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電子入札の始め方|ICカードの取得から利用者登録・入札までの手順

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電子入札の始め方|ICカードの取得から利用者登録・入札までの手順

電子入札を始めるには、①電子入札コアシステム対応の民間認証局からICカード(電子証明書を内蔵したカード)とICカードリーダを購入し、②パソコンに認証局のソフトと電子入札補助アプリを入れて設定し、③接続確認用の環境で動作を確かめてから、④本番の電子入札システムに利用者登録をします。 ICカードは会社の代表者、または代表者から入札・契約の権限の委任を受けた者の名義で取得します。ICカードの費用・発行までの日数・有効期限は認証局ごとに異なるため、購入前に各認証局の案内で確認してください。

本記事では、国土交通省電子入札システムが示す事前準備の6ステップに沿って、パソコンの稼働環境、ICカードの取得、接続確認と利用者登録、入札書提出の注意点を整理します。内容は末尾の「出典・参考」に挙げた国土交通省・地方整備局と電子入札コアシステム(JACIC)の公表情報で確認したものです。自治体の電子入札システムは発注者ごとに環境や手順が違うため、参加する発注機関の案内もあわせて確認してください。

電子入札とは

国土交通省電子入札システムの説明では、電子入札は「従来の紙による入札情報の入手や入開札までの一連の行為と制度的に同じことを手元のパソコンからインターネットを介して行う」仕組みです。入札会場に出向かずに、競争参加資格確認申請書の提出から入札書の提出、開札結果の確認までをパソコンで行えます。

電子入札システムの中心となるソフトウェアとして、一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)が「電子入札コアシステム」を提供しており、採用している発注機関の一覧はJACICのサイトに掲載されています。国土交通省電子入札システムも、電子入札コアシステムをベースに国土交通省向けに機能改良されたシステムです。コアシステム対応の民間認証局から1社を選んでICカードを取得すれば、同システムを採用するすべての発注機関の入札に参加できます(応札者がコアシステムを購入する必要はありません)。

項目国土交通省電子入札システムの場合
運用時間8:30〜18:00(土・日・祝日、振替休日、年末年始(12月29日〜1月3日)を除く)
ヘルプデスク9:00〜17:00(同上の日を除く)
紙入札が認められる場合中部地方整備局の運用基準では、WTO対象案件で紙入札を希望する場合や、ICカードの失効・破損で再発行中など、やむを得ない事由がある場合に限り承諾

電子入札の始め方(準備の6ステップ)

国土交通省電子入札システムが示す事前準備は、次の6ステップです。

ステップ内容確認先
1必要な機器及び環境の確認電子入札稼働環境、民間認証局の推奨環境
2ICカードとICカードリーダの準備コアシステム対応の民間認証局
3電子入札補助アプリのインストールと許可URLの設定電子入札システムの案内
4利用する端末(OS・ブラウザ)の設定と確認電子入札システムの設定資料
5接続確認(接続確認用の利用者登録と動作確認)接続確認用の環境と操作マニュアル
6本番の電子入札システムへの利用者登録と利用開始電子入札システム入口

発行に必要な日数は認証局によって異なるため、入札に参加したい案件の公告より前に、余裕を持ってICカードの申込みから始めましょう。

ステップ1: パソコンの稼働環境を確認する

国土交通省電子入札システムが公表している稼働環境は次のとおりです(2026年10月時点の掲載内容)。

項目要件
OSWindows 11 Pro/Home Ver.25H2(64bit日本語版)。下位バージョンはマイクロソフト社のサポート対象のもの
ブラウザMicrosoft Edge(Chromium版)、Google Chrome
Microsoft .NET FrameworkVer.4.6.2以上
電子入札補助アプリVer.1.4
入札専用ソフトICカードを使うためのソフト。各認証局から提供される
ICカードリーダ適合する機種は利用する認証局の推奨要件による
画面の解像度XGA(1024×768ピクセル)以上

注意点は次のとおりです。

  • 稼働環境は国土交通省電子入札システムで動作を確認したもので、利用する民間認証局によってはさらに細かな制限がある。必ず認証局の指定する環境も確認する
  • 自治体の電子入札システムは発注者ごとに環境が異なる。参加する発注機関のヘルプデスクや案内で確認する
  • 国土交通省電子入札システムの現在の稼働環境に示されているのは電子入札補助アプリと.NET Frameworkで、Java実行環境は挙げられていない。古い社内手順書がある場合は最新の稼働環境と照らし合わせる

ステップ2: ICカードとICカードリーダを取得する

ICカードが必要な理由と名義

電子入札では、なりすまし・事後否認・盗聴・改ざんといったインターネット利用のリスクを避けるため、使用者本人を特定する電子証明書を内蔵したICカードを使います。国土交通省電子入札システムの案内では、企業等の代表者または権限の委任を受けた者のICカードが必要とされています。

