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アスファルト舗装の施工計画書|記載項目と書き方

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アスファルト舗装の施工計画書|記載項目と書き方

アスファルト舗装の施工計画書は、国土交通省の土木工事共通仕様書 1-1-1-6 が定める16項目(工事概要・計画工程表・現場組織表・主要資材・施工方法・施工管理計画・安全管理・交通管理など)を骨格に、舗装工の規定(路盤の一層の仕上がり厚さ、敷均し温度110℃以上、交通開放は舗装表面温度50℃以下など)を「施工方法」「施工管理計画」に落とし込んで作成します。 数値は共通仕様書・施工管理基準に書かれた値と、発注者の設計図書・特記仕様書の値を使い、根拠の分からない数値は書かないのが原則です。

本記事では、施工計画書の記載項目、アスファルト舗装とコンクリート舗装の施工手順・管理基準、提出前のチェックリストを整理します。数値はすべて末尾の「出典・参考」に挙げた公表資料で確認できるものに限っています。

施工計画書に記載する16項目(共通仕様書 1-1-1-6)

国土交通省「土木工事共通仕様書(案)」1-1-1-6 では、受注者は工事着手前または施工方法が確定した時期に施工計画書を監督職員に提出し、次の事項を記載しなければならないとされています。維持工事等の簡易な工事では、監督職員の承諾を得て一部を省略できます。

No.記載事項舗装工事で書く内容の例
1工事概要工事名・場所・工期、舗装の種類と舗装構成(設計図書による)
2計画工程表路盤・基層・表層の工程、交通規制の期間
3現場組織表現場代理人・監理(主任)技術者・各担当
4指定機械設計図書で指定された機械
5主要船舶・機械アスファルトフィニッシャ、ロードローラ、タイヤローラ、振動ローラ、ディストリビュータ等
6主要資材路盤材、アスファルト混合物の種類、瀝青材料、合材プラントの名称・所在地
7施工方法路盤・プライムコート・基層・タックコート・表層の手順、運搬経路と所要時間
8施工管理計画温度管理、品質管理(密度等)、出来形管理(厚さ・幅・平坦性)、写真管理
9安全管理重機と作業員の接触防止、高温物による火傷防止
10緊急時の体制及び対応連絡体制、事故・災害時の対応
11交通管理規制方法、誘導員の配置、交通開放の手順
12環境対策騒音・振動・臭気への対策
13現場作業環境の整備休憩所、熱中症対策
14再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法再生骨材・再生加熱アスファルト混合物、切削材・アスファルト塊の処理
15法定休日・所定休日(週休二日の導入)休日の設定
16その他監督職員が補足を求めた事項

内容に重要な変更が生じた場合(工期や数量等の軽微な変更を除く)は、その都度、当該工事に着手する前に変更施工計画書を提出します。監督職員が指示した事項については、さらに詳細な施工計画書(詳細施工計画書)を提出します。施工計画書全般の書き方は土木工事の施工計画書の書き方を参照してください。

アスファルト舗装とコンクリート舗装の違い

項目アスファルト舗装コンクリート舗装
表層の材料加熱アスファルト混合物セメントコンクリート
交通開放の目安舗装表面温度50℃以下になってから(共通仕様書)養生期間の完了後。時期は監督職員の承諾を得る(共通仕様書)
施工計画書で重視する管理温度管理、締固め度配合(スランプ)、養生、目地
継目・目地縦継目15cm以上・横継目1m以上ずらす目地を挟んだ版の高さの差2mm以下

耐用年数やコストは交通量・舗装構成・維持管理の方法によって大きく変わるため、施工計画書では比較の数値ではなく、設計図書に示された舗装構成に従って記載します。

アスファルト舗装の施工手順と記載例

共通仕様書 3-2-6-5(舗装準備工)と 3-2-6-7(アスファルト舗装工)の規定を、施工順に並べると次のとおりです。材料の種類・厚さ・使用量は設計図書によります。

