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工事費内訳書の書き方|入札時に提出する内訳の作成方法

工事費内訳書の書き方|入札時に提出する内訳の作成方法

工事費内訳書とは

工事費内訳書は、入札時に入札書と併せて提出する書類で、入札金額の根拠を示すものです。公共工事の入札では、ダンピング(不当な低価格受注)を防止する目的で、入札金額の内訳を明示することが求められています。

工事費内訳書に不備があると入札が無効になる場合もあるため、正確に作成する必要があります。

提出が必要な場合

工事費内訳書の提出は、多くの発注機関で義務付けられています。

発注機関提出基準
国土交通省全ての工事で提出必要
都道府県ほぼ全ての工事で提出必要
市区町村発注機関により異なる(要確認)

入札公告や入札説明書に内訳書の様式と提出方法が記載されています。必ず確認しましょう。

工事費内訳書の基本構成

工事費内訳書は、積算体系に沿って以下の構成で作成します。

項目内容
工事価格直接工事費+間接工事費
直接工事費各工種の材料費、労務費、機械経費の合計
共通仮設費運搬費、準備費、事業損失防止施設費、安全費など
現場管理費現場従業員給与、法定福利費、事務用品費など
一般管理費等本社経費、利益など
消費税等相当額工事価格の10%
入札金額(税込)工事価格+消費税等相当額

直接工事費の内訳例(道路改良工事の場合)

工種種別細別金額
土工掘削工バックホウ掘削○○○,○○○円
土工盛土工盛土○○○,○○○円
排水構造物工側溝工プレキャスト側溝○○○,○○○円
舗装工アスファルト舗装工表層(密粒度)○○○,○○○円
防護柵工ガードレール設置工Gr-B-4E○○○,○○○円

作成手順

手順1:入札説明書の確認

(1) 内訳書の指定様式があるか確認する(発注機関が独自の様式を指定している場合が多い)

(2) 記載の粒度を確認する(工種レベルか、種別レベルか、細別レベルか)

(3) 電子入札の場合は、内訳書のファイル形式(Excel、PDFなど)を確認する

手順2:設計図書の確認

(1) 数量総括表を基に、工種・種別・細別の構成を把握する

(2) 特記仕様書で指定された材料・工法を確認する

(3) 設計変更の可能性がある項目を把握する

手順3:単価の設定

(1) 材料費:建設物価、積算資料などの物価資料を参考に単価を設定する

(2) 労務費:公共工事設計労務単価を参考にする

(3) 機械経費:建設機械等損料算定表を参考にする

(4) 各単価に自社の施工条件を反映して調整する

手順4:間接工事費の計算

(1) 共通仮設費:直接工事費に対する率で算出するのが一般的

(2) 現場管理費:直接工事費+共通仮設費に対する率で算出

(3) 一般管理費等:工事原価に対する率で算出

手順5:入札金額の確認

(1) 工事価格+消費税等相当額=入札金額

(2) 入札金額が入札書の金額と一致していることを必ず確認する

(3) 消費税の端数処理(切り捨て、四捨五入)を発注機関の規定に合わせる

作成時の注意点

注意点詳細
入札金額との一致内訳書の合計が入札書の金額と必ず一致すること
0円の項目金額が0円の項目があると入札無効になる場合がある
数量の整合設計図書の数量と内訳書の数量を一致させる
様式の遵守指定様式がある場合は必ずその様式で作成する
提出期限入札書と同時に提出。遅延は入札無効
社名の記載社名が必要か不要か(指名競争と一般競争で異なる場合あり)

よくある不備と対策

不備1:合計金額の不一致

内訳書の合計金額と入札書の金額が一致しないケースです。入力ミスや計算式のエラーが原因です。

対策:提出前にダブルチェックを行う。Excel使用時は計算式のリンク切れに注意する。

不備2:工種の記載漏れ

設計図書にある工種が内訳書に含まれていないケースです。

対策:数量総括表の工種一覧と内訳書を照合する。

不備3:様式の不備

指定様式を使用していない、必要な記載項目が漏れているケースです。

対策:入札説明書を再確認し、過去の入札で使用した様式と変更がないか確認する。

低入札価格調査との関係

入札金額が調査基準価格を下回った場合、工事費内訳書を基に低入札価格調査が行われます。内訳書の各項目が極端に低い場合は、「適正な施工が困難」と判断され、失格となる可能性があります。

項目調査の視点
直接工事費予定価格の75%を下回っていないか
共通仮設費予定価格の70%を下回っていないか
現場管理費予定価格の70%を下回っていないか
一般管理費等予定価格の30%を下回っていないか

電子入札での提出方法

電子入札の場合、内訳書はシステムを通じて電子的に提出します。

(1) 指定されたファイル形式で作成する(Excel、PDFなど) (2) ファイルサイズの制限を確認する(通常3-10MB) (3) 入札締切前にアップロードを完了する (4) アップロード後に内容を確認する(修正ができない場合あり)

入札全般の手順については入札チェックリストを参照してください。

まとめ

工事費内訳書は入札の重要な提出書類です。入札金額との一致、工種の網羅性、様式の遵守を確認し、不備のない書類を作成しましょう。提出前のダブルチェックが入札無効を防ぐ最大の対策です。

入札参加の基本的な流れは公共土木工事の入札ガイドも併せてご確認ください。

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