中部地方整備局の電子入札運用基準では、使えるICカードを次のように定めています。

項目運用基準の内容
使えるICカード競争参加資格認定通知書に記載されている代表者、または代表者から入札・見積権限と契約権限について年間委任状で委任を受けた者(受任者)のICカード
年間委任状の提出時期最初の入札参加手続の前まで(入札手続の途中の提出は認めない)
委任期間競争参加資格の有効期限が限度
復代理電子入札では認めない
変更時代表者・受任者の変更や、有効期限満了によるICカードの変更・追加があれば、速やかに書面で届け出る

支店長などを受任者にしてそのICカードで入札する場合は、年間委任状の提出が必要です。運用は発注機関ごとに定められているため、参加する機関の運用基準で確認してください。

電子入札コアシステム対応の民間認証局

ICカードとICカードリーダは、電子入札コアシステム対応の民間認証局で購入します(JACICはICカード関連製品を販売していません)。電子入札コアシステムのサイトに掲載されている対応認証局は次のとおりです(2026年10月時点)。

事業者サービス名
NTT西日本株式会社(旧NTTビジネスソリューションズ株式会社)e-ProbatioPS2
三菱電機デジタルイノベーション株式会社DIACERT-PLUSサービス
株式会社帝国データバンクTDB電子認証サービスTypeA
株式会社トインクスTOiNX電子入札対応認証サービス
日本電子認証株式会社AOSignサービス
電子認証登記所法人認証カードサービス
日本電子認証株式会社GoSignサービス

申込みに必要な書類の例

国土交通省電子入札システムの案内に示されている書類の例は次のとおりです。

書類内容
電子証明発行申込書各認証局のWebサイトから入手
印鑑証明書ICカードの名義人のもの
住民票ICカードの名義人のもの
ICカードリーダ申込書ICカードリーダもあわせて購入する場合

必要書類と手続、費用、サービス内容(発行に必要な日数、カードの有効期限)は認証局によって異なるため、詳しくは各認証局に問い合わせてください。取得後は、ICカードに添付された手引き書と認証局の手順に従って、ICカードとICカードリーダの設定・動作確認をします。

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ステップ3〜4: 補助アプリと端末を設定する

ICカードとICカードリーダを取得したら、電子入札補助アプリをインストールし、許可URLを設定して、接続と動作を確認します。そのうえで、利用する端末のOS・ブラウザに応じた設定を、電子入札システムが公開している「電子入札システムご利用端末の設定と確認」の資料に沿って行います。OSやブラウザによって動作や画面表示が異なる場合があるため、資料は必ず確認してください。

ステップ5: 接続確認をする

国土交通省電子入札システムには、本番と同様の環境で接続と利用者登録を確かめられる接続確認用の環境があります。

項目内容
利用者登録接続確認用に利用者登録をする。本番の利用者登録とは別
データの削除接続確認環境では一週間ごとにデータを削除する。再度確認するときは改めて利用者登録をする
添付ファイル競争参加資格確認申請書の提出で添付する登録結果データは、任意のファイルで代用する
完了の目安操作マニュアルに従い、競争参加資格確認申請書の提出に成功すれば完了

ステップ6: 本番の電子入札システムに利用者登録する

接続確認が完了したら、本番の電子入札システムで改めて利用者登録をします。

  • 接続確認で登録した利用者情報は本番では使えない
  • 発注者へ申請する企業IDは、本番の電子入札システムで利用者登録をしたときに採番される企業IDになる
  • 商号・代表者・所在地などに変更があった場合は、入札参加資格と利用者登録の両方で変更の手続をする
  • 複数の発注機関に参加する場合は、それぞれの電子入札システムで利用者登録が必要になる

電子入札の操作の流れ(一般競争入札の例)

手順操作内容注意点
1入札公告・入札説明書の確認参加資格、提出書類、ファイル形式、締切日時を確認する
2競争参加資格確認申請書・技術資料の提出発注者が指定するファイル形式で作成する
3競争参加資格の確認結果の受領参加資格がないとされた場合は理由を確認する
4入札書の作成入札金額の入力を複数人で確認する
5入札書・工事費内訳書の提出受付締切日時までに提出する
6開札結果の確認落札者・落札金額、再入札の有無を確認する

入札書を提出するときの重要ポイント

中部地方整備局の電子入札運用基準には、入札参加者に関係する次の定めがあります。

項目運用基準の内容
提出期限入札書は受付締切日時までに提出しなければならない
提出後の訂正提出した入札書の引換え、変更又は取消しはできない
未送信締切予定時間になっても入札書が届かず、連絡もない場合は入札を辞退したものとみなす
ファイル形式技術資料・工事費内訳書は発注者が指定する形式。圧縮を認める場合はLZH形式またはZIP形式(自己解凍形式は不可)
容量の超過発注者が指定する容量を超える場合は、原則として郵送等による提出
再入札再入札書の受付時間は当面30分を標準とし、受付期限の到来後、直ちに開札する

