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土木工事の見積書の書き方と単価設定のポイント

土木工事の見積書の書き方と単価設定のポイント

土木工事の見積書の重要性

見積書は、工事の受注を左右する重要な書類です。適正な価格で提出しなければ、安すぎれば赤字に、高すぎれば受注を逃すことになります。

本記事では、土木工事の見積書の書き方と、利益を確保するための単価設定のポイントを解説します。

見積書の基本構成

項目記載内容
表紙工事名、提出日、有効期限、提出者(社名・代表者名・押印)
見積条件工事場所、工期、施工条件、除外事項
工事費内訳書工種別の金額一覧
単価表各工種の数量・単価・金額の明細
参考資料材料カタログ、メーカー見積り等

工事費内訳書の書き方

構成例

項目金額(円)
直接工事費15,000,000
共通仮設費1,500,000
現場管理費2,000,000
一般管理費等2,500,000
工事価格21,000,000
消費税等相当額2,100,000
工事費合計23,100,000

直接工事費の内訳例

工種金額(円)
土工事3,500,000
コンクリート工4,200,000
鉄筋工1,800,000
型枠工1,500,000
舗装工2,000,000
排水構造物工1,200,000
仮設工800,000
合計15,000,000

単価設定の考え方

材料費の設定

確認事項ポイント
市場価格の把握建設物価・積算資料で最新単価を確認
メーカー見積り3社以上から見積りを取得
数量割引大量発注による割引の交渉
運搬費の確認現場までの運搬距離を正確に把握
価格変動リスク鋼材・セメント等の市況変動を考慮

労務費の設定

項目確認ポイント
公共工事設計労務単価国交省が毎年公表(2月頃)
自社の実勢単価協力会社への支払い実績
歩掛の確認施工量あたりの必要人工数
時間外労働夜間・休日施工の割増を考慮
技能者の確保繁忙期の人手不足による単価上昇

機械費の設定

項目確認ポイント
レンタル料レンタル会社の見積りを取得
回送費現場への搬入搬出費
燃料費軽油単価×消費量
オペレーター費運転手付きか否か
稼働率天候等による非稼働日を考慮

利益確保のための単価設定ポイント

見積りと実行予算の関係

区分内容
見積金額発注者に提出する金額
実行予算実際に工事を行うために必要な金額
利益見積金額-実行予算

利益を確保するためには、見積金額と実行予算の差を適切に管理する必要があります。

利益率の目安

工事規模粗利益率の目安
小規模(1,000万円未満)15-25%
中規模(1,000万-5,000万円)10-20%
大規模(5,000万円以上)8-15%

利益率の相場については関連記事も参考にしてください。

コストダウンのポイント

(1) 施工方法の工夫 設計変更を伴わない範囲で、効率的な施工方法を検討します。機械の組み合わせや施工順序を工夫することでコストを下げられます。

(2) 材料調達の最適化 複数の供給元から見積りを取り、最適な調達先を選定します。まとめ発注による割引交渉も有効です。

(3) 協力会社の選定 品質と価格のバランスが良い協力会社を確保します。協力会社の選び方は利益に大きく影響します。

(4) 仮設費の精査 仮設費は現場条件で大きく変わります。過去の実績を踏まえ、必要十分な計画とします。

見積書提出時の注意点

公共工事の場合

  • 予定価格の調査基準価格(概ね70-90%)を下回ると低入札調査の対象になる
  • 低入札価格調査の対応準備が必要
  • 内訳書の工種・数量は設計書と整合させる
  • 諸経費率は積算基準に準拠する

民間工事の場合

  • 値引き交渉に備えた余裕を持つ
  • 除外条件(地中障害物の対応等)を明記する
  • 追加工事が発生した場合の単価取り決めを行う
  • 支払い条件(出来高払い・完成払い)を確認する

見積書作成のチェックリスト

  • 工事名・工事場所が正確に記載されているか
  • 見積りの有効期限が明記されているか
  • 数量と単位が設計図書と整合しているか
  • 仮設費・安全対策費を漏れなく計上しているか
  • 残土処分費や運搬費が実態を反映しているか
  • 消費税の計算が正しいか
  • 社印・代表者印が押印されているか(電子の場合は電子署名)

積算との連動

見積書は積算の結果をもとに作成します。積算精度を上げるためには、完了した工事の実績データを蓄積し、次回の積算にフィードバックすることが重要です。原価管理の仕組みを整えることで、見積精度は着実に向上します。

まとめ

土木工事の見積書は、正確な数量算出と妥当な単価設定に基づいて作成することが基本です。利益を確保しつつ競争力のある金額を提示するためには、材料・労務・機械の実勢価格を常に把握し、施工方法の工夫によるコストダウンを積み重ねることが大切です。

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