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安全衛生責任者の選任と職務内容【建設業】

安全衛生責任者の選任と職務内容【建設業】

安全衛生責任者とは

安全衛生責任者は、建設業の下請事業者が選任する安全管理の責任者です。労働安全衛生法第16条に基づき、元請の統括安全衛生責任者と連絡調整を行い、自社の作業員の安全衛生管理を担います。

建設現場では、元請と複数の下請が混在して作業を行うため、各社の安全管理体制を明確にし、現場全体の安全を確保する仕組みが必要です。

安全管理体制の全体像

建設現場の安全管理者の種類

役職選任する事業者選任基準根拠法令
統括安全衛生責任者元請(特定元方事業者)常時50人以上の現場安衛法第15条
元方安全衛生管理者元請(特定元方事業者)統括安全衛生責任者を選任した現場安衛法第15条の2
安全衛生責任者下請(関係請負人)統括安全衛生責任者が選任された現場安衛法第16条
安全衛生推進者各事業者常時10人以上50人未満の事業場安衛法第12条の2
作業主任者各事業者法令で定める危険作業時安衛法第14条

選任が必要な現場の規模

工事の種類統括安全衛生責任者が必要な人数
ずい道等の建設常時30人以上
橋梁の建設(一定規模)常時30人以上
圧気工法による作業常時30人以上
上記以外の建設工事常時50人以上

統括安全衛生責任者が選任された現場では、全ての下請事業者が安全衛生責任者を選任しなければなりません。

安全衛生責任者の職務

主な職務内容

職務具体的な内容
連絡調整統括安全衛生責任者との連絡・協議への参加
連絡事項の伝達安全衛生に関する指示事項を自社作業員に周知
作業場所の巡視自社作業員の作業場所の安全確認
協議会への参加安全衛生協議会(災害防止協議会)への出席
作業計画の報告自社の作業計画を元請に報告
教育の実施自社作業員への安全教育の実施・管理

日常業務のスケジュール例

時間帯業務内容
作業開始前朝礼参加、KY活動の指導・確認
午前中作業場所の巡視、危険箇所の確認
昼休み後午後の作業内容の確認、注意事項の伝達
作業終了後作業報告の取りまとめ、翌日の作業打合せ
定期安全衛生協議会への出席(週1回程度)

安全衛生責任者の資格要件

安全衛生責任者には法令上の資格要件はありませんが、安全衛生責任者教育(14時間)の受講が推奨されています。

安全衛生責任者教育のカリキュラム

科目時間
建設業における安全衛生の現状1.5時間
安全衛生責任者の職務と役割1.5時間
統括安全衛生管理の進め方3時間
危険性又は有害性の調査3時間
安全衛生の教育方法1.5時間
関係法令1.5時間
災害事例研究2時間
合計14時間

なお、職長教育と安全衛生責任者教育は併せて実施されることが一般的で、「職長・安全衛生責任者教育」として合計14時間のカリキュラムで受講できます。

選任届の提出

提出書類

安全衛生責任者を選任した場合は、元請事業者に対して以下の書類を提出します。

  • 安全衛生責任者選任届(現場ごと)
  • 安全衛生責任者教育の修了証の写し
  • 下請負業者編成表への記載

労働基準監督署への届出は不要ですが、元請から提出を求められる施工体制台帳には記載が必要です。

変更時の対応

安全衛生責任者を変更した場合は、速やかに元請事業者に届け出ます。不在時の代理者もあらかじめ選任しておきましょう。

安全衛生責任者が押さえるべき実務ポイント

(1) 安全衛生協議会での役割

安全衛生協議会(災害防止協議会)は、元請が月1回以上開催します。安全衛生責任者は以下の内容を把握し、自社作業員に伝達します。

  • 工事全体の進捗と今後の作業予定
  • 他社の作業との重複・干渉箇所
  • 安全パトロールの指摘事項
  • 季節に応じた安全対策(熱中症対策など)

(2) 新規入場者教育の管理

自社の作業員が現場に新規入場する際は、新規入場者教育の実施を管理します。教育記録の作成と保管も安全衛生責任者の重要な業務です。

(3) 作業主任者との連携

特別教育が必要な作業や作業主任者の配置が必要な作業では、作業主任者と連携して安全管理を行います。

まとめ

安全衛生責任者は、下請事業者における安全管理の要です。元請との連絡調整を密にし、自社作業員の安全確保に努めることが求められます。選任後は教育を受講し、日々の安全活動に活かしていきましょう。

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