土木工事 業務改善Navi
コラム約9分で読めます

橋梁工事の施工手順と管理のポイント

橋梁工事の施工手順と管理のポイント

橋梁工事の概要

橋梁工事は、河川・道路・鉄道などを横断する橋を新設・架替・補修する工事です。土木工事の中でも技術的な難易度が高く、下部工(橋台・橋脚)から上部工(桁・床版)まで多くの工種を含みます。

本記事では、橋梁工事の施工手順と管理のポイントを解説します。

橋梁の構成要素

部位内容主な構造形式
上部工橋の上部構造(桁、床版、高欄等)鋼桁、PC桁、RC床版
支承上部工と下部工を接続する装置ゴム支承、鋼製支承
下部工上部工を支える構造(橋台、橋脚)RC構造、鋼構造
基礎工下部工を支える基礎杭基礎、直接基礎、ケーソン基礎
付属物高欄、排水装置、伸縮装置等各種

施工手順の全体フロー

順序工程主な作業内容
(1)仮設工仮設道路、作業構台、仮締切の設置
(2)基礎工杭打ち(鋼管杭、場所打ち杭等)
(3)下部工橋台・橋脚の鉄筋組立、型枠設置、コンクリート打設
(4)支承工支承の据付
(5)上部工桁の製作・架設、床版の施工
(6)橋面工舗装、高欄、排水装置、伸縮装置の設置
(7)仮設撤去作業構台、仮締切の撤去
(8)取付道路橋と道路の接続部の施工

基礎工の施工

杭基礎の種類

工法特徴適用条件
鋼管杭(打込み)施工速度が速い支持層が比較的浅い
鋼管杭(中掘り)低振動・低騒音市街地、近接施工
場所打ちコンクリート杭大径、大きな支持力支持層が深い、大規模橋梁
PHC杭(既製コンクリート杭)品質が安定中規模橋梁

場所打ち杭の施工管理

管理項目管理内容
掘削径・深度設計径以上、支持層への根入れ長さの確認
支持層の確認掘削土の観察、N値の確認(標準貫入試験)
鉄筋かごの建込み鉄筋の配置、かぶり厚の確認(スペーサーの設置)
コンクリート打設トレミー管工法、余盛りの確保
杭頭処理不良コンクリートのはつり

下部工の施工

橋台・橋脚のコンクリート工

下部工は大量のコンクリートを使用するため、コンクリートの品質管理が特に重要です。

管理項目ポイント
鉄筋工配筋検査(配置間隔、かぶり、定着長、継手長)
型枠工寸法精度、型枠の強度・剛性の確認
コンクリート打設リフト割り(1回の打設高さ)の計画、打継目の処理
養生湿潤養生期間の確保(マスコンクリートの温度管理)
出来形寸法、位置、高さの測定(出来形管理)

マスコンクリートへの対策

橋台・橋脚は部材寸法が大きいため、マスコンクリート(部材断面の最小寸法が80cm以上)に該当する場合があります。

対策内容
低発熱セメントの使用高炉セメント、フライアッシュセメント
リフト高さの制限1リフト1.5-2.0m程度
パイプクーリングコンクリート内部にパイプを埋設し冷水を通す
温度ひび割れ解析温度応力解析で事前にひび割れのリスクを評価
養生の強化保温養生(急激な温度低下を防ぐ)

上部工の施工

桁の架設工法

工法概要適用条件
クレーン架設クレーンで桁を吊り上げて架設桁下空間にクレーンが設置可能な場合
トラッククレーン架設道路上からクレーンで架設道路上に作業スペースがある場合
架設桁架設仮設の桁(架設桁)を利用して架設桁下にクレーンが設置できない場合
送出し架設手前側から桁を順次送り出す河川上、鉄道上の架設
フローティングクレーン台船上のクレーンで架設大きな河川、海上

PC桁の施工管理

管理項目内容
PC鋼材の緊張管理緊張力(荷重計)と伸び量(ジャッキストローク)の二重管理
グラウト充填PC鋼材を腐食から保護、空洞が残らないよう管理
キャンバー管理プレストレス導入後の桁のそり上がり量を確認
ひび割れ検査緊張後にひび割れが発生していないか確認

安全管理のポイント

橋梁工事は高所作業や重量物の吊り上げを伴うため、安全管理が特に重要です。

リスク対策
高所からの墜落安全帯(フルハーネス)の使用、手すり・ネットの設置
クレーンの転倒地盤の養生、アウトリガーの設置、過荷重防止
吊荷の落下玉掛け作業の確認、吊荷下の立入禁止
足場の倒壊足場の点検(組立て後、強風後)
河川内の増水水位監視、退避計画

フルハーネスの義務化についても確認しておきましょう。

耐震補強工事

既設橋梁の耐震補強も重要な橋梁工事の一つです。

補強工法内容適用対象
橋脚の巻立て補強RC巻立て、鋼板巻立てじん性が不足する橋脚
落橋防止装置桁の落下を防止する装置既設橋梁全般
支承の交換固定支承からゴム支承への交換免震設計の導入
基礎の補強増し杭、フーチング拡幅基礎の耐力不足

検査のポイント

検査項目確認内容
基礎工杭の支持力、杭頭の位置・高さ
下部工コンクリートの品質、寸法精度、鉄筋のかぶり
上部工桁の架設精度、PC鋼材の緊張力、グラウト充填
支承据付精度、アンカーボルトの定着
橋面舗装の品質、排水勾配、高欄の高さ

まとめ

橋梁工事は、基礎工から橋面工まで多くの工程を経る大規模な工事です。各工程での品質管理と安全管理を確実に実施し、設計通りの構造物を構築することが求められます。特にコンクリート品質管理、鉄筋の配筋管理、桁の架設精度が品質を左右するポイントです。

施工計画書の作成については、施工計画書ガイドも併せてご覧ください。

お問い合わせはこちら →

関連記事