土木工事 業務改善Navi
入札・公共工事約26分で読めます

公共工事の入札の流れと入札参加資格の取り方|初めての土木会社向け

公開日 最終更新日
公共工事の入札の流れと入札参加資格の取り方|初めての土木会社向け

公共工事の入札に初めて参加するまでの流れは、①建設業許可を取る、②経営事項審査(経審:公共工事を元請として受注する建設業者が受ける、経営規模・技術力などの審査)を受ける、③参加したい発注機関の入札参加資格審査を受けて資格者名簿に載る、④入札案件を探して電子入札で応札する、⑤落札したら契約する、の5段階です。 国や地方公共団体の工事を発注者から直接請け負うには、500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事で経審の結果通知書を受けていることが必要で、経審の有効期間は審査基準日(直前の決算日)から1年7か月です。国土交通省などの入札参加資格は2年ごとの定期受付で、令和9・10年度分は令和8年11月2日から受付が始まります。

本記事では、この5段階を順番に、何を・どこに・いつ申請するかを整理します。数値・日程は末尾の「出典・参考」に挙げた国土交通省・地方整備局の公表資料で確認したものです。地方公共団体の受付時期や様式は発注者ごとに違うため、必ず申請先の要領で確認してください。

公共工事の入札の流れ(全体像)

段階やること申請・手続の相手主な確認先
1建設業許可の取得国土交通大臣(地方整備局)または都道府県知事建設業法・許可の手引き
2経営事項審査(経審)の受審経営状況分析は登録経営状況分析機関、経営規模等評価は許可行政庁各地方整備局・都道府県の経審の手引き
3入札参加資格審査の申請参加したい発注機関(国、都道府県、市町村、高速道路会社など)各発注機関の申請要領
4案件探しと入札入札情報サービス(PPI)・発注機関のサイトで探し、電子入札システムで応札入札公告・入札説明書
5落札・契約・施工発注者契約書・共通仕様書・特記仕様書

以下、段階ごとに説明します。

ステップ1: 建設業許可の取得

公共工事の入札に参加するには、まず建設業許可が必要です。土木の工事では「土木一式工事業」のほか、「とび・土工・コンクリート工事業」「舗装工事業」など、受注したい工事の業種の許可を取ります。経審も入札参加資格も業種(工種)ごとに審査されるため、狙う工事の業種と許可の業種をそろえることが出発点です。

元請として下請に出す金額によって、一般建設業許可と特定建設業許可に分かれます(令和7年2月1日施行の金額)。

許可の種類条件
一般建設業許可元請として下請に出す金額の合計が5,000万円未満(建築一式は8,000万円未満)の場合
特定建設業許可元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の場合

許可を受けるには、経営業務の管理体制、営業所ごとの技術者、財産的基礎などの要件を満たす必要があります。要件と申請手順は建設業許可(土木一式工事業)の取得手順と要件で解説しています。

ステップ2: 経営事項審査(経審)の受審

経審が必要になる工事

経審は建設業法第27条の23に基づく審査で、国・地方公共団体などが発注する公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は受審が必要です。関東地方整備局の説明では、対象は500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事で、受注には結果通知書の交付を受けていることが必要とされ、これは発注者の入札参加資格の有無とは関係なく義務付けられています。

経審の手順と有効期間

項目内容
経営状況分析登録経営状況分析機関に申請し、経営状況の評点(Y)の通知を受ける
経営規模等評価・総合評定値の請求許可行政庁(地方整備局・都道府県)に申請し、X・Z・Wの評価と総合評定値(P)の通知を受ける
審査基準日申請をする日の直前の事業年度終了日(直前の決算日)
有効期間審査基準日から1年7か月(結果通知書を受け取った日からではない)

有効期間が切れると、その間は公共工事を直接請け負えません。毎年、決算後に早めに受審して切れ目をつくらないことが大切です。

総合評定値(P点)の算式

記号評価項目内容
X1完成工事高業種別の年間平均完成工事高(2年平均または3年平均)
X2自己資本額及び利払前税引前償却前利益企業の規模
Y経営状況登録経営状況分析機関による財務の分析(8指標)
Z技術力技術職員数と元請完成工事高
Wその他の審査項目(社会性等)社会保険の加入、建設業退職金共済、防災活動への貢献、建設機械の保有など

