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測量士と測量士補の違い|業務範囲・なり方・合格率

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測量士と測量士補の違い|業務範囲・なり方・合格率

測量士と測量士補の違いは、測量法第48条で、測量士は「測量に関する計画を作製し、又は実施する」、測量士補は「測量士の作製した計画に従い測量に従事する」と定められている点です。 基本測量・公共測量に技術者として従事するには、どちらかとして国土地理院に登録されている必要があり、測量業者は営業所ごとに測量士を1人以上置かなければなりません(同法第55条の13)。試験はどちらも受験資格の制限がなく、国土地理院の公表では令和8年の合格率は測量士24.2%、測量士補44.4%でした。

本記事では、測量士と測量士補の違いを一覧表で整理したうえで、測量法第50条・第51条に基づく資格の取り方、試験の合格基準と合格率、土木工事での活かし方を解説します。

測量士と測量士補の違い(一覧表)

項目測量士測量士補
業務(測量法第48条)測量に関する計画を作製し、又は実施する測量士の作製した計画に従い測量に従事する
測量業者の営業所への配置営業所ごとに1人以上必要(第55条の13)配置を義務づける規定なし
資格の取り方測量士試験の合格、大学・短大・高専・養成施設の卒業と実務経験など(第50条)測量士補試験の合格、大学・短大・高専・養成施設の卒業など(第51条)
試験の方式筆記(午前:択一式、午後:記述式)筆記(択一式)
合格基準午前450点以上、かつ午前と午後の合計910点以上(各700点満点)450点以上(700点満点)
受験資格制限なし制限なし
試験の時期例年5月の日曜日(測量士補と同じ日)例年5月の日曜日(測量士と同じ日)
令和8年の合格率24.2%44.4%
登録免許税30,000円15,000円

最大の違いは「測量の計画を作製できるかどうか」です。測量士は計画の作製から実施までを担えますが、測量士補は測量士の作製した計画に従って測量作業に従事します。

測量法第48条の内容

測量法第48条は、次の3点を定めています。

  • 技術者として基本測量または公共測量に従事する者は、第49条の規定に従い登録された測量士または測量士補でなければならない
  • 測量士は、測量に関する計画を作製し、または実施する
  • 測量士補は、測量士の作製した計画に従い測量に従事する

基本測量はすべての測量の基礎として国土地理院が行う測量、公共測量は国や地方公共団体などが費用を負担して行う測量(局地的な測量や高い精度を必要としない測量を除く)です。

登録しないと測量士・測量士補として従事できない

試験に合格したり学校を卒業したりしただけでは、測量士・測量士補として基本測量・公共測量に従事できません。国土地理院の測量士名簿・測量士補名簿に登録する必要があります(測量法第49条)。登録の申請に期限はなく、資格要件を満たしていればいつでも申請でき、登録後の更新手続きもありません。

資格の取り方(測量法第50条・第51条)

測量士になる方法(第50条)

号資格要件必要な実務経験
第1号大学で測量に関する科目を修めて卒業測量に関する実務経験1年以上
第2号短期大学・高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業測量に関する実務経験3年以上
第3号測量に関する専門の養成施設(測量士補養成施設)を修了測量に関する実務経験2年以上
第4号測量士補で、測量士養成施設で高度の専門の知識・技能を修得規定なし
第5号測量士試験に合格規定なし
第6号国土交通大臣が同等以上の知識・技能を有すると認めた者(学位授与機構から学士の学位を授与され、測量に関する科目を修めた者など)測量に関する実務経験1年以上

国土地理院の登録案内では、実務経験は実際に測量作業に従事した日数で数え、「実務1年」は従事期間1年以上かつ従事日数225日以上、「実務2年」は2年以上かつ450日以上、「実務3年」は3年以上かつ675日以上とされています(実働8時間で1日)。現場への往復時間、休憩、打合せ、立会いなどは計上できません。

測量士補になる方法(第51条)

