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技術士(建設部門)の取得メリットと勉強法

技術士(建設部門)の取得メリットと勉強法

技術士(建設部門)とは

技術士は、科学技術に関する高度な知識と応用能力を持つ技術者に与えられる国家資格です。21の技術部門があり、そのうち「建設部門」は土木工事に携わる技術者にとって最高峰の資格と言えます。

技術士法に基づく資格であり、取得すると「技術士」の名称を独占的に使用できます。建設コンサルタントの登録要件や、公共工事の管理技術者要件に技術士が指定されるなど、業務上の実益も大きい資格です。

技術士(建設部門)の試験概要

技術士試験は、第一次試験と第二次試験の2段階で構成されています。

項目第一次試験第二次試験
受験資格制限なし(誰でも受験可)技術士補登録後の実務経験4年以上など
試験方式択一式(マークシート)筆記試験+口頭試験
試験科目基礎科目、適性科目、専門科目必須科目(論文)、選択科目(論文)
合格率約40-50%筆記10-15%、口頭80-90%
試験時期11月筆記7月、口頭11-1月

第二次試験の筆記合格率が10-15%と非常に低く、技術士の取得が難しいと言われる最大の理由です。

建設部門の選択科目

建設部門の第二次試験では、以下の11の選択科目から1つを選びます。

  • 土質及び基礎
  • 鋼構造及びコンクリート
  • 都市及び地方計画
  • 河川、砂防及び海岸・海洋
  • 港湾及び空港
  • 電力土木
  • 道路
  • 鉄道
  • トンネル
  • 施工計画、施工設備及び積算
  • 建設環境

土木施工管理の経験者は「施工計画、施工設備及び積算」を選ぶケースが多いです。自分の専門分野に合った科目を選ぶことが合格への第一歩です。

近年の合格率推移(建設部門)

年度筆記試験合格率口頭試験合格率最終合格率
2021年11.1%89.5%9.9%
2022年11.7%90.2%10.5%
2023年12.3%88.7%10.9%
2024年13.0%89.0%11.6%

最終合格率は約10%前後で、国家資格のなかでもトップクラスの難易度です。しかし、計画的に準備すれば合格は十分可能です。

取得のメリット

(1) 監理技術者として配置できる

技術士(建設部門)を取得すると、1級土木施工管理技士と同様に監理技術者として配置可能です。経審の技術職員評価では5点が加算されます。

(2) 建設コンサルタント業務の管理技術者になれる

建設コンサルタント登録規程では、技術管理者として技術士の配置が求められます。公共事業の設計・調査業務の管理技術者には技術士資格が事実上必須です。

(3) 高い社会的評価と信頼

技術士は「技術者としての最高峰の資格」と広く認知されています。名刺に「技術士」と記載することで、発注者や協力会社からの信頼が格段に上がります。

(4) 年収アップにつながる

技術士の資格手当は月3万-8万円が相場で、年間36万-96万円の収入増になります。転職市場でも技術士保有者は高い評価を受けます。

資格平均的な年収上乗せ額
1級土木施工管理技士のみ基準
技術士(建設部門)追加取得+50万-150万円

(5) 独立時の大きな武器

技術士の資格は、独立してコンサルタント業務を行う際の大きな武器になります。個人で公共事業の業務を受注するための要件を満たせます。

効率的な勉強法

第一次試験の勉強法

第一次試験は合格率40-50%と比較的高く、基本的な学習で合格できます。

  • 基礎科目: 科学技術全般の基礎知識(過去問の繰り返しで対応可能)
  • 適性科目: 技術者倫理(技術士法、技術者倫理の基本を理解)
  • 専門科目(建設部門): 大学の土木工学レベルの知識

学習期間の目安は3-6か月、学習時間は100-200時間です。

第二次試験(筆記)の勉強法

第二次試験の筆記が最大の関門です。以下のステップで準備しましょう。

(1) 出題傾向の分析(過去5年分)

まず過去問を分析し、出題されるテーマの傾向を把握します。建設部門では、防災・減災、インフラ長寿命化、担い手確保、生産性向上などが頻出テーマです。

(2) 技術ノートの作成

主要テーマごとに「背景・課題・対策・効果」を整理した技術ノートを作成します。20-30テーマ程度を準備しておくと、どのような出題にも対応できます。

(3) 論文の練習

実際に手書きで論文を書く練習を繰り返します。制限時間内に論理的な構成で書く力は、練習なしでは身につきません。

練習内容回数の目安
必須科目(600字x3枚)15-20回
選択科目I(600字x3枚)15-20回
選択科目II-1(600字x1枚)10-15回
選択科目II-2(600字x2枚)10-15回
選択科目III(600字x3枚)15-20回

(4) 添削を受ける

自分では気づかない論理の飛躍や表現の不備を指摘してもらうため、添削は必須です。技術士会の勉強会、通信講座、合格者の知人など、添削を受ける機会を確保しましょう。

第二次試験(口頭)の勉強法

口頭試験は筆記合格者のみが対象で、合格率は約90%です。ただし、準備不足で不合格になる方もいるため、油断は禁物です。

  • 業務経歴書の内容を自分の言葉で説明できるようにする
  • 技術士としてのコンピテンシー(資質能力)を意識した回答を準備
  • 技術者倫理に関する質問への対策
  • 模擬面接を2-3回実施

学習スケジュール例(第二次試験)

期間学習内容週あたりの学習時間
1-2月過去問分析、技術ノート作成開始5-8時間
3-4月技術ノート完成、論文練習開始8-10時間
5-6月論文練習(添削あり)、模擬試験10-15時間
7月直前対策、総仕上げ15-20時間

合計で300-500時間の学習が必要とされています。1年で合格するのが理想ですが、2-3年かけて合格する方も多いです。

まとめ

技術士(建設部門)は最終合格率約10%の難関資格ですが、取得すれば監理技術者配置、高い社会的評価、年収アップなど大きなメリットがあります。筆記試験の論文対策が合格の鍵であり、技術ノートの作成と論文練習の繰り返しが最も効果的な勉強法です。

会社としても、技術士の取得を支援する体制を整えることで、技術力の向上と企業価値の向上を図れます。

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