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見積作成時間を半分に短縮した積算データベースの活用|M土木株式会社様

見積作成時間を半分に短縮した積算データベースの活用|M土木株式会社様

企業概要

項目内容
社名M土木株式会社
所在地近畿地方
従業員数18名
主な事業道路舗装工事、上下水道工事、外構工事
年間売上約4億円
年間見積件数約120件(うち受注約40件)

導入前の課題

M土木株式会社では、年間120件もの見積もりを作成していました。しかし、積算を担当できるのは社長と工事部長の2名のみ。見積もり作成が大きな負担となっていました。

見積もり作成の実態(改善前)

問題点詳細
1件あたりの作成時間が長い簡易見積で2-3時間、詳細見積で1-2日
単価の根拠が属人的社長と工事部長の頭の中にある「相場感」で単価を設定
過去の見積が活用されていない類似案件の見積があるはずだが、探すのに時間がかかる
受注確度の分析ができないどの単価水準で受注できるか/できないかのデータがない
後任の育成ができない積算の知識が2名に集中しており、引き継ぎが困難

時間の試算

項目数値
年間見積件数120件
1件あたり平均作成時間約6時間
年間の見積作成時間約720時間(1人あたり360時間)
営業日換算約90日分(2名合計)

年間の約4分の1の営業日が見積もり作成に費やされている計算です。

改善のきっかけ

工事部長が定年退職を2年後に控え、積算知識の引き継ぎが急務となりました。「頭の中にある単価をデータベース化すれば、後任も使えるし、見積もりの時間も短縮できるのでは」という発想が出発点です。

取り組みの内容

(1) 過去の見積データの整理

まず、過去3年分の見積データをExcelに整理しました。

整理した項目内容
工事の種類舗装工事、上下水道工事、外構工事など
工種路盤工、舗装工、管布設工など
数量各工種の施工数量
単価見積時に設定した単価
受注結果受注できたか、できなかったか
実績単価受注した工事の実績原価(完成後のデータ)

(2) 自社単価データベースの構築

整理したデータをもとに、工種ごとの単価データベースをExcelで構築しました。

データベースの項目内容
工種コード工種の分類コード
工種名作業の名称
単位m2、m3、m、式など
標準単価(下限)過去実績の下限値
標準単価(中央)過去実績の中央値
標準単価(上限)過去実績の上限値
直近の実績単価最新の工事での実績
備考単価に影響する条件(施工量、地域、難易度等)

(3) 見積テンプレートとの連携

工事の種類ごとに見積テンプレートを作成し、単価データベースから自動的に単価を呼び出せるようにしました。

テンプレートの種類含まれる標準工種
舗装工事(新設)路盤工、舗装工(表層・基層)、区画線工
舗装工事(修繕)舗装版撤去、路盤工、舗装工
上水道工事管布設工、弁類設置工、舗装復旧工
下水道工事管布設工、マンホール設置工、舗装復旧工
外構工事土工、コンクリート工、排水工、舗装工

(4) 見積作成の標準手順の策定

見積もり作成の手順を標準化し、誰でも一定の品質で見積もりを作成できるようにしました。

手順内容所要時間の目安
(1) 現場確認図面と現場を照合し、条件を確認30分-1時間
(2) テンプレート選択工事の種類に合ったテンプレートを選ぶ5分
(3) 数量の入力図面から数量を拾って入力30分-2時間
(4) 単価の調整DBの単価を確認し、条件に応じて調整15-30分
(5) 諸経費の設定現場条件に応じて諸経費率を設定10分
(6) 上長確認社長または工事部長が最終確認15-30分

定量的な効果

指標改善前改善後改善幅
簡易見積の作成時間2-3時間1-1.5時間約50%削減
詳細見積の作成時間1-2日半日-1日約50%削減
年間の見積作成時間約720時間約360時間-360時間
見積作成の担当者数2名4名(若手2名が追加)+2名
見積精度(実績との乖離)+-15%+-8%精度向上

受注率への効果

指標改善前改善後
年間見積件数120件150件(余力が生まれて件数増)
受注率33%(40/120件)35%(53/150件)
受注件数40件53件

見積もりの精度が上がったことで、適正な価格で提出できるようになり受注率も向上しました。

定性的な効果

効果内容
積算知識の共有社長と工事部長の頭の中にあった知識がデータベースに
若手社員の育成データベースを参照することで若手でも見積作成が可能に
価格戦略の精度向上受注/失注データから、受注できる単価水準が見えるように
工事部長の退職リスクの軽減知識の属人化が解消され、引き継ぎの目処が立った

苦労した点

課題対応
過去データの整理が大変事務員と手分けして3か月かけて整理
単価の妥当性の判断工事部長の経験と実績データを突き合わせて検証
データベースの更新が続かない工事完了時に実績単価を入力するルールを決め、担当者を指名
Excelの限界数百件のデータでExcelが重くなる。将来的にはAccessや専用ソフトへの移行を検討

まとめ

見積もり作成時間の短縮は、売上に直結する改善です。M土木株式会社の事例では、自社の実績データをデータベース化するだけで、見積もり時間を半分に短縮し、年間の受注件数を30%以上増やすことができました。

特別なソフトを使わず、Excelでもデータベースは構築できます。まずは過去の見積データを整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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