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入札辞退届の書き方と辞退のマナー|次の指名に影響させない

入札辞退届の書き方と辞退のマナー|次の指名に影響させない

入札辞退とは

入札辞退とは、指名競争入札で指名を受けた場合や、一般競争入札で参加申請をした後に、入札への参加を取りやめることです。入札辞退は制度上認められた正当な行為であり、辞退したからといって法律上の罰則はありません。

ただし、辞退の仕方や頻度によっては、今後の指名に影響を与える可能性があります。適切な手続きとマナーを心がけることが大切です。

辞退が認められる主な理由

辞退理由具体例
技術者の配置が困難手持ち工事が多く配置できる技術者がいない
手持ち工事量が過大施工能力を超える受注を避けるため
積算の結果、採算が合わない設計内容に対して適正な価格で施工できない
工期と他の工事が重複施工時期が他の工事と競合する
現場条件が合わない自社の技術・機材では対応困難
その他のやむを得ない事情災害対応、経営上の理由など

入札辞退届の書き方

基本的な記載項目

入札辞退届に記載すべき項目は以下のとおりです。

記載項目内容
宛名発注機関の長(市長、知事など)
日付提出日
提出者会社名、代表者名、所在地
工事名入札に付される工事の正式名称
辞退の旨「上記工事の入札を辞退します」
辞退理由簡潔に記載(詳細後述)

辞退届の記載例

以下は一般的な入札辞退届の記載例です。

件名:入札辞退届

宛先:○○市長 ○○ ○○ 殿

下記の工事に係る入札を辞退いたします。

工事名:○○地区道路改良工事

辞退理由:手持ち工事の状況により、配置予定技術者の確保が困難なため

令和○年○月○日

所在地:○○県○○市○○町1-2-3 会社名:○○建設株式会社 代表者:代表取締役 ○○ ○○ (印)

辞退理由の書き方のポイント

(1) 簡潔に書く:長々と説明する必要はありません。「技術者の配置が困難なため」「手持ち工事量が過大なため」などで十分です

(2) 具体的すぎる記載は避ける:「○○工事の工期が延長したため」など他の工事の詳細を書く必要はありません

(3) 誠実さが伝わる表現:「辞退いたします」「申し訳ございませんが」など丁寧な表現を使う

(4) 嘘は書かない:虚偽の理由は信用を損なうため、事実に基づいた理由を記載する

辞退届の提出方法

指名競争入札の場合

提出方法注意点
入札日当日に持参入札開始前に提出する
事前に郵送・持参入札説明書に記載された期限までに提出
電子入札システムシステム上で辞退の操作を行う
FAX発注機関がFAXでの受付を認めている場合

一般競争入札の場合

一般競争入札では、入札書を提出しなければ自動的に不参加となるケースも多いですが、参加申請後に辞退する場合は辞退届の提出が求められることがあります。

電子入札での辞退

電子入札システムでの辞退手順は以下のとおりです。

(1) 電子入札システムにログインする (2) 該当する案件を選択する (3) 「辞退届」を選択して送信する (4) 辞退届の受付確認を画面で確認する

電子入札の場合、入札書の提出期限までに辞退届を提出する必要があります。期限を過ぎると辞退できない場合があります。

辞退のマナーと注意点

次の指名に影響させないために

(1) 早めに辞退の意思を伝える:辞退を決めたら、できるだけ早く辞退届を提出する。入札日当日の辞退は印象が良くない

(2) 辞退の頻度を管理する:同じ発注機関に対して連続して辞退すると、指名の優先度が下がる可能性がある

(3) 電話での一報を入れる:辞退届の提出前に、担当者に電話で辞退の旨を伝えると丁寧な印象を与える(指名競争の場合)

(4) 入札結果を確認する:辞退後も入札結果を確認し、市場価格の動向を把握しておく

やってはいけないこと

NG行為リスク
無断で入札に参加しない指名停止の対象となる場合がある
他社と辞退を申し合わせる独占禁止法違反(談合)に該当
虚偽の理由を記載する信用を失い、今後の指名に影響
入札日当日に連絡なく欠席指名停止処分の可能性

特に、他社との入札辞退の申し合わせは談合行為に該当し、重大な法律違反となります。絶対に行ってはなりません。

辞退と指名の関係

発注機関によっては、辞退回数が一定基準を超えると指名の優先度に影響する場合があります。

発注機関の対応例影響
辞退回数を指名基準に反映辞退が多いと指名頻度が下がる
正当な理由がある辞退は不問技術者不足等の正当な理由があれば影響なし
辞退理由を次回の指名で考慮合理的な理由であれば影響は限定的

多くの発注機関では、正当な理由に基づく適切な辞退は指名に影響しないとされています。ただし、無断不参加は指名停止の対象となる場合があるため、辞退届の提出は必ず行いましょう。

辞退を減らすための対策

そもそも辞退をしなくて済むよう、以下の対策を講じましょう。

(1) 技術者の配置計画を立てる:手持ち工事と今後の入札予定を踏まえ、技術者の配置計画を作成する

(2) 入札案件の選定を慎重に行う:参加する入札を事前に選定し、無理な参加を避ける

(3) 技術者の確保・育成:資格者を増やして技術者の選択肢を広げる

入札への参加準備については入札チェックリスト、入札全般の基礎知識は公共土木工事の入札ガイドを参照してください。

まとめ

入札辞退は制度上認められた行為ですが、適切な手続きとマナーが求められます。辞退届は早めに提出し、理由は簡潔かつ誠実に記載しましょう。無断不参加や他社との申し合わせは絶対に避けてください。

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