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現場との電話回数70%削減をチャットツールで実現|K建設株式会社様

現場との電話回数70%削減をチャットツールで実現|K建設株式会社様

企業概要

項目内容
社名K建設株式会社
所在地九州地方
従業員数45名
主な事業道路工事、河川工事、造成工事、橋梁補修工事
年間売上約10億円
同時進行現場数常時8-12現場

導入前の課題

K建設株式会社は常時8-12の現場が同時進行しており、事務所と現場、現場間のコミュニケーションは主に電話で行っていました。

電話の実態調査(改善前)

工事部長が1週間の電話の記録を取ったところ、以下の結果が出ました。

項目数値
工事部長の1日あたりの電話回数平均32回
1回あたりの通話時間平均4分
1日あたりの通話時間合計約2時間8分
電話の目的の内訳下記参照
電話の目的割合1日あたりの回数
確認・報告(急ぎでない)40%約13回
写真や資料の説明20%約6回
折り返し・かけ直し15%約5回
緊急の連絡10%約3回
外部(発注者・協力会社)15%約5回

電話の約75%は「急ぎでない確認」や「写真の説明」「折り返し」で、リアルタイムの通話が本当に必要なものは全体の10%程度でした。

電話によるロスの内容

問題具体的な影響
作業の中断電話が来るたびに今の作業を中断。集中力が切れる
伝言ミス「言った/聞いていない」のトラブルが月に数回発生
記録が残らない電話の内容は記憶頼み。後から確認できない
複数人への共有ができない1対1の通話なので、関係者全員への共有に手間がかかる
現場で電話に出られない機械の近くや高所作業中は電話に出られず、折り返しが発生

導入したツール

汎用的なビジネスチャットツールを導入しました。

項目内容
ツールビジネスチャットアプリ
利用端末スマートフォン(全社員)
月額費用1アカウント数百円(全体で月額約2万円)
導入期間約1.5か月

導入の手順

(1) グループの設計(1週間)

チャットのグループ構成を事前に設計しました。

グループ名メンバー用途
全社連絡全社員全社的な連絡事項
(工事名)現場現場代理人+担当作業員+工事部長工事ごとの連絡
安全管理全現場代理人+安全担当安全に関する情報共有
機材管理工事部長+現場代理人重機やダンプの手配
事務連絡事務所スタッフ事務処理に関する連絡

(2) 利用ルールの策定(1週間)

チャットツールの効果を最大化するために、利用ルールを明文化しました。

ルール内容
緊急の連絡は電話事故、災害、緊急の工程変更は電話で連絡
確認・報告はチャット急ぎでない確認事項はチャットに投稿
写真はチャットで送付現場写真はチャットで共有。口頭での説明を減らす
既読=確認済みチャットを読んだら既読にする。重要な場合はスタンプで反応
業務時間外の投稿は翌朝確認夜間や休日の投稿は翌営業日に確認すればよい
個人的な内容は投稿しない業務に関する内容のみ

(3) 全社研修(2日間)

2日間に分けて全社員を対象に研修を実施しました。

日程内容
1日目アプリのインストール、アカウント設定、基本操作
2日目実際のグループで練習投稿、写真の送信、スタンプの使い方

(4) 試行期間(2週間)

2つの現場で先行導入し、運用上の問題点を洗い出しました。

試行で見つかった問題対応
投稿が多すぎて重要な情報が埋もれる重要な連絡には特定のキーワードを付けるルールを追加
写真の画質が低すぎる送信時の画質設定を「高画質」に統一
返信が遅い社員がいるチャットの確認を朝・昼・夕の3回行うルールに

(5) 全社展開(2週間)

試行の結果を反映して、全現場にチャットツールを展開しました。

定量的な効果

導入3か月後に再度1週間の調査を実施した結果です。

指標改善前改善後改善幅
工事部長の1日あたりの電話回数32回10回-69%(約70%削減)
1日あたりの通話時間2時間8分40分-65%
「言った/聞いていない」トラブル月4-5回月0-1回-80%以上
現場代理人の電話回数(平均)1日18回1日6回-67%

電話の用途別の変化

電話の目的改善前(1日)改善後(1日)チャットに移行
確認・報告(急ぎでない)13回1回ほぼ全てチャットに
写真や資料の説明6回1回チャットで写真共有
折り返し・かけ直し5回1回チャットなら非同期で対応
緊急の連絡3回3回変わらず電話
外部(発注者・協力会社)5回4回社外は引き続き電話が中心

定性的な効果

効果内容
記録が残るチャットの履歴がそのまま業務記録になる。「言った/聞いていない」がなくなった
複数人で共有できる1回の投稿で関係者全員に情報が届く
作業の中断が減った好きなタイミングでチャットを確認できるため、集中力が維持できる
情報共有のスピードが上がった写真付きの報告がリアルタイムで共有される
現場間の連携が改善機材の融通や人員の調整がスムーズに

苦労した点

課題対応
スマホ操作が苦手なベテラン若手社員がペアを組んでサポート。音声入力機能を活用
チャットの通知が多すぎるグループごとに通知設定をカスタマイズ
業務時間外の連絡ルールを明確に。時間外の投稿は翌日確認でよいと周知
チャットと電話の使い分け判断に迷う場合は「迷ったらチャット。命に関わることは電話」と簡潔に

工事部長のコメント

「1日30回以上鳴っていた電話が10回以下になっただけで、こんなに仕事がはかどるとは思いませんでした。電話は相手の時間を奪う行為だということを、チャットを使い始めて初めて実感しました」

まとめ

ビジネスチャットの導入は、初期費用が低く、効果が出やすい業務改善です。K建設株式会社の事例では、電話回数を70%削減し、コミュニケーションの質も向上しました。

成功のポイントは、明確な利用ルールの策定と、「電話とチャットの使い分け基準」を全社員で共有したことです。

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