何ですか。 A. 工事の途中で完成した部分の数量と金額を、工種ごとに設計数量と対比して集計した書類です。部分払(出来高払)を請求するときの根拠資料として使います。

Q. 出来高と出来形の違いは何ですか。 A. 出来高は完成した部分の数量・金額、出来形は施工した構造物の形状・寸法です。出来形が規格値を満たしていることを確認したうえで、その数量を出来高として金額に換算します。

Q. 出来高設計書とは何ですか。 A. 当初の設計書と同じ工種・種別・細別の並びに出来高数量を当てはめ、出来高の金額を積算した書類を指して使われる呼び名です。全国共通の書類名ではないため、発注者の様式名と作成者(受注者か発注者か)を確認してください。

Q. 部分払は請負代金の何割まで受け取れますか。 A. 公共工事標準請負契約約款では「10分の○以内」とされ、例として九が示されています。さらに前払金を受けている場合は、部分払金 ≦ 請負代金相当額 ×(○/10 - 前払金額/請負代金額)の式で差し引かれます。実際の割合は契約書で確認してください。

Q. 出来高報告書と出来高調書は違う書類ですか。 A. どちらも出来高をまとめる書類で、発注者によって呼び名が違います。国交省の要領では「工事出来高報告書」、国の地方整備局の様式では「工事出来高内訳書」という名前が使われています。

まとめ

出来高調書は、部分払請求のために「工事がどこまで完成しているか(数量・金額)」を示す書類です。

  • 出来高 = 完成した部分の数量・金額(出来高調書・出来高内訳書などで示す)
  • 出来形 = 構造物の形状・寸法(出来形管理図表で示す)
  • 出来高設計書・出来高報告書・出来高内訳書は、発注者によって呼び名が違う同系統の書類。作成範囲(数量まで/金額まで)を様式集で確認する
  • 部分払は約款 第38条の手順(確認の請求 → 14日以内に検査 → 請求 → 14日以内に支払)で進み、前払金の割合が差し引かれる

両者は別の書類ですが、出来高調書の根拠資料として出来形の測定記録が必要です。調書を正確に作成するためには、日頃からの出来形測定と写真記録の積み重ねが大切です。

出来形管理の詳細はこちら  部分払い請求の方法はこちら

出典・参考

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