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ドローン測量とは|土木のUAV写真測量の精度・手順・許可

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ドローン測量とは|土木のUAV写真測量の精度・手順・許可

ドローン測量(UAV写真測量)とは、無人航空機(UAV=ドローン)で上空から重複させた写真を撮り、SfM(多数の写真から立体形状を復元する計算手法)で地形の3次元点群データ(座標を持った点の集まり)をつくる測量です。 国土交通省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」では、空中写真測量(UAV)の測定精度は、出来形計測で±50mm以内(地上画素寸法10mm/画素以内)、起工測量で±100mm以内(同20mm/画素以内)が基準です。飛ばすには航空法の手続きが必要で、100g以上の機体は登録が義務、人口集中地区の上空や目視外飛行などの「特定飛行」は原則として国の許可・承認が必要です。

本記事では、UAV写真測量の精度基準、国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」が定めるラップ率(写真の重なり具合)と標定点・検証点の置き方、航空法の手続き、導入の手順を整理します。数値は末尾の「出典・参考」に挙げた公表資料で確認できるものに限っています。

ドローン測量(UAV写真測量)とは

ドローン測量は、UAVに搭載したカメラやレーザースキャナーで地形のデータを面的に取得する測量の総称です。土木工事では、ICT施工の起工測量(着工前の現況地形の測量)や、施工後の出来形計測(できあがった形状の計測)に使われます。

土木の現場で主に使われる方式は次の2つです。

方式しくみ向いている場面
空中写真測量(UAV)重複させて撮った写真をSfMで解析し、標定点(座標の基準にする点)で位置を合わせて点群をつくる裸地・造成地など地表が見える現場
無人航空機搭載型レーザースキャナーレーザーで距離を直接測り、機体の位置と姿勢から点群をつくる植生があり写真では地表が見えにくい現場

どちらも、国交省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」に計測技術として位置付けられています。写真測量は地表が写らない場所(草木の下など)を測れないため、植生の多い現場ではレーザー方式や地上からの計測との組み合わせを検討します。

従来の測量との違い

項目ドローン測量(UAV写真測量)TS(トータルステーション)測量
取得するデータ面的な点群、オルソ画像(ゆがみを補正した真上からの写真)測点ごとの座標
得意なこと広い範囲の地形を短時間で面として押さえる個々の点を高い精度で測る
不得意なこと植生の下、水面、日陰や模様の乏しい面広範囲を面的に測ること
天候の影響強風・降雨・降雪時は飛行や撮影に向かない比較的受けにくい
手続き航空法の機体登録、特定飛行の許可・承認など特になし

UAV写真測量の精度基準(早見表)

国交省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」(令和8年3月版)は、空中写真測量(UAV)に使うUAVとデジタルカメラに、次の性能を求めています(別紙2 第1編 土工編)。

計測の種類地上画素寸法(写真1画素が地上で何mmか)測定精度(鉛直・平面方向)計測密度
起工測量、岩線計測20mm/画素以内±100mm以内1点以上/0.25㎡(0.5m×0.5mメッシュ)
部分払い出来高計測30mm/画素以内±200mm以内1点以上/0.25㎡(0.5m×0.5mメッシュ)
出来形計測10mm/画素以内±50mm以内1点以上/0.01㎡(0.1m×0.1mメッシュ)、出来形評価用は1点以上/1㎡(1m×1mメッシュ)

同要領は、このほかに次のことを求めています。

  • 出来形計測では、現場に精度確認用の検証点を設置し、点群上の検証点の座標と真値(基準点や工事引照点などから測った座標)を比べて、測定精度±50mm以内を確認し、記録を提出する
  • 地上画素寸法は上の表を基本とするが、現場の精度確認で必要な精度を確保できると確かめられれば、ほかの値でもよい
  • UAVは航空法の許可要件に準じた機体とし、飛行マニュアルを整備しておく
  • UAVの保守点検は1年に1回以上(デジタルカメラは必要に応じて)。性能を確認できる資料と保守点検記録を監督職員に提出する

国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」でも、三次元点群の位置精度は0.05m以内・0.10m以内・0.20m以内のいずれかを標準とし、それぞれ出来形管理・起工測量(岩線計測)・部分払い出来高計測に使われていると解説しています。

撮影計画の基準:地上画素寸法・ラップ率・標定点

撮影計画は、国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」(平成29年3月改正)の第3編(三次元点群作成)に沿って立てます。

地上画素寸法と対地高度

三次元点群の位置精度地上画素寸法
0.05m以内0.01m以内
0.10m以内0.02m以内
0.20m以内0.03m以内

対地高度(地面からの飛行高さ)は「地上画素寸法÷カメラの1画素のサイズ×焦点距離」以下とし、地形や使うカメラを考えて決めます。高さを一律に決めるのではなく、使うカメラから計算するのがポイントです。撮影飛行では、計画した対地高度とのずれを10%以内に保ちます。

