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指名競争入札で指名されるには|国の指名基準8項目と対策

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指名競争入札で指名されるには|国の指名基準8項目と対策

指名競争入札で指名されるには、①その発注者の入札参加資格を取って資格者名簿に載り、工事の予定価格に合う等級に格付けされること、②発注者が定める「指名基準」で見られる項目(不誠実な行為の有無、経営状況、工事成績、地理的条件、手持ち工事の状況、技術的適性、安全管理、労働福祉)を日頃から整えておくこと、の2つが基本です。 国の工事では、指名基準を定めることが予算決算及び会計令第96条で義務付けられており、国土交通省の地方整備局は上の8項目に留意し、指名が特定の業者に偏らないようにすると定めています。

本記事では、指名競争入札の仕組みと法令上の根拠、地方整備局の指名基準、指名を受けるための具体的な取り組み、指名停止を受けないための注意点を、末尾の「出典・参考」に挙げた法令・国土交通省の公表資料に基づいて整理します。地方公共団体の指名基準は団体ごとに定められているため、参加したい発注者の公表内容で確認してください。

指名競争入札とは

指名競争入札(しめいきょうそうにゅうさつ)は、発注者が入札参加資格を持つ業者の中から競争に参加する者を指名し、指名された業者だけで価格などを競う入札方式です。公告された条件を満たせば誰でも参加できる一般競争入札と違い、指名を受けなければ参加できません。

比較項目一般競争入札指名競争入札
参加できる者公告された参加資格を満たす者発注者に指名された者
参加者の数制限なし国の場合、なるべく10人以上を指名(予算決算及び会計令第97条)
参加までの手続公告を見て競争参加資格の確認を申請する発注者から指名の通知を受ける
業者側でできること公告を探して申請する資格を取り、指名基準で見られる項目を整えて指名を待つ

指名競争入札ができる場合(法令上の根拠)

発注者根拠主な内容
国予算決算及び会計令第94条会計法第29条の3第5項により指名競争に付することができる場合として、予定価格が800万円を超えない工事などを定める
国予算決算及び会計令第96条・第97条指名する場合の基準(指名基準)を定めること、資格を有する者のうちから指名基準によりなるべく10人以上を指名すること
地方公共団体地方自治法施行令第167条契約の性質・目的が一般競争入札に適しないとき、競争に加わるべき者が少数のとき、一般競争入札に付することが不利と認められるとき
地方公共団体地方自治法施行令第167条の11・第167条の12契約の種類・金額に応じて指名競争入札の参加資格を定めること、資格を有する者のうちから参加させる者を指名し、入札の場所・日時などを通知すること

どちらの場合も、まず入札参加資格を持っていることが指名の前提です。資格の取り方は公共工事の入札の流れと入札参加資格の取り方で解説しています。

指名の基準(地方整備局の指名基準)

国土交通省の地方整備局は「工事請負業者選定事務処理要領」第16で指名基準を定めています。基本は、工事の予定価格に対応する等級に属する有資格業者の中から指名することで、そのうえで次の8項目に留意し、その年度の指名・受注の状況も勘案して、指名が特定の業者に偏らないようにするとしています。

指名基準の項目業者側で整えておくこと
イ 不誠実な行為の有無契約違反・虚偽の申請・法令違反をしない。指名停止を受けない
ロ 経営状況(客観的事項の審査基準日以降)決算内容を健全に保つ。経営事項審査(経審)の経営状況の評点に表れる
ハ 工事成績(主観的事項の審査基準日以降)受注した工事で良い工事成績評定を取り続ける
ニ 当該工事に対する地理的条件工事箇所の近くに営業所があるなど、すぐに対応できる体制を示す
ホ 手持ち工事の状況技術者・作業員を配置できる余力があるようにする
ヘ 当該工事施工についての技術的適性同種工事の施工実績、その工事に合う資格を持つ技術者
ト 安全管理の状況(客観的事項の審査基準日以降)労働災害・公衆災害を起こさない安全管理
チ 労働福祉の状況(客観的事項の審査基準日以降)社会保険・退職金制度など、働く人の福祉に関する取組

