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電子黒板の使い方ガイド|工事写真をスマホで効率化

電子黒板の使い方ガイド|工事写真をスマホで効率化

電子黒板とは

電子黒板とは、従来の手書き黒板の代わりに、スマートフォンやタブレットの画面上で工事情報を入力し、写真に合成して撮影できる仕組みです。国土交通省は2017年度から電子黒板の使用を正式に認めており、多くの公共工事で活用が進んでいます。

手書き黒板と比べて記入ミスが減り、撮影の手間も大幅に短縮できるため、工事写真管理の効率化に直結するツールです。

電子黒板と手書き黒板の比較

項目手書き黒板電子黒板
記入方法チョークで手書きスマホ・タブレットで入力
記入時間1枚あたり2分から5分テンプレートで数秒
文字の視認性書く人の字によるフォントで統一、常に読みやすい
誤記対策書き直しが必要入力値の確認・修正が容易
持ち運び黒板を現場に運ぶスマホ1台で完結
改ざん防止対策なし改ざん検知機能あり
雨天時チョークが消える防水ケースで使用可能

電子黒板の基本的な使い方

ステップ(1) アプリの初期設定

工事写真管理アプリをスマートフォンにインストールし、以下の情報を登録します。

設定項目内容
工事名正式な工事名称を入力
施工業者名受注者の会社名
工種一覧土工、路盤工、舗装工など
測点情報施工箇所の測点リスト
撮影者撮影担当者名

ステップ(2) テンプレートの作成

工種ごとに黒板のテンプレートを事前に作成しておくことで、現場での入力を最小限にできます。

テンプレートの例固定項目現場で入力する項目
土工(掘削)工事名、業者名、工種測点、日付、寸法値
路盤工工事名、業者名、工種測点、日付、厚さ
鉄筋工工事名、業者名、工種部位、日付、間隔

ステップ(3) 撮影

(1) アプリを起動し、テンプレートを選択する

(2) 現場で変更が必要な項目(測点、日付、計測値など)を入力する

(3) 黒板の表示位置を画面上で調整する(左下や右下に配置するのが一般的)

(4) カメラで施工箇所を撮影する(黒板は写真に自動合成される)

ステップ(4) 確認と保存

撮影後は以下を確認してから保存します。

  • 黒板の記載内容に誤りがないか
  • 施工箇所が明確に写っているか
  • 計測器具の目盛りが読み取れるか

改ざん検知機能について

電子黒板を使用した工事写真には、改ざん検知情報(信憑性確認情報)が埋め込まれます。これにより写真が撮影後に加工されていないことを証明できます。

項目内容
仕組み撮影時にハッシュ値を生成し、写真データに付加
確認方法専用ソフトまたはアプリで検証
対応基準国土交通省「デジタル写真管理情報基準」に準拠
注意点写真のリサイズやトリミングを行うとハッシュ値が変わる

改ざん検知機能があるため、電子黒板で撮影した写真は信頼性の証明がしやすいという利点があります。

主な電子黒板対応アプリ

アプリ名対応OS主な特徴月額費用(目安)
蔵衛門PadiOS/Android国交省準拠、帳票自動作成無料から有料プランあり
現場DEアプリiOS/Androidクラウド連携、台帳自動生成月額数千円から
ミライ工事iOS/Android電子小黒板、写真整理が簡単月額数千円から
ANDPADiOS/Android施工管理全般と連携要問い合わせ

工事写真アプリの詳細については関連記事で比較しています。

現場での活用のコツ

効率よく撮影するためのポイント

(1) 同じ工種の撮影はまとめて行い、テンプレートの切り替え回数を減らす

(2) 測点は事前にリスト化しておき、選択式で入力できるようにする

(3) 撮影後はその日のうちに内容を確認し、不備があれば翌日に再撮影する

(4) バッテリー残量に注意し、予備のモバイルバッテリーを持参する

導入初期によくあるトラブル

トラブル原因対処法
黒板の文字が小さい表示設定が合っていないフォントサイズを調整する
写真がクラウドに同期されない通信環境の問題Wi-Fi環境で手動同期する
改ざん検知エラーが出る撮影後に写真を編集した電子黒板で撮影した写真は編集しない
バッテリーが持たない画面の明るさが高い必要時以外は画面をオフにする

発注者への提出時の注意点

電子黒板で撮影した工事写真を発注者に提出する際は、以下の点を確認してください。

確認項目内容
写真のファイル形式JPEG形式が一般的(発注者の指定に従う)
解像度100万画素以上(国土交通省基準)
改ざん検知情報信憑性確認(チェック)情報が付加されているか
EXIF情報撮影日時、GPS情報が記録されているか
提出媒体CD-R、電子納品、クラウド提出など発注者の指定に従う

現場DXの入口としての電子黒板

電子黒板は、現場のデジタル化を始める第一歩として最適です。土木工事のDX推進事例でも紹介されているように、まずは写真管理のデジタル化から始めて、段階的にICT施工やクラウド管理に広げていく企業が増えています。

まとめ

電子黒板は導入のハードルが低く、効果を実感しやすいデジタル化ツールです。手書き黒板と比べて記入時間の短縮、文字の視認性向上、改ざん防止の3点で明確なメリットがあります。まずは1つの工種でテンプレートを作成し、実際に使ってみることから始めてみてください。

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