P点 = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W

P点は入札参加資格の等級(ランク)付けに使われることが多く、参加できる工事の規模に影響します。項目別の上げ方は経審P点を上げる7つの方法、技術職員の点数は経審の技術職員の点数|資格別の評価点一覧、W点は経審W点の上げ方で解説しています。

ステップ3: 入札参加資格の取り方

入札参加資格審査とは

経審を受けたら、入札に参加したい発注機関ごとに「入札参加資格審査(競争参加資格審査。指名競争入札の場合は指名願いとも呼ばれる)」を申請します。国土交通省の報道発表では、国の公共工事では競争参加資格審査制度により入札参加を希望する者の経営状況や技術力等を評価し、一定の資格を有する事業者に限り入札参加を認めているとされています。審査を通ると資格者名簿に登録され、等級(ランク)が付きます。

申請先の種類

申請先主な対象工事
国土交通省(地方整備局・北海道開発局など)国道、一級河川の直轄区間、ダムなど国の直轄工事
都道府県県道、二級河川、県有施設などの工事
市町村市町村道、上下水道、公園などの工事
高速道路会社・独立行政法人等高速道路、独立行政法人等が発注する工事

国土交通省の定期受付(令和9・10年度)

国土交通省をはじめとする24機関(国の機関、高速道路会社、独立行政法人等)は、令和9・10年度を有効期間とする競争参加資格審査を、インターネット一元受付(1つの申請データで参加機関すべてに申請できる仕組み)で受け付けます。

区分受付期間
パスワード発行申請令和8年11月2日(月)〜令和8年12月28日(月)
納税証明書の送信令和8年11月2日(月)〜令和9年1月15日(金)
申請書データの受付令和8年12月1日(火)〜令和9年1月15日(金)

注意点は次のとおりです。

  • パスワード発行申請が先: 期限(令和8年12月28日)を過ぎるとインターネット方式で申請できなくなる
  • 持参は不可: 定期受付では文書の持参による申請は受け付けていない(郵送・電子メールは共同企業体の申請などに限る)
  • 使える経審: 審査基準日が令和7年6月16日以降で、申請の直前に受けたもの。総合評定値(P)の通知を受けていることが申請の要件
  • 納税証明書: 令和9・10年度から納税証明書(その2)の提出が追加される

都道府県・市町村の受付時期や方法は発注者ごとに異なります。定期受付を逃すと次の受付まで参加できない場合があるため、申請したい自治体の公告を年度初めに確認しておきましょう。

PattoAI

施工計画書や入札書類の作成に、毎回時間を取られていませんか?

施工計画書・入札書類・積算(実行予算/見積)の作成にかかる時間を、PattoAI で大幅に短縮できます。

ステップ4: 入札案件の探し方と入札方式

案件を探す主な方法

方法内容
入札情報サービス(PPI)国土交通省の工事の発注見通し・入札公告・入札結果を掲載。無料で検索できる
発注機関のホームページ地方整備局・都道府県・市町村の「入札・契約情報」に入札公告や発注見通しを掲載
官公需情報ポータルサイト中小企業庁が運営。国・独立行政法人・地方公共団体等がホームページに掲載している入札情報をまとめて検索できる
指名通知指名競争入札では発注者から指名の通知が届く

公的サイトの使い分けと、発注見通しの読み方は土木工事の入札情報の探し方でまとめています。

入札方式の種類

方式概要
一般競争入札公告された参加資格を満たす者が誰でも参加できる
指名競争入札発注者が指名した者だけが参加できる
総合評価落札方式価格と技術提案などの技術評価を総合的に評価して落札者を決める。一般競争入札・指名競争入札と組み合わせて使われる

総合評価落札方式で提出する技術提案書の書き方は技術提案書の書き方を参照してください。

ステップ5: 入札書類の準備と電子入札

一般的な提出書類

書類内容
競争参加資格確認申請書・技術資料配置予定技術者、同種工事の施工実績など(一般競争入札の場合)
技術提案書総合評価落札方式の場合、評価項目に対する提案
入札書入札金額を記載
工事費内訳書入札金額の内訳(発注者が提出を求める場合)

必要な書類と様式は案件ごとに入札説明書で指定されます。漏れを防ぐには入札書類 準備チェックリストも活用してください。

電子入札の基本

国土交通省の工事は電子入札システムで行われ、利用には電子証明書の入ったICカードとICカードリーダが必要です。ICカードは電子入札コアシステム対応の民間認証局から購入し、接続確認を済ませたうえで本番の電子入札システムに利用者登録をします。中部地方整備局の電子入札運用基準では、入札書は受付締切日時までに提出しなければならず、提出した入札書の引換え・変更・取消しはできないとされています。準備の手順は電子入札の始め方で詳しく解説しています。

