土木工事 業務改善Navi
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施工管理アプリの比較|土木工事向けの選び方と主な製品

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施工管理アプリの比較|土木工事向けの選び方と主な製品

土木工事向けの施工管理アプリを比較するときは、①工事写真と電子小黒板、②出来形管理・品質管理の記録、③発注者の情報共有システム(ASP)や電子納品とのつながり、④現場の人が使えるか(通信環境・操作)、⑤費用の形、の5点で見るのが基本です。 公共土木工事では、国土交通省の土木工事共通仕様書(案)で、受注者は工事情報共有システム(ASP)を活用して監督職員と情報を共有することとされ、電子小黒板を使う場合は国の通知に基づいて実施すると定められています。アプリ選びは「アプリ単体の機能」より、「発注者の仕組みとどうつながるか」から考えると失敗しにくくなります。

本記事では、土木工事で施工管理アプリに求められること、主な製品(ANDPAD、デキスパート、SiteBox、現場Plus)の特徴をメーカー公式サイトで確かめられる範囲で整理し、選び方の5つのポイントと導入前チェックリストをまとめます。製品情報はいずれも2026年10月1日にメーカー公式サイトで確認した民間資料です。

施工管理アプリとは何ができるのか

施工管理アプリとは、工事写真の撮影・整理、工程管理、出来形・品質の記録、図面・書類の共有、現場と事務所の連絡などを、スマートフォンやタブレットとクラウドで行うためのツールです。製品によって得意分野が大きく違い、次のように分けると比べやすくなります。

種類主な機能向いている使い方
総合型の施工管理クラウド工程・写真・図面・チャット・検査・帳票などを一か所で管理社内外の連絡も含めて現場全体をデジタル化したい
土木の施工管理ソフト群出来形管理・品質管理・写真管理・電子納品などを工種・基準に沿って作成国・自治体の土木工事を継続して受注している
写真・出来形の現場アプリスマートフォンで工事写真と電子小黒板、実測値の記録現場での撮影・記録の手間を減らしたい
書類作成ツール施工計画書などの書類をひな形やAIで作成書類作成が特定の人に集中している

施工計画書の作成ソフトに絞った比較は施工計画書の作成ソフト・ツール比較で解説しています。

公共土木工事で押さえておく国の仕組み

情報共有システム(ASP)

国土交通省の土木工事共通仕様書(案)では、受注者は監督職員との間の情報を電子的に交換・共有して業務の効率化を図らなければならず、その際は工事情報共有システム(ASP:インターネット経由で使うサービスのこと)を活用し、最新版の「土木工事・業務の情報共有システム活用ガイドライン」に基づくこととされています。使うシステムは国の機能要件を満たすものとし、サービス提供者との契約は受注者が行います。

情報共有システムで作成・提出した工事帳票は、別途紙に出力して提出しないものとされています。つまり、直轄工事などで発注者が指定する情報共有システムがある場合、社内で使う施工管理アプリとは別に、そのシステムで打合せ簿などをやり取りすることになります。社内のアプリから帳票や写真をそのシステムへ渡しやすいかが、比較のポイントになります。

電子小黒板(デジタル工事写真の小黒板情報電子化)

共通仕様書の工事写真の定義では、デジタル工事写真の小黒板情報電子化(電子小黒板)を行う場合は、「デジタル工事写真の小黒板情報電子化についての一部改定について」(令和5年3月15日 国技建管第6号)に基づき実施しなければならないとされています。電子小黒板付きのアプリを使う場合は、発注者の承諾と、そのアプリが国の要件に対応しているか(メーカーが公表している適合の状況)を確認します。

電子納品

共通仕様書では、電子納品は「オンライン電子納品実施要領」に基づき、原則として発注者が指定した電子納品保管管理サーバーへオンラインで納品するとされています。写真や出来形の記録を電子納品の形式で出せるかも確認しておきましょう。