同じ要領では、次のような例外も定めています。

  • 予定価格が比較的小さく技術的難易度が比較的低い工事は直近の下位等級、大きく難易度が高い工事は直近の上位等級の業者を指名できる
  • 工事成績が特に優秀な業者は、2等級下位の等級に属していても指名できる
  • 災害などで緊急に施工する必要がある工事は、2等級以上上位の業者を指名できる

等級(ランク)は総合点数で決まる

地方整備局の入札参加資格では、経審の結果などの「客観的事項」と、過去4年間の工事成績の「主観的事項」から総合点数を付け、工事種別ごとに予定価格に対応する等級に格付けします。例として、関東地方整備局の令和7・8年度の一般土木工事の等級区分は次のとおりです。

等級総合点数予定価格
A3,040点以上8億2,000万円以上
B2,630点以上3,040点未満3億4,000万円以上8億2,000万円未満
C1,660点以上2,630点未満7,000万円以上3億4,000万円未満
D1,660点未満7,000万円未満

等級の点数の区切りは発注者・年度ごとに違うため、参加したい発注者の公表資料で確認してください。経審のP点(総合評定値)を上げる方法は経審P点を上げる7つの方法で解説しています。

地方公共団体の指名基準

地方公共団体も、地方自治法施行令に基づいて指名競争入札の参加資格を定め、資格を持つ者の中から指名します。公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入札契約適正化法)第8条により、地方公共団体は入札参加資格や、指名競争入札で指名した者の商号・名称などを公表しなければなりません。指名の考え方(地域要件、工事成績、手持ち工事など)は団体ごとに公表されているので、参加したい市町村・都道府県の入札・契約のページで確認しましょう。

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指名されるための7つの取り組み

指名基準の8項目に沿って、業者側でできることを整理します。

1. 入札参加資格を取り、等級を上げる

指名は資格者名簿に載っている業者の中から行われます。参加したい発注者ごとに入札参加資格を申請し、狙う工事の業種(工種)で登録しておきます。等級は経審のP点と工事成績で決まるため、経審の受審を切らさないことと、受注した工事の成績を上げることが等級を保つ・上げることにつながります。

2. 工事成績評定を上げる

工事成績は、指名基準の「ハ 工事成績」に当たるうえ、地方整備局の等級を決める総合点数(主観的事項)にも入ります。国土交通省の工事成績評定は、65点を基準として、施工体制・施工状況・出来形及び出来ばえなどの評価で加点・減点し、創意工夫・社会性等などで加点して評定点を出す仕組みです(法令遵守等は減点)。

評定を上げるには、次の点を日頃から徹底します。

  • 施工計画書の充実: 施工計画書の作成を丁寧に行い、計画どおりに施工する
  • 品質管理・出来形管理の記録: 試験結果、写真管理を確実に残す
  • 安全管理: 無事故・無災害で工事を終える
  • 工程管理: 工期内に完成させ、手戻りを防ぐ
  • 書類の整備: 提出書類の品質と期限を守る
  • 創意工夫・社会性等の実施状況の提出: 地方整備局の工事成績評定実施要領では、受注者は「創意工夫」「社会性等」の実施状況を提出でき、提出があれば評定で考慮するとされている

施工計画書と評定の関係は施工計画書の品質と工事成績評定を参照してください。

3. 防災協定を結び、災害対応に備える

災害時に緊急で施工する工事では、要領上、上位等級の業者を指名できるなど、発注者は迅速に動ける業者を必要としています。

  • 国・都道府県・市町村、または地域の建設業協会を通じて防災協定を結ぶ
  • 台風・大雨・地震の際の連絡体制と、出動できる人員・機械を決めておく
  • 協定に基づく出動の記録を残す

