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施工計画書に添付する工程表の作り方【土木工事】

施工計画書における工程表の役割

工程表は、施工計画書の中で「いつ・何を・どの順番で施工するか」を視覚的に示す書類です。発注者に対して工期内に工事を完成させる計画を示すと同時に、自社の現場管理ツールとしても機能します。

土木工事の工程表は、天候や地盤条件、出水期、交通規制の制約など、屋内工事にはない不確定要素を多く考慮する必要があるのが特徴です。

工程表の種類と使い分け

種類特徴適した場面
バーチャート工程表各工種の施工期間を横棒(バー)で表示。最も一般的施工計画書への添付、現場掲示
ネットワーク工程表作業間の依存関係を矢印で表示。クリティカルパスが明確複雑な工事、工程短縮の検討
出来高曲線(Sカーブ)予定出来高と実績出来高を折れ線グラフで比較月次報告、進捗管理
マイルストーン工程表主要な節目(完了日)のみを表示経営報告、発注者への概要説明

施工計画書に添付する工程表は、基本的にバーチャート工程表です。ただし、発注者からネットワーク工程表の提出を求められる場合もあるため、特記仕様書を確認しましょう。

バーチャート工程表の作成手順

ステップ1: 工種の洗い出し

設計図書から全ての工種を洗い出し、施工順序に並べます。

土木工事の一般的な工種の流れは以下のとおりです。

準備工 → 仮設工 → 土工(掘削・盛土) → 基礎工 → 躯体工(構造物)
→ 舗装工 → 附帯工 → 後片付け → 竣工

工種は設計図書の「数量総括表」を基に漏れなく拾い出します。

ステップ2: 各工種の所要日数を算出

各工種の所要日数は、以下の式で算出します。

所要日数 = 施工数量 / (日当たり施工量 x 投入台数) / 作業可能率

作業可能率は、天候や現場条件による作業不可日を考慮した係数です。

地域・時期作業可能率の目安
関東(4月-6月)0.75-0.80
関東(梅雨期 6月-7月)0.55-0.65
東北(冬期 12月-2月)0.50-0.60
全国平均(通年)0.70-0.75

作業可能率は地域の気象データ(降水日数)から算出できます。各地方整備局が公表している「雨休率」も参考になります。

ステップ3: 施工順序と制約条件の整理

工種間の前後関係(依存関係)を整理します。

制約の種類
技術的制約掘削完了後でないと基礎工に着手できない
資源的制約同じ重機を複数工種で使い回す場合の順序
時期的制約出水期(6月-10月)は河川内の作業を避ける
規制的制約交通規制の許可期間内に道路上の作業を完了させる
関連工事前工事(配管工事等)の完了を待ってから舗装

ステップ4: 工程表の作図

洗い出した工種、所要日数、制約条件をもとに工程表を作図します。

作図のポイントは以下のとおりです。

  • 縦軸: 工種名を施工順に並べる
  • 横軸: カレンダー(月・旬単位が一般的)
  • バーの長さ: 各工種の施工期間
  • マイルストーン: 主要な節目(段階確認、中間検査等)を記号で表示
  • クリティカルパス: 工期を決定する最長経路を赤色等で強調

土木工事の工程表で考慮すべき要素

天候リスクへの対応

土木工事は屋外作業のため、天候の影響を大きく受けます。

  • 雨天日数の見込み: 地域の過去データを基に、月ごとの雨天日数を見込む
  • 雨天後の養生期間: コンクリート打設後の養生、盛土の含水比回復に必要な日数
  • 予備日の設定: 全体工程の10-15%を予備日として確保

出水期への対応(河川工事)

河川工事では、出水期(一般的に6月-10月)の施工制限が工程に大きく影響します。

  • 非出水期に集中施工: 河川内の作業は11月-5月に完了させる工程設計
  • 仮締切の工程: 仮締切の設置・撤去期間も工程に組み込む
  • 出水時の退避計画: 工程表に「出水時の退避日数」を見込む

コンクリートの養生期間

構造物のコンクリート工事では、養生期間を工程に正しく反映させる必要があります。

日平均気温普通ポルトランドセメントの養生期間
15度C以上5日以上
10度C以上7日以上
5度C以上9日以上

型枠の存置期間、次工程への着手可能時期も考慮して工程を組みます。

工程短縮のテクニック

工期が厳しい場合、以下の方法で工程短縮を検討します。

方法内容注意点
並行作業独立した工種を同時に施工作業エリアの干渉がないことが条件
施工班の増員投入人員・機械を増やして日当たり施工量を向上コスト増、安全管理の負荷増
作業時間の延長夜間施工、休日施工騒音規制、割増賃金に注意
工法変更より施工速度の速い工法へ変更発注者との協議が必要
プレキャスト化現場打ちコンクリートをプレキャスト製品に変更養生期間を省略可能

工程管理の実施方法

出来高管理(Sカーブ)

工事期間中は、予定出来高と実績出来高を比較して進捗を管理します。

  • 予定線(計画Sカーブ): 工程表から算出した累計出来高の計画線
  • 実績線(実績Sカーブ): 実際の出来高を月次でプロット
  • 乖離の判断: 実績が予定を5%以上下回ったら工程回復策を検討

週間工程会議

現場では週1回の工程会議を実施し、以下を確認します。

  • 前週の実績と計画の比較
  • 今週の作業予定と天気予報の確認
  • 遅延が生じている工種の回復策
  • 資材の納入予定と段取り
  • 関連工事との調整事項

よくある工程表の不備

  1. 天候リスクの未考慮: 全て晴天で計算した工程(実現不可能)
  2. 養生期間の抜け: コンクリートの養生日数が工程に入っていない
  3. 準備工・後片付けの記載漏れ: 実際には数日-数週間必要
  4. クリティカルパスが不明: どの工種が遅れると工期に影響するか不明確
  5. マイルストーンの未設定: 段階確認や中間検査の時期が不明

まとめ

土木工事の工程表は、天候・出水期・養生期間など屋外工事特有の不確定要素を的確に反映させることが重要です。現実的な作業可能率を用いて所要日数を算出し、十分な予備日を確保した工程表を作成しましょう。

施工計画書全体の書き方については、土木工事の施工計画書 完全作成ガイドもあわせてご覧ください。

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