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公共工事の土木入札 完全ガイド【初めての方向け】

公共工事の入札とは

公共工事の入札は、国や地方自治体が発注する工事の施工者を公正に選定するための制度です。土木工事は公共工事の比率が高く、道路、河川、上下水道、橋梁などのインフラ整備に関わる工事が多数あります。

入札に参加するためには事前の準備が必要です。本記事では、初めて入札に参加する土木工事会社向けに、全体の流れを解説します。

入札参加までの全体フロー

建設業許可の取得 → 経営事項審査(経審)の受審
→ 入札参加資格の申請 → 入札案件の情報収集
→ 入札書類の準備 → 入札(電子入札または紙入札)
→ 開札・落札者決定 → 契約締結 → 施工

ステップ1: 建設業許可の取得

土木工事の入札に参加するには、「土木一式工事業」の建設業許可が必要です。

許可の種類条件
一般建設業許可下請に出す金額が4,500万円未満の場合
特定建設業許可下請に出す金額が4,500万円以上の場合

許可を取得するためには、経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎などの要件を満たす必要があります。

ステップ2: 経営事項審査(経審)の受審

経営事項審査は、公共工事の入札に参加するための必須審査です。企業の経営状況や技術力を客観的に評価し、総合評定値(P点)として数値化します。

経審の評価項目

評価項目記号内容
完成工事高X1過去2年または3年の完成工事高
自己資本額・利払前税引前償却前利益X2企業の規模を評価
経営状況Y財務分析(8指標)
技術力Z技術職員数、元請完成工事高
社会性等W社会保険加入、建退共加入、防災協定等

P点の計算式

P点 = 0.25 x X1 + 0.15 x X2 + 0.20 x Y + 0.25 x Z + 0.15 x W

経審のP点は入札参加資格のランク付けに使われるため、点数を上げる対策が重要です。詳しくは別記事で解説しています。

ステップ3: 入札参加資格の申請

経審を受けた後、入札に参加したい発注機関に「入札参加資格審査申請(指名願い)」を提出します。

申請先の種類

申請先対象工事
国土交通省(各地方整備局)国道、一級河川、ダム等の国直轄工事
都道府県県道、二級河川、県有施設の工事
市町村市町村道、上下水道、公園等の工事
独立行政法人等高速道路(NEXCO)、都市再生機構(UR)等

申請のタイミング

多くの自治体では、2年に1度(偶数年度)に定期受付を行い、随時受付で追加申請を受け付けています。申請時期を逃すと次の定期受付まで参加できないため、スケジュール管理が重要です。

ステップ4: 入札案件の情報収集

入札参加資格を取得したら、入札案件の情報を収集します。

情報収集の方法

方法内容
入札情報サービスNJSS、入札王などの有料サービス。キーワード検索で効率的に案件を発見
各自治体のホームページ公告・入札公告の掲載。無料だが毎日チェックが必要
入札公告官報、都道府県公報に掲載される公告
指名通知指名競争入札の場合、発注者から直接通知

入札方式の種類

方式概要
一般競争入札参加資格を満たす全ての業者が参加可能
指名競争入札発注者が指名した業者のみ参加可能
総合評価落札方式価格だけでなく技術提案も評価して落札者を決定
プロポーザル方式技術提案書の評価で受注者を選定(価格は参考)

ステップ5: 入札書類の準備

入札に参加するために必要な書類を準備します。

一般的な提出書類

書類内容
入札書入札金額を記載した書面
工事費内訳書入札金額の内訳(直接工事費、間接工事費等)
技術資料配置予定技術者の経歴、類似工事の実績
技術提案書総合評価方式の場合、施工上の工夫等を記載

積算のポイント

入札金額を決めるための積算は、落札の成否を左右する重要な工程です。

  • 設計図書から数量を正確に拾い出す
  • 最新の労務単価、材料単価を適用
  • 現場条件(搬入路、仮設費等)を適切に見込む
  • 利益率を確保しつつ競争力のある価格を設定

ステップ6: 入札と開札

電子入札の流れ

現在、多くの公共工事は電子入札で行われています。

  1. ICカードの取得(電子認証局で取得)
  2. 電子入札システムへの利用者登録
  3. 入札案件の確認・参加申請
  4. 入札書の提出(電子入札システムから)
  5. 開札(指定日時に自動開札)
  6. 落札者の決定・結果通知

低入札価格調査制度

予定価格を大幅に下回る入札があった場合、発注者が「適正に施工できるか」を調査する制度です。調査基準価格を下回ると調査対象となり、場合によっては失格となることもあります。

落札後の流れ

落札後は、以下の手順で工事に進みます。

  1. 契約締結: 請負契約書の取り交わし
  2. 施工計画書の作成・提出: 着手前に発注者へ提出
  3. 着手届の提出: 工事着手日を届出
  4. 施工: 施工計画書に基づく施工
  5. 完成届の提出: 工事完了の届出
  6. 完成検査: 発注者による検査
  7. 引渡し: 検査合格後に引渡し

まとめ

公共工事の入札は、建設業許可の取得から経審の受審、入札参加資格の申請、案件の情報収集、積算、入札書類の準備と、多くのステップがあります。

初めて参加する場合は、準備に半年-1年程度かかることも珍しくありません。早めに準備を始め、一つひとつのステップを確実にクリアしていきましょう。

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