業務効率化の全体像と国の仕組みは土木工事の業務効率化|すぐできる5つの方法と国の仕組みで詳しく解説しています。

主な施工管理アプリの比較

価格は各社とも公式サイトに金額の掲載がない、または条件により変わるものが多いため、掲載がある製品だけ記載しています。導入前に見積もりを取ってください。

製品(提供会社)種類公式サイトで確認できる主な機能土木での位置づけ価格の掲載
ANDPAD(株式会社アンドパッド)総合型の施工管理クラウド施工管理、チャット、図面、黒板、検査、遠隔臨場、レポート、電子納品など写真・工程・連絡をまとめて管理金額の掲載なし(初期・月額・オプションで構成、問い合わせ)
デキスパート(株式会社建設システム)土木の施工管理ソフト群約30種類のソフトで構成。技術提案から電子納品までを管理、出来形管理システムなど国・自治体の土木工事の書類・電子納品金額の掲載なし
SiteBox(株式会社建設システム)写真・出来形の現場アプリ出来形データの記録と工事写真の撮影、電子小黒板の写し込み、改ざん検知に対応土木現場用のスマートフォンアプリ金額の掲載なし
現場Plus(福井コンピュータアーキテクト株式会社)総合型の施工管理クラウド工程表・進捗、図面・写真・書類管理、トーク、入退場・安全管理など公式サイトでは建築現場向けと案内月額費用1万円(60ID・税別)、初期費用1万円、教育3万円

ANDPAD(アンドパッド)

公式サイトでは「現場の効率化から経営改善まで一元管理できる」クラウド型建設プロジェクト管理サービスとされ、施工管理、チャット、図面、黒板、検査、遠隔臨場、レポート、電子納品などの製品が掲載されています。写真・工程・社内外の連絡を一か所で共有したい会社に向いています。料金は初期費用・月額費用・オプション費用で構成され、金額は問い合わせが必要です。

デキスパート(株式会社建設システム/KENTEM)

公式サイトでは「約30種類のソフトから構成される土木工事の施工管理トータルソリューションシステム」とされ、技術提案から電子納品までの業務をまとめて管理できると説明されています。出来形管理システムなど、土木の施工管理基準に沿った帳票づくりに強いシリーズです。

SiteBox(株式会社建設システム/KENTEM)

公式サイトでは「土木現場用スマートフォンアプリ」とされ、スマートフォン1台で出来形データの記録と工事写真の撮影ができます。電子小黒板の写し込みと、国土交通省の「小黒板電子化」「デジタル工事写真の信憑性確認(改ざん検知機能)」への対応がうたわれ、NETIS(新技術情報提供システム)登録商品(KT-230048-VE)と表示されています。同社のクラウドの写真管理・出来形管理・品質管理のサービスと連携します。

現場Plus(福井コンピュータアーキテクト)

公式サイトでは、電話・FAX・書類など施工現場での従来型の情報伝達をクラウド上に置き換えるツールとされ、工程表・進捗、図面・写真・書類管理、トーク、入退場・安全管理などの機能があります。料金は月額費用1万円(60ID・税別)、初期費用1万円、教育3万円と掲載されています。案内は「建築現場のDX」となっており、土木工事で使う場合は出来形・品質管理や電子納品への対応を個別に確認する必要があります。

当サイト運営会社のツール

当サイトの運営会社(KMC株式会社)も、現場写真と書類作成のツールを提供しています。

  • 黒板Photoアプリ(CloudCamera): 工事名・施工箇所・日付などを電子黒板に入力して撮影する現場写真アプリ。写真の自動分類、工事写真帳・報告書への挿入、クラウド同期、GPS位置情報と撮影日時の記録、iPhone・iPad・Androidに対応(ツールページに記載の範囲)。発注者が求める電子小黒板の要件への対応は、導入前にお問い合わせください。製品の紹介はCloudCameraの紹介にもあります。
  • 入札書類作成AI(PattoAI): 施工計画書・安全管理計画書などの書類を、AIのヒアリングに答えて作成するツール。作成した書類は技術者が設計図書・特記仕様書と照らして確認する前提です。
  • 案件管理クラウド: 入札案件の発見から受注後までの進捗、入札日・提出期限をクラウドで管理するツール。
CloudCamera

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選び方の5つのポイント

1. 自社の課題に合った機能があるか

すべての機能を使いこなす必要はありません。自社が一番困っていることを解決できるかで選びます。

よくある課題優先すべき機能確認先
写真の撮影・整理に時間がかかる電子小黒板、写真の自動分類、写真帳の作成写真管理基準、発注者の承諾
電子納品の対応が大変電子納品の要領に沿った出力・チェック電子納品の要領、発注者の指定
打合せ簿の印刷・押印・持参が多い発注者の情報共有システム(ASP)との連携共通仕様書、情報共有システム活用ガイドライン
出来形・品質の記録と帳票作成が重い出来形管理・品質管理の記録と帳票出力施工管理基準及び規格値
現場と事務所の連絡が非効率チャット、写真・図面の共有社内の運用ルール
工程の変更が共有されない工程表の共有、通知社内の運用ルール

