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上下水道工事の施工計画書の書き方|管路・推進工法

上下水道工事の施工計画書の書き方|管路・推進工法

上下水道工事の施工計画書の重要性

上下水道工事は、市民生活に直結するライフラインの整備工事です。既設の埋設物が多い市街地での施工が中心となるため、施工計画書には安全対策や埋設物防護の方法を詳細に記載する必要があります。

本記事では、開削工法と推進工法の施工計画書の書き方を解説します。

開削工法と推進工法の比較

項目開削工法推進工法
概要地表から溝を掘って管を布設地中を推進機で掘り進めて管を布設
適用深度浅い(概ね5m以下)深い(5m以上でも施工可能)
施工速度比較的速い比較的遅い
コスト浅い場合は安価深い場合はコスト有利
交通規制掘削延長分の規制が必要発進・到達立坑付近のみ
地上への影響大きい(騒音・振動・交通規制)小さい

開削工法の施工計画

施工手順

(1) 埋設物の事前確認(試掘) (2) 交通規制の実施 (3) 路面の切断・撤去 (4) 掘削(バックホウによる機械掘削+人力掘削) (5) 土留め工の設置(矢板工法・簡易土留め等) (6) 床付け・基礎工(砕石基礎・コンクリート基礎) (7) 管の据付(レベル・方向の確認) (8) 管の接合(ゴム輪接合・メカニカル接合等) (9) 埋戻し(良質土による層状締固め) (10) 路面の仮復旧・本復旧

土留め工法の選定

工法適用条件掘削深さの目安
手掘り(素掘り)良好な地盤、浅い掘削1.5m未満
簡易土留め(軽量鋼矢板)比較的良好な地盤1.5m-3.0m
たて込み簡易土留め市街地の一般的な管路工事3.0m-4.0m
鋼矢板土留め軟弱地盤、湧水がある場合4.0m以上

施工計画書には、地質調査結果に基づく土留め工法の選定理由を明記します。

推進工法の施工計画

推進工法の種類

工法管径推進距離特徴
泥水式推進800mm以上200m程度軟弱地盤に適する
土圧式推進800mm以上200m程度粘性土地盤に適する
泥濃式推進250mm以上100-200m小口径に対応可能
刃口推進1000mm以上短距離簡易な設備で施工可能
鋼製さや管推進各種短距離道路横断部等に使用

推進工法の施工計画書に記載すべき事項

  • 発進立坑・到達立坑の位置と構造
  • 推進機の仕様(外径、掘削方式、推力)
  • 元押しジャッキの能力と配置
  • 滑材の種類と注入計画
  • 推進管の種類と強度(許容推進耐荷力)
  • 線形管理の方法(レーザー測量等)
  • 排泥処理の方法
  • 切羽の安定対策

管種と接合方法

用途主な管種接合方法
上水道(配水管)ダクタイル鋳鉄管(DIP)GX形、NS形
上水道(給水管)ポリエチレン管、ステンレス管融着接合、メカニカル接合
下水道(汚水)硬質塩化ビニル管(VU)ゴム輪接合
下水道(雨水)鉄筋コンクリート管(ヒューム管)ゴム輪接合
推進工法鉄筋コンクリート管、陶管カラー接合

施工計画書には、使用する管種の規格、接合方法、接合時の品質確認方法を記載します。

埋設物防護の計画

上下水道工事で最も重要な安全対策の一つが、既設埋設物の防護です。

埋設物確認の手順

(1) 埋設物台帳の確認(道路管理者、各事業者への照会) (2) 現地での試掘(管路の位置、深さ、管種の確認) (3) 埋設物管理図の作成 (4) 防護方法の検討・施工

主な埋設物と防護方法

埋設物管理者防護方法
ガス管ガス事業者吊り防護、受け防護
電力ケーブル電力会社防護板設置、吊り防護
通信ケーブルNTT等防護板設置、吊り防護
既設水道管水道事業者吊り防護、仮配管

埋設物の近接施工時には、各管理者との事前協議が必要です。協議結果と防護方法を施工計画書に反映しましょう。

品質管理のポイント

管理項目管理基準
管の据付高さ設計値のプラスマイナス30mm以内
管の勾配設計勾配のプラスマイナス10%以内(下水道)
接合部の確認隙間ゲージによるゴム輪の位置確認
水圧試験(上水道)設計水圧の1.5倍で保持
テレビカメラ調査(下水道)管渠内面の損傷・たるみの確認
埋戻し密度締固め度90%以上

出来形管理と合わせて、品質管理の記録を確実に残すことが重要です。

施工計画書のチェックポイント

  • 地質調査結果に基づく土留め工法の選定根拠があるか
  • 埋設物の事前調査結果と防護計画が記載されているか
  • 湧水・地下水への対応策が明記されているか
  • 管の搬入・仮置き計画が現場条件に合っているか
  • 交通規制計画が沿道の生活に配慮されているか
  • 夜間施工の場合の照明・騒音対策が記載されているか

まとめ

上下水道工事の施工計画書は、工法の選定理由、埋設物防護計画、品質管理基準を具体的に記載することが重要です。市街地での施工が多いため、安全管理と周辺環境への配慮も欠かせません。

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