ラップ率(写真の重複度)

撮影後に写真の重複度を確認できるか同一コース内の隣接写真隣接コースの写真
確認できる場合80%以上60%以上
確認が困難な場合90%以上60%以上

あわせて、外側標定点を結ぶ範囲のさらに外側にも少なくとも1枚以上の写真が撮影されるように計画します。

標定点と検証点の置き方

項目マニュアルの標準
標定点の構成計測範囲を囲む「外側標定点」と範囲内の「内側標定点」。外側標定点は3点以上、内側標定点は1点以上
外側標定点の位置計測対象範囲の外側に配置
標定点の間隔位置精度に応じて表で決まる(位置精度0.05m以内なら、隣接する外側標定点の間隔は100m以内)
標高の高低範囲内の最も高い地点と最も低い地点に標定点を置くのが標準
検証点の数標定点の総数の半数以上(端数は繰り上げ)
検証点の位置標定点からできるだけ離し、範囲内に均等に、平坦または傾斜が一様な場所に配置
対空標識の大きさ写真に15画素以上で写る大きさ
観測方法位置精度0.05m以内(出来形管理など)の場合は、TSを用いた測量で求める

解析後は、標定点の残差と検証点の較差(あらかじめ測った座標との差)が、X・Y・Zのいずれも目標の位置精度以内であることを点検します。満たさない場合は不良写真の除去などをして再計算し、それでも満たさなければ追加撮影します。

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航空法の手続き(機体登録・許可承認・技能証明)

ドローン測量では、測量の基準とは別に航空法の手続きが必要です。国交省の案内にもとづく要点は次のとおりです。

手続き内容
機体登録100g以上の無人航空機は登録が義務(2022年6月20日から)。登録のない機体は飛ばせない。有効期間は3年で、DIPS2.0(国交省のドローン情報基盤システム)で申請・更新する
登録記号の表示・リモートID機体に登録記号を表示し、リモートID機能(機体の識別情報を電波で発信する機能)を搭載する。2022年6月19日までに登録手続きをした機体、十分な強度のひもで係留して行う飛行などは例外がある
特定飛行の許可・承認空港等の周辺、地表から150m以上、人口集中地区の上空、緊急用務空域の飛行と、夜間・目視外・人や物件から30m未満・催し場所の上空・危険物の輸送・物件投下の飛行は「特定飛行」にあたり、事前に国土交通大臣の許可・承認が必要
操縦者技能証明(国家資格)一等・二等の無人航空機操縦者技能証明(2022年12月5日から運用)。技能証明と機体認証の有無で、特定飛行の手続きが変わる
飛行計画の通報・飛行日誌特定飛行では飛行計画の通報と飛行日誌の作成が必要

工事現場は「人や物件から30m未満」になりやすく、市街地の現場は人口集中地区にあたることもあります。測量の段取りとは別に、許可・承認の取得期間を工程に入れておきます。手続きの細部は改正があるため、飛行前に国交省「無人航空機の飛行ルール」のページで最新の内容を確認してください。

導入の手順

ステップ1:機体・操縦者・手続きの準備

(1) 計測の目的(起工測量か出来形計測か)を決め、上の早見表の性能を満たすUAVとカメラ、解析ソフトをそろえる (2) 機体登録とリモートIDの対応を済ませる (3) 現場が特定飛行にあたるかを確認し、必要なら許可・承認を取る (4) 飛行マニュアルを整備し、UAVの保守点検記録を用意する

ステップ2:撮影計画の作成

(1) 現場の確認(飛行空域の制限、障害物、電波環境、離着陸場所) (2) 目標の位置精度から地上画素寸法を決め、カメラの性能から対地高度を計算する (3) ラップ率(同一コース80%以上・隣接コース60%以上、確認が困難なら90%以上・60%以上)を満たす飛行ルートを設定する (4) 標定点・検証点の配置計画を撮影計画図の上に作る (5) 飛行日時を決める(明るい時間帯を選び、強風・降雨・降雪や突風のおそれがある日は避ける)

ステップ3:現場での計測

(1) 対空標識を設置し、標定点・検証点の座標を観測する(出来形管理など位置精度0.05m以内はTSで観測) (2) 自律飛行で撮影する(離着陸以外は自律飛行が標準) (3) 撮影データを確認する(撮影漏れ、ブレ、重複度) (4) 必要に応じて補足撮影し、対空標識は速やかに回収する

ステップ4:データ処理と点検

(1) SfMソフトで写真から点群データを生成する (2) 標定点で座標を合わせ、検証点の較差を点検する (3) 不要な点(植生、仮設物、重機など)を除去し、地表面のデータにする (4) TINモデル(三角形の面で地形を表すデータ)や横断図、オルソ画像を作る (5) 起工測量なら設計データと比べて数量を算出し、出来形計測なら設計との差を評価する