2. 発注者の仕組みとつながるか

公共工事では、発注者が指定する情報共有システムや電子納品の形式に合わせる必要があります。社内のアプリで撮った写真や作った帳票を、そのまま発注者のシステムや電子納品に使えるかを確かめます。電子小黒板を使う場合は、アプリが国の要件に対応していることをメーカーの公表資料で確認し、発注者の承諾を得ます。

3. 現場の人が使いこなせるか

高機能でも、現場で使われなければ効果は出ません。スマートフォンに不慣れな人でも迷わず撮影・入力できるかを、試用版やデモで実際の現場担当者に試してもらいましょう。

4. 通信環境が悪い現場で使えるか

山間部やトンネル内など、通信が不安定な現場もあります。電波のない場所で撮影・入力でき、通信が戻ったときに同期できるかは製品ごとに確認が必要です。

5. 費用の形とサポート体制

費用は、ID数・端末数による月額制、買い切りと保守、初期費用・教育費の有無など製品によって違います。年間の現場数と利用人数で総額を比べ、導入時の説明や問い合わせ窓口、操作マニュアルがそろっているかも確認します。

導入前チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、共通仕様書の情報共有・電子小黒板・電子納品の規定と上の5つのポイントをもとに、導入前に確かめておきたいことを並べたチェックリストです。

No.確認すること確かめ方
1主な発注者が情報共有システム(ASP)を使っているか契約書類・特記仕様書、監督職員への確認
2アプリの写真・帳票を、発注者のシステムや電子納品に渡せるかデモで実際の出力ファイルを作って確かめる
3電子小黒板を使う場合、国の要件への対応がメーカーから公表されているかメーカーの適合証・公表資料
4出来形・品質の帳票が、発注者の施工管理基準に沿って作れるか過去の工事1件分を試用版で作り直す
5現場担当者が操作できるか現場の数名に試用してもらう
6電波の弱い現場で撮影・入力できるか実際の現場で試す
7年間の総額が利用人数・現場数に見合うか初期・月額・保守・教育費の見積もりを取る
8紙の運用からの切り替え方を決めたか対象業務・開始日・担当者を決める

導入は、写真管理など1つの業務から始め、全員が同じルールで使うことを決めてから広げるのが確実です。紙とアプリの二重管理にならないよう、移行期間と紙を廃止する時期もあらかじめ決めておきましょう。

よくある質問

Q. 土木工事の施工管理アプリはどう比較すればよいですか。 A. 工事写真と電子小黒板、出来形・品質管理の記録、発注者の情報共有システムや電子納品とのつながり、現場での使いやすさ、費用の形の5点で比べます。公共工事が中心なら、発注者の仕組みとつながるかを最初に確認してください。

Q. 情報共有システム(ASP)と施工管理アプリは同じものですか。 A. 同じではありません。情報共有システムは、共通仕様書で受注者が監督職員との情報共有に使うこととされているシステムで、国の機能要件を満たすものを受注者が契約します。施工管理アプリは社内の写真・工程・書類の管理に使うもので、製品によっては情報共有システムとの連携機能があります。

Q. 電子小黒板付きのアプリなら、どれでも公共工事に使えますか。 A. 国の工事では、電子小黒板は令和5年3月15日付の通知に基づいて実施するとされています。アプリが国の要件に対応しているかをメーカーの公表資料で確かめ、発注者の承諾を得てから使ってください。

Q. 施工管理アプリの料金はいくらですか。 A. 製品により、ID数による月額制、買い切りと保守などさまざまで、公式サイトに金額の掲載がないものも多くあります。例えば現場Plusは月額費用1万円(60ID・税別)などと掲載されていますが、ANDPADやデキスパートは問い合わせが必要です。見積もりを取り、年間の総額で比べてください。

まとめ

  • 土木の施工管理アプリは、写真・電子小黒板、出来形・品質管理、ASP・電子納品とのつながり、使いやすさ、費用の5点で比べる
  • 公共工事では、共通仕様書の情報共有システム(ASP)と電子小黒板・電子納品の規定に合わせられるかが重要
  • ANDPADは総合型、デキスパート・SiteBoxは土木の施工管理・現場記録、現場Plusは建築現場向けとして案内されている
  • 試用版で実際の現場・過去の工事を使って確かめ、1つの業務から始めて全員のルールをそろえる

出典・参考

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