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測量士と測量士補の違い|土木工事で役立つ資格

測量士と測量士補の違い|土木工事で役立つ資格

測量資格が土木工事で重要な理由

土木工事において測量は全ての基本です。道路の線形、構造物の位置、地盤の高さなど、正確な測量なくして正確な施工はできません。現場で日常的に行う丁張り設置や出来形測量も、測量の基礎知識があるかないかで作業の正確性と効率が大きく変わります。

測量士と測量士補は、測量法に基づく国家資格です。測量業者として登録するには、営業所ごとに測量士を1名以上配置する必要があります。本記事では、この2つの資格の違いと土木工事での活用方法を解説します。

測量士と測量士補の基本的な違い

項目測量士測量士補
業務範囲測量計画の作成、測量の実施測量士の作成した計画に基づく測量の実施
配置要件測量業者の営業所に1名以上必須配置義務なし
試験難易度合格率約10%合格率約30-40%
受験資格制限なし制限なし
試験時期5月(年1回)5月(年1回)

最大の違いは「測量計画を作成できるかどうか」です。測量士は計画の立案から実施まで全てを行えますが、測量士補は測量士の指示のもとで実施のみを担当します。

資格取得の方法

測量士の取得方法

測量士の資格を取得するには、以下の3つのルートがあります。

ルート条件
試験合格測量士試験に合格する(合格率約10%)
学歴+実務経験大学で測量に関する科目を修得+測量に関する実務経験1年以上
測量士補+実務経験測量士補の資格+測量に関する実務経験(指定の講習修了を含む)

試験は午前(択一式28問)と午後(記述式)で構成されます。午前で400点以上、午前+午後の合計で910点以上(1,400点満点)が合格基準です。

測量士補の取得方法

ルート条件
試験合格測量士補試験に合格する(合格率約30-40%)
学歴大学・短大・高専で測量に関する科目を修得して卒業

測量士補試験は択一式28問で、18問以上正解(約65%)で合格です。測量の基礎知識を体系的に学べるため、土木技術者が最初に挑戦する測量資格として最適です。

近年の合格率推移

年度測量士合格率測量士補合格率
2021年17.9%34.8%
2022年14.4%44.1%
2023年10.3%32.2%
2024年11.8%35.5%

測量士は10%台と難関ですが、測量士補は30-40%と比較的合格しやすい試験です。

土木工事での活用場面

現場での測量業務

土木工事の現場では、以下のような測量業務が日常的に発生します。

  • 基準点測量: 工事の基準となる点の設置と座標の確定
  • 丁張り設置: 構造物の位置・高さ・勾配を示す仮設構造物の設置
  • 出来形測量: 施工した構造物の寸法・位置を測定して設計値と比較
  • 用地測量: 工事範囲の境界確認
  • 路線測量: 道路の中心線や縦断面・横断面の測量

測量資格を持つ技術者がいると、外注せずに社内で測量業務を完結でき、コストと時間の削減につながります。

ICT施工との関連

近年はICT施工(i-Construction)の普及により、3次元測量の重要性が高まっています。

測量技術概要測量資格との関連
GNSS測量衛星を使った位置測定基準点測量の知識が必要
UAV(ドローン)測量空撮写真から3次元データ作成写真測量の知識が必要
地上型レーザースキャナーレーザーで地形の3次元データ取得測量の基礎知識が必要
トータルステーション角度と距離の精密測定測量士補レベルの知識で操作可能

ICT施工を導入する際、測量の基礎知識を持つ技術者がいるかどうかで、データの品質と活用度が大きく変わります。

年収への影響

測量資格の保有は年収にも影響します。

資格資格手当の相場(月額)年間の収入増
測量士補3,000-10,000円3.6万-12万円
測量士10,000-30,000円12万-36万円

資格手当だけでなく、測量業務を内製化できることで会社への貢献度が高まり、昇進や昇格にもつながります。

勉強法のポイント

測量士補の勉強法

学習期間の目安は3-4か月、学習時間は100-150時間です。

  • 過去問を5年分以上、3回繰り返す
  • 計算問題(座標計算、水準測量の計算など)は公式を覚えて反復練習
  • 測量法規は暗記が中心なので直前期に集中
  • 関数電卓の操作に慣れておく

測量士の勉強法

学習期間の目安は6-12か月、学習時間は300-500時間です。

  • 午前の択一問題は過去問の繰り返しが有効
  • 午後の記述問題は、必須問題(測量法規・測量の基準)を確実に得点
  • 選択問題は得意分野を2-3科目に絞る
  • 計算問題の解法パターンを徹底的に反復

測量士補から測量士へのステップアップ

多くの土木技術者は、まず測量士補を取得し、その後測量士を目指すステップを踏みます。

ステップ時期の目安内容
1入社1-3年目測量士補を取得
2入社2-5年目現場で測量実務を経験
3入社5年目以降測量士試験に挑戦、または実務経験ルートで取得

2級土木施工管理技士と測量士補を合わせて持っていると、現場での即戦力として高い評価を受けます。

土地家屋調査士へのキャリアパス

測量士補を取得すると、土地家屋調査士試験の午前の部(測量に関する試験)が免除されます。将来的に独立を考えている方は、土地家屋調査士の取得も視野に入れると良いでしょう。

まとめ

測量士と測量士補は、土木工事において実務に直結する資格です。測量士補は合格率30-40%と取得しやすく、まず最初に目指すべき測量資格と言えます。ICT施工の普及により測量知識の重要性は今後さらに高まるため、特に若手技術者には早めの取得をおすすめします。

会社として測量資格の取得を支援し、社内に測量スキルを蓄積することが、施工品質の向上とコスト削減につながります。

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