排水工事の施工計画|側溝・集水桝・排水管の施工方法
排水工事の重要性
排水工事は、道路・造成地・構造物周辺の雨水や湧水を適切に処理するための工事です。排水機能が不十分だと、路面の冠水、法面の崩壊、構造物の沈下など深刻な被害につながります。
土木工事においては、本体工事と同様に排水工事の品質を確保することが現場全体の安定に直結します。
排水工事の主な種類
| 工種 | 目的 | 代表的な構造物 |
|---|---|---|
| 表面排水 | 路面・地表面の雨水を集めて排除 | 側溝、集水桝、排水管 |
| 地下排水 | 地下水位を下げて地盤を安定させる | 暗渠排水、有孔管、ウェルポイント |
| 法面排水 | 法面への浸透水を排除して崩壊を防止 | 小段排水溝、縦排水溝、水平排水孔 |
| 構造物排水 | 擁壁・橋台背面の水圧を軽減 | 水抜きパイプ、裏込め砕石 |
側溝工の施工方法
プレキャスト側溝の場合
プレキャスト(二次製品)側溝は現場での施工が早く、品質が安定しているため多くの現場で採用されます。
(1) 掘削:側溝の据付に必要な幅と深さを掘削する。床付け面は平坦に仕上げる
(2) 基礎砕石:クラッシャーランを敷均して転圧する。厚さは一般的に100-150mm
(3) 均しコンクリート:側溝の据付精度を確保するため、均しコンクリートを打設する
(4) 側溝の据付:クレーンやバックホウで側溝を据え付ける。水糸を張って通りと勾配を確認
(5) 目地処理:側溝の継目をモルタルで充填する。止水が必要な場合はシーリング材を使用
(6) 埋戻し:側溝の両側を均等に埋戻し、層ごとに転圧する
現場打ち側溝の場合
特殊な断面形状が必要な場合や、既設構造物との取り合いがある場合に採用されます。
(1) 掘削・床付け (2) 基礎砕石・均しコンクリート (3) 型枠設置:底版・側壁の型枠を精度よく組み立てる (4) 鉄筋組立:設計図に基づき配筋する (5) コンクリート打設:底版と側壁を一体で打設するか、分割打設とするかを計画する (6) 養生・脱型
集水桝の施工方法
集水桝は側溝で集めた水を排水管に流すための構造物です。
| 管理項目 | 管理基準 |
|---|---|
| 据付位置 | 設計位置に対して許容誤差プラスマイナス30mm |
| 天端高さ | 設計値に対してプラスマイナス10mm |
| 底版高さ | 排水管の流下勾配を確保できる高さ |
| 管接続部 | モルタル充填、止水処理の確認 |
(1) 掘削:集水桝の外形寸法に余裕を持たせて掘削する
(2) 基礎工:砕石基礎、均しコンクリートを構築する
(3) 据付または現場打ち:プレキャスト製品の場合は据付、現場打ちの場合は型枠・鉄筋・コンクリート打設
(4) 管接続:排水管との接続部をモルタルで固定し、止水処理を行う
(5) グレーチングまたは蓋の設置:車両通行がある場合は耐荷重を確認する
排水管の施工方法
管種の選定
| 管種 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ヒューム管(RC管) | 強度が高い、重量がある | 道路横断、深い埋設 |
| 塩ビ管(VU・VP) | 軽量で施工が容易 | 浅い埋設、宅地排水 |
| コルゲート管 | 可撓性がある | 仮排水、農地排水 |
| ポリエチレン管 | 耐薬品性、可撓性 | 工場排水、特殊環境 |
施工手順
(1) 掘削:管の外径に応じた幅で掘削する。掘削深さが1.5mを超える場合は土留めを検討する
(2) 基礎工:管径に応じた基礎を構築する。砂基礎または砕石基礎が一般的
(3) 管の布設:下流側から上流側に向かって布設する。勾配は水糸またはレベルで管理
(4) 管の接合:ソケット接合、ゴム輪接合など管種に応じた方法で接合する
(5) 埋戻し:管の周囲に砂を充填し、管を保護する。その上を良質土で埋戻す
排水管の掘削時に必要となる土留めについては、土留め工の施工手順もご確認ください。
品質管理のポイント
排水工事において特に重要な品質管理項目を整理します。
| 確認項目 | 確認方法 | 基準 |
|---|---|---|
| 排水勾配 | レベル測量、水糸 | 設計勾配に対してプラスマイナス0.1%以内 |
| 管の通り | 糸張り、レーザー | 直線区間は通りに凹凸がないこと |
| 管接合部の止水 | 水張り試験 | 漏水がないこと |
| 埋戻し転圧 | 密度試験 | 締固め度90%以上 |
| 管周辺の砂充填 | 目視確認 | 管の下部にも隙間なく充填されていること |
施工計画書への記載事項
排水工事の施工計画書には以下の項目を記載します。
- 排水系統図(流下方向、管径、勾配)
- 使用する側溝・桝・管の規格と数量
- 掘削方法と土留め計画(必要な場合)
- 基礎工の仕様
- 管布設の施工手順
- 埋戻し材料と転圧方法
- 品質管理計画(出来形測定項目、管理基準)
施工計画書の書き方の基本は土木工事の施工計画書ガイドを参照してください。
よくある施工上の問題と対策
掘削底面からの湧水
掘削時に地下水が湧出した場合は、釜場排水やウェルポイントで水位を下げてから施工します。水中での管布設は品質低下の原因となります。
不同沈下による管の勾配変化
埋戻しの転圧不足や基礎地盤の不均一が原因で管に不同沈下が生じることがあります。基礎砕石の転圧を確実に行い、軟弱地盤では基礎杭の検討も必要です。
まとめ
排水工事は目立たない工種ですが、土木工事全体の品質と耐久性を左右する重要な工事です。側溝・集水桝・排水管それぞれの施工方法を正しく理解し、特に勾配管理と止水処理に注意して施工を進めましょう。
掘削と埋戻しの基本については土工事の掘削・盛土も併せてご確認ください。
