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建設業向け会計ソフトの選び方|工事台帳連携がカギ

建設業向け会計ソフトの選び方|工事台帳連携がカギ

建設業の会計は一般企業と何が違うのか

建設業の会計には、他の業種にはない特殊な処理があります。一般的な会計ソフトでは対応できない部分が多いため、建設業に特化したソフトを選ぶ必要があります。

一般企業の会計建設業の会計
売上は商品の出荷時に計上工事進行基準または完成基準で計上
原価は仕入・人件費で管理材料費・労務費・外注費・経費を工事別に管理
勘定科目は一般的なもの未成工事支出金、完成工事原価など建設業特有の科目
1取引が短期間で完了1工事が数か月-数年にわたる
原価管理は部門別が一般的工事(現場)別の原価管理が必須

建設業向け会計ソフトに必要な機能

(1) 建設業の勘定科目体系

建設業では、一般企業とは異なる勘定科目を使用します。

一般企業の科目建設業の科目
売上高完成工事高
売上原価完成工事原価
仕掛品未成工事支出金
前受金未成工事受入金
売上総利益完成工事総利益

建設業向け会計ソフトには、これらの科目があらかじめ設定されています。

(2) 工事別原価管理

すべての原価を工事ごとに振り分けて管理する機能です。仕訳入力時に工事コードを付けることで、工事別の収支が自動的に集計されます。

管理項目内容
材料費工事ごとの材料購入額
労務費工事ごとの人件費(自社作業員)
外注費工事ごとの協力会社への支払い
経費工事ごとの機械リース料、仮設費など

(3) 工事台帳の自動作成

工事台帳は、工事ごとの契約内容・原価・利益を一覧で管理する帳票です。会計データと連動して自動作成できると、手作業での転記が不要になります。

(4) 経営事項審査(経審)対応

経審に必要な財務諸表を、建設業の様式で自動出力できる機能です。経審の申請時に、税理士に別途依頼する費用を削減できます。

主要ソフトの比較

ソフト名種類工事別原価管理工事台帳経審対応価格帯
勘定奉行(建設業編)パッケージありありあり高価格帯
建設大臣パッケージありありあり高価格帯
freee(建設業向け)クラウド一部対応オプション要確認中価格帯
マネーフォワード(建設業)クラウド一部対応オプション要確認中価格帯
どっと原価パッケージありありあり中-高価格帯

工事台帳連携がカギになる理由

会計ソフトと工事台帳が連携していないと、以下の問題が発生します。

問題具体的な影響
二重入力の手間会計ソフトと工事台帳に同じデータを入力する作業が発生
データの不整合入力ミスにより会計データと工事台帳の金額が合わない
リアルタイム性の欠如工事台帳の更新が遅れ、工事の原価状況が把握できない
経審書類の作成に時間がかかる工事台帳から手作業でデータを集計する必要がある

工事台帳と会計が連携していれば、仕訳を入力するだけで工事台帳に自動反映され、工事別の利益がリアルタイムで確認できます。

クラウド型とパッケージ型の比較

比較項目クラウド型パッケージ型
初期費用低い(月額制)高い(ソフト購入費)
月額費用数千円-数万円保守費用のみ
データの場所クラウド上自社のPC
外出先からのアクセス可能原則不可(VPN等が必要)
バックアップ自動自分で実施
法改正への対応自動アップデート更新版の購入が必要な場合あり
カスタマイズ性低い高い

選び方の手順

ステップ1: 自社の規模と要件を整理する

確認項目内容
年間の工事件数10件以下か、数十件以上か
同時進行の工事数常時何件の工事が動いているか
経理担当の人数専任か兼任か
税理士との連携データのやり取り方法
経審の有無公共工事を受注しているか

ステップ2: 必須機能を絞り込む

年間工事件数が少ない場合は、シンプルな機能のソフトで十分です。大規模な会社ほど、工事台帳連携や部門別管理の機能が重要になります。

ステップ3: デモや試用で確認する

操作感は実際に触ってみないと分かりません。多くのソフトメーカーがデモや無料試用を提供しているので、必ず確認してから導入しましょう。

導入時の注意点

注意点対策
既存データの移行期首残高や進行中の工事データの移行計画を立てる
税理士との調整使用するソフトを事前に税理士に相談
運用ルールの統一工事コードの付け方、科目の使い分けルールを決める
期の変わり目に導入期中での切り替えはデータ移行が複雑になる

まとめ

建設業向け会計ソフトは、工事別の原価管理と工事台帳の連携が最も重要なポイントです。一般的な会計ソフトでは建設業特有の処理に対応できないため、専用ソフトの導入を検討してください。

自社の規模と必要な機能を整理し、デモや試用で操作感を確認してから選ぶのが失敗しないコツです。

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