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経審W点(社会性等)の上げ方|すぐできる加点項目

経審W点(社会性等)の上げ方|すぐできる加点項目

W点(社会性等)とは

W点は経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)を構成する5つの要素のうちの一つです。P点に占める割合は15%で、Z点(25%)やX1点(25%)に比べると低いものの、比較的短期間で改善できる項目が多いのが特徴です。

P = 0.25 x X1 + 0.15 x X2 + 0.20 x Y + 0.25 x Z + 0.15 x W

W点は「その他の審査項目(社会性等)」と呼ばれ、企業の社会的な取り組みや経営の健全性を評価する項目で構成されています。

W点の評価項目一覧

項目内容加点幅(目安)
W1 労働福祉の状況社会保険加入、退職金制度、法定外労災保険最大190点程度
W2 建設業の営業継続の状況営業年数、民事再生等の有無最大60点程度
W3 防災活動への貢献の状況防災協定の締結最大20点程度
W4 法令遵守の状況営業停止処分の有無減点のみ
W5 建設業の経理の状況公認会計士等の設置、研修受講最大30点程度
W6 研究開発の状況研究開発費の額大企業向け
W7 建設機械の保有状況建設機械の保有台数最大15点程度
W8 国際標準化機構登録の状況ISO9001、ISO14001の認証最大10点程度
W9 若年技術者の育成及び確保の状況若年技術者の雇用最大4点程度
W10 知識及び技術又は技能の向上の状況CPD、技能者のレベルアップ最大10点程度

すぐにできる加点項目

1. 法定外労災保険への加入(W1)

法定外の労働災害補償制度(上乗せ労災保険)に加入するだけで加点されます。

項目加点費用感
法定外労災保険加入+15点年間数万円-数十万円(売上規模による)

中小建設業者にとって最も費用対効果が高い項目の一つです。未加入の場合はすぐに加入を検討しましょう。

2. 退職金制度の導入(W1)

建退共(建設業退職金共済制度)への加入、または企業独自の退職金制度の導入で加点されます。

制度加点費用感
建退共加入+15点1日310円/人(掛金)
中退共加入+15点月5,000-30,000円/人
自社退職金制度+15点制度設計による

建退共は公共工事で証紙の購入が求められるため、多くの土木工事業者が加入しています。

3. 建設機械の保有(W7)

自社で建設機械を保有している場合、台数に応じて加点されます。

対象機械条件
ショベル系掘削機(0.25m3以上)自社保有で特定自主検査記録あり
ブルドーザー(全機種)同上
トラクターショベル(全機種)同上
モーターグレーダー(全機種)同上
移動式クレーン(つり上げ荷重3t以上)同上
大型ダンプ(車両総重量8t以上、または最大積載量5t以上)自社保有で車検証の写し

1台につき1点が加算され、最大15点まで加点されます。リース機械は対象外です。

4. 防災協定の締結(W3)

国、都道府県、市区町村との間で防災協定を締結していると加点されます。

対象加点
防災活動への貢献(防災協定締結)+20点

地域の建設業協会を通じて防災協定を締結している場合も対象となります。未締結の場合は所属する協会に確認しましょう。

5. ISO認証の取得(W8)

認証加点費用感
ISO9001(品質)+5点取得費用100-200万円、維持費年間30-50万円
ISO14001(環境)+5点取得費用100-200万円、維持費年間30-50万円
両方取得+10点-

費用は高いですが、経審の加点以外にも入札での加点評価や企業イメージの向上につながります。

減点を避ける項目

W点では加点だけでなく、減点を避けることも重要です。

社会保険の加入(W1)

保険未加入の場合
健康保険-40点
厚生年金保険-40点
雇用保険-40点

社会保険の未加入は合計で最大-120点の大幅な減点となります。令和2年10月からは社会保険未加入の建設業者は許可の更新ができなくなっていますが、従業員の加入漏れがないか確認しましょう。

営業停止処分(W4)

営業停止処分を受けると大幅な減点となります。法令遵守を徹底することが基本です。

W点改善の優先順位

費用対効果を考慮したW点改善の優先順位は以下のとおりです。

優先順位項目加点取り組みやすさ
1社会保険の完全加入(減点回避)最大+120点(減点回避)必須
2法定外労災保険加入+15点容易
3退職金制度(建退共)+15点容易
4防災協定の締結+20点協会に確認
5建設機械の保有申告最大+15点保有機械を確認
6ISO認証取得最大+10点費用・期間要

P点への影響シミュレーション

W点の改善がP点にどの程度影響するかを試算します。

W点の改善幅P点への影響(x0.15)
+50点+7.5点
+100点+15.0点
+150点+22.5点

Z点やX1点と比較すると1点あたりの影響は小さいですが、比較的取り組みやすい項目が多いため、まず着手すべき対策といえます。

まとめ

W点は経審の中で比較的短期間・低コストで改善できる項目が多い分野です。社会保険の完全加入、法定外労災保険、退職金制度の整備から始め、段階的に加点項目を増やしていきましょう。

経審のP点対策全般については経審P点の上げ方、技術職員(Z点)の対策は経審の技術職員点数と資格一覧も参照してください。

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