工程施工計画書に書く内容共通仕様書の規定
下層路盤路盤材の種類、敷均し・締固めの方法粒状路盤は一層の仕上がり厚さ20cmを超えない。修正CBR試験で求めた最適含水比付近で締め固める
上層路盤粒度調整路盤材の種類、敷均し・締固めの方法一層の仕上がり厚15cm以下が標準。振動ローラを使う場合は上限20cm
安定処理路盤(ある場合)配合の決め方、養生セメント量・石灰量は設計図書による。気温5℃以下・雨天時は監督職員の承諾がなければ施工しない
舗装準備路盤面の清掃・異常時の連絡浮石等の有害物を除去。異常を発見したら直ちに監督職員に連絡し協議
プライムコート瀝青材料の種類、散布方法使用量は設計図書による。散布面の乾燥を確認
基層混合物の種類、配合設計、敷均し・締固め一層の仕上がり厚は7cm以下(設計図書に示す場合を除く)
タックコート瀝青材料の種類、散布方法使用量は設計図書による。安定するまで養生
表層混合物の種類、敷均し・締固め一層の仕上がり厚は7cm以下(設計図書に示す場合を除く)
継目継目の処理方法縦継目・横継目・構造物との接合面に瀝青材料を薄く塗布。表層と基層の縦継目は15cm以上、横継目は1m以上ずらす
交通開放開放の判断方法舗装表面温度50℃以下(監督職員の指示による場合を除く)

温度管理の基準

温度管理の数値は、アスファルト温度管理基準一覧と同じく、共通仕様書・品質管理基準の規定と日本アスファルト協会の目安を分けて書きます。

管理項目施工計画書に書く基準位置づけ
出荷温度配合設計で決めた混合温度。監督職員の承諾を得た温度の±25℃以内規定
運搬シート類で覆って温度低下を防ぐ規定
到着温度国の基準に一律の規格値はない。敷均し・初転圧前の110℃以上を確保できる値を、運搬時間・気温から逆算して管理値として定める自社の管理値
敷均し時110℃以上規定
初転圧前110℃以上(記録は1日4回、午前・午後各2回)規格値
初転圧110〜140℃目安(日本アスファルト協会)
二次転圧の終了時70〜90℃目安(日本アスファルト協会)
交通開放舗装表面温度50℃以下規定
施工時の気温5℃以下は施工しない(監督職員の承諾がある場合を除く)規定

中温化混合物や締固め効果の高いローラを使う場合などは、監督職員と協議のうえ、所定の締固めが得られる範囲で適切な温度を決めることが共通仕様書で認められています。その場合は協議結果を施工計画書に反映します。

転圧機械の選定

日本アスファルト協会が示す標準的な組合せは次のとおりです。転圧回数は、試験施工などで所定の締固め度が得られる回数を確認して決めます。

転圧工程使用機械(日本アスファルト協会の目安)
初転圧10〜12tのロードローラ
二次転圧8〜20tのタイヤローラ、または6〜10tの振動ローラ
仕上げ転圧タイヤローラまたはロードローラ
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コンクリート舗装の施工計画

共通仕様書 3-2-6-4(コンクリート舗装の材料)と 3-2-6-12(コンクリート舗装工)の主な規定です。

項目共通仕様書の規定
路盤粒状路盤・粒度調整路盤の厚さの規定はアスファルト舗装と同じ
コンクリートの強度設計図書に示す場合を除き、材齢28日の曲げ強度4.5MPa
スランプ2.5cmまたは沈下度30秒を標準。特殊箇所のコンクリート版は6.5cmを標準
運搬練り混ぜから舗設開始まで、ダンプトラックは1時間以内、アジテータトラックは1.5時間以内
型枠舗設後20時間以上経過してから取り外す
表面仕上げ荒仕上げ→平坦仕上げ→粗面仕上げ。仕上げ中に表面へ水を加えない
養生養生期間は原則として試験で定め、現場養生供試体の曲げ強度が配合強度の70%以上になるまで。設計強度4.4MPa未満の場合は3.5MPa以上で交通開放
試験によらない養生期間普通ポルトランドセメント2週間、早強1週間、中庸熱・フライアッシュB種・高炉B種3週間
目地目地を挟んだ隣接版の高さの差は2mm以下
交通開放時期について監督職員の承諾を得る

共通仕様書は、次の場合に施工計画書への記載を求めています。

  • 暑中コンクリート・寒中コンクリートの施工:施工・養生方法等
  • 上の養生期間によりがたい場合:その理由、施工方法等

品質管理・出来形管理の計画

施工管理計画には、試験・測定の種類、頻度、規格値を書きます。国土交通省「土木工事施工管理基準及び規格値(案)」のアスファルト舗装の主な項目は次のとおりです。

項目区分規格値・測定の基準
現場密度(締固め度)品質管理個々の測定値が基準密度の94%以上。10孔の平均96%以上(3孔の平均なら96.5%以上)。3,000m2を超える工事は10,000m2以下を1ロットとして1ロット10孔、3,000m2以下は1工事3孔以上
初転圧前の温度品質管理110℃以上。記録は1日4回(午前・午後各2回)
厚さ出来形管理1,000m2に1個の割でコアを採取して測定
幅出来形管理延長80mごとに1か所
平坦性(表層)出来形管理3mプロフィルメーターで標準偏差2.4mm以下