号資格要件
第1号大学で測量に関する科目を修めて卒業
第2号短期大学・高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業
第3号測量に関する専門の養成施設(測量士補養成施設)を修了
第4号測量士補試験に合格
第5号国土交通大臣が同等以上の知識・技能を有すると認めた者(学位授与機構から学士の学位を授与され、測量に関する科目を修めた者など)

第50条第6号と第51条第5号は、令和6年の測量法改正で新設され、令和7年4月1日から施行された資格取得の道です。

注意:測量士補試験の合格者は、実務経験を積んでも測量士になれない

国土地理院のQ&Aでは、測量士補試験に合格して測量士補になった人は、実務経験によって測量士に登録することはできず、測量士になるには測量士試験に合格する必要があるとされています。実務経験で測量士になれるのは、大学・短大・高専で測量に関する科目を修めて卒業した人(第1号・第2号)と、測量士補養成施設の修了者(第3号)です。測量士補が養成施設で学ぶ道(第4号)もあります。

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測量士・測量士補試験の概要

試験は国土地理院が行い、学歴・年齢・性別・実務経験・国籍に関係なく受験できます。例年5月の日曜日に実施され、実施日などは毎年11月末ごろに国土地理院のホームページと官報で案内されます。

合格基準

試験配点合格基準
測量士(午前)択一式、1問25点で700点満点450点以上
測量士(午後)記述式、必須問題(300点)と選択問題(各200点)で700点満点午前と午後の合計910点以上
測量士補択一式、1問25点で700点満点450点以上

測量士の午前の合格基準は、令和6年から400点以上が450点以上に引き上げられました(合計910点以上の基準は変更なし)。古い参考書や記事で「午前400点」とあるものは、現在の基準と異なります。

同じ日に行われるため、両方を同じ年に受けるのは難しい

令和7年の試験では、測量士試験が10:00〜16:00、測量士補試験が13:30〜16:30に行われ、時間帯が重なっていました。どちらを受けるかは、本人の学習状況に合わせて年ごとに選ぶ必要があります。

近年の受験者数・合格率(国土地理院公表)

実施年測量士 受験者数測量士 合格者数測量士 合格率測量士補 受験者数測量士補 合格者数測量士補 合格率
令和8年(2026年)3,966名961名24.2%12,269名5,447名44.4%
令和7年(2025年)3,703名1,487名40.2%13,363名6,837名51.2%
令和6年(2024年)3,717名485名13.0%13,633名4,276名31.4%
令和5年(2023年)3,667名379名10.3%13,480名4,342名32.2%
令和4年(2022年)3,194名460名14.4%12,556名5,540名44.1%

合格率は年によって大きく動きます。直近5年で測量士は10.3%〜40.2%、測量士補は31.4%〜51.2%の幅があり、測量士補のほうが合格しやすい傾向は毎年共通しています。

土木工事での活かし方

現場での測量業務

土木工事の現場では、次のような測量業務が日常的に発生します。

  • 基準点測量:工事の基準となる点の設置と座標の確定
  • 丁張り設置:構造物の位置・高さ・勾配を示す仮設物の設置
  • 出来形測量:施工した構造物の寸法・位置を測り、設計値と比べる(出来形管理の測定方法)
  • 用地測量:工事範囲の境界確認
  • 路線測量:道路の中心線や縦断・横断の測量

測量法が登録された測量士・測量士補を求めるのは、技術者として基本測量・公共測量に従事する場合です。工事に伴う測量で資格者が必要かどうかは、その測量の扱いによるため、発注者の仕様書・特記仕様書で確認してください。資格が求められない場面でも、測量の原理と誤差の扱いを体系的に学んだ技術者がいると、測量の精度と手戻りの少なさに差が出ます。公共測量の業務を受託する場合や、測量業者として登録する場合には、資格者が必要です。

