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土木工事業の利益率の相場と改善のための3つの視点

土木工事業の利益率の相場と改善のための3つの視点

土木工事業の利益率の相場

「うちの利益率は業界平均と比べてどうなのか」。この疑問を持つ経営者は多いです。ここでは、国土交通省の建設業構造実態調査などの公的データをもとに、土木工事業の利益率の目安を紹介します。

売上総利益率(粗利率)の相場

会社規模売上総利益率の目安
大手(売上50億円以上)10-15%
中堅(売上5-50億円)12-18%
中小(売上5億円未満)15-25%

中小企業のほうが利益率が高い傾向にあるのは、自社施工の比率が高く、外注費の割合が低いためです。ただし、売上金額自体が小さいため、利益の絶対額は大手に劣ります。

営業利益率の相場

会社規模営業利益率の目安
大手3-5%
中堅2-5%
中小1-5%

営業利益率は人件費や管理費(一般管理費)を差し引いた後の利益率です。5%を超えていれば業界内では優良、3%未満の場合は改善の余地があると考えてよいでしょう。

工事別の利益率の傾向

工事の種類利益率の傾向理由
公共土木工事やや低い競争入札で価格が抑えられる
民間土木工事中程度交渉次第で条件が変わる
維持修繕工事やや高い専門性・緊急性が価格に反映される
災害復旧工事高め緊急性が高く、随意契約が多い

利益率を改善する3つの視点

視点1: 原価管理を徹底する

利益率改善の基本は「原価を正確に把握し、無駄を削ること」です。

工事原価の構成

原価項目内容構成比の目安
材料費資材、生コン、砕石等20-30%
労務費自社作業員の人件費15-25%
外注費協力会社への支払い30-40%
機械経費建設機械のリース・燃料費5-15%
仮設経費仮囲い、足場、仮設道路等3-8%
現場経費現場事務所、光熱費、消耗品3-5%

構成比で最も大きいのは外注費です。外注費を適正に管理するだけで、全体の原価に大きな影響を与えます。協力会社の選定については土木工事の協力会社の選び方と付き合い方を参考にしてください。

原価管理の具体策

(1) 実行予算を工事着手前に作成する

受注金額から逆算して各工種の予算を設定し、施工中に実績と比較します。

(2) 日報で日々の原価を記録する

投入した人員、使用した材料、稼働した機械を日々の日報に記録し、週次で予算と照合します。

(3) 月次で原価の進捗率と出来高を比較する

原価の進捗が出来高を上回っている場合は赤字の兆候です。早期に対策を打ちましょう。

原価管理の詳しい方法は土木工事の原価管理で利益率を改善する方法で解説しています。

視点2: 受注戦略を見直す

「取れる仕事をすべて取る」のではなく、利益が出る仕事を選んで取ることが重要です。

受注戦略内容
得意分野に集中する自社の強みがある工種に注力し、効率と品質で差別化
過度な値引きをしない赤字受注は会社を疲弊させるだけ
設計変更を適正に処理する追加工事、条件変更は遠慮せず協議する
継続的な取引先を確保するリピート受注は営業コストが低い
維持修繕工事を取りにいく競争が少なく利益率が比較的高い

特に設計変更の適正処理は見落とされがちです。「追加工事だけど言いづらいから自腹でやった」というケースは利益率を直接下げます。設計変更の進め方は設計変更と精算の手順を参考にしてください。

視点3: 固定費を適正化する

売上が変動しても固定費は一定額かかります。固定費が高すぎると、少しの売上減少で赤字に転落します。

固定費の項目見直しのポイント
人件費適正な人員配置、繁忙期の応援体制で調整
事務所・倉庫の賃料使用頻度と広さの適正化
リース・ローン稼働率の低い機械は返却・売却
保険料補償内容の重複を排除
通信費・IT費用不要なサービスの解約
車両費台数の適正化、燃費の良い車への更新

利益率改善のKPI(指標)を設定する

改善を進めるには、定量的な指標を設定して定期的にモニタリングすることが大切です。

KPI計算方法目標の目安
売上総利益率売上総利益 / 売上高 x 10018%以上(中小の場合)
営業利益率営業利益 / 売上高 x 1003%以上
工事別粗利率工事粗利 / 工事請負金額 x 10015%以上
外注費率外注費 / 売上高 x 10040%以下
固定費率固定費 / 売上高 x 100低いほど良い

まとめ

土木工事業の利益率は、会社規模や工事の種類によって異なりますが、営業利益率3-5%が一つの目安です。利益率を改善するには、原価管理の徹底、受注戦略の見直し、固定費の適正化の3つの視点から取り組みましょう。

数字で現状を把握し、工事ごとの利益を「見える化」することが改善の第一歩です。資金繰りの改善も合わせて進める場合は土木工事会社の資金繰り改善 入金サイクルと経費管理を参考にしてください。

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