防災協定の締結は、経審のW点のうちW3(防災活動への貢献の状況)で加点されます(20点)。詳しくは経審W点の上げ方で解説しています。

4. 技術的適性を実績で示す

指名基準の「ヘ 技術的適性」は、同種工事の実績と技術者で示します。

技術的適性の示し方方法
施工実績CORINSへの正確な登録で工事実績を残す
工事成績同じ工種で良い評定を積み重ねる
表彰歴優良工事表彰などを受ける
有資格者1級・2級土木施工管理技士などの技術者を確保・育成する
新技術の活用ICT施工やNETIS登録技術の活用実績を残す

5. 地理的条件と手持ち工事の状況を整える

指名基準には「当該工事に対する地理的条件」と「手持ち工事の状況」があります。工事箇所の近くに営業所や資機材置場があること、技術者・作業員を配置する余力があることを、発注者が把握できるようにしておきます。営業所の所在地や技術者の情報は、入札参加資格の申請内容を正確に保ち、変更があれば届け出ます。

6. 安全管理と労働福祉を整える

「安全管理の状況」「労働福祉の状況」も指名基準の項目です。

  • 労働災害・公衆災害を起こさない安全管理(危険予知活動、新規入場者教育、点検)
  • 下請業者への適正な支払い(建設業法の遵守)
  • 社会保険の加入確認、建設業退職金共済など退職金制度の整備
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS:技能者の資格や就業履歴を登録する仕組み)への登録推進

7. 発注者と適切に連絡・協議する

工事中の報告・協議は、施工状況の評価にも関わります。

場面ポイント
施工中の報告進捗を定期的に報告し、問題を早めに共有する
設計変更の協議変更が必要な場合は速やかに協議を申し入れる
問題発生時隠さずに報告し、対策案を合わせて示す
完成時完成書類・引渡し書類を丁寧に整える

設計変更の進め方は設計変更と精算の進め方も参考にしてください。

指名を受けた後の対応

注意点内容
辞退するとき技術者の配置ができないなど、やむを得ない場合は発注者の定める方法で辞退を届け出る。書き方は入札辞退届の書き方を参照
入札書類の品質入札書類チェックリストで漏れなく準備する
価格予定価格・最低制限価格・低入札価格調査基準価格の仕組みを理解して積算する(落札率と勝率を上げる考え方)

辞退の扱いや提出方法は、発注者の入札心得・指名通知に書かれているので、必ずそちらで確認してください。

指名停止を受けないために

指名停止は、発注者が一定期間その業者を指名しない措置です。国土交通省の地方整備局は「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」で措置要件と期間を定めており、指名停止を受けると、その地方整備局の契約担当官等は期間中その業者を指名できず、すでに指名していれば取り消します。他の国の機関や地方公共団体の扱いは、それぞれの要領によります。

地方整備局の措置要領(別表第1・第2)の主な期間は次のとおりです。

措置要件(主なもの)指名停止の期間
入札前の調査資料などへの虚偽記載1か月以上6か月以内
地方整備局発注工事での過失による粗雑工事1か月以上6か月以内
地方整備局発注工事での契約違反2週間以上4か月以内
地方整備局発注工事で、安全管理の措置が不適切で公衆に死傷者・損害を生じさせた1か月以上6か月以内
地方整備局発注工事で、安全管理の措置が不適切で工事関係者に死傷者を生じさせた2週間以上4か月以内
当該地方整備局の職員への贈賄で代表役員等が逮捕・公訴提起4か月以上12か月以内
当該地方整備局の所管区域内での独占禁止法違反2か月以上9か月以内
国土交通省の契約に関する談合等で代表役員等が逮捕・公訴提起4か月以上12か月以内
建設業法違反(当該地方整備局の所管区域内)1か月以上9か月以内

