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建設業のクラウドストレージ活用術|図面・書類の共有管理

建設業のクラウドストレージ活用術|図面・書類の共有管理

建設業の書類管理の現状

土木工事会社では、1つの工事で大量の書類や図面を扱います。設計図、施工計画書、品質管理記録、安全書類、工事写真、打合せ簿など、その種類は多岐にわたります。

これらの書類を紙やローカルPCで管理していると、以下のような問題が発生します。

問題具体的な状況
最新版が分からない同じ図面の古いバージョンで施工してしまう
現場で閲覧できない事務所に戻らないと図面を確認できない
共有に手間がかかるメールで送信するがファイルサイズ制限に引っかかる
バックアップがないPCの故障でデータが消失するリスク
検索に時間がかかるどのフォルダに保存したか分からない

クラウドストレージを活用すれば、これらの問題を解決できます。

クラウドストレージの基本的な仕組み

クラウドストレージは、インターネット上のサーバーにデータを保存するサービスです。PC、スマートフォン、タブレットなど複数の端末からアクセスでき、データはサービス提供者のサーバーに安全に保管されます。

項目ローカル保存クラウドストレージ
アクセス保存した端末のみどの端末からでも
バックアップ自分で実施自動(冗長化あり)
共有メールやUSBで受け渡しURLの共有だけでOK
バージョン管理ファイル名で管理(最終版_2.xlsx等)自動でバージョン履歴を保持
容量PCのHDD/SSD容量に依存プランに応じて拡張可能

建設業で使える主要サービス

汎用クラウドストレージ

サービス名無料容量有料プラン特徴
Google Drive15GB月額数百円-Googleアプリとの連携が強い
Microsoft OneDrive5GBMicrosoft365に含まれるExcel、Wordとの連携が良い
Dropbox2GB月額数百円-シンプルな操作性
Box10GB(個人)月額数百円-セキュリティ機能が充実

建設業特化型サービス

サービス名特徴
ANDPAD施工管理と一体化した書類管理
Photoruction図面管理と写真管理に特化
SPIDERPLUS図面へのマーキングや検査記録が可能

図面管理での活用方法

フォルダ構成のルール

クラウドストレージを効果的に使うには、フォルダ構成のルールを最初に決めておくことが重要です。

階層フォルダ名の例内容
第1階層工事名(工事番号)工事ごとのフォルダ
第2階層01_契約関係書類の種類ごとに分類
第2階層02_設計図書発注者からの設計図
第2階層03_施工計画書施工計画書とその資料
第2階層04_品質管理品質管理記録
第2階層05_安全管理安全書類、KY記録
第2階層06_工事写真写真データ
第2階層07_打合せ打合せ簿、議事録

バージョン管理のルール

図面の改訂管理は、建設業では特に重要です。

方法運用ルール
ファイル名にバージョンを付ける例: 平面図_v1.0.pdf、平面図_v2.0.pdf
クラウドの履歴機能を使うファイルを上書き保存し、履歴から旧版を確認
最新版フォルダと履歴フォルダを分ける最新版のみを参照するフォルダを用意

現場での活用シーン

シーン活用方法
現場で図面を確認タブレットからクラウド上の図面を閲覧
発注者との協議その場で図面を表示して説明
設計変更の共有変更図面をアップロードするだけで全員に共有
日報の提出現場から日報データをクラウドにアップロード
安全書類の確認協力会社の安全書類をクラウド上で確認

セキュリティ対策

建設業のデータには、発注者の設計情報や入札情報など機密性の高いものが含まれます。セキュリティ対策は必ず行いましょう。

対策内容
アクセス権限の設定フォルダごとに閲覧・編集権限を設定
パスワードポリシー強固なパスワードの設定を義務化
二段階認証ログイン時にスマートフォンでの認証を追加
端末紛失時の対策リモートワイプ(遠隔データ消去)の設定
退職者のアカウント管理退職時に速やかにアカウントを削除
共有リンクの管理外部共有リンクに有効期限を設定

導入の進め方

ステップ内容ポイント
1. サービス選定自社の規模と用途に合ったサービスを選ぶ無料プランで試用してから決める
2. ルール策定フォルダ構成、命名規則、権限設定のルールを決める最初に決めておかないと後から整理が大変
3. データ移行既存のデータをクラウドに移行不要なデータは移行しない
4. 操作研修全社員にクラウドストレージの使い方を説明特にスマホからのアクセス方法
5. 運用開始新規工事からクラウド管理を開始既存工事は順次移行

まとめ

クラウドストレージは、建設業の図面・書類管理を大幅に改善できるツールです。特に複数現場を管理している会社では、現場と事務所の情報共有がリアルタイムになり、業務効率が向上します。

まずは汎用サービスの無料プランから始めて、運用に慣れてから建設業特化型サービスへの移行を検討するのも良い方法です。

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