土木工事での活用場面

起工測量と土量の算出

現況地形の点群と3次元設計データを比べることで、切土量・盛土量を面的に算出できます。3次元設計データの作り方は3次元設計データの解説を参照してください。

出来形管理(面管理)

施工後の地形を点群で取得し、設計面との差で出来形を評価します(面管理)。従来の測点ごとの管理との違いは出来形管理の解説記事で詳しく扱っています。工事写真の扱いは、3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)による場合に同要領の規定に従うことになるため、撮影計画書(写真管理計画)の書き方もあわせて確認してください。

進捗管理

定期的に同じ範囲を空撮すると、工事の進み具合を時系列で比べられます。発注者への説明資料にも使えます。

安全管理

法面や高所など人が近づきにくい箇所の状況を、上空から確認できます。

現場用:ドローン測量の実施前チェックリスト

タイミング確認すること根拠
計画時計測の種類に合う地上画素寸法・測定精度を満たす機材か出来形管理要領(案)別紙2
計画時UAVの保守点検(1年に1回以上)の記録があるか同上
計画時機体登録が有効か、登録記号の表示とリモートIDに対応しているか国交省 無人航空機登録制度
計画時現場が特定飛行にあたるか確認し、必要な許可・承認を取ったか国交省 無人航空機の飛行ルール
計画時対地高度をカメラの性能から計算したかUAV公共測量マニュアル 第57条運用基準
計画時ラップ率(80%・60%、確認困難なら90%・60%)を満たすルートか同上
計画時外側標定点3点以上・内側標定点1点以上、検証点は標定点の半数以上か同 第53条
撮影時計画対地高度とのずれを10%以内に保てたか同 第27条(第61条で準用)
解析後標定点の残差・検証点の較差が目標の位置精度以内か同 第67条
出来形計測検証点で測定精度±50mm以内を確認し、記録を残したか出来形管理要領(案)別紙2

注意点と制限事項

  • 写真測量は植生の下や水面を測れない。植生が多い場合はレーザー方式などとの組み合わせを検討する
  • 雨天・降雪時や強風・突風のおそれがあるときは飛行・撮影に向かない
  • 空港等の周辺や重要施設の周辺など、飛行に制限がある空域を事前に確認する
  • バッテリーの持続時間は機体によって異なるため、メーカーの公表値をもとに飛行回数を計画する
  • 写真の解析には処理能力の高いPCが必要になる。ソフトの推奨環境を確認する
  • 機材・ソフトの費用は機種や契約形態で幅が大きいため、複数社の見積で比べる

よくある質問

Q. ドローン測量の精度はどのくらいですか。 A. 国交省の3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)では、空中写真測量(UAV)の測定精度を、出来形計測で±50mm以内、起工測量・岩線計測で±100mm以内、部分払い出来高計測で±200mm以内と定めています。現場に検証点を置き、点群の座標と真値を比べて確認します。

Q. ラップ率は何%にすればよいですか。 A. 国土地理院のUAVを用いた公共測量マニュアル(案)では、撮影後に重複度を確認できる場合は同一コース80%以上・隣接コース60%以上、確認が困難な場合は同一コース90%以上・隣接コース60%以上として撮影計画を立てるのが標準です。

Q. ドローン測量に国家資格は必要ですか。 A. 無人航空機操縦者技能証明(一等・二等)は2022年12月5日から運用されている国家資格です。持っているかどうかと機体認証の有無で、特定飛行の手続きが変わります。資格の有無にかかわらず、100g以上の機体の登録は義務で、特定飛行には原則として許可・承認が必要です。

Q. 標定点はいくつ必要ですか。 A. UAVを用いた公共測量マニュアル(案)では、外側標定点を3点以上、内側標定点を1点以上置き、間隔は目標の位置精度に応じた表に従います。検証点は標定点とは別に、標定点の総数の半数以上(端数は繰り上げ)を置くのが標準です。

Q. GNSSで標定点を測ってもよいですか。 A. 同マニュアルは、TSによる放射法のほか、GNSSのキネマティック法・RTK法・ネットワーク型RTK法で観測できるとしています。ただし、出来形管理など三次元点群の位置精度を0.05m以内にする場合は、TSを用いた測量で求めることとしています。

まとめ

  • ドローン測量(UAV写真測量)は、重複させた空中写真から3次元点群をつくる測量で、起工測量と出来形計測に使う
  • 出来形管理要領(案)の基準は、出来形計測が±50mm以内(地上画素寸法10mm/画素以内)、起工測量が±100mm以内(20mm/画素以内)
  • 撮影計画は国土地理院マニュアルに沿い、ラップ率は80%・60%(確認困難なら90%・60%)、検証点は標定点の半数以上
  • 航空法では100g以上の機体登録とリモートIDが必要で、特定飛行には原則として許可・承認が必要

ICT施工の第一歩として、まずは起工測量でドローン測量を試し、精度確認の手順を社内で固めてから出来形管理に広げていくと進めやすくなります。

出典・参考

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