厚さ・幅の規格値(許容される差)は工種・工事規模によって異なるため、施工管理基準の該当ページを施工計画書に写して使います。品質管理計画全体の立て方は品質管理計画書の作成を参照してください。

施工計画書と作業手順書の違い

「舗装工事 作業手順書」も検索されますが、両者は目的が異なります。

項目施工計画書作業手順書
目的工事全体をどう施工・管理するかを発注者に示す作業ごとの手順と危険のポイントを作業員に示す
提出先監督職員(共通仕様書 1-1-1-6)主に現場内で使う(発注者の求めがあれば提出)
内容16項目(工程・組織・施工方法・施工管理・安全管理など)作業の順番、各段階の危険と対策、使用機械・保護具

舗装工事の作業手順書は、「路盤の敷均し・締固め」「乳剤散布」「混合物の敷均し」「転圧」「交通開放」のように作業単位で作り、施工計画書の「施工方法」「安全管理」と内容をそろえておくと、監督職員への説明と現場の周知が一致します。安全面の計画は安全衛生計画も参照してください。

現場用:舗装工事の施工計画書チェックリスト

土木工事 業務改善Naviが、共通仕様書と施工管理基準の規定を提出前の確認順に並べたものです。特記仕様書に別の定めがあれば、そちらに置き換えてください。

No.確認すること根拠
116項目(1-1-1-6)がすべて記載されているか共通仕様書 1-1-1-6
2舗装構成・材料・厚さが設計図書と一致しているか設計図書
3路盤の一層の仕上がり厚さ(下層20cm以下、上層15cm以下が標準)を守る施工方法か共通仕様書 3-2-6-7
4プライムコート・タックコートの使用量を設計図書の値で書いているか共通仕様書 3-2-6-7
5合材プラントの名称・所在地、運搬経路と所要時間を書いたか施工方法
6出荷温度の承諾値と±25℃の管理幅を書いたか共通仕様書 3-2-6-7
7敷均し110℃以上、初転圧前110℃以上、交通開放50℃以下を書いたか共通仕様書・品質管理基準
8気温5℃以下・雨天時の施工判断を書いたか共通仕様書 3-2-6-7
9現場密度・厚さ・幅・平坦性の測定頻度と規格値を書いたか施工管理基準
10交通規制の方法と、道路管理者・交通管理者との協議状況を書いたか交通管理
11再生材の利用と切削材・アスファルト塊の処理方法を書いたか共通仕様書 1-1-1-6(14)
12コンクリート舗装の場合、暑中・寒中の施工・養生方法を書いたか共通仕様書 3-2-6-12

よくある質問

Q. アスファルト舗装の施工計画書に必ず書く項目は何ですか。 A. 国の共通仕様書 1-1-1-6 の16項目(工事概要、計画工程表、現場組織表、指定機械、主要船舶・機械、主要資材、施工方法、施工管理計画、安全管理、緊急時の体制及び対応、交通管理、環境対策、現場作業環境の整備、再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法、法定休日・所定休日、その他)です。

Q. 施工計画書に書く出荷温度・到着温度は何℃ですか。 A. 出荷温度は配合設計で決めた混合温度を基準に、監督職員の承諾を得た温度の±25℃以内で管理します。到着温度には国の一律の規格値がないため、敷均し・初転圧前の110℃以上を確保できる値を運搬時間や気温から逆算して、施工計画書で管理値として定めます。

Q. プライムコートやタックコートの散布量は何を書けばよいですか。 A. 共通仕様書では使用量は設計図書によるとされています。設計図書・特記仕様書に示された値を記載してください。

Q. 施工計画書の内容を変更したいときは。 A. 重要な変更が生じた場合は、その都度、当該工事に着手する前に変更施工計画書を監督職員に提出します(工期や数量等の軽微な変更を除く)。

まとめ

  • 施工計画書の骨格は共通仕様書 1-1-1-6 の16項目。舗装の規定は「施工方法」「施工管理計画」に書く
  • 路盤の一層の仕上がり厚さ、基層・表層の一層7cm以下、継目のずらし量などは共通仕様書の規定、材料・厚さ・散布量は設計図書による
  • 温度は敷均し110℃以上・初転圧前110℃以上・交通開放50℃以下が規定、出荷温度は承諾温度±25℃以内、到着温度は逆算で管理値を決める
  • コンクリート舗装は配合・養生・目地の規定と、暑中・寒中施工時の記載が要点

施工計画書の作成を効率化するツールについては、施工計画書作成ツールの比較記事もご参照ください。

出典・参考

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