締切直前は通信障害や操作ミスに対応する時間がなくなります。入札書は締切日時より十分前に提出しましょう。

よくあるトラブルと対処法

トラブル主な原因対処法
ICカードが認識されないICカードリーダのドライバー、認証局の入札専用ソフトが入っていない認証局の手引き書に沿って再設定し、解決しなければ認証局に問い合わせる
システムに接続できない電子入札補助アプリの未インストール、許可URLの未設定、ブラウザの設定電子入札システムの設定資料を確認し、接続確認環境で試す
本番で企業IDがわからない接続確認の登録情報を本番で使おうとしている本番で改めて利用者登録をし、採番された企業IDを使う
ファイルを添付できない指定形式・容量に合っていない入札説明書の指定形式を確認し、容量超過なら発注者の指示に従う
提出後に金額の誤りに気づいた提出前の確認不足提出した入札書は引換え・変更・取消しができない。すぐに発注者へ連絡して指示を受ける
障害で締切に間に合わないシステム障害、ICカードの失効・破損直ちに発注者に連絡する。紙入札への変更はやむを得ない事由があり全体の入札手続に影響がない場合に限られる

中部地方整備局の運用基準では、入札参加者側の障害で締切や開札時間を延長できるのは、すぐに復旧できず、天災、広域・地域的停電、プロバイダ・通信事業者に起因する通信障害などにより原則として複数の入札参加者が参加できない場合とされ、ICカードの紛失・破損、端末の不具合など入札参加者の責による障害は除かれています。日頃の機器管理が大切です。

電子入札を始める前のチェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、本記事の出典で確認した要件を、準備の順に並べた表です。

確認すること基準・根拠チェック
ICカードの名義は代表者か、年間委任状を出す受任者か中部地方整備局の運用基準(代表者または受任者)済・未
認証局は電子入札コアシステム対応かコアシステム対応の民間認証局一覧済・未
費用・発行日数・有効期限を確認したか認証局ごとに異なる済・未
パソコンのOS・ブラウザ・.NET Frameworkが稼働環境に合うか国土交通省電子入札システムの稼働環境、認証局の推奨環境済・未
電子入札補助アプリと許可URLを設定したか国土交通省電子入札システムの事前準備済・未
接続確認で競争参加資格確認申請書を提出できたか接続確認の完了条件済・未
本番で利用者登録をし、企業IDを控えたか発注者へ申請する企業IDは本番で採番済・未
年間委任状が必要な場合、最初の入札参加手続前に出したか中部地方整備局の運用基準済・未
ICカードの有効期限を管理表に記録したか失効すると入札に使えない済・未

電子入札を円滑に行うための社内体制

管理項目内容
担当者操作に慣れた担当者を決め、不在時に代わりができる人も決めておく
ICカードの保管施錠できる場所に保管し、持出しを記録する
PIN(暗証番号)名義人と担当者以外が知らないよう管理する
有効期限更新手続にかかる日数を認証局で確認し、余裕を持って更新する
紛失・破損時直ちに認証局に連絡して失効・再発行の手続をし、入札予定がある場合は発注者に相談する

ICカードの有効期限や経審・入札参加資格の期限は、入札書類 準備チェックリストとあわせて一覧で管理しましょう。

よくある質問

Q. 電子入札のICカードはどこで買えますか。 A. 電子入札コアシステム対応の民間認証局で購入します。JACICや国土交通省はICカードを販売していません。対応認証局の一覧は電子入札コアシステムのサイトに掲載されています。

Q. ICカードの費用と有効期間はどのくらいですか。 A. 費用・発行に必要な日数・有効期限は認証局ごとに異なります。購入前に各認証局の公表している料金表と案内で確認してください。

Q. 1枚のICカードで複数の発注機関の電子入札に参加できますか。 A. 電子入札コアシステムを採用している発注機関であれば、対応認証局のICカード1枚で参加できます。ただし、利用者登録は発注機関の電子入札システムごとに必要です。

Q. 電子入札にJavaは必要ですか。 A. 国土交通省電子入札システムの現在の稼働環境では、電子入札補助アプリとMicrosoft .NET Frameworkが示されています。自治体のシステムは発注者ごとに環境が異なるため、各システムの稼働環境を確認してください。

まとめ

  • 始め方: 対応認証局でICカードとICカードリーダを購入し、補助アプリ等を設定、接続確認をしてから本番で利用者登録する
  • 名義: 代表者、または年間委任状で入札・契約の権限を委任された受任者のICカードを使う
  • 費用・期間: 認証局ごとに異なるため、各認証局の案内で確認する
  • 入札書: 受付締切日時までに提出し、提出後は引換え・変更・取消しができない

入札参加に向けた全体の流れは公共工事の入札の流れと入札参加資格の取り方、案件の探し方は公共工事の入札情報の探し方で確認できます。

出典・参考

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