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梅雨時期の土木工事対策|工程遅延を防ぐ5つの方法

梅雨時期の土木工事対策|工程遅延を防ぐ5つの方法

梅雨時期の土木工事の課題

梅雨時期(6月から7月)は長期間にわたる降雨により、土木工事の工程に大きな影響が出ます。特に土工事やコンクリート工事は天候の影響を受けやすく、事前の対策なしでは工程遅延が避けられません。

本記事では、梅雨時期の工程遅延を防ぐための5つの対策を実務目線で解説します。

梅雨が土木工事に与える影響

工種主な影響リスクの大きさ
土工事(掘削・盛土)地盤軟弱化、法面崩壊、搬出土の含水比上昇非常に大きい
コンクリート工事打設中の雨水混入、養生条件の悪化大きい
舗装工事路盤の含水比上昇、アスファルト温度低下大きい
鉄筋工事錆の進行、溶接品質への影響中程度
測量視界不良、機器への水濡れ中程度
安全管理足元の滑り、視界不良、落雷リスク大きい

対策(1) 梅雨入り前の工程前倒し

梅雨に入ってから対応するのではなく、梅雨入り前に天候の影響を受けやすい作業を前倒しで進めることが最も効果的です。

前倒しすべき作業

優先度作業内容理由
土工事(掘削・盛土)雨天では作業ができない
路盤工含水比管理が雨天では困難
コンクリート打設降雨中の打設は品質低下を招く
法面保護工法面が雨で崩れる前に保護する
設備工事比較的天候の影響が少ない

工程の前倒しにあたっては、工程表の作り方を参考に、梅雨期間を考慮したスケジュールを事前に組んでおくことが重要です。

対策(2) 排水計画の策定と実施

現場内の水処理を適切に行うことで、雨天後の早期復旧が可能になります。

排水設備の種類と用途

設備用途設置のタイミング
仮設排水路現場内の雨水を集水し排水掘削開始前
釜場(集水桝)掘削底面の水を集めてポンプで排水掘削中
水中ポンプ溜まった水を強制排水常時(降雨前に動作確認)
土のう仮設的な止水・誘導降雨予報時
シート養生法面や盛土面の浸水防止降雨前

排水計画のポイント

(1) 降水量の想定を過去の気象データから設定する

(2) 排水先(放流先)の確認と関係機関への届出を行う

(3) 水中ポンプは台数に余裕を持たせ、予備も確保する

(4) 排水路の勾配を確保し、滞水しないようにする

対策(3) 雨天時の代替作業を確保する

雨天で屋外作業ができない日でも、現場の進捗を止めないために代替作業を事前に計画しておきます。

雨天時に実施可能な作業内容
書類整理施工記録、写真帳、品質管理資料の整理
安全教育新規入場者教育、KY活動、安全ビデオの視聴
材料検収倉庫内での材料確認、品質証明書の照合
機械整備建設機械の点検・メンテナンス
工程会議今後の工程調整、関係者との打ち合わせ
屋内作業鉄筋加工(加工場がある場合)、型枠組立(覆いの下)

対策(4) 作業可否の判断基準を明確にする

梅雨時期は「降っているが作業できるか」の判断に迷う場面が増えます。判断基準を事前に決めておくことで、現場の混乱を防げます。

工種別の作業可否判断目安

工種作業中止の目安再開の条件
土工事連続降雨量20mm以上、または時間雨量5mm以上降雨停止後、地盤の含水比が管理値以内
コンクリート打設降雨中(少量でも品質に影響)降雨停止し、型枠内の水を除去後
舗装工事降雨中、路面に水が溜まっている場合路面が乾燥し、気温が基準以上
クレーン作業風速10m/s以上、または視界不良風速低下、視界確保後
法面作業降雨中、地盤が不安定な場合降雨停止後、安全確認後

対策(5) 安全管理の強化

梅雨時期は労働災害のリスクが高まるため、安全管理を通常以上に徹底する必要があります。

梅雨時期特有の安全リスクと対策

リスク具体的な危険対策
滑り・転倒足元が濡れて滑る滑り止め付き安全靴、足場板の滑り止め
法面崩壊降雨による地盤の弱体化法面の巡視強化、異常時の立入禁止
落雷屋外作業中の感電雷注意報発令時は作業中止
感電仮設電気設備への浸水漏電遮断器の設置、配線の防水対策
増水河川近くの作業での水位上昇水位計の監視、避難経路の確保
熱中症梅雨の合間の高温・高湿日WBGT測定、休憩の確保

安全衛生計画の詳細については関連記事で解説しています。

梅雨対策のスケジュール例

時期対応内容
4月年間工程の見直し、梅雨期間の作業量を調整
5月上旬排水設備の準備、資材の手配
5月下旬排水設備の設置、作業可否判断基準の周知
梅雨入り後日々の天気予報確認、排水設備の点検、代替作業の実施
梅雨明け後法面・盛土の点検、遅延した工程の回復計画策定

まとめ

梅雨時期の工程遅延を最小限に抑えるためには、(1)工程の前倒し、(2)排水計画の策定、(3)代替作業の確保、(4)作業可否の判断基準、(5)安全管理の強化の5つの対策を梅雨入り前に準備しておくことが重要です。

特に土工事や舗装工事など天候の影響を受けやすい工種は、梅雨前に可能な限り進めておくことが、工期を守る最も確実な方法です。

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