上の表は一部の抜粋です。指名停止の期間満了後一定期間内に再び措置要件に該当した場合は期間の短期が原則2倍になる、極めて悪質な場合は長期の2倍(最長36か月)まで延長できる、などの特例もあります。法令遵守と安全管理の徹底は、指名を受けるための大前提です。

指名されるための自己点検チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、地方整備局の指名基準8項目と等級の仕組みをもとに、自社で点検できる形に並べ直した表です。

No.点検すること対応する指名基準・仕組み確認先
1参加したい発注者の入札参加資格を、狙う工種で取っているか資格者名簿への登録資格認定通知書
2経審の有効期間が切れていないか経営状況、等級(客観的事項)総合評定値通知書
3狙う工事の予定価格と自社の等級が合っているか予定価格に対応する等級から指名発注者の等級区分の公表資料
4直近の工事成績評定の点数と、減点された項目を把握しているか工事成績、等級(主観的事項)工事成績評定通知書
5指名停止・行政処分を受けていないか不誠実な行為の有無社内の記録、発注者の指名停止情報
6工事箇所に近い営業所・資機材置場を示せるか地理的条件入札参加資格の申請内容
7技術者・作業員の配置に余力があるか手持ち工事の状況技術者の配置表
8同種工事の実績をCORINSに登録しているか技術的適性CORINSの登録内容
9直近で労働災害・公衆災害がないか安全管理の状況安全管理の記録
10社会保険の加入、退職金制度、CCUSの登録を進めているか労働福祉の状況社内の記録
11防災協定を結んでいるか災害時の緊急工事、経審W3協定書、建設業協会

よくある質問

Q. 指名競争入札で指名されるにはどうすればよいですか。 A. まず参加したい発注者の入札参加資格を取り、資格者名簿に載ることです。そのうえで、指名基準で見られる工事成績、経営状況、地理的条件、手持ち工事の状況、技術的適性、安全管理、労働福祉を整えます。国の地方整備局では、工事の予定価格に対応する等級の業者から指名するのが基本なので、等級を保つ・上げることも大切です。

Q. 指名競争入札の指名基準はどこで決められていますか。 A. 国の工事では、予算決算及び会計令第96条で各省各庁の長などが指名基準を定めることとされ、国土交通省の地方整備局は「工事請負業者選定事務処理要領」第16に定めています。地方公共団体は、地方自治法施行令に基づいて団体ごとに参加資格と指名の考え方を定めています。

Q. 指名競争入札では何社が指名されますか。 A. 国の場合、予算決算及び会計令第97条で「なるべく十人以上」指名しなければならないとされています。地方公共団体の指名数は、各団体の要綱などで確認してください。

Q. 工事成績が良いと指名に有利になりますか。 A. 地方整備局の指名基準では工事成績が留意事項の一つで、工事成績が特に優秀な業者は2等級下位でも指名できるとされています。また、過去4年間の工事成績は等級を決める総合点数(主観的事項)にも入ります。

Q. 指名停止になると、すべての公共工事に参加できなくなりますか。 A. 指名停止は、措置を行った発注者の要領に基づく措置です。地方整備局の指名停止を受けると、その地方整備局の契約担当官等は期間中その業者を指名できません。他の発注者がどう扱うかはそれぞれの要領によるため、個別に確認が必要です。

まとめ

  • 指名されるには、入札参加資格を取って資格者名簿に載り、予定価格に合う等級に格付けされることが前提
  • 国の工事は予算決算及び会計令第96条・第97条に基づき指名基準で指名し、なるべく10人以上を指名する
  • 地方整備局の指名基準は、不誠実な行為の有無・経営状況・工事成績・地理的条件・手持ち工事・技術的適性・安全管理・労働福祉の8項目
  • 工事成績は指名基準と等級(主観的事項)の両方に効く。防災協定は災害時の対応力と経審W3の加点につながる
  • 指名停止の期間は措置要領で決まっており、法令遵守と安全管理が大前提

出典・参考

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