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土木工事のコンクリート品質管理|配合設計から養生まで
コンクリート品質管理の重要性
コンクリートは土木構造物の主要材料であり、その品質は構造物の耐久性と安全性を左右します。配合設計から打設、養生に至るまでの各工程で適切な品質管理を行うことが不可欠です。
本記事では、土木工事におけるコンクリートの品質管理のポイントを解説します。
コンクリートの品質管理項目
| 工程 | 管理項目 | 管理方法 |
|---|---|---|
| 配合設計 | 設計基準強度、水セメント比、スランプ、空気量 | 示方配合の決定 |
| 材料 | セメント、骨材、水、混和剤の品質 | 試験成績表の確認 |
| 製造(プラント) | 計量精度、練混ぜ | プラント検査 |
| 運搬 | 運搬時間、品質変化 | アジテータ車の管理 |
| 受入検査 | スランプ、空気量、圧縮強度、温度 | 現場での試験 |
| 打設 | 打込み高さ、締固め、打継目の処理 | 施工管理 |
| 養生 | 温度、湿度、養生期間 | 養生管理 |
配合設計の基本
配合設計で決めること
| 項目 | 内容 | 一般的な基準 |
|---|---|---|
| 設計基準強度 | 構造計算に用いる強度 | 18-30N/mm2(土木構造物) |
| 配合強度 | 設計基準強度に割増しした強度 | 設計基準強度+割増し |
| 水セメント比(W/C) | 水とセメントの重量比 | 55%以下(一般)、50%以下(耐久性確保) |
| スランプ | コンクリートの軟らかさ | 8-15cm(施工条件による) |
| 空気量 | 連行空気の量 | 4.5%(プラスマイナス1.5%) |
| 粗骨材の最大寸法 | 骨材の大きさ | 20mm、25mm、40mm |
水セメント比の設定
水セメント比はコンクリートの強度と耐久性を決定する最も重要な要素です。
| 条件 | 水セメント比の上限 |
|---|---|
| 一般の環境 | 55% |
| 塩害が想定される環境 | 50% |
| 凍結融解が想定される環境 | 50% |
| 化学的侵食がある環境 | 45% |
| 水密性が要求される場合 | 50% |
受入検査の方法
検査項目と基準
| 検査項目 | 試験方法 | 判定基準 | 検査頻度 |
|---|---|---|---|
| スランプ | JIS A 1101 | 許容差:8cm以下はプラスマイナス1.5cm、8超-18cmはプラスマイナス2.5cm | 打設日ごとに1回以上(150m3ごとに1回) |
| 空気量 | JIS A 1128 | 4.5%(プラスマイナス1.5%) | スランプ試験と同時 |
| 圧縮強度 | JIS A 1108 | 1回の試験結果が配合強度の85%以上、3回の平均が配合強度以上 | 打設日ごとに3本以上の供試体を作成 |
| コンクリート温度 | 温度計 | 35度C以下(暑中)、記録 | 打設時に随時 |
| 塩化物含有量 | カンタブ等 | 0.30kg/m3以下 | 打設日ごとに1回以上 |
受入検査で不合格の場合
スランプや空気量が基準を外れた場合は、そのアジテータ車の受入れを拒否します。施工計画書に不合格時の対応手順(返品、再試験の条件等)を明記しておきましょう。
打設管理
打設時の管理ポイント
| 項目 | 管理基準 |
|---|---|
| 練混ぜから打設完了まで | 外気温25度C未満:2時間以内、25度C以上:1.5時間以内 |
| 1層の打込み高さ | 40-50cm以下 |
| 自由落下高さ | 1.5m以下 |
| 締固め | 内部振動機(バイブレーター)の挿入間隔50cm以下、加振時間5-15秒 |
| 打継目の処理 | レイタンスの除去、散水による湿潤化 |
コールドジョイントの防止
コールドジョイントは、先に打設したコンクリートが固まり始めてから次のコンクリートを打設した場合に生じる不連続な打継面です。
| 防止策 | 内容 |
|---|---|
| 打重ね時間の管理 | 外気温25度C未満:2.5時間以内、25度C以上:2.0時間以内 |
| 適切な打設計画 | 打設順序、ポンプ車の配置を事前に計画 |
| バイブレーターの使用 | 下層のコンクリートに10cm程度挿入 |
暑中コンクリート・寒中コンクリート
暑中コンクリート(日平均気温25度C以上)
| 対策項目 | 内容 |
|---|---|
| 打込み温度 | 35度C以下 |
| 骨材の冷却 | 散水冷却、日覆い |
| 練混ぜ水の冷却 | 冷水の使用、氷の使用 |
| 運搬時間の短縮 | プラントの選定、運搬ルートの工夫 |
| 養生の強化 | 散水養生、養生マットの使用 |
寒中コンクリート(日平均気温4度C以下)
| 対策項目 | 内容 |
|---|---|
| 打込み温度 | 5-20度C |
| 練混ぜ水の加熱 | 40度C以下で加熱 |
| 養生温度 | 初期養生期間中は5度C以上を保つ |
| 保温養生 | ジェットヒーター、練炭、養生シートの使用 |
| 養生期間の延長 | 圧縮強度が5N/mm2に達するまで保温 |
養生管理
養生の種類
| 養生方法 | 内容 | 適用場面 |
|---|---|---|
| 湿潤養生 | 散水、養生マット | 標準的な養生 |
| 被膜養生 | 養生剤の散布 | 広い面積の養生 |
| 保温養生 | シート、ヒーター | 寒中コンクリート |
| 蒸気養生 | 蒸気による加温 | プレキャスト製品 |
湿潤養生期間の目安
| セメントの種類 | 日平均気温15度C以上 | 日平均気温10度C以上 |
|---|---|---|
| 普通ポルトランドセメント | 7日 | 9日 |
| 早強ポルトランドセメント | 5日 | 7日 |
| 混合セメント(B種) | 10日 | 12日 |
品質記録の管理
コンクリートの品質記録は、出来形管理とともに完成図書に含まれます。以下の記録を確実に残しましょう。
- 配合計画書(配合報告書)
- 受入検査記録(スランプ、空気量、温度、塩化物量)
- 圧縮強度試験結果(材齢7日、28日)
- 打設記録(打設日時、気温、打設量、バッチ数)
- 養生記録(養生方法、養生期間、温度記録)
- 品質管理写真
まとめ
コンクリートの品質管理は、配合設計から養生までの一連の工程で適切な管理を行うことが重要です。特に受入検査でのスランプ・空気量の確認、打設時の温度管理と締固め、適切な養生期間の確保が品質を左右する3つの重要ポイントです。品質管理計画に基づき、確実な管理を実践しましょう。
