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土木工事の積算のやり方|数量算出から見積書作成まで
土木工事の積算とは
積算とは、工事に必要な費用を算出する作業です。設計図書から数量を拾い出し、各工種に単価を設定して工事費を算定します。積算の精度は、受注後の利益に直結するため、建設会社にとって極めて重要な業務です。
本記事では、土木工事の積算の基本的な流れとポイントを解説します。
積算の全体フロー
| 手順 | 内容 | 主な作業 |
|---|---|---|
| (1) 設計図書の確認 | 図面・仕様書の読み込み | 工事内容の把握、特記仕様書の確認 |
| (2) 数量算出 | 各工種の数量を拾い出し | 図面からの数量計算、数量総括表の作成 |
| (3) 単価の設定 | 材料費・労務費・機械費の設定 | 単価資料、見積り、実績の活用 |
| (4) 直接工事費の算出 | 工種別の費用を計算 | 数量×単価の積み上げ |
| (5) 間接工事費の算出 | 共通仮設費・現場管理費の計算 | 諸経費率の適用 |
| (6) 工事価格の算定 | 一般管理費等を加算 | 最終的な工事価格の決定 |
数量算出の基本
主な工種と数量の単位
| 工種 | 数量の単位 | 算出方法 |
|---|---|---|
| 土工(掘削・盛土) | m3 | 横断面積×延長(平均断面法) |
| 舗装工 | m2、m3 | 面積×厚さ |
| コンクリート工 | m3 | 構造物の体積 |
| 鉄筋工 | t(トン) | 鉄筋の本数×長さ×単位重量 |
| 型枠工 | m2 | コンクリートの露出面積 |
| 管渠工 | m | 管の延長 |
| 法面工 | m2 | 法面の面積(勾配補正) |
数量算出のポイント
(1) 設計数量と施工数量の違い 設計数量は図面上の正味数量です。実際の施工では、ロス(損耗)や余掘りが発生するため、施工数量は設計数量より大きくなります。
(2) 土量の変化率 掘削した土は、ほぐすと体積が増え(変化率L)、締め固めると減ります(変化率C)。運搬量はLを、盛土量はCを考慮して算出します。
(3) 数量の丸め方 国土交通省の数量算出要領に基づき、工種ごとに有効桁数が定められています。四捨五入のルールを守りましょう。
単価の設定方法
単価の構成
| 費目 | 内容 | 主な単価資料 |
|---|---|---|
| 材料費 | 資材の購入費 | 物価資料(建設物価、積算資料) |
| 労務費 | 作業員の人件費 | 公共工事設計労務単価 |
| 機械費 | 建設機械の使用料 | 建設機械等損料表 |
| 運搬費 | 資材・土砂の運搬費 | 運搬距離に応じて算出 |
単価資料の種類
| 資料名 | 発行元 | 内容 |
|---|---|---|
| 建設物価 | 建設物価調査会 | 資材単価、複合単価 |
| 積算資料 | 経済調査会 | 資材単価、複合単価 |
| 施工単価(土木) | 建設物価調査会 | 歩掛に基づく施工単価 |
| 公共工事設計労務単価 | 国土交通省 | 職種別の労務単価(毎年公表) |
| 建設機械等損料表 | 日本建設機械施工協会 | 機械の損料・運転経費 |
特別単価(特別調査)
市場単価や刊行物に掲載されていない材料・工法の場合は、メーカーや専門業者から見積りを取得して単価を設定します。3社以上から見積りを取得し、最低価格を採用するのが一般的です。
直接工事費の算出
直接工事費は、数量に単価を乗じて算出します。
算出例(側溝工事)
| 項目 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
|---|---|---|---|---|
| 側溝布設(300×300) | 100 | m | 8,500 | 850,000 |
| 基礎砕石(t=100mm) | 30 | m2 | 1,200 | 36,000 |
| 床掘り | 25 | m3 | 3,500 | 87,500 |
| 埋戻し | 15 | m3 | 2,800 | 42,000 |
| 残土処分 | 10 | m3 | 4,500 | 45,000 |
| 合計 | 1,060,500 |
間接工事費の算出
| 費目 | 内容 | 算出方法 |
|---|---|---|
| 共通仮設費 | 仮設建物、安全施設、技術管理費等 | 直接工事費に率を乗じる(一部積み上げ) |
| 現場管理費 | 現場事務所経費、人件費等 | (直接工事費+共通仮設費)に率を乗じる |
| 一般管理費等 | 本社経費、利益等 | 工事原価に率を乗じる |
率は国土交通省の「土木工事標準積算基準書」に工事規模別に定められています。
工事費の構成
| 項目 | 構成 |
|---|---|
| 直接工事費 | 材料費+労務費+直接経費 |
| 間接工事費 | 共通仮設費+現場管理費 |
| 工事原価 | 直接工事費+間接工事費 |
| 一般管理費等 | 本社経費+付加利益 |
| 工事価格 | 工事原価+一般管理費等 |
| 消費税等相当額 | 工事価格×税率 |
| 工事費 | 工事価格+消費税等相当額 |
積算ソフトの活用
積算業務の効率化には、積算ソフトの活用が効果的です。
| ソフト名 | 特徴 |
|---|---|
| ガイア(GAIA) | 国交省の積算体系に準拠、公共工事向け |
| ATLUS REAL | 建設物価調査会のデータと連携 |
| 本丸 | 中小建設会社向け、操作が比較的簡単 |
| Excel(自社フォーマット) | 小規模工事向け、カスタマイズ自由 |
積算で失敗しないためのチェックリスト
- 特記仕様書の特殊条件を見落としていないか
- 仮設費(土留め、排水、仮設道路等)を漏れなく計上しているか
- 残土処分の単価は処分場の実勢価格を反映しているか
- 運搬距離が実態に合っているか
- 労務単価は最新年度のものを使用しているか
- 諸経費率の適用区分(工事規模)が正しいか
積算の結果は見積書としてまとめ、提出します。正確な積算が適正な利益確保の基盤です。
まとめ
土木工事の積算は、数量算出の正確さと単価設定の妥当性が鍵を握ります。設計図書を丁寧に読み込み、現場条件を考慮した積算を心がけましょう。原価管理と連動させることで、積算精度の継続的な改善が可能になります。
