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作業員名簿の書き方と記載例【建設業】

作業員名簿の書き方と記載例【建設業】

作業員名簿とは

作業員名簿は、建設現場に入場する作業員の情報を一覧にまとめた安全書類です。グリーンファイルの中でも最も作成頻度が高く、作業員の入れ替わりがあるたびに更新が必要となります。

2020年10月の建設業法施行規則改正により、作業員名簿は施工体制台帳の添付書類として法的に位置づけられました。社会保険の加入状況や建設キャリアアップシステム(CCUS)のIDなど、記載すべき項目も増えています。

作業員名簿の記載項目

基本情報

項目記載内容注意点
氏名戸籍上の正式名称通称名は不可
生年月日和暦または西暦現場の統一ルールに従う
年齢記載時点の年齢18歳未満は就労制限あり
職種とび工、鉄筋工など実際の作業内容に合わせる
経験年数当該職種の経験年数おおよその年数でよい
現住所住民票の住所緊急連絡先として必要
家族連絡先緊急時の連絡先氏名・電話番号・続柄

社会保険の記載方法

社会保険の加入状況は、2020年の法改正以降、特に重要な記載項目となっています。

保険の種類記載内容適用除外の例
健康保険加入先の保険者名(協会けんぽ、建設国保など)75歳以上(後期高齢者)
厚生年金厚生年金または国民年金の別70歳以上
雇用保険被保険者番号の下4桁65歳以上の一部、日雇い

記載例として、以下のように書きます。

  • 健康保険: 協会けんぽ(加入)
  • 厚生年金: 厚生年金(加入)
  • 雇用保険: 加入(番号下4桁: 1234)

一人親方の場合は、「適用除外」と記載したうえで、建設国保などへの加入状況を補記します。

保有資格の記載

土木工事で特に記載が求められる主な資格は以下のとおりです。

資格区分具体例
技能講習車両系建設機械運転(整地等)、小型移動式クレーン運転、玉掛け
特別教育アーク溶接、高所作業車運転(10m未満)、フルハーネス型墜落制止用器具
免許移動式クレーン運転士、発破技士
国家資格1級土木施工管理技士、2級土木施工管理技士
安全衛生教育職長・安全衛生責任者教育

特別教育の種類については、特別教育の種類一覧も参考にしてください。また、フルハーネスに関する特別教育はフルハーネス義務化の解説で詳しく紹介しています。

作業員名簿の記載例

記載例(一般作業員の場合)

以下は、土木工事における一般的な作業員の記載例です。

項目記載例
氏名山田 太郎
生年月日昭和55年4月1日
年齢45歳
職種土工
経験年数20年
健康保険協会けんぽ(加入)
厚生年金厚生年金(加入)
雇用保険加入(下4桁: 5678)
保有資格車両系建設機械運転技能講習(整地等)修了、玉掛け技能講習修了
入場年月日令和8年4月10日
受入教育実施日令和8年4月10日

記載例(職長の場合)

職長として配置する作業員は、職長・安全衛生責任者教育の修了を記載します。

項目記載例
氏名鈴木 一郎
職種とび工(職長)
経験年数25年
保有資格職長・安全衛生責任者教育修了、足場の組立て等作業主任者技能講習修了、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育修了

よくある不備と対処法

作業員名簿で差し戻しとなりやすい不備を以下にまとめます。

よくある不備正しい対応
社会保険の記載が空欄加入・未加入・適用除外のいずれかを必ず記載する
資格の正式名称が不正確修了証や免許証の記載どおりに書く
入場年月日が未記入入場前に日付を記入してから提出する
受入教育日が空欄新規入場者教育の実施日を記載する
18歳未満の作業員年齢証明書の添付が必要、就労制限の確認も行う
CCUSのIDが未記載CCUS登録済みの場合は技能者IDを記載する

新規入場者教育との関連

作業員名簿と新規入場者教育は密接に関連しています。作業員が初めて現場に入場する際は、新規入場者教育を実施し、その記録を作業員名簿と合わせて管理します。

新規入場者教育の具体的な内容や実施方法については、新規入場者教育の進め方を参照してください。

作業員名簿の更新と管理

更新が必要なタイミング

  • 新たな作業員が入場するとき
  • 作業員が退場するとき
  • 保有資格が変わったとき(新たに資格を取得した場合など)
  • 社会保険の加入状況が変わったとき
  • 工期が延長され、名簿の有効期間を超えたとき

効率的な管理方法

作業員名簿の作成・更新を効率化するには、以下の方法が有効です。

  • Excelテンプレートを整備し、入力項目を統一する
  • 過去の名簿データを蓄積し、再入場時に流用する
  • クラウド型の安全書類管理システムを活用する
  • CCUSと連携して作業員情報を自動取得する

まとめ

作業員名簿は、建設現場の安全管理と法令遵守の基本となる書類です。社会保険の記載義務化やCCUSとの連携など、近年は記載項目が増加傾向にあります。

正確な記載と適時の更新を心がけ、不備による差し戻しを防ぎましょう。テンプレートの標準化やデジタルツールの活用で、作成にかかる時間を大幅に短縮できます。

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