ICT施工との関係

ICT施工(i-Construction、測量から検査までに3次元データやICT建機を使う取り組み)の普及で、3次元測量の知識の重要性が増しています。

測量技術概要関係する測量の知識
GNSS測量衛星を使った位置の測定基準点測量、座標系
UAV(ドローン)写真測量空撮写真から3次元データを作成写真測量、標定点の配置
地上型レーザースキャナーレーザーで地形の3次元点群を取得点群の精度管理
トータルステーション角度と距離の測定多角測量、誤差の扱い

UAV写真測量の精度基準や手順はドローン測量とは、ICT施工の導入方法はICT施工の導入方法を参照してください。

若手技術者の資格取得ステップ

施工会社の技術者がよくたどる道筋を、取得方法のルールに沿って整理しました(土木工事 業務改善Naviが作成)。

自分の経歴測量士補測量士
大学で測量に関する科目を修めて卒業卒業により登録できる(第51条第1号)実務経験1年以上で登録できる(第50条第1号)
短大・高専で測量に関する科目を修めて卒業卒業により登録できる(第51条第2号)実務経験3年以上で登録できる(第50条第2号)
上記以外(高校卒業、測量科目を修めていない大卒など)測量士補試験に合格して登録(第51条第4号)測量士試験に合格する(第50条第5号)か、測量士養成施設で学ぶ(第50条第4号)

学校で測量に関する科目を修めた人は、試験を受けなくても登録できる場合があります。卒業した学科で該当するかは、国土地理院の登録案内(測量法施行規則に規定する学科、成績証明書で確認する科目)で確認してください。

施工管理技術検定(施工管理技士の国家試験)と組み合わせた若手の育成計画は土木工事の若手育成ロードマップで解説しています。

土地家屋調査士とのつながり

日本土地家屋調査士会連合会の案内によると、測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士の資格を持っていると、土地家屋調査士試験の「午前の部」が免除されます。将来、表示に関する登記の仕事も視野に入れる人にとって、測量士補は最初の一歩になります。

よくある質問

Q. 測量士と測量士補の違いは何ですか。 A. 測量法第48条で、測量士は測量に関する計画を作製し、または実施し、測量士補は測量士の作製した計画に従い測量に従事すると定められています。また、測量業者は営業所ごとに測量士を1人以上置く必要があります。

Q. 測量士補から測量士になるにはどうすればよいですか。 A. 測量士補試験の合格で測量士補になった場合、実務経験を積んでも測量士には登録できず、測量士試験に合格するか、測量士養成施設で学ぶ必要があります。大学・短大・高専で測量に関する科目を修めて卒業した人は、所定の実務経験(大学1年以上、短大・高専3年以上)で測量士に登録できます。

Q. 受験資格はありますか。 A. ありません。学歴・年齢・性別・実務経験・国籍に関係なく、測量士・測量士補のどちらの試験も受験できます。

Q. 合格率はどのくらいですか。 A. 国土地理院の公表では、令和8年は測量士24.2%、測量士補44.4%でした。直近5年では、測量士が10.3%〜40.2%、測量士補が31.4%〜51.2%と年によって幅があります。

Q. 合格すればすぐに測量士補として働けますか。 A. 国土地理院への登録申請(登録免許税は測量士補15,000円、測量士30,000円)を行い、名簿に登録されてから、測量士補・測量士として基本測量・公共測量に従事できます。

まとめ

  • 測量士は測量の計画の作製と実施、測量士補は測量士の計画に従った測量に従事する(測量法第48条)
  • 測量業者は営業所ごとに測量士を1人以上置く必要がある(第55条の13)
  • 測量士補試験の合格者は、実務経験だけでは測量士になれない。測量士試験の合格か測量士養成施設での修得が必要
  • 測量士の午前の合格基準は令和6年から450点以上。合格率は年により大きく動き、令和8年は測量士24.2%、測量士補44.4%
  • 現場の測量を担う若手には、まず測量士補で測量の基礎を体系的に身につけるのが近道

会社として測量資格の取得を支援し、社内に測量の知識を蓄えることが、施工の品質と手戻りの削減につながります。

出典・参考

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