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冬期のコンクリート施工|寒中コンクリートの管理基準と養生方法

冬期のコンクリート施工|寒中コンクリートの管理基準と養生方法

寒中コンクリートとは

寒中コンクリートとは、日平均気温が4度C以下になることが予想される時期に施工するコンクリートのことです。JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)および土木学会「コンクリート標準示方書」に基づき、低温環境下での品質確保のために特別な管理が求められます。

気温が低い時期にコンクリートを打設すると、水和反応の遅延や初期凍害のリスクがあるため、温度管理と養生が特に重要になります。

寒中コンクリートの適用基準

条件基準
適用時期日平均気温が4度C以下になると予想される期間
打込み時の温度5度Cから20度Cの範囲(部材の断面寸法により異なる)
コンクリート温度の下限打込み後の養生温度が5度C以上
初期強度の確保所定の圧縮強度(5N/mm2以上)に達するまで凍結させない

部材の最小寸法による打込み温度

部材の最小寸法打込み時のコンクリート温度(下限)
薄い部材(30cm未満)10度C以上
一般的な部材(30cmから80cm)7度C以上
厚い部材(80cm以上)5度C以上

配合設計のポイント

寒中コンクリートでは、強度発現を促進するために通常期と異なる配合上の配慮が必要です。

項目寒中コンクリートでの対応理由
セメントの種類早強ポルトランドセメントを検討水和発熱が大きく強度発現が早い
水セメント比通常より低く設定(55%以下が目安)強度発現を促進、耐久性を向上
AE剤の使用必ず使用する凍結融解に対する抵抗性を確保
空気量4.5%から6.0%(一般的な目安)微細な気泡が凍結圧を緩和
単位水量できるだけ少なくする凍結リスクの低減

施工時の温度管理

材料の加温

コンクリートの打込み温度を確保するため、材料段階で加温が必要な場合があります。

加温対象方法注意点
練混ぜ水ボイラーで加温(60度C以下)高温の水にセメントを直接投入しない
骨材蒸気加温、温水散水骨材が凍結している場合は解凍が必要
型枠・鉄筋氷雪を除去、必要に応じて加温打込み前に氷が残らないようにする

運搬時の注意

項目管理内容
運搬時間通常より短くする(温度低下を最小限に)
アジテータ車保温カバーの設置を検討
打込み直前の温度確認温度計で実測し記録する

養生方法

寒中コンクリートの養生は、打込み後のコンクリート温度を5度C以上に保ち、所定の初期強度が得られるまで続けることが基本です。

主な養生方法の比較

養生方法概要適用場面コスト
保温養生シートや断熱材で覆い、水和熱を利用外気温が0度C程度まで低い
給熱養生ジェットヒーターなどで加温外気温が氷点下の場合中から高い
被覆養生養生マットや発泡スチロールで保温部材表面の保温低い
仮囲い養生テントなどで囲い内部を加温大規模な構造物高い

養生期間の目安

セメントの種類養生温度5度Cの場合養生温度10度Cの場合
普通ポルトランドセメント9日7日
早強ポルトランドセメント5日4日
混合セメントB種12日9日

上記は5N/mm2の圧縮強度が得られるまでの目安であり、実際の養生期間は温度履歴と強度試験の結果で判断します。

温度測定と記録

測定箇所と頻度

測定項目測定頻度測定方法
外気温1日3回以上(朝・昼・夕)温度計(百葉箱設置が望ましい)
コンクリート打込み温度打込みごと棒状温度計で直接測定
養生中の温度1日2回以上埋込み型温度センサーまたは表面温度計
型枠脱型時の温度脱型直前表面温度計

温度記録は品質管理の記録として整理し、発注者への提出書類に含めます。

初期凍害を防ぐためのチェックリスト

チェック項目確認内容
打込み前型枠・鉄筋に氷雪が付着していないか
打込み温度規定の温度範囲内か
養生設備保温シートやヒーターが準備されているか
養生温度5度C以上が維持されているか
養生期間所定の強度が確認されるまで養生を続けているか
脱型時期強度発現を確認してから脱型しているか

寒中コンクリートの施工計画書への記載事項

施工計画書には以下の内容を記載し、発注者と事前に協議しておきます。

(1) 寒中コンクリートの適用期間

(2) 使用するセメントの種類と配合

(3) 材料の加温方法

(4) 養生方法と養生期間

(5) 温度測定の方法と頻度

(6) 初期凍害が発生した場合の対応方針

施工計画書の作成方法については関連記事で解説しています。

まとめ

冬期のコンクリート施工では、打込み温度の確保、適切な養生、温度管理の記録が品質確保のための3本柱です。特に初期凍害は一度発生すると手直しが困難なため、施工計画の段階で養生方法と期間をしっかりと検討しておくことが重要です。

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