価格の線(予定価格・最低制限価格・調査基準価格)

国の工事では、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者が原則として落札者になります。ただし、一定の価格を下回る入札は「低入札価格調査(その価格で契約内容に適合した履行ができるかを発注者が調べる手続)」の対象になり、地方公共団体の工事では最低制限価格を下回ると失格になる場合があります。仕組みと算定式は公共工事の落札率と勝率を上げる考え方と低入札価格調査制度とはで解説しています。

落札後の流れ

落札後は、一般に次の手順で工事に進みます。具体的な提出書類と期限は契約書・共通仕様書・特記仕様書で確認します。

  1. 契約締結: 請負契約書を取り交わす
  2. 施工計画書の作成・提出: 工事着手前に発注者へ提出する
  3. 施工: 施工計画書に基づいて施工し、品質・出来形・写真を管理する
  4. 完成通知・完成検査: 工事完成を通知し、発注者の検査を受ける
  5. 引渡し・請負代金の請求: 検査合格後に引き渡し、代金を請求する

初めての入札参加 準備チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、上の5段階を「いつまでに何を確認するか」に並べ直した表です。日付・期間は本文で示した国の公表資料のもので、地方公共団体は各発注者の要領で置き換えてください。

確認すること基準・目安確認先
受注したい工事の業種の建設業許可があるか下請に出す合計が5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)なら特定建設業許可許可通知書
経審をその業種で受けているか500万円以上(建築一式1,500万円以上)の公共工事を直接請け負うなら必要経審の結果通知書
経審の有効期間が切れていないか審査基準日(直前の決算日)から1年7か月総合評定値通知書の審査基準日
国の入札参加資格の申請に使える経審か令和9・10年度分は審査基準日が令和7年6月16日以降申請要領
国の定期受付のパスワード発行申請を済ませたか令和8年12月28日までインターネット一元受付
自治体の受付時期を確認したか発注者ごとに異なる各自治体の公告
電子入札の準備(ICカード・接続確認・利用者登録)は済んだか発行に必要な日数は認証局ごとに異なる認証局・電子入札システム
案件を探す仕組みを決めたかPPI・発注機関のサイト・官公需情報ポータルサイト各サイト

よくある質問

Q. 公共工事の入札に初めて参加するには何から始めればよいですか。 A. 受注したい工事の業種の建設業許可を取り、その業種で経審を受けることからです。そのうえで、参加したい発注機関の入札参加資格審査を申請し、資格者名簿に登録されると入札に参加できます。

Q. 入札参加資格はどこで取りますか。 A. 発注機関ごとに申請します。国土交通省や高速道路会社など24機関は、インターネット一元受付で1つの申請データからまとめて申請できます。都道府県・市町村は、それぞれの受付窓口や電子申請システムで申請します。

Q. 経審を受けずに入札参加資格だけ申請できますか。 A. 国土交通省の令和9・10年度の建設工事の資格審査では、経審の総合評定値(P)の通知を受けていることが申請の要件です。地方公共団体でも建設工事の資格審査では経審を求めるのが一般的なので、申請要領で確認してください。

Q. 経審の有効期間はいつまでですか。 A. 審査基準日(直前の決算日)から1年7か月です。結果通知書を受け取った日から数えるのではない点に注意してください。

まとめ

  • 流れ: 建設業許可 → 経審 → 入札参加資格審査 → 案件探し・電子入札 → 契約・施工の5段階
  • 経審: 500万円以上(建築一式1,500万円以上)の公共工事を直接請け負うのに必要。有効期間は審査基準日から1年7か月
  • 入札参加資格: 発注機関ごとに申請。国土交通省など24機関の令和9・10年度定期受付は令和8年11月2日から(パスワード発行申請は12月28日まで)
  • 入札: 案件はPPIや発注機関のサイトで探し、電子入札にはICカードの準備が必要

出典・参考

お問い合わせはこちら →

お悩み別 おすすめサービス

いまの課題に近いものはどれですか?

選んだお悩みに最適なサービスのご案内ページへ移動します。

PattoAIの無料体験について見る

お使いの業務に合う機能と、無料体験の内容をご確認いただけます。

関連記事