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施工計画書約9分で読めます

土木工事の施工要領書の書き方|施工計画書との違い

施工要領書とは

施工要領書は、特定の工種や作業について「具体的にどのような手順で施工するか」を詳細に記載した書類です。施工計画書が工事全体の計画を示すのに対し、施工要領書は個別の作業に特化した実施手順書です。

施工計画書との違い

項目施工計画書施工要領書
対象範囲工事全体特定の工種・作業
記載の深さ各項目を概括的に記載特定の作業を詳細に記載
提出タイミング工事着手前当該工種の着手前
作成義務公共工事では必須発注者が求めた場合、または特殊な工法の場合
使用者発注者、元請の管理者現場の作業員、職長

簡単にいえば、施工計画書は「何をやるか」の全体像、施工要領書は「どうやるか」の具体的手順です。

施工要領書が必要になるケース

全ての工種に施工要領書が必要なわけではありません。以下のケースで作成が求められます。

  • 発注者から提出を求められた場合: 特記仕様書に記載がある
  • 特殊な工法を採用する場合: 設計図書に記載のない工法、新技術の適用
  • 品質管理が特に重要な工種: コンクリート打設、舗装工事、防水工事
  • 安全管理上のリスクが高い作業: 深い掘削、クレーン作業、夜間作業

施工要領書の記載項目

項目内容
工種名対象となる工種の名称
施工範囲施工区間、数量
施工手順作業のステップを順番に記載
使用材料材料名、規格、品質基準
使用機械機械名、規格、台数
品質管理管理項目、管理基準値、試験方法、頻度
出来形管理測定項目、管理基準値、測定頻度
安全対策当該作業に特化した安全対策
施工上の留意点現場条件に応じた注意事項
添付図面施工詳細図、管理断面図

工種別の施工要領書 記載例

コンクリート打設の施工要領書

コンクリート打設は品質管理が特に重要な工種であり、施工要領書の作成が求められることが多いです。

施工手順

  1. 打設前の準備(型枠検査、鉄筋検査、清掃、散水)
  2. コンクリートの受入れ検査(スランプ試験、空気量試験、温度測定)
  3. 運搬(アジテーター車からポンプ車への受渡し)
  4. 打込み(打込み速度、層厚、バイブレーターの挿入間隔)
  5. 締固め(バイブレーターによる締固め時間、再振動のタイミング)
  6. 仕上げ(表面仕上げの方法、仕上がり精度)
  7. 養生(養生方法、養生期間、温度管理)

品質管理項目

管理項目管理基準値頻度
スランプ規格値の許容範囲内荷卸し時、原則全車
空気量規格値の許容範囲内荷卸し時
圧縮強度設計基準強度以上打設日ごと、1回3本
塩化物含有量0.3kg/m3以下1日1回以上
打込み温度5度C-35度C荷卸し時

舗装工事の施工要領書

施工手順

  1. 路面清掃(路盤面のごみ、泥の除去)
  2. タックコート散布(乳剤の種類、散布量)
  3. アスファルト合材の受入れ(温度測定、外観確認)
  4. 敷均し(フィニッシャーによる敷均し速度、層厚管理)
  5. 初転圧(マカダムローラー、転圧温度110度C以上)
  6. 二次転圧(タイヤローラー、転圧回数)
  7. 仕上げ転圧(タンデムローラー)
  8. 温度管理(各段階での温度測定)

施工要領書の作成手順

ステップ1: 対象工種の確認

設計図書と特記仕様書から、施工要領書の作成が必要な工種を洗い出します。

ステップ2: 施工手順の検討

使用する材料、機械、施工方法を具体的に検討します。過去の同種工事の施工要領書があれば参考にします。

ステップ3: 品質・安全管理項目の設定

品質管理基準(管理項目、基準値、試験方法、頻度)と安全対策を設定します。

ステップ4: 図面の作成

施工詳細図、管理断面図、施工フロー図を作成します。図面があることで、文章だけでは伝わりにくい施工手順が視覚的に理解できます。

ステップ5: 社内レビュー

作成した施工要領書を経験豊富な技術者にレビューしてもらいます。特に品質管理項目と安全対策について、過不足がないか確認します。

施工要領書の運用

作業員への周知

施工要領書は、作業員が実際に参照する書類です。

  • 作業前のミーティング: 当日の施工要領書の内容を全員に説明
  • 現場への掲示: 施工要領書の要点を現場に掲示
  • 変更時の周知: 施工方法を変更した場合は速やかに要領書を改訂し、再周知

改訂の管理

施工中に施工方法を変更した場合は、施工要領書を改訂します。

  • 改訂日、改訂内容、改訂理由を記録
  • 旧版と新版を区別(改訂番号の付与)
  • 現場に掲示する要領書を最新版に差し替え

まとめ

施工要領書は、施工計画書を具体化した「現場の作業マニュアル」です。特定の工種について詳細な施工手順、品質管理方法、安全対策を記載することで、施工品質の確保と安全管理の徹底を図ります。

施工計画書と施工要領書の役割の違いを理解し、必要な工種について的確な要領書を作成しましょう。

施工計画書全体の書き方については、土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。

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